障害者雇用で業務量が多い時の相談方法|上司に伝える準備・例文・調整の進め方

絶対に読むべき必読記事

障害者雇用で働いていて、「仕事が終わらない」「期限に追われて休憩が取れない」「帰宅後も疲れが抜けず、翌日の勤務に影響している」と感じていませんか。業務量が多い状態を我慢し続けると、ミスや体調不良につながり、仕事を続けること自体が難しくなる場合があります。

一方で、「忙しいと言うと評価が下がりそう」「自分だけ配慮を求めるのは申し訳ない」と考え、相談をためらう方も少なくありません。業務量の相談は、仕事を減らしてもらうためだけのものではなく、担当業務の優先順位や期限、支援方法を整理し、安定して成果を出せる働き方をつくるためのものです。この記事では、相談前の準備から上司への伝え方、相談後の見直しまでを解説します。

障害者雇用で「業務量が多い」と感じたら早めに相談する

業務量が多いと感じても、すぐに「自分にはできない」と結論づける必要はありません。まずは、何が負担になっているのかを分けて考えましょう。仕事の件数そのものが多いのか、複数の依頼が重なって優先順位をつけにくいのか、手順が複雑で時間がかかるのか、体調の波によって一定のペースを保ちにくいのかによって、必要な調整は変わります。

厚生労働省は、雇用分野における障害者への差別禁止と、過重な負担にならない範囲での合理的配慮の提供義務を案内しています。[2] 業務量や働き方に困りごとがある場合は、本人の状況と仕事上の障壁を具体的にし、会社と話し合うことが大切です。

限界まで我慢してから伝えるよりも、「最近、業務が増えてきて負担を感じているので、早めに相談したい」と伝えた方が、上司も対応を考えやすくなります。体調に大きな影響が出る前に、相談の場をつくりましょう。

相談前に整理したい4つの事実

「業務量が多いです」とだけ伝えても、上司はどこから調整すればよいか判断しにくいことがあります。相談前に、以下の4つを短くメモしておくと伝わりやすくなります。

整理すること具体例確認する目的
担当業務定常業務、新たに増えた業務、突発的な依頼どの業務が増えたかを共有する
時間と期限1件にかかる時間、締切、残業や休憩への影響負担を感覚ではなく事実で示す
困る場面依頼が同時に来る、指示が曖昧、午後に疲労が強くなる業務量以外の原因も見つける
希望する調整優先順位の確認、期限の調整、業務の分担、手順書、面談上司と解決策を話し合う材料にする

例えば、「毎日忙しい」ではなく、「午前中の入力業務に加え、午後の問い合わせ対応が週3回入ると、日報の提出が締切に間に合わないことがある」と整理します。こうすると、業務を減らす以外にも、日報の締切を調整する、問い合わせ対応の担当時間を決める、繁忙日の優先順位を確認するといった選択肢を考えやすくなります。

上司へ伝える時の4ステップ

相談では、感情を抑え込む必要はありませんが、事実と希望を分けて話すと、前向きな対話につながります。次の4ステップを意識してみましょう。

  1. 相談したい目的を伝える。 「安定して仕事を続けるために、業務量について相談したいです」と最初に伝えます。
  2. 現在の状況を具体的に説明する。 業務名、件数、期限、時間、体調への影響を簡潔に共有します。
  3. 自分で試した工夫を伝える。 タスクをメモにする、早めに着手する、質問をまとめるなど、すでに行った工夫があれば説明します。
  4. 希望する調整を一つ提案する。 優先順位の確認、締切の調整、業務分担、定期面談など、まず試したい方法を伝えます。

ポイントは、最初から完璧な解決策を出そうとしないことです。「どの業務を優先すべきか確認したい」「2週間試した後に見直したい」といった小さな提案でも、相談のきっかけになります。

業務量を調整する具体的な選択肢

業務量の調整は、単に業務を減らすことだけではありません。本人の得意なこと、業務の緊急度、チームの体制に合わせて、さまざまな方法があります。

調整の方向性具体的な方法相談時の確認点
優先順位を明確にする毎朝または毎週、優先度と締切を確認する急な依頼が入った時、何を後回しにするか
業務を段階的に増やす新しい業務を一部から始め、慣れてから範囲を広げる試行期間と見直し日を決められるか
手順を整える手順書、チェックリスト、テンプレートを活用する質問先と確認にかかる時間を確保できるか
業務を分担する突発対応や対人対応など、一部の業務を他の人と分ける本人が優先して担う業務は何か
働き方を調整する休憩、勤務時間、通院日、在宅勤務等を相談する体調への影響をどのように共有するか

JEEDが紹介する事例では、業務日誌で日々の体調や疲労度を把握し、上司や作業指示者が業務量や指示方法を見直す取組が示されています。定期面談で業務と体調の状況を確認し、必要に応じて調整する考え方は、業務量の相談にも参考になります。[1]

上司に伝える例文

「業務量について相談したいことがあります。今週は入力業務と問い合わせ対応が重なり、日報の提出が遅れる日がありました。期限内に正確に進めるため、急な依頼が入った時の優先順位を確認させていただけますか。」

「新しい業務には取り組みたいと考えています。ただ、現在の業務と並行すると午後に疲労が強くなり、確認作業に時間がかかっています。まずは週2回から始め、2週間後に業務量を見直すことは可能でしょうか。」

「自分でもチェックリストを使っていますが、締切が重なる時に判断に迷います。週の初めに優先順位を10分ほど確認する時間をいただけると、より安定して進められると思います。」

相手が忙しい場合は、口頭で伝える前に「業務量について10分ほど相談したいことがあります」と面談時間を依頼する方法もあります。相談したいことを箇条書きにして渡すと、話がまとまりやすくなります。

相談後に記録・見直しを行う方法

相談後は、決まった内容を簡単に記録しましょう。記録するのは、業務の優先順位、調整する内容、相談担当者、次回の見直し日です。メールやチャットで「本日確認した内容です」と送るだけでも、認識のずれを防ぎやすくなります。

調整を始めた後も、業務量が適切になったかを確認します。たとえば、1週間後に「期限に間に合ったか」「休憩を取れたか」「疲労やミスはどう変わったか」を振り返りましょう。改善が見られない場合は、業務の件数だけでなく、期限、指示の方法、職場環境など別の要因も含めて再度相談します。

まとめ:業務量の相談は、働き続けるための準備

障害者雇用で業務量が多いと感じたら、担当業務、時間と期限、困る場面、希望する調整を整理して、早めに上司へ相談しましょう。大切なのは「忙しい」とだけ伝えるのではなく、仕事を安定して進めるために何を調整したいのかを具体化することです。

業務量の調整は、優先順位の確認、段階的な業務追加、手順書、分担、面談など、さまざまな方法で行えます。一人で抱え込まず、定期的に振り返りながら、自分に合った働き方を会社と一緒に探していきましょう。

参考文献

  1. 独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構(JEED)「精神障害者の事務職における合理的配慮事例」
  2. 厚生労働省「雇用分野における障害者への差別禁止・合理的配慮」
いろとりどり編集部

この記事の監修・運営

就労継続支援B型 いろとりどり編集部

当メディアは、障がいを持つライターたちが自ら発信する、障がい者のための転職・就労支援情報メディアです。現役の就労継続支援B型事業所「いろとりどり」が福祉の現場視点から、信頼できる正確な就労ノウハウやリアルな体験談をお届けしています。

📍 住所:〒230-0001 神奈川県横浜市鶴見区矢向3丁目15−11 五月建設ビル 3F

関連記事