障害者枠なのに放置される実態と違法性についての確認方法

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障害者枠で働いている方の中には、入社後に放置されている、業務を与えられない、合理的配慮の依頼にも対応してもらえない、これは違法ではないのか、こうした疑問と不安を抱えている方は少なくありません。 障害者枠での放置は深刻な問題で、雇用代行ビジネスや形だけの障害者雇用と関連していることもあります。 ここでは、障害者枠の放置の実態、違法性の判断、対処の進め方、相談窓口、利用できる支援について解説していきます。

障害者枠の放置の実態

障害者枠の放置とは、雇用された障害者社員に対して、企業が適切な業務、サポート、関心を与えない状態を指します。

具体的な状況として、業務がほとんど与えられない、簡単すぎる作業のみが続く、本来の業務範囲を超えた雑用ばかりを任される、研修や指導がない、上司や同僚とのコミュニケーションが極端に少ない、合理的配慮の依頼に対応してもらえないなどがあります。

これらは、表面的には雇用されていますが、実態として労働者として尊重されていない状態です。

法定雇用率の達成のためだけに雇用されている、いわゆる飼い殺し状態とも呼ばれます。

精神的なダメージが大きく、長く続けると症状の悪化、自尊心の低下につながります。

放置が発生する背景1 雇用代行ビジネス

放置が発生する背景を、見ていきましょう。

雇用代行ビジネスは、近年問題視されている形態です。

企業が外部の雇用代行業者と契約し、自社とは関係のない場所で障害者を雇用する仕組みです。

業務内容は、企業の本業と関係のない作業(農作業、軽作業など)であることが多いものです。

職場の場所も、本社、支店ではなく、雇用代行業者が運営する施設であることがあります。

法定雇用率の達成は可能ですが、企業文化との接点がなく、放置されやすい環境です。

放置が発生する背景2 受け入れ態勢の不備

受け入れ態勢の不備も、原因となります。

障害者雇用を始めたばかりの企業では、業務の整理、ジョブコーチの配置、指導体制が不十分なことがあります。

担当者が異動、退職した場合、引き継ぎが不十分で放置されることもあります。

人事の障害者雇用への理解が、限定的な企業もあります。

放置が発生する背景3 業務削減

業務削減による放置も、見られます。

企業の業績悪化、組織変更などで、障害者向けに用意していた業務がなくなることがあります。

企業は、雇用継続義務がありますが、業務を新たに作る積極性が乏しいことがあります。

結果として、業務が与えられない状態が続きます。

違法性の判断1 労働契約上の問題

違法性の判断を、見ていきましょう。

労働契約上、企業には業務を提供する義務があります。

労働契約書、就業規則で定められた業務内容と、実際の業務が大きく異なる場合、契約違反の可能性があります。

業務が与えられない、または極端に少ない場合、業務提供義務違反となる可能性があります。

ただし、業務量、業務内容の柔軟性は、企業の裁量範囲内とされる場合もあります。

違法性の判断2 障害者差別

障害者差別の観点からも、判断できます。

障害者雇用促進法は、障害者への差別を禁止しています。

合理的配慮の不提供も、間接的な差別となる場合があります。

ただし、過重な負担にならない範囲という条件があり、企業の判断に左右される部分もあります。

明らかに合理的配慮を求めても対応がない場合、法令違反の可能性があります。

違法性の判断3 ハラスメント

ハラスメントの観点からも、見ていきましょう。

放置自体が、パワーハラスメントに該当する場合があります。

特に、過小な要求型のパワーハラスメントは、明確な業務を与えないことも含まれます。

職場でのいじめ、嫌がらせの一形態として、扱われることがあります。

ハラスメント防止法に基づき、企業には防止義務があります。

違法性の判断4 雇用契約上の問題

雇用契約上の問題も、検討します。

賃金が支払われている場合、企業は労働者として雇用していることになります。

労働基準法、労働契約法に基づく労働者の権利が、保障される必要があります。

業務を提供しないまま、長期間賃金のみを支払う状況も、雇用関係として適切とは言えません。

対処の進め方1 状況の記録

対処の進め方を、見ていきましょう。

状況の記録が、最初のステップです。

業務内容、業務量、上司や同僚とのコミュニケーション、合理的配慮の依頼と対応などを、日々記録します。

日付、時間、具体的な内容を、メモします。

メール、チャットなどの記録も、保存します。

これらの記録は、後の相談、交渉、法的対応で活用できます。

対処の進め方2 上司・人事への相談

上司、人事への相談を、行います。

業務内容、業務量についての希望を、率直に伝えます。

合理的配慮の依頼を、書面で行います。

口頭での約束は、証拠になりにくいため、書面、メールでの記録を残します。

上司、人事の対応を、記録しておきます。

対処の進め方3 産業医・社内専門窓口

産業医、社内専門窓口への相談も、選択肢です。

50人以上の事業所には、産業医の選任が義務となっています。

