視覚障害者が業務システムを使うためのアクセシビリティ|確認項目と相談方法

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勤怠管理、経費精算、顧客情報の入力、グループウェアなど、仕事では多くの業務システムを使います。視覚障害がある方にとって、システムを利用できるかどうかは、担当業務を続けられるかどうかに直結します。

スクリーンリーダーや画面拡大を導入しても、ログイン、入力、エラー表示、帳票出力などで操作が止まることがあります。大切なのは「画面を読めるか」だけでなく、実際の作業を完了できるかを確認することです。

視覚障害者にとって業務システムのアクセシビリティが重要な理由

業務システムは、申請、登録、検索、承認、修正、帳票出力といった一連の作業を行うものです。画面の一部だけが読み上げられても、入力後のエラーや申請状況を確認できなければ、業務を自分だけで完結しにくくなります。

JEEDの情報サービス関連分野における合理的配慮事例では、音声読み上げソフトを電子メール、グループウェア、プログラミングなどのパソコン利用で活用した例が紹介されています。[1] これは一つの事例ですが、支援機器と業務環境を切り離さず、実際の仕事で使えるかを確認する重要性を示しています。

確認は本人だけで行うものではありません。上司、情報システム部門、必要に応じて人事や支援機関が協力し、問題のある操作を整理することが大切です。

システム利用で確認したい7つの操作

システムを試す時は、画面を開くだけで終わらせず、日常業務の流れに沿って確認します。以下の項目をチェックしてみましょう。

確認する操作具体的な確認内容困った時に検討すること
ログイン・認証ID・パスワード入力、二段階認証、認証アプリやカード操作認証方法や案内表示を確認する
画面内の移動メニュー、見出し、ボタン、タブへキーボードで移動できるか操作順序や読み上げ内容を確認する
検索・入力検索条件、入力欄、選択肢、日付、必須項目を把握できるか入力方法や項目名の確認を依頼する
エラーの確認入力漏れや形式エラーが読み上げで分かるかエラーの場所・内容を確認する方法を相談する
保存・申請保存完了、申請完了、承認状況を確認できるか完了メッセージや履歴を確認する方法を決める
帳票・添付ファイル出力したPDF、Excel、添付資料を読めるか文字情報を含む形式や代替資料を相談する
更新・通知画面変更、システム更新、期限通知を把握できるか変更時の周知方法と再確認の機会を設ける

特に重要なのは、エラーと完了の確認です。入力画面まで進めても、登録できたか、修正が必要かを確認できなければ、業務の正確性に影響します。必要な操作を一連で試し、どこで止まるかを確認しましょう。

アクセシビリティの問題を伝える時の記録方法

システムが使いにくいと感じた時は、「使えない」とだけ伝えるよりも、状況を短く記録すると解決につながりやすくなります。次の4点をメモしておきましょう。

  1. 画面・機能の名前: 例として、勤怠の申請画面、経費精算の添付画面、社内ポータルの検索画面などを記録します。
  2. 行った操作: どのキーを押したか、どの項目を入力したかを簡潔に残します。
  3. 起きたこと: ボタン名が読まれない、入力欄の必須条件が分からない、エラーの場所が分からないなどを記録します。
  4. 業務への影響: 申請を完了できない、内容を確認できない、期限に間に合わないおそれがあるなどを伝えます。

記録は、情報システム部門が問題を再現し、上司が優先度を判断する際の材料になります。個人情報や顧客情報を含む画面を記録する場合は、会社の情報管理ルールに従ってください。

会社へ相談する時の進め方

相談は、実際の業務画面を使って段階的に進めると効果的です。まず上司に、どの業務で困っているかを伝え、必要に応じて人事や情報システム部門へつないでもらいましょう。

JEEDの事例では、入社前のインターンシップで本人と会社が作業内容・作業環境を確認した例や、支援機器の貸出を活用してフィッティングを行った例が紹介されています。[1] すべての職場で同じ手順が取れるわけではありませんが、テスト用アカウント、サンプル資料、実際の業務フローを用いて試すことは、入社前後やシステム更新時の確認に役立ちます。

相談時には、「勤怠申請をキーボードと読み上げで完了できるかを確認したい」「申請エラーの内容を把握できる方法を相談したい」と、業務の目的を明確にします。確認に必要な期間と、試用中の連絡先も決めておくと安心です。

試用・導入後に見直すポイント

問題が解決した後も、システム更新、PCの入替え、担当業務の変更で操作性が変わることがあります。新しい画面や認証方法が導入された時は、主要な操作をもう一度確認しましょう。

代替方法で対応している場合は、それが業務の負担になっていないかも振り返りましょう。資料変換や画面確認のために他の人の手を借りる場面が多い場合は、上司・情報システム部門と運用を見直す余地があります。

相談に使える例文

「社内の業務システムをスクリーンリーダーとキーボードで利用したいと考えています。ログインから申請完了まで、実際の操作を確認する機会をいただくことは可能でしょうか。」

「経費精算の入力画面で、必須項目のエラーがどこにあるか確認できず、申請を完了できませんでした。エラー内容を把握する方法、または確認できる代替手段を相談させてください。」

「システム更新後に操作が変わったため、主要な業務が以前と同じように行えるかを確認したいです。試用中に質問する担当者を決めていただけますか。」

まとめ:業務システムは「一連の作業」で確認しよう

視覚障害者が業務システムを使うためには、スクリーンリーダーの導入だけでなく、ログイン、入力、エラー確認、保存、帳票出力まで、一連の作業を確認することが重要です。困る場面を記録し、上司・情報システム部門と具体的に共有することで、解決策を検討しやすくなります。

まずは日常的に使うシステムから試し、実際の業務で問題がないかを確かめましょう。本人と職場が継続して話し合い、変更に応じて見直すことが、安心して仕事を続けるためのアクセシビリティにつながります。

参考文献

  1. 独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構(JEED)「視覚障害者の情報サービス関連分野における合理的配慮事例」
  2. 独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構(JEED)「視覚障害と支援機器」
いろとりどり編集部

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