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障がい者雇用枠での転職を考えている方、すでに転職活動を始めている方の中には、2026年4月以降に施行される制度改正がどう影響するのか、転職市場はどう変わるのか、自分にとってチャンスなのかと、関心を持っている方は少なくありません。 法定雇用率の引き上げ、対象企業の範囲拡大、除外率の引き下げなど、複数の制度改正が予定されており、これらは障がい者の転職市場に大きな影響を与えると予想されています。 変更点を正確に理解し、これからの転職活動に活かしていくことで、より自分に合った職場を見つけられるチャンスが広がります。 ここでは、2026年4月以降の障がい者雇用に関する主要な変更点、転職市場への影響、求人の動向、自分に有利な活用方法、利用できる支援について詳しく解説していきます。
2026年4月以降の主要な変更点の全体像
まず、2026年4月以降に予定されている主要な変更点の全体像を整理しておきましょう。
2025年4月にすでに施行された変更点として、除外率設定業種における除外率が一律10ポイント引き下げられました。 これに伴い、改正前の除外率が10%以下の業種は、除外率制度の対象外となっています。
2026年7月1日には、民間企業の法定雇用率が2.5%から2.7%へ引き上げられ、対象事業主の範囲が従業員40人以上から37.5人以上の企業に拡大される予定です。
国や地方公共団体等の法定雇用率も、2026年7月1日から3.0%と民間企業と同様に引き上げとなり、都道府県等の教育委員会の法定雇用率については2.9%となります。
2024年4月にすでに導入された制度として、週10時間以上20時間未満で働く重度身体障害者、重度知的障害者、精神障害者を雇用した場合、1人につき0.5人として実雇用率に算入できる仕組みがあります。 この特例は引き続き活用されています。
2026年10月には、労働施策総合推進法等の改正に伴い、カスタマーハラスメント対策が事業主に義務付けられる予定です。
これらの改正は、転職市場全体に大きな変化をもたらすことが予想されています。 障がい者雇用の需要が増加し、求人の選択肢が広がる時期と言えます。
法定雇用率引き上げの意味
法定雇用率の引き上げが、転職市場に与える意味を見ていきましょう。
法定雇用率は、企業が雇用すべき障がい者の最低割合を定めたものです。 2024年4月に2.3%から2.5%に引き上げられ、2026年7月にはさらに2.7%に引き上げられる予定です。
具体的に何が変わるかというと、これまで雇用義務がなかった企業も新たに対象となります。 2026年3月時点では従業員40人以上の企業に法定雇用率の達成義務がありますが、2026年7月以降は基準が引き下げられ、従業員37.5人以上の企業が対象となる見込みです。
これにより、中小企業を含めた多くの企業で、障がい者雇用への取り組みが必須となります。 これまで障がい者雇用に消極的だった企業も、新たに採用活動を始めることになります。
求人数の増加が、最も直接的な影響です。 法定雇用率を達成するために、企業は積極的に障がい者を採用する必要があります。 求人の選択肢が広がることで、自分に合った職場を選びやすくなります。
業種や職種の多様化も期待できます。 これまで障がい者雇用が少なかった業界でも、新たに求人が出てくる可能性があります。 事務職や軽作業中心だった求人が、専門職や技術職にも広がっていく傾向があります。
雇用条件の改善も期待できる変化です。 人材確保のために、給与水準の向上、福利厚生の充実、柔軟な働き方の提供など、待遇面での競争が起きる可能性があります。
未達成企業へのペナルティも、変更により影響を受けます。 法定雇用率を達成できなかった企業には、不足人数1人につき月額5万円の納付金が発生し、指導や勧告の対象となるリスクが高まります。
企業側の本気度が高まることで、形だけの障がい者雇用ではなく、本格的な雇用に向けた取り組みが進むことが期待されます。
除外率制度の変更とその影響
除外率制度の変更も、転職市場に影響を与える重要な変更点です。
除外率制度とは、障がい者の雇用が特に困難とされる業種において、法定雇用率の算定対象となる労働者数を一定割合差し引く制度です。
2025年4月1日から、各業種に設定されている除外率が一律10ポイント引き下げられました。
