「企業でSNS運用をはじめたいけれど、実際の仕事内容はどのようなものなの?」と疑問に思われている方も多くいらっしゃるでしょう。
企業のSNS運用は、単に投稿するだけではありません。
戦略的な企画立案から、効果分析や改善まで幅広い業務を担う奥深い仕事です。
本記事では、企業のSNS運用における仕事内容を初心者向けに徹底解説します。
具体的な業務内容や企業SNS運用の始め方、効果的に運用するためのコツも詳しく紹介していますので、この記事を読んでSNSの企業アカウントをスタートさせましょう。
SNS運用導入の流れや、成功するためのポイントを下記記事で紹介していますので、チェックしてみてください。
SNS運用とはSNSマーケティングのひとつ!はじめ方や成功のためのポイントを紹介
企業のSNS運用を始める前に知っておきたいこと
企業のSNSアカウントを運用したいけれど、「何をするの?」、「初心者でもできる?」と不安に思われる方もいらっしゃるのではないでしょうか。
ここからは企業のSNS運用を始める前に知っておきたい、以下の内容を解説します。
安心して企業アカウントを運用するために確認しておきましょう。
SNS運用は何をするの?
SNS運用とは、アカウントを開設し、SNS上で発信やユーザーとコミュニケーションをとることです。
企業でSNS運用をする場合、仕事内容には日々の投稿や、分析・改善、リサーチなどがあります。
またユーザーからのコメントに返信や、いいね・DMなどのコミュニケーションをとることもあります。
商品やサービスを広め、ファン獲得やイメージアップにつなげるやりがいのある仕事です。
企業のSNS運用は初心者でもできる?
SNS運用は特別な資格は必要なく、初心者でも始められます。
以下のようなスキルを持っていると有利でしょう。
- マーケティングの基礎知識
- データ分析の知識
- 情報収集能力
- 写真・動画などの編集スキル
- 文章や写真・動画などの表現力がある人
- コミュニケーション能力
- ネットリテラシーがあり正確な情報を発信できる
このあとの章でSNS運用について詳しく解説しますので、参考にしてみてください。
企業がSNS運用を始めるメリット
SNSは、現代において企業のマーケティングツールとして欠かせません。
企業のSNS運用には、次のようなメリットがあります。
- 商品やサービスの認知度を高められる
- 低コストで宣伝・告知ができる
- ブランディング
- 売り上げアップにつなげられる
- 顧客とのコミュニケーションをはかれる
SNSは集客ツールとしてだけでなく、自社で抱える課題解決にも役立つでしょう。
企業のSNS運用におけるデメリット
SNS運用では炎上のリスクがあることを理解しておきましょう。
SNSは拡散性が高く、良いことも悪いことも瞬く間に広まってしまいます。
SNSで投稿する際のチェック体制を整えるなどの対策が必要です。
またSNS運用は、一朝一夕で効果が出るものではなく、長期的に取り組む必要があります。
トレンドやアルゴリズムの変化に対応するためにも、SNS運用の担当者を決め最新の情報や知識を習得していくことが重要です。
初心者でもOK!SNS運用の始め方
SNS運用の始め方は次の通りです。
- SNSの運用目的を決める
- ターゲットを決める
- 運用するSNSを決める
- 運用ルールを決める
- SNSのアカウントを開設する
- アカウントの初期設定
- プロフィール作成
- 運用計画をもとに投稿
- 成果分析・改善
SNS運用を始める準備や、始め方について下記記事で詳しく解説しているので、ぜひ参考にしてください。
【初心者でも安心】SNS運用の始め方完全ガイド!始める手順や便利なツールも紹介
自社商品やサービスにぴったりなSNSの選び方
企業がマーケティングツールとして利用するSNSには、次の6つがあります。
SNS | 特徴 | 年齢層 | 相性のいい業種 |
炎上リスクが低い | 30代~50代 | ビジネス、宿泊・観光など | |
LINE | メッセージツール | 全世代 | 全業種 |
X(旧:Twitter) | 拡散性が高い | 10代~30代 | 全業種 |
ビジュアルで訴求 | 10代~30代 | 日用品、ファッション・メイク、宿泊・観光、インテリア、ウェディングなど | |
TikTok | ショート動画で若年層 | 10代~20代 | 飲食、観光・宿泊、メイクなど |
YouTube | 動画系SNSで最大規模 | 10代~40代 | 学習、芸術、不動産、料理、アウトドアなど |
相性のいい業種に当てはまらなかった場合も、効果がでないわけではありません。
下記記事では各SNSの特徴やSNS運用について詳しく解説しています。
SNS運用とはSNSマーケティングのひとつ!はじめ方や成功のためのポイントを紹介
