SNSは企業のデジタルマーケティングに欠かせない、ブランド認知度の向上や売上促進に効果的なツールです。
しかし運用方法が分からず、一歩踏み出せない方も多いのではないでしょうか。
本記事ではSNS運用初心者の方向けに、具体的な始め方から運用を成功させるためのポイントまでを分かりやすく解説します。
さらに便利なツールも紹介するので、SNS運用をはじめるための参考にしてみてください。
このガイドを読めば、SNS運用の基礎知識が身につき、明日からすぐに運用を始められます。
SNS運用とは
SNS運用とはSNSを使って企業や商品・サービスを広めることを目的に、自社のアカウントを運用することです。
顧客ロイヤルティを高め、ファン獲得にもつながるデジタルマーケティングの一部です。
ここからは以下の3点を順に解説します。
SNS運用の重要性
これまでの消費者の購買行動は、店舗へ行って商品を選び、購入するといった流れでした。
しかし現代では、SNSで商品やサービスを検索・口コミなどをチェックし、購入するという流れに代わってきています。
こうした変化から各企業は、SNSを使って集客や商品やサービスの情報を拡散する、といったマーケティングをとり入れるようになってきました。
SNS運用をとり入れることで、ユーザーの声を拾うことが容易になります。
ユーザーの口コミを元に商品を改良したり、不満などをあらかじめ把握・対処したりすることで大きなトラブルや炎上に備えられます。
こうした理由から集客や顧客のファン化、満足度を高めるうえで企業のSNS運用が重要になってきました。
SNS運用を始めるメリット
SNSを運用することで、ファンや見込み客の育成、新商品やサービス・キャンペーン情報の拡散が可能です。
さらに次のような効果も期待できます。
- 狙ったターゲットへアプローチ
- 新規顧客・ファン獲得に繋がりやすい
- ユーザーの反応が見られる
SNSは無料でアカウント登録できるので、これらの効果を低コストで実感できるのがSNS運用の大きな魅力です。
SNS運用のデメリット
SNS運用は、成果が出るまでに最低3か月以上と時間がかかります。
SNS運用をするための人員や時間を確保し、断続的に取り組む必要があります。
また炎上などのリスクが伴い、あらかじめ対策が必要です。
さらに画像や動画を使った投稿は一定のスキルが必要なので、初心者の方は難しく感じるかもしれません。
ここからは初心者の方でも始められるよう、始め方や便利なツールを紹介していきます。
SNS運用は何から始めたらいい?
SNSが初めての方は、SNS運用するために何からはじめればいいかわからないとお困りの方もいらっしゃるでしょう。
ここでは、SNS運用を始める前に決めておくべき次の4点を解説します。
SNS運用の目的を決める
SNS運用をはじめる前に、「なぜ・なんのために運用するのか」といった目的を決めましょう。
目的を決めておくことで、運用の方針や投稿内容などが定まります。
運用の目的として設定されるものには、おもに次のようなものがあります。
- 自社商品やサービスの周知
- 商品やサービスの購入促進
- フォロワー数を増やす
- ファンを増やす
- ブランディング
- 顧客の意見をとり入れた商品開発
ターゲットを決める
投稿を広めたい、見てほしいターゲットを決めます。
ターゲットを決めることで、投稿の方向性が定まり、どのようにアピールするかを考える軸になります。
ターゲットの決め方はおもに次の通りです。
1.ターゲット層について情報収集
既存の顧客情報・アンケート・SNS・口コミなどからターゲットを絞る
2.ペルソナ設定
- ターゲット層から具体的なひとりのお客様のプロフィールを考える
- 年齢や職業、お客様の悩み・興味や関心・どうなりたいか
- そのお客様はなぜ商品やサービスを利用してくれるのか
運用するSNSを決める
自社商品やサービスを広めるうえで、適したSNSを選びましょう。
ユーザー数の多いSNSには、次のようなものがあります。
- LIINE
- X
- TikTok
- YouTube
それぞれユーザーの年齢層や特徴などが異なります。
次の章で紹介するので、SNS選びの参考になさってください。
運用のルールを決める
SNSを運用するうえでのルールを決めておきましょう。
決めるべき項目には、以下のようなものがあります。
- SNS運用チームを決める
- コンセプト設計
- トラブル時の対処法
- コメントやDMの対応など
- ソーシャルメディアポリシーを制定しWebサイトなどへ掲載
SNS運用担当はチームとして複数人で取り組むのがおすすめです。
はじめに一定のルールを決めておくことで、統一感のある投稿ができ、トラブル回避につながります。
ルールは第三者によるチェックも行い、社内で共有しておきましょう。
【初心者向け】SNSの選び方
