難病がある方が週20時間未満で働ける仕事の選択肢

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膠原病、関節リウマチ、潰瘍性大腸炎、クローン病、線維筋痛症、慢性疲労症候群など、難病を抱えながら働きたいと考えている方は少なくありません。 体調の波が大きく、毎日フルタイムで働くのは難しいけれど、家にこもって何もしないのも辛い、できる範囲で社会とつながりたい、収入も少しは得たいと願っている方も多いでしょう。 週20時間未満という短時間勤務であれば、難病の治療と両立しやすく、無理なく社会参加できる選択肢となります。 ここでは、難病がある方が週20時間未満で働ける仕事の種類や、利用できる支援制度、長く続けるためのポイントについて詳しく解説していきます。

週20時間未満で働くという選択

まず、なぜ週20時間未満という働き方が、難病がある方にとって有意義な選択肢となるのかを整理しておきましょう。

難病は、体調の波が大きいことが特徴です。 症状が落ち着いている時期もあれば、急激に悪化する時期もあり、毎日同じペースで働き続けることが難しい方が多くいます。 週20時間未満の働き方であれば、体調に合わせて柔軟に休んだり、出勤日を調整したりしやすくなります。

治療や通院との両立がしやすいことも、大きなメリットです。 難病の多くは、定期的な通院、薬物療法、点滴治療、リハビリなど、継続的な医療を必要とします。 短時間勤務であれば、平日の昼間に通院する時間を確保しやすくなります。

体力面の負担を減らせることも、長く働き続けるための重要なポイントです。 フルタイムで働くと、仕事だけで一日のエネルギーを使い切ってしまい、家事や治療に回すエネルギーが残らないことがあります。 週20時間未満であれば、仕事以外の生活も維持しやすくなります。

社会とのつながりを保てることも、精神的な意味で大きな価値があります。 完全に仕事を辞めて家にこもると、社会から孤立してしまい、メンタル面の不調を招くこともあります。 少しでも働くことで、社会の一員として活動している実感を持てます。

経済的な支援にもなります。 収入は限られますが、難病のための医療費負担を考えると、わずかでも収入があることは家計の助けとなります。

法定雇用率の算定対象になる短時間労働

2024年4月からの障害者雇用促進法の改正により、週10時間以上20時間未満で働く重度身体障害者、重度知的障害者、精神障害者が、法定雇用率の算定対象として新たに加わりました。

これらの方々は、雇用率上は0.5人としてカウントされる仕組みになっています。 企業にとっては、短時間労働でも法定雇用率の達成に貢献するため、短時間勤務の求人を出すインセンティブが高まっています。

難病が原因で身体障害者手帳や精神障害者保健福祉手帳を取得している方は、この制度の対象となる可能性があります。 障害者雇用枠で短時間勤務の求人に応募できるため、選択肢が広がっています。

ただし、難病があっても障害者手帳を取得していない方も多くいます。 その場合は、難病患者等就職サポーターなど、別の支援窓口を活用することができます。

難病がある方に向いている職種

週20時間未満で働ける、難病がある方に向いている職種を見ていきましょう。

事務職のパートタイム勤務は、最も一般的な選択肢の一つです。 データ入力、書類整理、ファイリング、簡単な経理事務、受付業務など、座って取り組める業務が中心です。 体力的な負担が少なく、難病の方にも続けやすい仕事です。

在宅でできる仕事も、非常に魅力的な選択肢です。 クラウドソーシングを通じて、ライティング、データ入力、簡単な事務作業、テープ起こしなどの業務を、自宅で短時間取り組むことができます。 通勤の負担がなく、体調に合わせて作業時間を調整できる点が大きなメリットです。

Webライターやコラム執筆は、自分のペースで進められる仕事です。 記事の納期は決まっていますが、執筆時間は自分で決められるため、体調が良い時間帯に集中して取り組めます。 専門知識や経験がある分野で書ければ、比較的高い単価の案件も狙えます。

