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近年、企業の人的資本開示が注目される動きが広がっています。
社員の状況、ダイバーシティへの取り組み、人材育成の方針などを、企業が積極的に公開することが求められる時代になりました。
転職活動を進める障がいのある方にとって、人的資本開示は企業の障害者雇用への取り組みを判断する貴重な情報源となります。
開示された情報から、本当に障害者雇用に積極的な大手企業を見極めることで、長期就労を支える職場選びが可能になります。
ここでは、人的資本開示の基本、障害者雇用に関する情報の見方、求人選びへの活用方法までをわかりやすく解説します。
人的資本開示とはどのような取り組みか
人的資本開示は、企業が自社の人材に関する情報を、投資家や社会に向けて公表する取り組みです。
財務情報だけでなく、人材という非財務情報も、企業の価値を判断する大切な要素として認識されるようになりました。
2023年以降、上場企業を中心に、人的資本に関する情報の有価証券報告書での開示が義務付けられるなど、制度的な整備も進んでいます。
開示される主な情報として、いくつかの項目があります。
人材育成の方針、研修制度、キャリア開発の取り組みなどが含まれます。
ダイバーシティに関する取り組みも重要な項目です。
女性管理職の比率、外国人社員の割合、障害者雇用率、LGBTQに関する施策などが開示されます。
社員の働き方に関する情報もあります。
平均勤続年数、離職率、有給休暇取得率、残業時間、テレワーク導入状況などが含まれます。
健康経営に関する情報も開示されます。
社員の健康管理、メンタルヘルスケア、ストレスチェックの実施状況などが該当します。
これらの情報を通じて、企業の人材への取り組みを多角的に理解できる仕組みが整っています。
障害者雇用に関する開示情報
人的資本開示のなかで、障害者雇用に関連する情報は特に注目すべき項目です。
障害者雇用率の実績が、最も基本的な情報です。
法定雇用率2.7パーセントを達成しているか、それを上回っているかが、企業の積極性を判断する材料となります。
雇用している障害者の人数や雇用形態も開示される場合があります。
正社員、契約社員、パートタイムなど、雇用形態の構成から、長期就労の支援姿勢が見えてきます。
合理的配慮の取り組みも開示される項目です。
具体的な配慮事例、サポート体制、産業医や保健師の配置状況などから、組織的な取り組みのレベルが判断できます。
定着率や勤続年数も重要な指標です。
障害者雇用枠の社員の平均勤続年数、定着率の傾向から、長く働き続けやすい環境かが見えてきます。
研修や育成の取り組みも含まれます。
障害者雇用枠の社員へのキャリア開発、スキルアップ支援、管理職登用などの状況から、長期的な成長を支える環境かが判断できます。
特例子会社の運営状況も開示される場合があります。
特例子会社を持つ大手企業は、その運営状況も含めて人的資本の一部として開示することがあります。
これらの情報を総合的に見ることで、企業の障害者雇用への姿勢が見えてきます。
大手企業を見極めるポイント
開示情報から障害者雇用に積極的な大手企業を見極めるポイントを紹介します。
法定雇用率を大きく上回る企業に注目しましょう。
2.7パーセントの法定雇用率を超えて、3パーセントや4パーセント以上を達成している企業は、義務を超えた取り組みをしていると判断できます。
具体的な配慮事例を公開している企業も信頼できます。
抽象的な記述ではなく、具体的な配慮の内容、サポート体制、実際の運用事例を公開している企業は、組織として本気で取り組んでいる可能性が高くなります。
長期勤続者の存在を公開している企業も注目すべきです。
10年以上の勤続者、管理職登用された方など、長く活躍している社員の事例を紹介している企業は、長期就労を支える環境が整っていると判断できます。
DE&I推進部署を設置している企業も信頼できます。
ダイバーシティ、エクイティ、インクルージョンを推進する専任部署があり、経営層からの明確なメッセージが発信されている企業は、組織的な取り組みが進んでいます。
第三者認定を受けている企業も判断材料になります。
もにす認定、健康経営優良法人、PRIDE指標など、複数の第三者認定を受けている企業は、組織的な取り組みが本気である可能性が高くなります。
社員の声を公開している企業も信頼できます。
障害者雇用枠の社員のインタビュー、働き方の紹介、職場の雰囲気などを公開している企業は、透明性の高い姿勢を持っています。
数値目標を明示している企業も注目できます。
障害者雇用率の目標、女性管理職比率、定着率の目標など、具体的な数値目標を明示し、達成状況を継続的に報告している企業は、本気度が高いといえます。
