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子育てをしながら働くワーキングママの数は年々増えており、そのなかには障がいを抱えながら仕事と家庭を両立する方も多くいます。 身体障がい、精神障がい、発達障がい、内部障がいなど、さまざまな特性とともに育児と仕事の両立に向き合うワーキングママにとって、働きやすい環境を見つけることは生活の質を大きく左右します。 ここでは、障害のあるワーキングママが直面しやすい課題から、働きやすい職場の特徴、転職活動で意識したいポイントまでをわかりやすく解説します。
障害のあるワーキングママを取り巻く現状
子育てと仕事の両立は、誰にとっても簡単ではありません。 ましてや障がいのあるワーキングママは、自分の障がい特性と子育てという二つの大きなテーマに同時に向き合うことになります。
子育てそのものに体力と精神力が必要です。 乳幼児期は授乳、夜泣き、急な体調不良への対応など、24時間体制でのケアが求められます。 就学後も、PTA活動、行事への参加、子どもの体調不良時の早退や欠勤など、仕事との両立を求められる場面が続きます。
障がいによる体調管理も並行しておこなう必要があります。 通院、服薬、リハビリ、休息など、自分自身のケアを欠かさずに続けることが、健康を維持するために欠かせません。
仕事ではキャリア形成や同僚との関係づくりも求められます。 業務の責任を果たしながら、職場での人間関係を維持し、自分のキャリアを育てていく必要があります。
これらすべてを同時にこなすことは、想像以上に大変です。 ひとりで抱え込まず、家族、職場、医療機関、支援機関などのサポートを上手に組み合わせることが、長く働き続けるための土台となります。
近年、社会全体でワーキングママを支える環境が整いつつあります。 育児休業制度の充実、時短勤務制度の普及、テレワークの定着、子育て支援サービスの広がりなど、両立を支える仕組みが充実してきました。 障がいのあるワーキングママにとっても、こうした社会の変化は追い風となっています。
障害のあるワーキングママが直面しやすい課題
障害のあるワーキングママは、いくつかの特有の課題に直面しやすくなります。
体力面での負担が大きいことが、最も多い悩みです。 育児の身体的な負担に加えて、自分の障がいによる疲労が重なることで、慢性的な疲労感を抱える方が少なくありません。 夜中の授乳や夜泣きで睡眠が不足する時期は、体調の悪化につながることもあります。
通院との両立の難しさも、大きな課題です。 自分の通院、子どもの予防接種や定期検診、急な体調不良時の受診など、医療機関への通院機会が多くなります。 有給休暇を通院だけで使い切ってしまう、欠勤による収入減を気にしながら通院するなど、悩みは尽きません。
子どもの急な体調不良への対応も、ワーキングママにとって大きな試練です。 保育園や学校からの呼び出しに即座に対応する必要があり、自分の体調が悪い日でも子どものケアを優先しなければならない場面があります。
仕事の調整に対する罪悪感も、多くの方が抱える感情です。 時短勤務、急な早退、子どもの行事のための休暇など、同僚と異なる働き方をすることに対する申し訳なさを感じる方が多くいます。 合理的配慮を求める立場と、子育てのための配慮を求める立場の両方を背負うことに、心理的な負担を感じることがあります。
夫やパートナーとの分担の難しさもあります。 家事や育児の分担が不公平になりがちで、配偶者の協力が十分に得られない場合、すべての負担が自分にのしかかってきます。
経済的な不安も、無視できない要素です。 時短勤務や勤務日数の減少によって収入が下がる一方で、子育てや医療費の支出は増えていきます。 家計を支える責任を感じながら、自分の働き方を選ぶ必要があります。
社会的な孤立感を抱えることもあります。 ママ友や近所の人との関わりのなかで、自分の障がいを共有することに抵抗を感じたり、誰にも相談できない悩みを抱えたりする方も少なくありません。
これらの課題は、ひとりで抱え込まず、支援機関や周囲のつながりを活用することで、少しずつ軽減できます。
ワーキングママに優しい職場の特徴
子育てと仕事の両立を支える職場には、いくつかの共通する特徴があります。
時短勤務制度が整っている職場は、両立の基盤になります。 子どもが小学校に上がるまで、または小学校3年生まで利用できる時短勤務制度を持つ企業が増えています。 育児介護休業法では、3歳未満の子どもを養育する社員の時短勤務が法的義務とされていますが、対象年齢を独自に拡大している企業もあります。
