就労移行支援「実績」のカラクリとは?就職率の真実と失敗しない選び方

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就労移行支援事業所を選ぶ時、事業所が公表する「就職実績」「定着率」「就職率」などの数字は、選択の重要な判断材料です。

「事業所の実績の数字を、どう読み解くか」

「数字の裏に、どんなカラクリがあるか」

「本当に質の高い事業所を、見極めたい」

「自分に合う事業所を、選ぶための視点を知りたい」

と気になる方は多いものです。

事業所の実績は、本当の支援の質を反映していることもあれば、見た目を整えるために操作されていることもあります。

カラクリを理解することで、本質的に良い事業所を選ぶ判断力が、養われます。

本記事では、実績の数字の読み方、カラクリの実態、事業所選びの戦略について整理します。

就労移行支援事業所の基本

就労移行支援事業所の基本を整理します。

就労移行支援事業所は、障害者総合支援法に基づく、就労を目指す障害者向けの福祉サービスです。

最長2年間の利用が可能で、ビジネスマナー、パソコンスキル、職場体験、就職活動のサポートなどが、提供されます。

利用料は、原則として無料、または所得に応じた自己負担で、利用できます。

事業所の運営は、社会福祉法人、株式会社、NPO法人などが行っており、運営主体によって、支援の質、特徴が大きく異なります。

LITALICOワークス、Manaby、ATARAXIA、ニューロワークス、ウェルビー、Cocorport、ミラトレ、ココルポートなどが、全国展開する大手の事業所です。

地域に根ざした、独立した事業所も、多数あります。

事業所選びは、就職、長期就労の成否に直結する、重要な選択です。

公表されている実績の数字

公表されている実績の数字を整理します。

数字1、就職率。

「就職率90パーセント」「年間就職者数200名」などの数字が、公表されます。

数字2、定着率。

「定着率85パーセント」「6か月定着率80パーセント」「12か月定着率70パーセント」などの数字が、公表されます。

数字3、就職先の業界、業種。

「IT業界10名」「金融業界15名」「サービス業20名」などの数字が、公表されます。

数字4、就職先の雇用形態。

「正社員50パーセント」「契約社員30パーセント」「パート20パーセント」などの内訳が、公表されます。

数字5、就職までの期間。

「平均就職期間6か月」などの数字が、公表されます。

これらの数字は、事業所のホームページ、パンフレット、説明会などで、公表されます。

実績の数字に潜むカラクリ

実績の数字に潜むカラクリを整理します。

カラクリ1、就職率の母数の操作。

「就職率」の計算では、母数となる利用者の定義が、事業所によって異なります。

「就職活動を始めた利用者」のみを母数とする、いわゆる「就職活動意欲のある利用者の中での就職率」と、「全利用者」を母数とする「全体の就職率」では、数字が大きく異なります。

「6か月以上通所した利用者」「事業所のプログラムを修了した利用者」のみを母数とすることで、就職率が高く見えるカラクリがあります。

カラクリ2、就職の定義の操作。

「就職」の定義が、事業所によって異なります。

「正社員、契約社員、パート、就労継続支援A型」などを、すべて「就職」として計上する事業所があります。

雇用形態の質、給与水準、勤務時間などが、考慮されない場合があります。

カラクリ3、定着率の期間の操作。

「定着率」の計算期間が、事業所によって異なります。

「3か月定着率」「6か月定着率」「12か月定着率」では、数字が大きく異なります。

「6か月以上の定着」を「定着」と定義する事業所もあれば、「3か月以上の定着」を定義する事業所もあります。

長期就労、いわゆる3年以上の定着率を公表する事業所は、少ないものです。

カラクリ4、就職先の質の不透明性。

「就職率」だけが強調され、就職先の質、給与水準、合理的配慮の体制、長期就労の可能性などが、不透明な場合があります。

合理的配慮の薄い職場、給与水準の低い職場、短期離職のリスクが高い職場への就職も、「就職」として計上される場合があります。

カラクリ5、特定の利用者への支援の集中。

「就職可能性が高い」と判断された利用者に、支援を集中させ、就職率を高く見せる事業所があります。

「支援が難しい」と判断された利用者は、就職活動への動機づけが薄くなる、または事業所からの退所を促されることがあります。

カラクリ6、複数事業所の合計、または特定事業所のみの数字。

全国展開する大手事業所では、複数の事業所の合計数字、または最も成績の良い事業所のみの数字を、全体として公表することがあります。

実際に通う事業所の実績とは、異なる可能性があります。

カラクリ7、過去の就職実績の長期間集計。

過去5年、10年などの累計数字を、年間実績として見せることがあります。

最近の実績、または直近の年度の実績は、異なる可能性があります。

数字を読み解くポイント

数字を読み解くポイントを整理します。

ポイント1、母数、定義を、確認する。

「就職率の母数は、何ですか」「就職の定義は、どうですか」「定着率の期間は、何か月、何年ですか」と、率直に質問します。

ポイント2、就職先の質を、確認する。

「就職先の雇用形態は」「給与水準は」「合理的配慮の体制は」「長期就労の実績は」と、確認します。

ポイント3、長期就労、3年以上、5年以上の定着率を、確認する。

「6か月、または12か月の短期定着率」だけでなく、「3年、5年の長期定着率」も、確認します。

長期就労を重視する事業所は、これらの数字を、公表できる体制があります。

ポイント4、特定の利用者層への支援を、確認する。

「精神障害の方の支援実績」「発達障害の方の支援実績」「身体障害の方の支援実績」「30代以上、40代以上の方の就職実績」など、自分の状況に近い利用者の実績を、確認します。