SNS運用をはじめる準備のひとつである、SNS選びについて詳しく解説します。
各種SNSの特徴や年齢層、おすすめの業種などを紹介するので自社の商品やサービスにあったSNSを選んでみてください。
おすすめ業種に自社業種が含まれない場合は、近い商品やサービスを提供する業種が含まれているSNSで検討してみてください。
おもな年齢層 | 30代~50代 |
おすすめの業種 | ビジネス、宿泊・観光など |
FacebookはSNSの中では数少ない、実名登録でのみ使用可能なサービスです。
実名登録のため炎上するリスクが比較的少なく、利用する年齢層が比較的高いことからビジネスシーンなどで利用されることが多いSNSです。
また海外のユーザーが増加傾向にあるため、海外ユーザーに向けた発信に対して効果が期待できます。
LIINE
おもな年齢層 | 全世代 |
おすすめの業種 | 全業種 |
LINEは全世代で、主要なメッセージツールとして利用されています。
キャンペーンや新商品情報などの情報発信時に、メールマガジンに代わるツールとして利用可能です。
さらにチャット対応、クーポンの配信、アンケート機能、ショップカードなどビジネスで使える機能が豊富です。
X(旧:Twitter)
おもな年齢層 | 10代~30代 |
おすすめの業種 | 全業種 |
X(旧:Twitter)は拡散力が高く、多くのユーザーに見てもらえるチャンスが広がるでしょう。
匿名で利用可能なことから、ユーザーにとってもコメントなどのアクションが取りやすく、積極的にコミュニケーションを図れるでしょう。
おもな年齢層 | 10代~30代 |
おすすめの業種 | 日用品、ファッション・メイク、宿泊・観光、インテリア、ウェディングなど |
Instagramは画像をメインにした投稿が可能なので、商品やサービスの世界観が視覚的に伝えやすいSNSです。
ショッピング機能や広告機能を使って、投稿から直接販売ページに移ることも可能です。
リールやストーリーズなどの機能を使って、ライバルとの差別化・ユーザーを飽きさせない工夫も行いやすいでしょう。
TikTok
年齢層 | 10代~20代 |
おすすめの業種 | 飲食、観光・宿泊、メイクなど |
TikTokはショート動画に特化したSNSで、中毒性があり特に若年層に人気があります。
フォロワー数が少なくても、視聴者の好みに合わせて動画が表示されることから、うまくいけば短期間で大勢の方に見てもらえる可能性があります。
YouTube
おもな年齢層 | 10代~40代 |
おすすめの業種 | 学習、芸術、不動産、料理、アウトドアなど |
動画系のSNSで一番利用されているのがYouTubeです。
勉強や学習、料理、ハウツー動画などでよく利用されます。
拡散能力は低く、Webサイトから誘導したり、他のSNSと併用したりするのがおすすめです。
SNS運用の始め方
SNS運用をはじめる準備が整ったあとは、実際に企業アカウントを作成し運用を開始します。
ここからは初心者の方でもわかりやすく、アカウント作成から成果測定までの5つの手順を紹介します。
手順①利用するSNSに登録する
SNSアカウントを作成しましょう。
運用するSNSのアカウントを作成(新規登録)ページから、はじめます。
LINEの場合は、「LINE公式アカウント」から作成しましょう。
SNSの種類によって少し手順は異なりますが、登録ページから順に進めるだけなので初心者の方でも簡単に登録が可能です。
- メールアドレス
- パスワード
- 電話番号
- 生年月日
- ユーザー名
- 表示名
ユーザー名と表示名は、企業が特定しやすいように設定します。
アカウント情報は、運用チームで共有しておきましょう。
一部SNSでは、利用者の年齢制限が設定されている場合もあります。
担当する方の年齢を入力しておくのがベターです。
手順②アカウントの初期設定を行う
最初にするべき設定には、次のようなものがあります。
- ビジネス用アカウントへ切り替える
- セキュリティ設定(二要素認証)
- アカウント公開範囲の設定
- ダイレクトメッセージの設定
SNSごとにビジネス用アカウントの呼び名が異なり、以下の通りです。
- Facebook:アカウントページ
- Instagram・X:プロ
- YouTube:ブランドアカウント
- TikTok:ビジネスアカウント
公開範囲について最初の設定では、誰でも見られるようになっていることがほとんどです。
テスト段階で公開したくない場合などは、「非公開」の設定にしておきましょう。
手順③プロフィールを作成する
SNS運用で重要なプロフィール設定を行います。
プロフィール設定では、一目でどのような企業かわかるようにしておきましょう。
- アイコン
- 紹介文
- WebサイトURLの記載