情報を確認する具体的な方法
企業の人的資本開示情報を確認する具体的な方法を紹介します。
統合報告書を読みましょう。
多くの上場企業は、毎年統合報告書を発行しており、人的資本に関する情報がまとめられています。
企業のホームページから無料で閲覧できます。
サステナビリティレポートも参考になります。
ESGの取り組みをまとめたサステナビリティレポートには、ダイバーシティや人材への取り組みが詳しく記載されることが多くあります。
有価証券報告書を確認しましょう。
上場企業の有価証券報告書には、人的資本に関する情報の開示が義務付けられています。
EDINETという金融庁のシステムから無料で閲覧できます。
採用ページの情報も活用しましょう。
企業の採用ページには、障害者雇用に関する情報、配慮の事例、社員インタビューなどが掲載されることが多くあります。
DE&Iレポートを公開している企業もあります。
ダイバーシティへの取り組みに特化したレポートを発行する企業もあり、より詳細な情報が得られます。
口コミサイトや社員レビューサイトも参考になります。
実際に働いている社員や元社員の声から、開示情報だけでは見えない実態が把握できます。
ただし、口コミは個人の主観も含まれるため、複数の情報源で総合的に判断することが大切です。
求人選びへの活用方法
人的資本開示情報を、転職活動の求人選びにどう活かすかを紹介します。
応募候補の企業をリストアップする際の判断材料に活用しましょう。
複数の企業を比較する際、人的資本開示の情報を参考に、長期就労できそうな企業を選んでいきます。
転職エージェントの担当者にも共有しましょう。
特定の企業の障害者雇用への取り組みについて担当者と話す際、開示情報を共有することで、具体的な対話ができます。
面接前の企業研究に活用しましょう。
面接で企業の取り組みについて質問する際、開示情報を踏まえて具体的な質問ができます。
これにより、企業への理解度を示すこともできます。
面接で確認すべき点を整理しましょう。
開示情報で気になる点、もっと詳しく知りたい点を、面接での質問項目として準備しておきます。
入社後の働き方をイメージしましょう。
開示情報から、入社後にどのような環境で働くことになるかをイメージし、自分の希望と合うかを判断できます。
複数の企業を比較しましょう。
ひとつの企業の情報だけで判断するのではなく、複数の企業の開示情報を比較することで、より客観的な判断ができます。
開示情報を見るときの注意点
人的資本開示情報を見るときの注意点も押さえておきましょう。
数字だけで判断しないようにしましょう。
障害者雇用率や定着率などの数字は重要ですが、その裏にある運用の質や職場文化までは数字だけでは見えません。
開示の質に企業差があります。
詳細で具体的な開示をする企業もあれば、抽象的な記述にとどまる企業もあります。
開示の質も判断材料のひとつです。
実態とのずれがある場合もあります。
開示情報は企業の発信する公式な情報ですが、現場の実態と完全に一致するとは限りません。
口コミや実際の面接などで多角的に確認することが大切です。
最新情報を確認しましょう。
人的資本開示の内容は毎年更新されるため、最新の情報を見ることが大切です。
複数年の推移も参考になります。
数字や取り組みの推移を見ることで、企業の本気度や継続性を判断できます。
自分の優先順位と照らし合わせましょう。
開示情報の何を重視するかは、自分の希望や状況によって変わります。
合理的配慮、勤続年数、給与水準、テレワークの可否など、自分が大切にする要素を中心に確認しましょう。
まとめ
人的資本開示は、企業の障害者雇用への取り組みを客観的に判断する貴重な情報源です。
障害者雇用率、合理的配慮の取り組み、定着率や勤続年数、研修や育成、特例子会社の運営状況などが、開示される主な情報です。
法定雇用率を大きく上回る企業、具体的な配慮事例を公開する企業、長期勤続者の存在を公開する企業、DE&I推進部署を設置する企業、第三者認定を受ける企業、社員の声を公開する企業、数値目標を明示する企業に注目しましょう。
統合報告書、サステナビリティレポート、有価証券報告書、採用ページ、DE&Iレポート、口コミサイトなど、複数の情報源を活用して情報を確認できます。
応募候補の選定、エージェントとの対話、面接前の企業研究、面接での質問項目、入社後のイメージ、複数企業の比較など、転職活動の各段階で開示情報を活用しましょう。
数字だけでなく運用の質、開示の質、実態とのずれ、最新情報、複数年の推移、自分の優先順位との照合など、注意点も押さえながら判断していきましょう。
人的資本開示の時代を活かしながら、自分らしい働き方を実現できる企業を見つけていきましょう。
