障がい者の転職と椅子の持ち込み、職場で許可を得る方法

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長時間の座り仕事において、椅子の合う合わないは想像以上に体への負担を左右します。 腰痛、坐骨神経痛、脊椎の疾患、慢性疲労、感覚過敏など、さまざまな理由から、自分専用の椅子を職場に持ち込みたいと考える障がいのある方は少なくありません。 ここでは、自分専用の椅子を職場に持ち込む意味、許可を得るための進め方、転職活動で意識したいポイントまでをわかりやすく解説します。

自分専用の椅子が必要となる背景

職場の標準的な椅子では体に合わず、自分専用の椅子の持ち込みを希望する方は、いくつかの背景を抱えています。

腰痛や脊椎の疾患を持つ方は、特定の姿勢でしか長時間座れないことがあります。 椎間板ヘルニア、脊柱管狭窄症、側弯症、腰椎すべり症などの方は、姿勢を支える椅子の選び方が日々の業務に直結します。

身体障がいのある方も、自分の体の特性に合わせた椅子が必要です。 車椅子からの移乗、補装具との相性、可動域の制約など、標準的な椅子では対応できない事情があります。

感覚過敏のある方には、椅子の素材や硬さが重要です。 発達障がいや感覚処理障害のある方は、特定の素材や座面の硬さで集中力が大きく変わることがあります。

慢性疲労症候群や線維筋痛症の方は、わずかな違和感が痛みや疲労に直結します。 クッション性、背もたれの角度、肘掛けの高さなど、細かい調整ができる椅子が必要になります。

妊娠中や産後、術後の回復期にある方も、一時的に専用の椅子が必要になることがあります。

これらの背景から、自分専用の椅子は、長く健康に働き続けるための合理的配慮として位置づけられます。

椅子の持ち込みは合理的配慮の対象になる

職場での椅子の持ち込みは、障害者差別解消法に基づく合理的配慮の対象となりえます。 2024年4月から民間企業にも合理的配慮の提供が法的義務となっており、業務を遂行するために必要な配慮は、企業が過重な負担にならない範囲で提供する義務があります。

椅子の持ち込みは、企業側の負担が比較的少ない配慮といえます。 本人が自分で用意する場合、企業は持ち込みを認めるだけで対応できるため、合意を得やすい配慮のひとつです。

ただし、企業によって対応はさまざまです。 労働安全衛生上の理由、オフィスの統一性、他の社員との公平性など、企業独自の事情から持ち込みに慎重な姿勢を見せることもあります。 丁寧な対話と、具体的な根拠の提示が、許可を得るための鍵となります。

許可を得るための進め方

職場で椅子の持ち込みを許可してもらうには、いくつかのステップを踏むことが効果的です。

まず、自分の状態と必要性を整理しましょう。 どのような症状があるか、現在の椅子では何が困難か、専用の椅子があればどう改善するかを、自分の言葉で説明できるよう準備します。

主治医の意見書を取得しましょう。 医療的な根拠があると、企業も配慮の必要性を理解しやすくなります。 意見書には、症状の内容、専用の椅子が必要な理由、推奨される椅子の特徴などを記載してもらいます。

具体的な椅子の情報をまとめましょう。 持ち込みたい椅子のサイズ、重量、価格、購入元、安全性などを整理しておくことで、企業側の懸念に答えやすくなります。

人事担当者や直属の上司に相談しましょう。 入社時、または必要が生じた時点で、配慮の依頼として丁寧に伝えます。 書面で申請する形を取ると、後の記録としても残り、対応が組織的に進みやすくなります。

代替案も検討しておきましょう。 完全に自分の椅子を持ち込むだけでなく、座面クッション、背もたれサポート、腰枕などの部分的な持ち込み、企業側で椅子を新たに購入する選択肢など、複数のパターンを提示できると、合意に至りやすくなります。

労働安全衛生上の懸念に応えましょう。 持ち込む椅子の安全性、保管場所、清掃の責任、故障時の対応など、企業側が気になる点に対する考えを整理しておくと、対話がスムーズに進みます。

転職活動で意識したいポイント

転職活動の段階から、椅子の持ち込みを含めた配慮を視野に入れた企業選びを進めることが大切です。

合理的配慮への取り組みが進んでいる企業を優先しましょう。 具体的な配慮事例を公開している企業、もにす認定を受けている企業、DE&Iに力を入れている企業は、柔軟な対応が期待できます。

面接の段階で、椅子の持ち込みを希望する旨を伝えるかどうかを判断しましょう。 入社後のミスマッチを防ぐためには、事前に共有しておくことが理想的です。 ただし、選考に影響する可能性を考慮して、慎重に判断する方もいます。

職場見学を活用しましょう。 実際のオフィスを訪れて、現在使われている椅子の種類、デスクのサイズ、スペースの広さなどを確認することで、自分の椅子が無理なく設置できるかを判断できます。

テレワーク可能な働き方も視野に入れましょう。 自宅で業務をおこなう場合、自分の椅子を自由に使えるため、椅子に関する悩みそのものが解消されます。

まとめ

自分専用の椅子の持ち込みは、長時間の座り仕事で体への負担を抱える障がいのある方にとって、合理的配慮として認められる正当な希望です。 自分の状態の整理、主治医の意見書、具体的な椅子の情報、代替案の準備、労働安全衛生上の懸念への対応など、丁寧な準備を進めることで、企業との合意に至りやすくなります。

転職活動の段階から、合理的配慮への取り組みが充実した企業を選び、職場見学やテレワークの活用も視野に入れながら、自分の体に優しい働き方を実現していきましょう。 体を守ることは、長く働き続けるための土台です。

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