これにより、これまで除外率の恩恵を受けていた業種でも、より多くの障がい者を雇用する必要が出てきました。
対象となる業種は、製造業、運送業、建設業、医療機関など、多岐にわたります。 これらの業種で、新たな求人が増えることが期待できます。
改正前の除外率が10%以下の業種については、除外率制度の対象外となるため、完全に適用がなくなるケースも出てきます。
これまで障がい者の活躍の場が限定されていた業界でも、新しいキャリアの機会が広がっています。
業界別の変化として、建設業界、運輸業界、医療機関、製造業の一部などで、障がい者雇用への取り組みが加速することが予想されます。
これらの変化は、自分の興味や適性に合った業界を選ぶ際の選択肢を広げてくれます。
短時間勤務の活用拡大
週10時間以上20時間未満の短時間勤務が、法定雇用率の算定対象となったことの影響も見ていきましょう。
2024年4月から、週10時間以上20時間未満で働く重度身体障害者、重度知的障害者、精神障害者が、1人につき0.5人として実雇用率に算入できるようになりました。
これにより、フルタイム勤務が難しい方への雇用機会が大きく広がりました。 体調に波がある方、長時間勤務が困難な方、家事や育児と両立したい方なども、就労の機会を得やすくなっています。
2026年7月以降も、この週10時間以上20時間未満の労働者を実雇用率に算定できる特例は引き続き活用される見込みです。
企業側も、短時間勤務の求人を増やす動きを見せています。 週20時間未満のパートタイム求人、業務委託に近い形での雇用など、多様な働き方の選択肢が広がっています。
精神障害がある方にとっては、特に大きなチャンスです。 体調を維持しながら無理なく働ける環境が、これまで以上に見つけやすくなっています。
テレワークとの組み合わせも、増えています。 短時間勤務とテレワークを組み合わせることで、通勤の負担を抑えながら自分のペースで働けます。
短時間勤務から始めて、体調が安定してきたら勤務時間を増やしていく段階的な働き方も、選択肢の一つです。 自分のペースで社会復帰を進められる環境が整ってきています。
求人市場の変化と特徴
これらの制度改正に伴う、求人市場の変化と特徴を見ていきましょう。
求人数の絶対的な増加が、最も顕著な変化です。 法定雇用率の引き上げと対象企業の拡大により、これまでよりも多くの求人が市場に出回っています。
業種の多様化も進んでいます。 これまで障がい者雇用が少なかった業界、たとえば建設業、運輸業、医療機関などでも、新規の求人が増えています。
職種の専門化も、注目すべき変化です。 事務職や軽作業中心だった求人が、IT、デザイン、データ分析、専門事務など、専門スキルを活かせる職種にも広がっています。
中小企業の求人増加も、選択肢を広げています。 これまで対象外だった従業員数37.5人から40人程度の中小企業も、新たに障がい者雇用に取り組み始めています。
特例子会社の設立も、増加傾向にあります。 2025年6月時点で631社まで増加している背景には、法定雇用率2.7%への引き上げを見据えた戦略的な雇用体制の構築があります。
テレワーク求人の増加も、コロナ禍を経て定着しています。 在宅で完結する仕事、柔軟な勤務時間の仕事など、新しい働き方の選択肢が広がっています。
給与水準の改善も、一部の業界や職種で見られます。 人材確保のために、競争力のある給与を提示する企業が増えています。
これらの変化は、転職活動を進める方にとって、選択肢が広がる好機となっています。
自分に有利な転職活動の進め方
制度改正を自分に有利に活かす転職活動の進め方を見ていきましょう。
まず、自分の希望条件を明確にすることから始めます。 業種、職種、勤務時間、勤務地、給与水準、必要な配慮など、自分の希望を整理しておくことで、効率的に求人を選べます。
複数の転職エージェントを併用することが、効果的です。 DODAチャレンジ、アットジーピー、エージェントサーナ、ランスタッドチャレンジドなど、障がい者専門の転職エージェントを複数登録することで、多様な求人にアクセスできます。
ハローワークの専門援助部門も、活用すべき窓口です。 障がい者専門の相談員が、無料で求人紹介、応募書類の書き方指導、面接対策などをしてくれます。
中小企業の求人も、視野に入れます。 大手企業ばかりに目を向けず、中小企業の中にも障がい者雇用に熱心な企業があります。