ポイント5、現在通っている事業所の数字を、確認する。

「全社の合計」ではなく、「実際に通う事業所の数字」を、確認します。

「最近1年、または2年の数字」を、確認します。

質の高い事業所の見極め方

質の高い事業所の見極め方を整理します。

見極め方1、見学、体験で、実際の雰囲気を確認する。

事業所の見学、体験で、支援員の対応、利用者の雰囲気、プログラムの質を、自分の体で確認します。

複数の事業所を見学することで、比較ができます。

見極め方2、支援員、ジョブコーチの質を、確認する。

「支援員、ジョブコーチの経験、専門性」「精神障害、発達障害への対応実績」「過去の利用者へのフォロー体制」を、確認します。

見極め方3、プログラムの内容、質を、確認する。

「ビジネスマナー、パソコンスキル、職場体験、企業実習、就職活動のサポートなどのプログラムの質」を、確認します。

プログラムが、実践的で、業界の最新動向に対応しているかを、判断します。

見極め方4、企業との繋がりを、確認する。

「企業との繋がり、職場体験、企業実習の機会、就職先のネットワーク」を、確認します。

企業との繋がりが豊富な事業所は、就職、長期就労の支援が、充実しています。

見極め方5、卒業生、利用者の声を、確認する。

「卒業生の声、利用者の感想、口コミ」を、確認します。

ホームページの公式の声だけでなく、SNS、ブログ、Yahoo!知恵袋、X、または当事者会などでの、現職、または過去の利用者の声を、確認します。

見極め方6、退所後のフォロー、就労定着支援を、確認する。

「卒業後のフォロー、就労定着支援の継続性」を、確認します。

最長3年間の就労定着支援が、別途あります。

これを提供する事業所、または提携している事業所が、長期就労の支援に強いものです。

見極め方7、地域の他のサポート機関との連携を、確認する。

「地域障害者職業センター、ハローワーク、エージェント、医療機関、当事者会との連携」を、確認します。

連携が密な事業所は、総合的なサポートが、可能です。

自分に合う事業所を、選ぶ視点

自分に合う事業所を、選ぶ視点を整理します。

視点1、自分の障害特性に、適した支援があるか。

精神障害、発達障害、身体障害、難病など、自分の障害特性に対応した支援実績がある事業所を、選びます。

視点2、自分の目指す業界、職種に、繋がりがあるか。

「IT業界に強い」「事務職に強い」「専門職に強い」など、自分の目指す業界、職種への繋がりがある事業所を、選びます。

視点3、通いやすい立地。

「自宅から通いやすい立地」「公共交通機関でのアクセス」「通所のしやすさ」を、判断します。

視点4、支援員、ジョブコーチとの相性。

「自分の特性を理解してくれる」「丁寧に対応してくれる」「信頼できる」支援員、ジョブコーチがいるかを、判断します。

視点5、長期就労の支援の継続性。

「卒業後のフォロー、就労定着支援、長期就労への意識」が、整っているかを、判断します。

まとめ

就労移行支援事業所の実績のカラクリとして、就職率の母数の操作、就職の定義の操作、定着率の期間の操作、就職先の質の不透明性、特定利用者への支援の集中、複数事業所の合計、長期間の累計などがあります。

数字を読み解くポイントとして、母数、定義の確認、就職先の質、長期就労の定着率、特定の利用者層への支援、現在通う事業所の数字などがあります。

質の高い事業所の見極め方として、見学、体験、支援員、ジョブコーチの質、プログラムの質、企業との繋がり、卒業生、利用者の声、退所後のフォロー、地域連携などがあります。

自分に合う事業所を選ぶ視点として、障害特性に適した支援、目指す業界、職種への繋がり、通いやすい立地、支援員との相性、長期就労の支援の継続性などがあります。

LITALICOワークス、Manaby、ATARAXIA、ニューロワークス、ウェルビー、Cocorport、ミラトレ、ココルポートなどの全国展開する事業所、地域に根ざした独立した事業所、複数の事業所を比較しながら、自分に合う事業所を選びます。

dodaチャレンジ、アットジーピー、サーナ、ランスタッドチャレンジド、LITALICOワークス、Manaby Worksなどの障害者専門エージェント、ハローワーク、地域障害者職業センター、障害者就業生活支援センター、主治医、家族、当事者会のサポートも、組み合わせて活用します。

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