医療職としての守秘義務があり、人事に伝わらない範囲で相談できます。

5人以上の障害者を雇用する企業には、障害者職業生活相談員が選任されています。

ハラスメント相談窓口も、社内に設置されています。

対処の進め方4 外部の支援機関

外部の支援機関への相談も、効果的です。

障害者就業生活支援センター(ナカポツ)は、就労と生活の両面で相談できる機関です。

支援員が、企業との交渉を仲介してくれることもあります。

地域障害者職業センターでは、ジョブコーチ支援が受けられます。

ハローワークの専門援助部門でも、相談できます。

対処の進め方5 公的相談窓口

公的相談窓口を、活用します。

労働局は、労働問題に対応する公的機関です。

各都道府県に設置されており、障害者雇用に関する相談、合理的配慮の不提供に関する相談ができます。

労働基準監督署は、労働基準法に基づく相談窓口です。

労働条件、ハラスメントなどの相談ができます。

対処の進め方6 法的対応

法的対応も、視野に入れます。

法テラスは、無料の法律相談ができる公的機関です。

弁護士に、相談することもできます。

労働問題に詳しい弁護士、社会保険労務士が、対応してくれます。

労働審判、訴訟などの法的手段が取れる場合があります。

健康の最優先

健康の最優先は、忘れてはいけません。

放置されている状態で、症状が悪化している場合、まず体調管理を優先します。

主治医に相談し、必要なら休職、退職の判断もします。

健康を犠牲にしてまで、就業を続ける必要はありません。

公的支援(障害年金、傷病手当金、失業保険など)を活用しながら、療養します。

転職の判断

転職の判断も、選択肢の一つです。

その企業での就業継続が困難な場合、転職を検討します。

合理的配慮を提供する別の企業に、移ることが解決策となります。

転職活動は、現職を続けながら進められます。

経済的な不安を、抱え込みすぎないようにします。

退職時の注意点

退職時の注意点も、知っておきましょう。

自己都合退職とせず、会社都合での退職、または特定理由離職者としての扱いを求めることもできます。

ハラスメントなどが原因の退職は、特定理由離職者として失業保険の給付制限がない場合があります。

退職前に、ハローワークに相談することが大切です。

退職証明書、離職票、就業規則などの書類を、整理しておきます。

利用できる支援機関

障害者枠で放置されている方が利用できる支援機関を、整理しておきましょう。

社内の相談窓口として、上司、人事、産業医、産業カウンセラー、障害者職業生活相談員、ハラスメント相談窓口があります。

障害者就業生活支援センター(ナカポツ)は、就労と生活の両面で長期的な支援を提供します。

地域障害者職業センターでは、ジョブコーチ支援などが受けられます。

ハローワークの専門援助部門は、無料の就労相談窓口です。

労働局、労働基準監督署は、労働問題の公的相談窓口です。

法テラスは、無料の法律相談ができる公的機関です。

弁護士、社会保険労務士は、法的・専門的なサポートを提供します。

障害者専門の転職エージェントは、転職を視野に入れる場合の相談窓口です。 DODAチャレンジ、アットジーピー、エージェントサーナ、ランスタッドチャレンジド、LITALICOキャリアなどに登録できます。

就労移行支援事業所では、転職活動のサポートが受けられます。

主治医、カウンセラーには、症状と職場環境について相談できます。

精神保健福祉センターでは、無料で心の相談を受けられます。

自助グループ、当事者団体への参加も、心の支えになります。 他の当事者の経験から、対処のヒントが得られることもあります。

家族や信頼できる人にも、相談します。

24時間対応の電話相談窓口も、頼れる存在です。 よりそいホットライン0120-279-338、いのちの電話、いのちSOS 0120-061-338などが、無料で利用できます。

これらの支援機関を活用しながら、自分らしく働ける環境を取り戻していきましょう。

まとめ

障害者枠の放置は、業務がほとんど与えられない、簡単すぎる作業のみ、研修や指導がない、コミュニケーションが極端に少ない、合理的配慮の依頼に対応がないなどの状態で、法定雇用率達成のためだけの飼い殺し状態と呼ばれる深刻な問題です。 違法性の判断として、労働契約上の業務提供義務違反、障害者差別、過小な要求型のパワーハラスメント、雇用関係の適切性に該当する可能性があり、合理的配慮の不提供は障害者雇用促進法違反となる場合があります。 対処の進め方は、状況の記録(日付・内容・対応の記録)、上司や人事への書面での相談、産業医や障害者職業生活相談員などの社内専門窓口、ナカポツや労働局などの外部支援機関、最終的に法テラスや弁護士などの法的対応の段階的なアプローチです。 健康を最優先に主治医と相談しながら、改善が見込めない場合は転職も視野に入れ、ハローワーク、障害者専門エージェント、就労移行支援事業所、自助グループなどを活用しながら、自分らしく働ける環境を取り戻していきましょう。

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