特例子会社という選択肢も、慎重に検討する価値があります。 特例子会社は専門的な支援体制が整っており、長く働ける環境が見つかることがあります。
短時間勤務やテレワーク中心の求人を選ぶことで、無理のない働き方ができます。 体調に波がある方、長時間勤務が難しい方には、特におすすめです。
業務内容の具体性を、求人を選ぶ際の重要なポイントにします。 具体的な業務内容が明記されている求人は、名ばかり障がい者雇用のリスクが低い傾向にあります。
口コミサイトでの情報収集も、忘れずに行いましょう。 転職会議、OpenWork、ライトハウスなどで、実際に働いている人の評価を確認できます。
業種別の動向
業種別の動向を、詳しく見ていきましょう。
IT・テクノロジー業界は、慢性的な人手不足で、障がい者の活躍機会が広がっています。 プログラマー、システムエンジニア、Webデザイナー、データ分析者、ITサポートなど、幅広い職種で雇用が増えています。
製造業は、除外率の引き下げの影響を強く受ける業界です。 これまで除外率が高く設定されていた業界では、新たな求人が増えています。
医療・福祉業界も、人手不足が深刻な業界です。 医療事務、介護関連、福祉施設での事務職など、多様な職種で求人が出ています。
金融業界は、ダイバーシティを推進する動きが強い業界です。 銀行、証券、保険などの企業では、障がい者雇用に積極的な取り組みが進んでいます。
商社・卸売業も、本社業務を中心に障がい者雇用が広がっています。 事務職、経理、人事、総務などの本社機能で、雇用機会があります。
建設業は、除外率の引き下げにより、新たに障がい者雇用に取り組む企業が増えています。 本社の事務職、設計補助、CADオペレーターなどの求人が見られます。
運輸業も、除外率の引き下げの影響を受けて、障がい者雇用に取り組み始めています。 本社の事務職、配車管理、データ入力などの求人があります。
サービス業全般でも、障がい者雇用が広がっています。 ホテル、飲食、小売など、業界によって特徴は異なりますが、求人の選択肢は多様化しています。
公務員も、安定したキャリアを求める方に人気の選択肢です。 国家公務員障害者選考試験、地方自治体の障害者枠採用試験などがあります。
職種別の動向
職種別の動向も見ていきましょう。
事務職は、引き続き障がい者雇用の中心的な職種です。 データ入力、書類整理、経理事務、人事事務、総務事務など、座って取り組める業務が中心です。
IT・Web関連職種は、急成長している分野です。 プログラマー、システムエンジニア、Webデザイナー、データアナリスト、ITサポートなど、専門スキルを活かせる職種が広がっています。
クリエイティブ職も、注目の職種です。 イラストレーター、デザイナー、ライター、編集者、動画クリエイターなど、自分の感性を活かせる仕事です。
専門事務職も、需要が高い職種です。 経理、人事、法務、知財、貿易など、専門スキルが必要な職種です。
カスタマーサポートは、対面接客と異なる新しい形が増えています。 電話ではなくチャットでの対応に特化した求人もあり、対人ストレスが少ない仕事です。
データサイエンス・データ分析は、これからさらに需要が高まる分野です。 ビジネスインテリジェンス、マーケティング分析、需要予測など、データを活用する業務です。
軽作業も、引き続き安定した職種です。 製品の梱包、検品、組み立てなど、コツコツと取り組める仕事です。
清掃・サービス職も、安定した職種です。 オフィスビル、ホテル、商業施設などでの清掃業務、簡単な接客業務などです。
これらの職種から、自分の興味、適性、体調に合うものを選んでいきましょう。
短時間勤務という選択肢
短時間勤務という選択肢を、詳しく見ていきましょう。
週10時間以上20時間未満の短時間勤務は、2024年4月から雇用率算定の対象となっています。 これにより、フルタイムでの勤務が難しい方も、就労機会を得やすくなっています。
短時間勤務のメリットは、体調管理がしやすいことです。 通勤や勤務による疲労を抑えながら、社会との接点を持てます。
精神障害がある方にとって、特に有効な選択肢です。 体調に波がある中で、無理なく続けられる勤務形態として注目されています。
複数の仕事を組み合わせるパラレルキャリアも、選択肢の一つです。 短時間の仕事を2つ組み合わせる、本業の短時間勤務と副業を組み合わせるなど、多様な働き方ができます。
経済的な側面も、検討が必要です。 短時間勤務は給与が少なくなりますが、障害年金や生活保護との併用で生活を支えることもできます。