- ヘッダー画像 など
業種と地域、店名などを記載することで、狙ったターゲットからの検索で表示されやすくなります。
適切にプロフィールを設定することで、ユーザーが自社Webサイトや購入ページへ移動できるよう導線を整える効果があります。
また問い合わせ先を記載しておくことで、信頼感アップにつながるでしょう。
手順④運用計画に沿ってコンテンツを発信する
運用計画では、投稿の内容や投稿時間・頻度をきめておきます。
運用計画はユーザーに配慮し、利用するSNSに合わせて決めるのがおすすめです。
そして運用計画をもとに投稿内容を作りましょう。
投稿内容の作成には次のような業務があります。
- 企画
- 画像や動画の撮影・編集
- 投稿する文章の作成
- ハッシュタグの選定など
はじめは手間取ることもあるので、余裕を持った計画を立てましょう。
手順⑤データを分析し改善する
SNS運用をスタートしたあとは、定期的に成果の分析を行いましょう。
運用目的の達成に近づいているか、必要なデータを確認します。
また自社や商品・サービスについて投稿している内容を確認し、ユーザーの声を拾います。
これらの情報から分析した結果をもとに、計画の見直し・改善、次回の投稿などに活かしPDCAサイクルを回していきましょう。
成果測定で確認する内容として、投稿に対する反響、投稿を見たユーザーの動き、フォロワーの獲得状況などがあります。
SNSごとに無料で使えるデータ分析ツールなどもあります。
初心者の方には難しく感じる部分かもしれませんが、効果測定は重要な作業の一つですのでぜひ一度使ってみてください。
SNS運用を成功させるためのコツ
SNS運用が初めての方でも、「はじめるからには成功させたい」と考えられる方も多いのではないでしょうか。
ここからはSNS運用を成功させるための3つのコツを紹介します。
ユーザー満足度の高い質のいい投稿をする
ユーザーの満足度をあげることが、SNS運用ではとても重要です。
満足度をあげるためには、ユーザーの悩みを解決する・ユーザーのためになる質のいい投稿をする必要があります。
投稿の質を高めるポイント
- ユーザーが求める情報・なりたい自分になれる方法を提示する
- 実績やデータなど根拠もあわせて記載
- ユーザー目線で投稿内容をつくる
消費者は商品やサービスに興味や意外性、必要性・価値を感じた時、購買行動をとることが多々あります。
その商品やサービスを使えばユーザーが抱える悩みを解決できる、必要だと思ってもらえるような投稿が作れると効果的です。
炎上などのトラブルに備える
SNS運用で特に気を付けたいのが炎上などのトラブルです。
SNS運用に取り組むうえで、実際に運用する担当者の他に責任者を決め、定期的に投稿内容をチェックすると効果的です。
この場合、責任者は別の業務をしているような第三者目線で見られる人がベターです。
トラブルに備えるために、以下のポイントを押さえておきましょう。
- SNS運用ガイドラインを制定し周知しておく
- 万が一トラブルが起こった場合の対処法をあらかじめ決めておく
- マイナス意見のコメントなどへの返答方法を考えておく
ライバルのSNSをリサーチする
SNS運用で大きな効果を得るために、ライバルのリサーチを行いましょう。
ライバルのリサーチでチェックするポイントは、次の通りです。
- ライバルのアピール方法(SNSの活用方法)
- いい点・悪い点
- どのような評価を得ているか
- ライバルの市場シェアの割合
ライバルのリサーチは、できるかぎり複数社調べましょう。
リサーチ結果をもとに、自社がどのような立ち位置でアピールするべきか、差別化する方法を検討します。
SNS運用で使える無料ツール3選
SNS運用では投稿内容の企画、投稿の作成、分析など様々な業務があります。
ここからはSNS運用が効率よくなる便利なツールを紹介します。
初心者の方でも使いやすいものを紹介しますので、ぜひチェックしてみてください。
画像編集にはCanva(キャンバ)
Canva(キャンバ)は、画像や動画の編集に人気のツールです。
無料版と有料版があり、無料でも十分なほどさまざまな機能が使用可能です。
テンプレートや素材が豊富で、初心者でも簡単におしゃれな画像や動画が作れるでしょう。
感覚的な操作が可能なうえ、公式サイトではCANVAの詳しい使い方が記載されています。
写真や動画の編集のほか、テキストメインの画像や図解の作成も簡単です。
SNSで使用する画像をパソコンで編集しようと考えている方で新たなパソコンの購入前に一度レンタルで試してみたい方はモノカリでパソコンのレンタルがおすすめです。
使ってみて本当に自分に合っているかお試しください。
フリー素材を探すならO-DAN(オーダン)
O-DAN(オーダン)は、無料で高品質な画像を見つけられます。