自社商品やサービスの魅力を最大限伝えられるツールを選びましょう。
SNS運用の仕事内容
SNSの企業アカウントを運用するうえでの仕事内容には、おもに次のようなものがあります。
運用初期にコンセプト設計から導線設計までを行います。
運用を開始したあとは、コンテンツの企画からコミュニケーションまでをサイクルとして行い、適宜キャンペーンなどを実施していく流れです。
ひとつずつ詳しく見ていきましょう。
コンセプト設計
SNS運用では発信に一貫性を持たせ、運用担当者で共通の認識を持つために、コンセプト設計が重要です。
まず商品やサービスについて分析しましょう。
- 誰に向けたどんな商品やサービスか
- どのように販売するか
- 販売価格はいくらか
次に運用するSNSの中での自社商品やサービスの市場を調査します。
1.模範となるアカウントを探す
- 同じジャンルを発信している
- フォロワーが1万人以上
- 短期間の運用でフォロワーを多く獲得している
2.競合の調査
模範になるアカウントや競合の投稿頻度、投稿の内容などをチェックしましょう。
調査した内容をもとに、発信内容(ターゲットが得られるベネフィット)、トンマナ(雰囲気、テーマカラー、フォント、キャラ設定など)を決めます。
運用戦略を練る
SNSを運用する目的を決めましょう。
KGI(重要目標達成指数)とKPI(重要業績評価指数)を設定し、達成するためにどのような施策をとっていくか考えます。
例:KGI「売り上げアップ」のために認知を増やしたい・自社サイトへの流入を増やしたい場合
- 認知を増やしたい:KPI「インプレッション数・リーチ数を上げる」
- 自社サイトへの流入を増やしたい:KPI「エンゲージメント数・フォロワー数を上げる」
これらの指標を元にどのような施策をとっていくか考えます。
導線設計
SNS運用をするうえで、KGI達成のためには導線設計が重要です。
各SNSからどのように商品やサービスを購入・予約といったゴールにつなげるかを検討し、構築します。
例えばInstagramやTwitter、TikTokなどの拡散性の高いSNSで認知獲得、コミュニケーションによる土台を作り、ECサイトなどの商品やサービスのページへ移る、LINE登録へ促すといった流れです。
このように自社ホームページやECサイトだけでなく、LINEなどの他SNSと連携させるのも有効です。
ユーザーが迷子にならないようわかりやすくし、商品やサービスの購入・予約ページにおいても入力の手間を極力少なくするとハードルが下がります。
コンテンツの企画
コンセプト設計の際に見つけた、模範にしたいアカウントや競合企業がどのような発信をしているかリサーチします。
どのような投稿がユーザーから反応を得ているか、競合が手をつけていないネタはあるかなどをチェックしましょう。
その他リサーチ方法には次のようなものがあります。
- フォロワーの投稿をチェックし興味をもっているものを知る
- 質問サイトなどで自社商品やサービスに関わる疑問などを調べる
- 他のSNSで自社商品やサービスに関わる投稿をチェックする
また自社アカウントで、伸びた投稿があればその要因を分析し、深掘りした内容の投稿をするのもひとつです。
コンテンツの作成・編集・投稿
コンテンツを作成する際も、好きな雰囲気にするのではなく、調査に基づいてデザインなどを決めるようにしましょう。
コンセプト設計時に決定したトンマナをもとに、次の2点に配慮しながら投稿のサンプルを作成し採用する投稿を決めましょう。
- ペルソナが好みそうなデザインか
- 見やすさ作りやすさ
また投稿する時間帯にも気を配るのがおすすめです。
ターゲットのライフスタイルを想定し、投稿を見てもらえそうな時間帯に投稿します。
コンテンツの作成・編集・投稿は何度も行う作業になるので、便利な編集ツールや、予約投稿などの機能を活用しましょう。
分析・改善
伸びた投稿、伸びなかった投稿の原因を分析し、改善に活かしましょう。
なぜ伸びたのか、伸びなかったのかを言語化することで良かった点や課題が見つかりやすくなります。
投稿を見直す際は次のような視点でチェックしましょう。
- 誰に向けた投稿かが一目でわかるか
- 内容とタイトルに相違がないか
- 有益性、再現性があり、保存して見返したくなる内容か
- 内容が薄くないか
- オリジナリティや具体性、根拠があるか
- 見にくくないか
SNSでは最初に目に入るもので、ユーザーに最後まで見てもらえるかが決まります。
文章の一言目、画像の1枚目、動画の1シーン目は、「誰に向けたどのような投稿か」がわかるよう特に力を入れましょう。
コミュニケーション
SNSは「ユーザー同士でコミュニケーションをとる」ことが前提です。
企業アカウントでも積極的に、フォロワーや反応をしてくれた人に対して、いいねやコメントなどの機能を使ってコミュニケーションをとりましょう。