ステップアップの起点としても、活用できます。 短時間勤務から始めて、体調が安定してきたら勤務時間を増やしていく段階的なキャリア形成が可能です。
就労継続支援B型事業所と組み合わせる方法もあります。 B型事業所での福祉的就労と、短時間勤務での雇用を組み合わせて、無理のない働き方を実現できます。
短時間勤務求人を探す際は、転職エージェントに希望を明確に伝えることが大切です。 週何時間、週何日働きたいかを具体的に伝えることで、適した求人を紹介してもらえます。
雇用形態の選択肢
雇用形態の選択肢も、増えています。
正社員は、最も安定した雇用形態です。 給与、賞与、退職金、社会保険などの待遇が手厚く、長く働ける環境が期待できます。
契約社員は、有期雇用ですが、一定の期間安定して働けます。 正社員登用制度がある企業を選ぶことで、将来的に正社員になる道もあります。
パート・アルバイトは、短時間勤務や柔軟な勤務形態を希望する方に適しています。 自分のペースで働けることが、最大のメリットです。
派遣社員も、選択肢の一つです。 派遣会社のサポートを受けながら働けるため、初めての職場でも安心です。
業務委託・フリーランスとして働くこともできます。 自分のスキルを活かして、独立した形で仕事を受注する働き方です。
特例子会社での雇用も、選択肢として検討する価値があります。 専門的な支援体制が整っており、長期的に安定して働ける環境が見つかることがあります。
就労継続支援A型事業所は、雇用契約を結んで働く福祉サービスです。 最低賃金以上の給料を得られますが、ある程度の労働能力が求められます。
就労継続支援B型事業所は、雇用契約を結ばずに働く福祉サービスです。 体調や能力に応じて、無理のない働き方ができます。
これらの雇用形態から、自分の状況に合うものを選ぶことが大切です。
給与水準の動向
給与水準の動向も、知っておきたい情報です。
法定雇用率引き上げと人材確保競争により、給与水準は緩やかに上昇する傾向にあります。
ただし、依然として障害者雇用枠は、一般雇用枠と比べて給与が低めの傾向があります。 業種、職種、企業規模、地域によって、給与水準は大きく異なります。
事務職の給与は、月給16万円から25万円程度が一般的です。 東京都内では、月給20万円から28万円程度の求人も増えています。
IT職の給与は、より高めの設定が多くなっています。 プログラマー、システムエンジニアなどは、月給25万円から40万円程度の求人もあります。
専門職や管理職の給与は、年収500万円以上になることもあります。 スキルや経験次第で、高い年収を目指せます。
特例子会社の給与は、企業によって大きく異なります。 平均年収101万円から250万円程度の層が最多との統計もありますが、これは短時間勤務やパート雇用が多いことが影響しています。
正社員雇用を選ぶことで、安定した収入を得やすくなります。 契約社員やパートと比べて、給与、賞与、退職金などの面で優遇されます。
賞与の有無、退職金制度の有無も、確認しておきましょう。 基本給だけでなく、年収全体で比較することが大切です。
長期的なキャリア形成の中で、給与は上がっていくことが期待できます。 最初の給与だけで判断せず、昇給制度、評価制度、キャリアパスを確認することが重要です。
合理的配慮の充実
合理的配慮の充実も、これからの障がい者雇用の特徴です。
2024年4月から、民間事業者にも合理的配慮の提供が法的義務化されました。 企業は、障がいがある方が働きやすい環境を整える義務があります。
具体的な配慮として、勤務時間の調整、テレワークの活用、業務量の調整、休憩時間の確保、職場環境の整備、通院への配慮などがあります。
求人を選ぶ際は、配慮の具体的内容が明示されているかを確認しましょう。 何でも相談に乗りますといった曖昧な表現ではなく、具体的にどんな配慮ができるかが明示されている企業を選ぶことが大切です。
産業医、産業カウンセラー、精神保健福祉士などの専門家が在籍する企業は、より手厚い支援が期待できます。
ジョブコーチ支援を活用している企業も、安心して働ける環境です。 職場と本人の間に入って、関係改善や問題解決をサポートしてくれます。
入社時に必要な配慮を、明確に伝えることが大切です。 診断書を提示する、具体的な希望を伝えるなど、コミュニケーションを丁寧に行いましょう。