フレックスタイム制度も、両立を支える重要な仕組みです。 コアタイム以外の時間を柔軟に調整できる仕組みは、子どもの送迎、自分の通院、子どもの急な体調不良への対応など、さまざまな場面で活用できます。
テレワークが可能な企業は、最も両立しやすい選択肢のひとつです。 通勤の負担がなく、自宅で子どものケアと業務を両立できる働き方は、ワーキングママにとって心強い味方です。 完全在宅勤務、週の数日のテレワーク、業務内容に応じた選択制など、企業ごとにさまざまな運用があります。
子の看護休暇制度が整っている職場も大切です。 子どもの病気や予防接種のために取得できる休暇制度は、育児介護休業法で年間5日まで認められていますが、これを上回る独自制度を持つ企業もあります。
育児休業からの復帰支援が充実している企業も、安心して働ける環境です。 復帰前の面談、慣らし期間の設定、業務量の段階的な増加など、復帰後の働き方を丁寧にサポートしてくれる仕組みがあると、無理なく業務に戻れます。
産業医や保健師の存在も、健康管理の支えになります。 自分の障がい、子育てによる疲労、心の不調などを相談できる窓口があることで、長く働き続けられる土台が築けます。
ワーキングママが多い職場は、文化的にも両立しやすい環境です。 時短勤務や急な早退に対する理解、子育てへの共感、お互いを支え合う雰囲気など、文化として根付いている職場では、罪悪感なく働けます。
合理的配慮への取り組みが進んでいる企業は、障がいへの理解も深い職場です。 子育てと障がいの両方への配慮を、組織的に提供してくれる企業を選ぶことが、両立の鍵になります。
働きやすい職種と業界
ワーキングママにとって、職種や業界の選び方も両立に大きく影響します。
事務職は、定時退社しやすく、土日祝休みの求人が多いため、子育てとの両立に向いている職種です。 データ入力、書類作成、経理補助、総務、人事、営業事務など、選択肢は豊富にあります。 特例子会社の事務職、大手企業のバックオフィス職などは、安定して働きやすい環境が整っています。
ITやウェブ関連の職種は、テレワーク前提の働き方が広がっているため、両立しやすい分野です。 プログラマー、ウェブデザイナー、ライター、データ分析、SNS運用、デジタルアクセシビリティ担当など、専門スキルを身につけることで、自宅から働ける道が開けます。
カスタマーサポートや事務系の在宅勤務も、近年は障害者雇用枠でも増えています。 電話対応、メール対応、チャット対応など、自宅で完結できる業務は、子育てとの両立に向いています。
公的機関や独立行政法人、地方自治体の障害者雇用は、雇用の安定性と育児支援の充実度で魅力的な選択肢です。 時短勤務、子の看護休暇、育児休業など、制度がしっかり整っており、長期的に安心して働けます。
医療法人や福祉法人も、ワーキングママに優しい職場として知られています。 医療現場や福祉現場では、女性の活躍を支える文化が浸透しており、両立への理解が得やすい傾向にあります。
クリエイティブ業界やコンサルティング業界では、フレックスタイムや裁量労働制を採用する企業が多く、柔軟な働き方が可能です。
逆に、シフト制の不規則な勤務、夜勤がある業務、長時間の立ち仕事、頻繁な出張がある業務などは、子育てとの両立が難しいことがあります。 自分の体調、子どもの年齢、家族のサポート体制を踏まえて、慎重に判断することが大切です。
転職活動を進める際の準備
ワーキングママとしての転職活動には、独自の準備が必要です。
まず、自分が大切にしたい条件を整理しましょう。 給与、勤務時間、勤務地、テレワークの可否、時短勤務の可否、子の看護休暇の制度、産業医の有無、合理的配慮の内容など、譲れない条件と妥協できる条件を明確にしておきます。
家族との話し合いも、転職活動の出発点です。 配偶者やパートナー、子ども、両親など、家族と転職についての意向を共有し、協力体制を整えておきましょう。 家事や育児の分担、子どもの送迎、緊急時の対応など、具体的な役割分担を話し合っておくと、転職後の生活がスムーズに進みます。
自分の体調とキャリアの両立可能性を見つめ直しましょう。 これまでの働き方で無理がなかったか、どのような配慮が必要だったか、新しい職場で何を改善したいかを整理することで、求人選びの判断軸が明確になります。
子育てに関わるサポート資源を確認しましょう。 保育園、学童保育、ファミリーサポート、病児保育、ベビーシッターなど、利用できる子育て支援サービスを把握しておくことで、転職後の生活設計が立てやすくなります。
