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会議資料が当日になって初めて配られると、視覚障害がある方は内容を確認して会議に参加するまでに十分な時間を取れないことがあります。読み上げソフト、拡大表示、点字など、自分に合う方法で内容を把握するには、事前共有が重要です。
ただし、早く送ってもらうだけでは十分とは限りません。画像だけのPDF、構造が分かりにくい表、説明のないグラフや図では、内容をつかみにくい場合があります。この記事では、資料形式、会議中・会議後の工夫、会社への伝え方を解説します。
会議資料の事前共有が大切な理由
会議では、資料を確認しながら説明を聞き、話の流れを追い、必要に応じて意見を伝えます。視覚障害がある場合、資料確認と説明を聞くことを同時に行うのが負担になることがあります。事前に見出しや論点を確認できれば、当日の説明を理解しやすくなります。
内閣府の対応要領では、視覚障害のある委員に会議資料を事前送付する際、読み上げソフトに対応できるよう電子データ(テキスト形式)で提供する例が示されています。[1] これは公的機関の対応例ですが、職場の会議でも、必要な情報を事前に確認できるようにする考え方として参考になります。
事前共有は、質問や発言の準備、業務への影響を考えるためにも役立ちます。資料が機密情報を含む場合は、会社の共有ルールや送付方法を確認したうえで相談しましょう。
事前共有で確認したい資料の形式
読み上げやすさは、拡張子だけで決まりません。見出しや本文が文字情報として入力され、内容の構造が分かることが重要です。
| 確認したいこと | 相談できる工夫の例 | 確認する目的 |
|---|---|---|
| 文字情報が含まれるか | 画像ではなく、文字を選択・検索できる電子データを共有する | 読み上げソフトで本文を確認しやすくする |
| 見出しの構造が分かるか | 資料タイトル、章見出し、項目名を明確にする | 必要な箇所へ移動しやすくする |
| 更新内容が分かるか | 修正版の共有時に変更箇所と版を知らせる | 会議前に確認した内容との違いを把握する |
| 共有の時期 | 会議の目的や資料の量に応じ、確認に必要な時間を見込んで送付する | 会議前に内容を読んで質問を整理する |
| 送付方法 | 会社が認めるメール、共有フォルダ、社内ポータル等を使用する | 情報管理のルールに沿って受け取る |
JEEDは、画面読み上げソフトについて、パソコン画面やワープロ・表計算・PDF等の文字情報を音声で読み上げるソフトウェアと説明しています。[2]そのため、資料を作る側が、文字情報を画像として貼り付けるのではなく、読める文字として入力することが、情報を共有するための基本になります。
表・画像・スライドで依頼したい補足
表、グラフ、組織図、フローチャート、写真、地図は、本文だけを読み上げても意味をつかみにくい場合があります。会議で判断に必要な情報は、別の形でも確認できるように相談しましょう。
グラフなら比較内容と数値の増減、表なら行・列と重要な数値を説明文で補足してもらう方法があります。図やフローチャートは、手順や関係性を箇条書きで示すと理解しやすくなります。
また、点字や拡大文字など、複数の媒体で資料を用意する場合は、媒体によってページ番号が異なることがあります。内閣府の対応要領でも、この点に留意する例が示されています。[1] 会議中に「資料の5ページ」と案内する時は、ページ番号だけでなく、見出しやスライドの題名も伝えてもらうと、同じ箇所を確認しやすくなります。
会議中・会議後の情報保障もセットで考える
事前に資料を読めても、会議中に資料が変更されたり、口頭の説明だけで重要な決定がされたりすることがあります。そのため、資料の事前共有と会議中・会議後の確認を組み合わせることが大切です。
- 会議中:説明する資料の見出しやページ、変更箇所を口頭で案内してもらう。図表は要点を言葉でも説明してもらう。
- 質問の時間:資料や説明で分からない点を確認できるよう、話題が変わる前に質問の機会を設ける。
- 会議後:決定事項、担当者、期限、資料の差し替え内容を議事録やチャットで確認できるようにする。
内閣府の対応要領は、資料を見ながら説明を聞くことが困難な視覚・聴覚障害のある人に対し、ゆっくり丁寧な進行を心がける例も挙げています。[1]職場でも、会議の進行役に「資料の説明は少し区切ってもらえると確認しやすい」と伝えることで、参加しやすくなる場合があります。
会社へ相談する前のチェックリスト
会議資料の事前共有を相談する前に、以下を整理しておくと、必要な配慮を具体的に伝えやすくなります。
- どの種類の会議で、どの資料を確認しにくいか。
- 資料はいつまでに受け取れると、会議前に確認しやすいか。
- 読み上げソフト、拡大表示、点字など、普段どの方法で資料を確認しているか。
- 表、グラフ、画像、スライドのうち、特に補足が必要なものは何か。
- 会議中・会議後に、どの情報を文書やチャットで確認したいか。
重要な定例会議や判断に関わる会議から試し、資料の形式や共有時期が自分に合っているかを見直しましょう。
相談に使える例文
「会議資料を読み上げソフトで確認してから参加したいと考えています。可能な範囲で、会議の前に文字情報を含む電子データを共有していただくことはできますか。」
「グラフや表は、会議中だけでは内容を把握しにくいことがあります。資料に要点の説明を添えていただくか、会議中に比較内容や重要な数値を言葉でも説明していただけると助かります。」
「会議中に資料が差し替わった場合は、変更したページや内容を教えてください。会議後に決定事項と担当業務を文面で確認できると、正確に進めやすいです。」
まとめ:事前共有と会議中の案内で参加しやすい環境をつくろう
視覚障害がある方にとって、会議資料の事前共有は、内容を理解し、会議に参加し、意見を伝えるための大切な準備です。資料を早めに受け取ることに加え、読み上げやすい文字情報、表や画像の補足、会議中のページ案内、会議後の決定事項の確認を組み合わせると、情報を受け取りやすくなります。
まずは、自分がどの資料で困るのか、どのような形式なら確認しやすいかを整理し、上司や会議の主催者へ相談しましょう。会社の情報管理ルールを踏まえながら、本人と職場が試し、見直していくことが、働きやすい会議環境につながります。