定期的な面談を通じて、配慮の見直しもできます。 状況の変化に応じて、必要な配慮も変わってきます。
合理的配慮の充実は、長く働ける環境の鍵となります。 求人を選ぶ際の重要な判断材料として、しっかり確認しましょう。
テレワーク求人の増加
テレワーク求人の増加も、注目すべき動向です。
コロナ禍を経て、テレワークは定着しています。 障がい者雇用枠でも、テレワーク可能な求人が増えています。
テレワークのメリットは多くあります。 通勤の負担がない、自分のペースで働ける、対人ストレスが少ない、体調管理がしやすいなど、障がいがある方にとって大きなメリットがあります。
完全テレワークの求人と、ハイブリッドの求人があります。 完全テレワークは、出社が全くない働き方です。 ハイブリッドは、週数日のテレワークと出社を組み合わせる働き方です。
テレワークに適した職種として、IT関連、ライティング、デザイン、データ入力、カスタマーサポート、事務などがあります。
テレワーク中心の企業を選ぶことで、地方在住の方も都市部の企業で働ける可能性が広がります。 住む場所と働く場所の制約から解放される働き方です。
テレワークで求められるスキルとして、ITリテラシー、自己管理能力、文章でのコミュニケーション能力、オンライン会議への対応力などがあります。
これらのスキルを身につけることで、テレワーク求人への応募が有利になります。
大手企業の動向
大手企業の動向も、知っておくと役立つ情報です。
法定雇用率引き上げに伴い、大手企業は積極的に障がい者雇用に取り組んでいます。
経団連加盟企業や上場企業は、社会的責任の観点からも、障がい者雇用に力を入れています。
特例子会社の設立も増えています。 パナソニック、ソニー、トヨタ、日立、富士通、NTT、三井住友銀行、みずほ銀行など、多くの大手企業が特例子会社を持っています。
大手企業の障がい者雇用は、専門部署が担当することが多くなっています。 ダイバーシティ推進部、人事部障がい者雇用担当などの専門部署が、採用から定着までサポートしてくれます。
大手企業のメリットとして、雇用の安定、給与水準の高さ、福利厚生の充実、研修制度の充実などがあります。
デメリットとして、競争率の高さ、求められるスキルや経験のハードル、規律ある働き方が求められることなどがあります。
大手企業への応募を考える方は、しっかりとした準備が必要です。 応募書類の充実、面接対策、企業研究などを入念に行いましょう。
転職エージェント経由での応募が、大手企業へのアクセスを広げる方法です。 非公開求人を扱っているエージェントも多くあります。
中小企業の動向
中小企業の動向も、見逃せない情報です。
法定雇用率引き上げの影響で、中小企業も新たに障がい者雇用に取り組み始めています。
特に従業員数40人前後の中小企業は、2026年7月以降の対象となるため、現在進行形で採用活動を始めている企業が多くあります。
中小企業のメリットとして、家族的な雰囲気、社長や幹部との距離が近い、業務範囲が広く成長機会がある、柔軟な対応が期待できるなどがあります。
デメリットとして、雇用の安定性が大企業より低い、給与水準が大手より低いことが多い、福利厚生が手厚くないことがあるなどがあります。
中小企業の障がい者雇用は、人事部任せではなく、社長や経営層が直接関わることも多いものです。 配慮の柔軟性は高い傾向にあります。
もにすマーク認定企業は、信頼できる中小企業の指標です。 障害者雇用に積極的な中小企業として、厚生労働大臣が認定する制度です。
中小企業向けの求人は、ハローワーク、地域の転職エージェント、商工会議所などで見つけられます。
長期的に安定して働けるかどうかは、企業の経営状況や経営者の方針による部分が大きいものです。 口コミ、財務情報、業界での評判などを確認することが大切です。
公務員という選択肢
公務員の障がい者枠採用も、引き続き有力な選択肢です。
国や地方公共団体等の法定雇用率については、令和8年7月1日から3.0%と民間企業と同様に引き上げとなり、都道府県等の教育委員会の法定雇用率については2.9%となります。
これに伴い、公務員の障がい者枠採用も拡大していくことが予想されます。
国家公務員障害者選考試験は、人事院が実施しています。 身体障害、知的障害、精神障害がある方を対象に、毎年試験が実施されています。
地方公務員の障害者採用も、各都道府県や市区町村で実施されています。 試験内容や採用条件は自治体によって異なります。