経済面の試算も大切です。 新しい職場での給与、保育料、医療費、生活費などを試算して、家計が無理なく成り立つかを確認しましょう。 公的支援、税制優遇、各種手当などもあわせて検討します。
転職エージェントを上手に活用しましょう。 障がい者専門の転職エージェントには、ワーキングママのサポートに力を入れている会社もあります。 担当者に自分の状況を率直に伝えることで、両立しやすい求人を優先的に紹介してもらえます。
求人の探し方
ワーキングママに優しい求人を探すには、いくつかのルートを組み合わせることが効果的です。
障がい者専門の転職エージェントを活用しましょう。 時短勤務希望、テレワーク希望、子育てとの両立を重視といった希望条件を担当者に伝えることで、その条件に合う求人を紹介してもらえます。
ハローワークの障がい者専門窓口でも、希望条件を伝えることで適切な求人を紹介してもらえます。 マザーズハローワークやマザーズコーナーといった、子育て中の女性に特化した窓口を併設している地域もあります。 障がいの相談と子育ての相談を並行して進められる、心強い選択肢です。
求人サイトでの絞り込み検索を活用しましょう。 時短勤務可、テレワーク可、子育て中の社員活躍中、ワーキングママ歓迎などのキーワードや条件で絞り込むことで、候補となる求人を効率的に確認できます。
くるみん認定企業やプラチナくるみん認定企業を確認しましょう。 くるみん認定は、子育てサポートに積極的に取り組む企業を厚生労働省が認定する制度で、認定企業の一覧は厚生労働省のホームページで公開されています。 障がい者雇用に積極的なもにす認定とあわせて確認することで、両立しやすい職場が見つかります。
企業のサステナビリティレポートや採用ページから、女性活躍推進や子育て支援の取り組みを調べる方法もあります。 具体的な制度、実績、社員の声などが公開されている企業は、透明性の高い姿勢を持っています。
口コミサイトでは、実際に働いている方や元社員の声から、子育てとの両立の実態を確認できます。 ただし、口コミは個人の主観も含まれるため、複数の意見を総合的に判断しましょう。
地域の女性活躍推進センターや、自治体の就労支援窓口なども情報源として活用できます。
面接で確認したい質問
面接の場で、子育てとの両立に関する質問をすることで、企業の実態を確認できます。
時短勤務制度の運用について質問しましょう。 利用できる対象年齢、運用実態、利用している社員の割合、復帰後の業務内容などを聞きます。 制度があっても実際には利用しにくい雰囲気の職場もあるため、運用の実態を確認することが大切です。
フレックスタイム制度やテレワークの活用状況を確認しましょう。 コアタイムの設定、テレワークの頻度、利用している社員の割合などを質問します。
子の看護休暇の運用について聞きましょう。 法定の年間5日を超える独自制度があるか、取得時の手続き、給与の支給有無などを確認します。
ワーキングママの在籍状況を質問しましょう。 社内に子育て中の女性社員がどれくらいいるか、復職後のキャリアパスはどうか、ロールモデルとなる先輩はいるかなど、職場の雰囲気を知る手がかりになります。
合理的配慮との両立について確認しましょう。 障がいへの配慮と子育てへの配慮を、組織的にどのように両立してくれるかを聞きます。 両方を理解してくれる職場であることが、長く働ける環境の条件です。
産業医や保健師の存在も確認しましょう。 心身の不調を相談できる体制が整っているかは、長期的な就労継続を支える要素です。
繁忙期や残業の実態も聞いておきましょう。 時短勤務でも繁忙期に残業を求められるか、子育てによる早退に対する反応はどうかなど、実際の働き方をイメージできる情報を集めます。
質問への回答が具体的で、事例を交えて説明してくれる企業は、運用の実態が伴っている可能性が高いです。 抽象的な回答にとどまる企業は、慎重に判断しましょう。
利用できる支援制度
ワーキングママを支える各種の制度を、最大限に活用しましょう。
育児休業給付金は、育児休業中の生活を支える制度です。 育児休業開始から180日までは賃金日額の67パーセント、それ以降は50パーセントが支給されます。 2026年現在、男性の育児休業取得率も上昇傾向にあり、配偶者と協力して取得することで、家庭全体の両立がスムーズに進みます。
時短勤務制度は、育児介護休業法に基づく権利です。 3歳未満の子どもを養育する社員は、原則1日6時間の時短勤務を選択できます。 企業によっては、対象年齢を小学校就学前や小学校3年生までに拡大しています。
