障害者雇用で在宅勤務・出社頻度を相談する方法|交渉前に整理したい5つの項目

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通勤による疲労、朝の体調の波、通院、職場環境による負担などから、「在宅勤務を増やしたい」「出社頻度を見直したい」と考えることがあります。一方で、対面の打ち合わせや設備が必要な仕事もあり、出社か在宅かの二択では決められない場合もあります。

相談する時は、希望だけではなく、どの業務をどの環境で行うと安定して成果を出しやすいかを具体的にすることが大切です。

在宅勤務・出社頻度の相談は「働き方の設計」から始める

在宅勤務を希望する理由は、人によって異なります。通勤で体力を使い切る、混雑や音・光が負担になる、朝の体調が安定しない、通院と勤務を両立したいなどです。負担になる場面と、在宅勤務で改善できる点を分けて考えましょう。

同時に、紙の書類や専用設備、対面での研修・面談など、出社が必要な業務も整理します。仕事を「在宅で行いやすい」「出社した方が行いやすい」「どちらでも可能」に分けると、出社頻度を現実的に相談しやすくなります。

大切なのは、在宅勤務を目的にするのではなく、安定して業務を続け、成果を出すための方法として提案することです。会社にとっても、業務の進め方や連絡体制が明確になれば、働き方を検討しやすくなります。

合理的配慮と在宅勤務の関係

雇用分野では、事業主に対して過重な負担にならない範囲で障害者への合理的配慮を提供することが義務付けられています。[1] ただし、合理的配慮は、本人が希望した方法が常にそのまま実現することを意味するものではありません。障害特性、業務内容、職場の体制、情報セキュリティ、他の従業員との役割分担などを踏まえ、本人と会社が話し合って具体的な方法を考えます。

そのため、結論だけを伝えるよりも、なぜその頻度が必要か、どの仕事なら対応できるか、連絡や進捗確認をどう行うかを示すことが重要です。別の案が出た場合も、安定就労につながるかを基準に検討しましょう。

厚生労働省委託事業の障害者テレワーク雇用に関する相談窓口では、業務の選定から定着まで、業務・体調管理やコミュニケーション面を含めた支援が案内されています。[2] 在宅勤務は、勤務場所だけではなく、業務の切り分けや連絡方法まで含めて設計することが大切です。

交渉前に整理したい5つの項目

上司や人事へ相談する前に、次の5つをメモしておくと、話し合いが具体的になります。

整理する項目考える内容伝え方の例
体調・通勤の負担どの時間帯や環境で負担が大きく、在宅で何が改善するか「通勤後の疲労を抑え、午後の業務品質を安定させたい」
業務の切り分け在宅で行える仕事、出社が必要な仕事、頻度の目安「資料作成は在宅、対面会議と書類処理は出社で対応できる」
連絡・進捗共有連絡手段、返信の目安、定例ミーティング、相談先「始業時・終業時にチャットで共有し、週1回オンライン面談を行いたい」
環境・情報管理PC、通信環境、業務システム、資料の扱い、作業場所「会社のルールに沿った端末・接続方法を確認したい」
試行と見直し試す期間、確認する点、見直す時期「まず1か月試し、業務量・体調・連絡面を振り返りたい」

この整理では、診断名や詳細な個人情報を必要以上に伝える必要はありません。業務を進めるために必要な範囲で、「どのような条件なら安定して働きやすいか」を伝えることがポイントです。

出社頻度を話し合う時の進め方

話し合いでは、最初から固定の結論を求めるよりも、試行できる案を提案すると進めやすくなります。例えば、「週2日を在宅勤務にし、対面会議がある日は出社する」「通勤負担が大きい曜日は在宅とし、月初・月末は出社して事務処理を行う」といった形です。

提案する時は、出社しない日だけでなく、出社する日の目的も明確にしましょう。チーム会議、上司との面談、研修、紙の書類を扱う作業など、出社の必要性を共有できると、在宅勤務と出社の役割分担を考えやすくなります。

出社頻度だけを議論すると、連絡不足や孤立感が生じることがあります。始業・終業の連絡、質問する手段、定例面談、急な体調変化時の連絡先も合わせて決めましょう。

試行期間と見直しのポイント

在宅勤務や出社頻度を変更する場合は、一定期間試してから振り返る方法が有効です。試行期間中は、次のような点を確認します。

  • 納期、業務量、成果物の品質に問題がないか。
  • 通勤負担や体調の変化が、勤務の安定につながっているか。
  • 上司・同僚との連絡、会議参加、質問のしやすさに課題がないか。
  • 情報管理やシステム利用など、在宅環境で対応できない業務がないか。
  • 出社する日・在宅で働く日の役割分担が実態に合っているか。

振り返りでは、資料作成に集中しやすくなった、通勤の疲労が減った、出社日は対面相談に集中できたなど、良かった点も共有します。

体調、業務内容、組織体制は変化します。出社頻度を固定的に考えず、定期的に見直しましょう。

相談に使える例文

「通勤による疲労を抑え、安定して業務を続けるために、在宅勤務と出社の頻度について相談したいです。現在の担当業務を整理し、在宅で対応できる業務と、出社が必要な業務をまとめました。」

「資料作成やデータ入力は在宅で対応できます。一方で、チーム会議と対面での確認が必要な業務は出社して対応したいと考えています。まずは1か月、週2日の在宅勤務で試すことは可能でしょうか。」

「在宅勤務中の連絡方法、進捗共有、体調不良時の連絡先も合わせて確認したいです。試行後に業務量・連絡面・体調面を振り返る機会をいただけますか。」

まとめ:希望を具体化し、試行と振り返りで働き方を整えよう

障害者雇用で在宅勤務や出社頻度を相談する時は、希望する日数だけでなく、業務内容、通勤・体調の負担、連絡方法、試行期間、見直し時期を整理することが重要です。在宅勤務は一律の正解ではなく、本人と会社が安定就労のために働き方を設計するための選択肢の一つです。

まずは、自分が働きやすい条件と、会社に必要な確認事項を書き出してみましょう。出社と在宅の役割を分け、試しながら見直していくことで、無理なく仕事を続けやすい環境をつくれます。

参考文献

  1. 厚生労働省「雇用分野における障害者への差別禁止・合理的配慮」
  2. 厚生労働省委託事業「障害者のテレワーク雇用に関する無料相談窓口」
いろとりどり編集部

この記事の監修・運営

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