公務員のメリットとして、雇用の安定、給与水準の高さ、退職金、福利厚生の充実、社会的信用、休暇制度の充実、合理的配慮の手厚さなどがあります。
ただし、試験を突破する必要があります。 公務員試験は競争率が高く、しっかりとした準備が必要です。
年齢制限がある場合も多いため、希望する自治体や省庁の条件を確認しておきましょう。
公務員試験対策は、独学、予備校、就労移行支援事業所など、複数の方法があります。 教育訓練給付制度などの公的支援も活用できます。
公務員は、長期的に安定したキャリアを築きたい方にとって、検討する価値の高い選択肢です。
障がい者手帳の取得を検討する
これから障がい者雇用枠での転職を考える方は、障がい者手帳の取得を検討しましょう。
精神障害者保健福祉手帳、療育手帳、身体障害者手帳の3種類があります。
精神障害者保健福祉手帳は、うつ病、双極性障害、不安障害、統合失調症、発達障害などの方が対象です。 申請は、お住まいの市区町村役場の精神保健担当窓口で行います。
療育手帳は、知的障害がある方が対象です。 申請は、お住まいの市区町村役場の福祉担当窓口で行います。
身体障害者手帳は、身体に永続する障害がある方が対象です。 申請は、お住まいの市区町村役場の福祉担当窓口で行います。
手帳を取得することで、障がい者雇用枠での就労が可能となります。 入社時から障害について伝えた上で雇用関係を結べるため、配慮を受けやすい環境で働けます。
その他のメリットとして、医療費の軽減、税金の控除、公共交通機関の割引、各種サービスの割引などもあります。
手帳の取得は、強制ではありません。 クローズ就労を続ける選択もあります。 ただし、合理的配慮を受けながら長く働くためには、手帳の取得とオープン就労が有利となることが多いものです。
手帳取得を悩んでいる方は、主治医や精神保健福祉センターに相談してみることをおすすめします。
利用できる支援機関
これからの転職活動で利用できる支援機関を、改めて整理しておきましょう。
ハローワークの専門援助部門は、無料で利用できる就労相談窓口です。 障がい者専門の相談員が、求人紹介、応募書類の書き方指導、面接対策などをしてくれます。
地域障害者職業センターでは、職業評価や職業準備支援を受けられます。 ジョブコーチによる職場定着支援まで受けられます。
障害者就業生活支援センターは、就労と生活の両面で支援を受けられる機関です。
就労移行支援事業所は、就労に向けた総合的な支援を提供します。 LITALICOワークス、ココルポート、ウェルビー、atGP ジョブトレなど、全国展開している事業所があります。 IT特化型、Web特化型、事務職特化型など、特色のある事業所も増えています。
障がい者専門の転職エージェントを、複数登録することが効果的です。 DODAチャレンジ、アットジーピー、エージェントサーナ、ランスタッドチャレンジド、LITALICOキャリアなどがあります。
公務員試験対策の予備校では、障がい者向けのコースを提供しているところもあります。
精神保健福祉センターでは、転職活動の精神的な負担についても相談できます。
主治医やかかりつけのカウンセラーは、最も身近な相談相手です。
NPO法人や生活困窮者支援団体も、活用できる支援機関です。
これらの支援機関を組み合わせて活用することで、自分に合った支援を見つけられます。
まとめ
2026年4月以降の障がい者雇用に関する主要な変更点として、2025年4月の除外率10ポイント引き下げ、2026年7月の法定雇用率2.7%への引き上げと対象企業の従業員37.5人以上への拡大、2026年10月のカスハラ対策義務化があります。 これらの改正により、求人数の増加、業種や職種の多様化、中小企業の参入増加、特例子会社の拡大、短時間勤務の活用拡大、テレワーク求人の増加など、転職市場全体が大きく変化しています。
自分に有利な転職活動を進めるためには、複数の障がい者専門の転職エージェントを併用し、ハローワークの専門援助部門も活用し、業務内容が具体的に明記された求人を選び、合理的配慮の内容を確認することが大切です。 短時間勤務、テレワーク、特例子会社、公務員など、これまで以上に多様な選択肢が広がっているため、自分の体調、能力、希望に合わせて、無理のない働き方を選んでいきましょう。 障害者手帳の取得、就労移行支援事業所の活用、ジョブコーチ支援、教育訓練給付制度などの公的支援を組み合わせながら、長く働ける職場を見つけていけます。