フリー画像を掲載している41の海外サイトから、一括で画像を検索できます。
O-DANのおすすめポイントは次の通りです。
- 商用利用OK
- 著作権フリー
- 無料で使用可能
- 登録やログイン不要
海外サイトから検索しますが、日本語でも使用可能ですので初心者の方でも安心して利用できます。
トレンドリサーチができるGoogleトレンド
Googleトレンドは、Googleが提供している無料のツールです。
- どんなキーワードが検索されているか
- 検索キーワードのボリューム
- 関連キーワード
- 話題になっているトピックなど
どの地域で注目されているか、1年のどの時期に検索されているかなどがわかります。
流行をとりいれた戦略をたてることが可能です。
SNS運用初心者によくある悩みと解決法
SNS運用がはじめてという企業や担当者の方が、よく抱える悩みとその解決方法を紹介します。
悩み①フォロワー数が伸びない
フォロワー数が伸びないと悩まれる方は多数いらっしゃいます。
対策する前にまず、フォロワー数を増やすことが目的になってしまっていないかを確認しましょう。
目的は別で設定しているのに、いつの間にかフォロワー数を増やすことに一生懸命になってしまっていた、というケースもあります。
目的を確認したうえでフォロワー数を増やす必要がある場合、投稿のタイミングや頻度を見直す、SNSの各機能を使ってみるなどの対策がおすすめです。
例えば朝の通勤時間に合わせて投稿する場合、長々と説明文を記載するような内容は読まれないでしょう。
通勤時間であれば、さっと簡単に目を通せるような投稿が適切です。
適切な時間に適切な投稿をすることで、ユーザーの目に留まり興味関心を引くことにつながるでしょう。
悩み②どのような投稿をしたらいいかわからない
SNS運用をはじめたころは、どのような投稿をしたらいいかわからないということも多々あるでしょう。
投稿ではユーザーの悩みを解決したいので、ターゲットがどのような悩み・不満を持っているのかを見つけましょう。
- アンケートをとる
- エゴサーチで不満や問題点などを見つける
- SNSや質問サイトでユーザーの困りごとや悩みを見つける
- ライバルの分析
他業種の人気がある企業アカウントを参考にするのも、投稿内容を決めるヒントになるかもしれません。
悩み③ユーザーとのコミュニケーションの取り方がわからない
ユーザーとのコミュニケーションは、投稿した内容に届いたコメントに丁寧に返信することからはじめてみましょう。
はじめから返信しきれないほど、多くのコメントは来ないことがほとんどです。
最初のうちはひとつひとつ丁寧に内容を確認し、適宜返信するとよいでしょう。
慣れてきたという方は、自社商品やサービスについて投稿しているユーザーを検索し、関連する投稿に対してコメントやいいねなどのアクションをとってみましょう。
企業自ら反応を示すことで、親近感を持ってもらいやすく、投稿に注目してもらえるきっかけになります。
悩み④結果の分析が難しい
運用結果の分析が難しいとつまずく方が多くいらっしゃいます。
結果分析では、マーケティングの手法を思い浮かべると取り組みやすいでしょう。
- 運用の目的にそって必要な数値や項目を確認する
- 上昇させたい数値・改善したいポイントの数値を見る
ただ数字を眺めるだけでなく、必要な数値を客観的に見ることが重要です。
分析が難しい場合は、SNS運用代行業者などに依頼することも可能です。
悩み⑤社内にはSNSに慣れた人がいない
SNS運用をはじめたいけれど、社内にSNSをプライベートで使用している方がいないという場合もあるのではないでしょうか。
SNSに慣れている人がいない場合も、お客様と直接接するような業務をしている方、メールやチャット・電話応対などの対応をしている方は、SNS運用に向いている可能性があります。
SNS初心者にとって動画はハードルが高いという方も多くいらっしゃいます。
その場合は、テキストのみで投稿できるXや、商品画像などを掲載できるInstagramなどがはじめやすいでしょう。
どうしても難しい場合は、SNS運用代行を頼むのも一つの手段です。
まとめ
SNS運用は無料で始められるうえ、さまざまな効果が期待できるため、ぜひ企業のマーケティングの一環としてとり入れたい手法です。
SNS運用をはじめる準備と手順は、次の通りです。
- SNS運用の目的を決める
- ターゲットを決める
- 運用するSNSを決める
- 運用のルールを決める
- 企業のアカウントを作成する
- 初期設定
- プロフィール設定
- 運用計画の制定と投稿
- 定期的な成果測定・分析
今回ご紹介した成功のためのコツや、よくある悩みの解決法を参考に、ぜひ企業のアカウント運用を成功させてください。
本記事で紹介した以外にSNS運用のお悩みがある方は、下記入力フォームよりお気軽にご相談ください。