障がい者の転職と納付金制度改正、2026年に知っておきたい変更点

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障がい者雇用に関わる重要な制度のひとつに、障害者雇用納付金制度があります。 この制度は2026年に大きな改正が予定されており、企業の採用方針や障がいのある方の転職市場にも影響を与えると考えられています。 ここでは、納付金制度の基本から2026年の改正内容、転職活動への影響までをわかりやすく解説します。

障害者雇用納付金制度とは

障害者雇用納付金制度は、障がい者雇用促進法に基づいて運用されている仕組みです。 法定雇用率を達成していない企業から納付金を徴収し、達成している企業や障がい者雇用に積極的な企業に対して調整金や報奨金として支給する制度になっています。 この仕組みによって、社会全体で障がい者雇用に伴う経済的負担を分かち合い、雇用の促進と安定を図ることが目的です。

対象となるのは、常用労働者が100人を超える企業です。 法定雇用率を満たしていない場合、不足している障がい者一人につき月額5万円の納付金を支払う必要があります。 逆に、法定雇用率を超えて雇用している企業には、超過する障がい者一人につき月額2万9千円の調整金が支給されます。 100人以下の企業については納付金の対象外ですが、雇用率を超えて雇用している場合に報奨金が支給される仕組みです。

この制度は、企業にとって障がい者雇用を進める強い動機づけになっています。 納付金を支払うよりも、実際に障がい者を雇用したほうが企業イメージや人材活用の面でメリットが大きいと考える企業が増えているのです。

2026年の改正内容

2026年4月から、障害者雇用納付金制度に複数の改正が施行されます。 最も注目されているのは、調整金と報奨金の支給調整に関する見直しです。

これまでは、雇用している障がい者の人数に応じて、上限なく調整金や報奨金が支給されてきました。 しかし、2024年4月の改正で、調整金は年間120人、報奨金は年間420人を超える部分について、支給単価が引き下げられる仕組みが導入されています。 2026年以降は、この支給調整の運用がさらに厳格化される見込みで、特に大規模に障がい者を雇用してきた事業所への影響が大きくなると予想されます。

加えて、法定雇用率そのものも段階的に引き上げられています。 2024年4月に2.5パーセントへ引き上げられた民間企業の法定雇用率は、2026年7月にはさらに2.7パーセントに引き上げられる予定です。 これにより、納付金の対象となる企業や、不足人数の計算もこれまで以上に厳しくなります。

さらに、納付金から支出される助成金の拡充も検討されています。 障がい者の雇い入れや雇用継続にかかる事業主の負担を軽減するため、施設整備や介助者の配置、職業能力開発などへの助成金が手厚くなる方向です。 これは、雇用の質を高める狙いがあり、単に数を確保するだけでなく、長く働き続けられる職場づくりを後押しする内容となっています。

転職市場への影響

納付金制度の改正と法定雇用率の引き上げは、障がいのある方の転職市場に直接的な影響を与えます。 最大の変化は、企業の採用ニーズがこれまで以上に高まる点です。

法定雇用率が2.7パーセントに引き上げられることで、多くの企業がさらに障がい者の採用を進める必要に迫られます。 特に、これまで雇用率を達成できていなかった企業や、達成寸前で推移していた企業は、積極的な採用活動を展開する見込みです。 そのため、転職を考えている障がいのある方にとっては、選択肢が広がる好機といえます。

一方で、企業側は単に人数を増やすだけでなく、定着して長く働いてもらえる人材を求める傾向が強まっています。 助成金の拡充によって職場環境の整備が進む反面、企業は採用後のミスマッチや早期離職を避けたいと考えるようになっているのです。 そのため、面接や選考の段階で、応募者の特性や配慮事項、長期的な就労意欲を丁寧に確認する企業が増えています。

また、調整金の支給調整によって、大量雇用型の特例子会社などにも変化が生じる可能性があります。 これまで多くの障がい者を雇用してきた事業所が、雇用方針や働き方の選択肢を見直す動きも出てきており、転職先を選ぶ際にはこうした企業の状況にも目を向ける必要があります。

転職を成功させるためのポイント

制度改正を踏まえて転職を成功させるには、いくつかのポイントを意識することが大切です。

まず、自分の障がい特性と必要な配慮を整理しておくことが基本になります。 企業は採用時に、どのようなサポートが必要か、どんな業務であれば力を発揮できるかを具体的に知りたいと考えています。 自分の言葉で説明できるよう、強みや苦手なこと、これまでの職歴や工夫してきた点を書き出しておくとよいでしょう。

次に、転職活動の選択肢を広げることをおすすめします。 ハローワークの障がい者専門窓口、障がい者専門の転職エージェント、就労移行支援事業所など、さまざまな窓口を組み合わせて活用することで、より自分に合った求人に出会いやすくなります。 特に転職エージェントは、企業との条件交渉や面接対策まで支援してくれるため、納付金制度や助成金の知識を持つ担当者からのアドバイスが受けられます。

さらに、企業の障がい者雇用への取り組み姿勢を見極めることも重要です。 法定雇用率を満たすためだけの形式的な採用ではなく、配慮や成長機会を提供してくれる企業を選ぶことで、長く安心して働ける環境を見つけられます。 面接時には、どのような配慮を受けられるか、社内にどんなサポート体制があるかを質問してみましょう。

制度改正がもたらす可能性

2026年の制度改正は、企業にとって厳しい面もありますが、障がいのある方にとっては前向きな変化をもたらすものでもあります。 法定雇用率の引き上げによって、これまで採用に消極的だった業種や中小企業でも、本格的に障がい者雇用に取り組む動きが広がるからです。

また、助成金の拡充によって、職場のバリアフリー化やジョブコーチの配置、テレワーク環境の整備など、働きやすさを高める投資が進むと期待されています。 これにより、これまで身体的な制約や精神的な負担から働くことが難しかった方にも、新たな就労の道が開かれる可能性があります。

転職を考えている方は、こうした制度の変化を前向きに捉え、自分らしい働き方を実現するチャンスととらえてみてはいかがでしょうか。

まとめ

2026年の障害者雇用納付金制度の改正と法定雇用率の引き上げは、障がい者の転職市場に大きな影響を与えます。 企業の採用ニーズが高まる一方で、定着して長く働ける人材が求められる傾向も強まっています。 自分の特性や希望を整理し、ハローワークや転職エージェント、就労移行支援などの支援を活用しながら、納得のいく転職先を見つけていきましょう。 制度改正を味方につけて、新しい一歩を踏み出してください。

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