データ入力や文字起こしも、在宅で短時間取り組める仕事です。 特別なスキルがなくても始められ、自分のペースで進められます。

オンラインアシスタントやオンライン秘書という職種も、近年広がっています。 企業の経営者や個人事業主のサポート業務を、リモートで短時間行う仕事です。

カスタマーサポートのチャット対応も、在宅で短時間できる仕事です。 電話ではなくチャットでの対応に特化した求人もあり、声を出すのが負担な方にも向いています。

簡単なプログラミングやWebサイト更新の仕事も、選択肢の一つです。 基本的なスキルを身につければ、フリーランスとして在宅で短時間取り組めます。

図書館やブックカフェのパート勤務も、難病がある方に向いている仕事です。 静かで落ち着いた環境で、座って取り組める業務が中心となります。

在宅ワークの始め方

在宅ワークは、難病がある方にとって最も現実的な選択肢の一つです。 具体的な始め方を見ていきましょう。

クラウドソーシングサイトに登録することから始めましょう。 ランサーズ、クラウドワークス、ココナラ、サグーワークスなど、複数のサイトがあります。 登録は無料で、自分のスキルや興味に合わせて仕事を選べます。

最初は、特別なスキルを必要としない簡単な案件から始めるのがおすすめです。 データ入力、アンケート回答、文字起こし、簡単なライティングなど、初心者でも取り組める案件は多くあります。

実績を積みながら、徐々に単価の高い仕事を狙っていきます。 クラウドソーシングサイトでは、過去の実績や評価が新規案件の獲得に影響するため、最初は単価が低くても丁寧に取り組むことが大切です。

自分の専門性を活かせる仕事を探すことも有効です。 これまでの職歴で培った知識やスキル、難病当事者としての視点など、自分ならではの強みを活かせる案件を探してみましょう。

ブログやSNSで情報発信することも、長期的には収入につながる活動です。 自分の経験や知識を発信していくことで、ファンが増え、執筆依頼や講演依頼などにつながることもあります。

ココナラなどのスキルマーケットで、自分のスキルを商品として販売することもできます。 ライティング、デザイン、相談相手、占いなど、様々なスキルが取引されています。

障害者雇用枠の活用

難病があり、障害者手帳を取得している方は、障害者雇用枠での短時間勤務を検討する価値があります。

身体障害者手帳の取得は、難病による身体機能の障害があれば可能です。 膠原病、関節リウマチ、内部障害などで日常生活に支障がある場合、手帳の対象となります。

精神障害者保健福祉手帳は、難病に伴うメンタル不調や、難病そのものが精神保健福祉法に基づき認められている疾患の場合に取得できます。

障害者雇用枠の求人では、合理的配慮を受けながら働けることが最大のメリットです。 通院への配慮、業務量の調整、休憩時間の確保、テレワークの活用など、自分が必要とする配慮を受けやすくなります。

近年は、障害者雇用枠での短時間勤務求人が増えています。 2024年4月からの法定雇用率の引き上げと、週10時間以上20時間未満の労働者も算定対象になったことで、企業側も短時間勤務の求人を出すメリットが大きくなりました。

特例子会社という選択肢もあります。 親会社の実雇用率に算入できる障害者の雇用に特別な配慮をした子会社で、難病がある方にも配慮された業務環境が整っています。

難病患者等就職サポーター

難病があり、障害者手帳を取得していない方が利用できる支援として、難病患者等就職サポーターがあります。

難病患者等就職サポーターは、ハローワークに配置されている専門の相談員で、難病がある方の就労を支援する役割を担っています。 全国の主要なハローワークに配置されており、無料で相談できます。

難病の特性を理解した上で、自分に合った求人を一緒に探してくれます。 業務内容、勤務時間、職場環境など、難病がある方が長く働き続けられる条件を考慮した求人選びをサポートしてくれます。

応募書類の書き方や面接対策も、難病の特性を踏まえてアドバイスしてもらえます。 病気のことをどう伝えるか、必要な配慮をどう求めるかなど、具体的な相談ができます。

就職後の定着支援も行ってくれます。 入社後に職場で困ったことがあれば、サポーターが間に入って職場と調整してくれることもあります。

ハローワークだけでなく、難病相談支援センターでも就労相談を受け付けています。 医療面と就労面を総合的に相談できる窓口として、活用する価値があります。

短時間勤務で利用できる経済的支援

週20時間未満で働く場合、収入だけでは生活が成り立たないこともあります。 利用できる経済的支援を知っておきましょう。

障害年金は、難病で日常生活や仕事に支障が出ている方が受給できる年金です。 障害基礎年金2級で月約6万6000円、1級で月約8万2000円が支給されます。 難病でも障害年金の対象となる場合があるため、年金事務所で相談してみる価値があります。