テンプレートのような返信ではなく、コミュニケーションをとる気持ちを忘れず、質問などに丁寧に回答することでコツコツ関係を築くことが重要です。
また、運用初期はアカウントを見つけてもらう意味で、模範のアカウントや競合企業のアカウントをフォローしている人などにいいねをして回るのも有効です。
むやみにフォローやいいね、コメントするのではなく、ターゲットに近いユーザーやアクティブなユーザーにアクションするようにしましょう。
キャンペーンの企画運用
一定期間運用をすすめたら、プレゼントキャンペーンなどの企画を実施するのもおすすめです。
キャンペーンの内容は、目的ごとに考えていくといいでしょう。
目的 | 内容 |
商品やサービスの知名度アップ | ハッシュタグを使ったプレゼント企画 |
新規フォロワー獲得 | フォローやいいね、シェアを参加条件にする |
UGCの増加 | 商品やサービスを利用したフォトコンテスト |
既存フォロワーのエンゲージメント向上 | アンケートやクイズなどでコミュニケーションをとる |
キャンペーンの内容が決まったら、詳細を決め事前に告知し、キャンペーンを実施します。
- キャンペーンの投稿内容
- 期間
- 参加方法
- 応募条件
- 当選者の選定
- 景品の発送など
各SNSでキャンペーンに関する規則や禁止事項があるので、必ず確認しておきましょう。
企業のSNSを効果的に運用するコツ
企業のSNS運用を担当する方の中には、他の業務と兼業している方もいらっしゃるでしょう。
限られた時間の中で効率良く、効果的にSNSを運用するコツを5つ紹介します。
プロフィールで信頼を得る
企業のSNSアカウントでは、プロフィールにも力をいれ信頼を得ることが重要です。
どんな事業をしている企業で、どのような投稿をしているか、フォローすることでどのようなメリットがあるのかを記載します。
過剰なワードを使ったり、「絶対」や「必ず」などを使いすぎたりすると怪しく思われてしまうので注意しましょう。
また次の点に気をつけると、ユーザーも安心感を得られフォローされる可能性が高くなります。
- アイコンを企業が特定できるものにする
- 箇条書きでわかりやすく記載
- 問い合わせ先を明記する
トレンドをキャッチする
SNSのトレンドは日々変化するので常にアンテナを張っておきましょう。
例えば2024年現在は、SNS運用をしている中の人がわかるような投稿や、AIにより生成された画像や動画を使った投稿が好まれています。
運用しているSNSだけでなく、各種SNSや他業種の人気アカウント、Webマーケティングに関するトレンドを日頃からチェックしておくのがおすすめです。
SNSのアルゴリズムを理解する
SNSには、ユーザーに投稿が表示されるためのルール=アルゴリズムが組み込まれています。
運用するSNSのアルゴリズムを理解することで、投稿がターゲットの目にとまりやすくなり、運用効率がアップします。
SNSごとにアルゴリズムは異なるので、複数のSNSを運用する場合それぞれにあった投稿をするようにしましょう。
効率化して継続的に取り組む
初心者の方がSNS運用で成果を出すためには、最低でも半年以上は続ける必要があります。
継続して取り組むためには、日々の仕事内容を効率よくすることが重要です。
- 日常的にネタをストックする
- 投稿デザインや文章のテンプレートを作る
SNS運用は初期の準備をしっかり整えれば、投稿・分析・改善をくり返すという流れになります。
SNS運用の業務内容を、週単位でルーティン化するのも効果的です。
SNS運用代行を依頼する
SNS運用は代行を依頼することも可能です。
SNS運用代行では次のような仕事内容を委託できます。
- コンテンツの企画
- 投稿・応答管理
- 分析
- フォロワーとのエンゲージメント向上 など
初心者の方がSNS運用で成果を出すには、SNSに関する知識や投稿に関するスキルなどを習得することが重要です。
そのためには時間的にもコストがかかってしまううえ、間違った運用では効果が出ないというケースもあるでしょう。
SNS運用の代行を利用することで、SNS運用のやり方がわかり、効果的な運用で企業アカウントを軌道に乗せられます。
ここまでの解説で難しそう、大変そうと感じられた方は、SNS運用代行も検討してみてください。
まとめ
本記事では企業のSNSアカウントの始め方や仕事内容について紹介しました。
限られた時間の中で効率良く運用するためには、自社に合うSNSの選択とコンセプト設計や導線設計などの事前準備が重要です。
また最新情報を常にチェックし続け、トレンドに対応していくことで成功につなげられるでしょう。
知識やスキルが不足している、時間や人員を割くのが難しい場合は、SNS運用代行もおすすめです。
SNS運用を成功させるために、ぜひ本記事で紹介した内容を参考にしてみてください。