子の看護休暇は、法定で年間5日認められています。 子どもの病気や予防接種、健康診断などで取得でき、半日単位や時間単位での取得も可能です。
ファミリーサポートセンターは、地域の子育て支援サービスです。 保育園の送迎、急な体調不良時の預かりなど、有償ボランティアによるサポートを受けられます。
病児保育は、子どもが体調不良のときに預けられる施設です。 医療機関併設型、保育園併設型、訪問型などがあり、ワーキングママにとって心強い選択肢です。
学童保育や放課後子ども教室は、小学生を対象とした預かり事業です。 仕事が終わるまで子どもが安心して過ごせる場として活用できます。
各種の経済支援も活用しましょう。 児童手当、児童扶養手当、ひとり親家庭等医療費助成、就学援助など、子育て世帯を支える制度は数多くあります。 障害者向けの自立支援医療、医療費助成、税制優遇とあわせて活用することで、家計の負担を抑えられます。
両立を続けるためのコツ
転職して両立を始めた後も、長く続けるための工夫が大切です。
完璧を求めすぎない姿勢を持ちましょう。 すべてを完璧にこなそうとすると、心身が消耗してしまいます。 家事の手抜き、便利なサービスの活用、子どもへの過度な期待を控えるなど、無理のないペースを見つけることが大切です。
家族との協力体制を育てましょう。 配偶者やパートナーとの役割分担を定期的に見直し、お互いに支え合える関係を作っていきます。 両親や兄弟姉妹など、頼れる家族との関係も大切にしましょう。
子育てサービスを積極的に活用しましょう。 家事代行、食材宅配、ベビーシッター、病児保育、学習支援など、利用できるサービスを上手に組み合わせることで、自分の時間と心の余裕が生まれます。
自分の体調を最優先にしましょう。 無理をして仕事や家事を続けると、長期的には大きな代償を払うことになります。 休む時間、医療機関への通院、心身のリフレッシュを意識的に確保しましょう。
職場とのコミュニケーションを丁寧にしましょう。 時短勤務、急な早退、子どもの行事のための休暇など、職場に協力をお願いする場面が多くなります。 感謝の言葉を忘れず、業務での貢献を意識することで、職場との関係を良好に保てます。
同じ立場の仲間とつながりましょう。 ワーキングママの会、当事者団体、オンラインコミュニティなど、同じ悩みを共有できる仲間との交流が、心の支えになります。
専門家のサポートを継続的に受けましょう。 主治医、産業医、ファイナンシャルプランナー、社会保険労務士、就労支援員など、それぞれの分野の専門家を頼ることで、ひとりで抱え込まずに済みます。
まとめ
障害のあるワーキングママが働きやすい環境を見つけることは、長く充実した人生を送るための重要なテーマです。 時短勤務制度、フレックスタイム、テレワーク、子の看護休暇、産業医の存在、合理的配慮への取り組みなど、両立を支える要素はいくつもあります。 事務職、IT関連職、在宅勤務型の職種、公的機関、医療法人や福祉法人など、ワーキングママに優しい職種や業界を中心に求人を探していきましょう。 障がい者専門の転職エージェント、ハローワーク、マザーズハローワーク、求人サイト、くるみん認定企業、もにす認定企業など、複数のルートを組み合わせて、自分に合った職場を見つけましょう。
面接では、時短勤務の運用、テレワークの実態、子の看護休暇、ワーキングママの在籍状況、合理的配慮との両立など、具体的に質問することで企業の実態が見えてきます。 育児休業給付金、時短勤務、子の看護休暇、ファミリーサポート、病児保育、各種手当など、利用できる支援制度を最大限に活用しましょう。 転職後も、完璧を求めすぎず、家族の協力、子育てサービス、体調管理、職場との丁寧なコミュニケーション、同じ立場の仲間とのつながり、専門家のサポートを大切にしながら、自分のペースで両立を続けていきましょう。
子育てと仕事と自分の障がいの三つを同時に抱えながら歩むことは、決して楽な道ではありません。 しかし、自分らしい働き方を選び、必要な支援を受けながら、家族と一緒に成長していくことは、大きな喜びと充実感をもたらしてくれます。 ひとりで抱え込まず、頼れる人と制度を活用しながら、自分と家族にとって最良の働き方を見つけていきましょう。
なお、子育てや仕事でつらい気持ちが強くなったときは、ひとりで抱え込まず専門機関に相談してください。 よりそいホットラインや、いのちの電話、児童相談所虐待対応ダイヤルなど、24時間対応の窓口もあります。 あなたとあなたの家族の心と体の健康が、何より大切な財産です。