特定医療費助成制度は、指定難病に該当する方の医療費の自己負担を軽減する制度です。 所得に応じて月額の自己負担上限が設定され、それを超える分は公費で負担されます。 医療費の心配を減らしながら、治療を継続できます。

自立支援医療制度は、精神疾患の治療費の自己負担を3割から1割に軽減する制度です。 難病に伴うメンタル不調で精神科に通院している場合、利用できます。

雇用保険の高年齢求職者給付金や、傷病手当の活用も検討できます。 状況に応じて、利用できる制度を組み合わせて活用しましょう。

生活保護も、最終的なセーフティネットとして存在します。 収入が最低生活費に満たず、貯金もない場合は、福祉事務所で相談することができます。 短時間勤務での収入があっても、不足分を補う形で生活保護を受給できる場合があります。

住居確保給付金は、家賃の支払いが難しい方を支援する制度です。 原則3カ月、最長9カ月の家賃相当額が支給されます。

これらの制度を組み合わせることで、週20時間未満の短時間勤務でも、安心して生活を続けられます。

応募時の伝え方

短時間勤務の求人に応募する際、難病についてどう伝えるかも重要なポイントです。

障害者雇用枠で応募する場合は、難病について率直に伝えることが基本です。 病名、現在の症状、必要な配慮、自分でできる対処法などを、応募書類や面接で伝えます。

一般雇用枠で応募する場合は、開示するかどうかを慎重に判断します。 開示することで採用に不利になる可能性もありますが、必要な配慮を受けるためには伝えておく方が安全です。

伝え方は、ポジティブな表現を心がけましょう。 こんな配慮があれば力を発揮できますといった形で、前向きに伝えます。 症状を詳しく説明しすぎる必要はなく、業務に関係する範囲で伝えれば十分です。

具体的な配慮内容を明確に伝えることが大切です。 週3日勤務を希望します、午前中のみの勤務を希望します、月1回半日の通院休暇が必要ですなど、具体的な条件を伝えましょう。

応募する企業がどの程度配慮できるかは、企業によって大きく異なります。 最初から無理な要求はせず、お互いに歩み寄れる条件を探していくことが大切です。

長く働き続けるためのポイント

短時間勤務でも長く働き続けるためのポイントを見ていきましょう。

自分の体調を客観的に把握する習慣をつけることが基本です。 日々の症状、疲労度、気分の変化などを記録しておくことで、無理をしすぎる前に対処できます。

主治医との連携を継続しましょう。 症状の変化を医師と共有し、必要に応じて治療方針を調整してもらいます。 仕事の状況も伝えることで、医学的な視点からのアドバイスを受けられます。

無理をしないことを、自分のルールとして守りましょう。 今日は調子が悪いと感じたら、休む勇気を持つことが大切です。 無理をして悪化させると、回復に時間がかかり、結果的に長く休まなければならなくなります。

職場の人との関係を築いておくことも大切です。 自分の状況を理解してくれる上司や同僚がいると、急な体調不良への対応もスムーズになります。

定期的に働き方を見直すことも忘れないでください。 症状が悪化した場合は勤務時間を減らす、安定している場合は少し勤務時間を増やすなど、柔軟に調整していきましょう。

社会保障制度の活用を続けることも大切です。 特定医療費助成制度、障害年金、自立支援医療制度など、利用できる制度を継続的に活用することで、経済的な不安を減らせます。

まとめ

難病があっても、週20時間未満の短時間勤務であれば、治療と仕事を両立しやすく、無理なく社会参加できます。 事務職のパート、在宅ワーク、クラウドソーシング、障害者雇用枠の短時間勤務など、選択肢は広がっています。 難病患者等就職サポーター、ハローワーク、就労移行支援事業所などの支援機関を活用しながら、自分に合った仕事を見つけていきましょう。 障害年金、特定医療費助成制度、生活保護などの経済的支援を組み合わせることで、安心して短時間勤務を続けられる環境を整えていけます。

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