障がい者の転職に役立つ最新の障害者雇用白書まとめと2026年の動向

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障害者雇用に関する政策や動向を知ることは、障がい者が転職活動を進める上で重要な情報源となります。

政府が毎年公表している「障害者白書」には、障害者雇用の現状、施策、課題、今後の方針が詳しく記載されており、自分の転職活動に活かせる情報が数多く含まれています。

2026年の時点で最新となるのは、内閣府が2025年に公表した「令和7年版 障害者白書」であり、これが現在参照できる最新の公的資料です。

この記事では、最新の障害者白書から見える障害者雇用の動向、2026年に向けた重要なポイント、転職活動への活かし方について詳しく解説します。最新の情報をもとに、自分のキャリアを前向きに描くための参考にしてください。

障害者白書とは何かと役割

障害者白書について、まず基本的な知識を押さえておきましょう。

障害者白書は、障害者基本法(昭和45年法律第84号)第13条に基づき、平成6年から政府が毎年国会に提出する「障害者のために講じた施策の概況に関する報告書」です。

障害者白書は、障がい者に関わる政策の現状や課題、施策の成果などを総合的にまとめた公的な報告書として、国の障害者政策の方向性を示す重要な役割を持っています。雇用、教育、医療、福祉、まちづくりなど、障がい者の生活全般にわたる分野が網羅されており、転職を考える障がい者にとっても、自分が利用できる制度や支援を知る上で役立つ情報源です。

最新の白書である令和7年版は、2025年6月に公表されました。

本年は、障害者に対する偏見や差別をなくすための取組を取り上げ、旧優生保護法に関する政府の取組や改正障害者差別解消法への対応を中心に記載し、令和6年度の障害者に係る各種施策の展開について記載されています。

毎年の白書は、前年度の状況を振り返り、現在の課題と将来への展望を示す内容となっています。2026年の今、転職を考える方が参照できる最新の白書は令和7年版であり、これに基づいて障害者雇用の現状を把握することが、適切な情報収集につながります。

民間企業における障害者雇用の最新動向

最新の白書から見える障害者雇用の動向は、転職を考える方にとって追い風となる傾向を示しています。

内閣府が公表した令和7年版障害者白書によると、民間企業における障がい者の雇用状況は進展しており、2024年の雇用障がい者数は前年比約5%増の約67.7万人で、21年連続で過去最高を更新しました。身体障がい者の雇用が特に進んでおり、67.7万人の内訳は身体障がい者が36.9万人、知的障がい者が15.8万人、精神障がい者が15.1万人となっています。

この数字が示すのは、障害者雇用が確実に拡大し続けているという現実です。21年連続で過去最高を更新しているという継続的な伸びは、企業側の障害者雇用に対する意識が変化していることを示しています。法定雇用率の段階的引き上げや、ダイバーシティ経営の浸透が、こうした数字の背景にあります。

特に注目すべきは、精神障がい者の雇用が伸びている点です。かつては身体障がい者の雇用が中心でしたが、精神障がい者の雇用義務化(2018年)以降、精神障がいや発達障がいのある方の雇用機会が大きく広がってきました。うつ病、発達障がい、双極性障がいなど、これまで就職が難しいとされてきた方々にも、障害者雇用の道が確実に開かれてきています。

転職を考える障がい者にとって、この動向は大きな希望となる情報です。応募できる求人の絶対数が増えていること、企業側の受け入れ体制が整いつつあること、配慮の事例が蓄積されていることなど、転職市場全体としては追い風が吹いている状況といえます。

法定雇用率の段階的引き上げと2026年7月の重要な変化

2026年は、障害者雇用にとって特に重要な節目となる年です。法定雇用率の引き上げが予定されており、企業側の採用意欲が高まる時期となります。

民間企業の法定雇用率は2024年4月に2.5%、2026年7月に2.7%へと段階的に引き上げられることが決まっています。2026年7月の引き上げは、企業にとって新たな雇用枠を確保する必要性が高まる時期であり、転職を考える障がい者にとっては大きなチャンスとなります。

法定雇用率が2.7%に引き上げられると、企業は雇用障がい者数をさらに増やす必要が出てきます。未達成の企業は障害者雇用納付金の支払いが求められるため、多くの企業が積極的な採用活動を展開する見込みです。2026年に転職活動を進めることは、こうした採用意欲の高まりを追い風にできるタイミングといえます。

特に、これまで法定雇用率を達成できていなかった企業や、ぎりぎりで達成していた企業は、2026年7月の引き上げに向けて新たな採用を進める可能性が高くなります。中堅・中小企業も含め、これまで以上に幅広い業種・規模の企業で障害者雇用枠の求人が増えることが予想されます。

法定雇用率の対象となる企業の規模も、過去から段階的に引き下げられてきており、より小規模な企業も法定雇用義務の対象となっています。これにより、地方企業や中小企業での障害者雇用機会も広がる傾向にあります。転職先の選択肢が、業種・規模・地域の面で多様化していることは、自分に合った職場を見つけやすくなることを意味します。

改正障害者差別解消法と合理的配慮の義務化

2026年の時点で、障害者雇用を考える上で押さえておきたい大きな変化が、合理的配慮の義務化です。最新の白書でも、この点が大きく取り上げられています。

事業者による障がい者への合理的配慮を義務化した「改正障害者差別解消法」が施行された昨年(2024年)4月以降の取り組み状況について、令和7年版障害者白書には掲載されています。

これまで民間企業における合理的配慮は努力義務でしたが、2024年4月から法的義務に変わりました。これは、障がい者が職場で必要な配慮を求める権利が、法的にしっかりと保障されたことを意味します。転職活動の段階から入社後の働き方まで、企業が応募者・従業員の障がいに対して合理的な配慮を提供することが求められるようになったのです。

合理的配慮の具体的な例としては、勤務時間の調整、休憩時間の確保、業務量の配慮、コミュニケーション方法の工夫、設備のバリアフリー化、通院への配慮、メンタルヘルスへのサポートなどがあります。自分にとって必要な配慮を企業に求めることは、わがままではなく法的に認められた正当な権利として位置づけられています。

転職活動の場面では、面接や採用前の段階から、自分に必要な配慮を企業に伝え、提供可能かを確認することが重要です。「うつ病があるため週1回の通院が必要」「発達障がいの特性により、口頭指示よりも文書での指示があると業務がスムーズに進む」といった具体的な内容を伝え、企業側の対応可能性を確認した上で、入社の判断ができます。

合理的配慮の義務化により、企業側も配慮の提供に慣れてきており、対応事例が蓄積されてきています。配慮を求めることに遠慮や引け目を感じる必要はなく、自分が長く働き続けるために必要な情報として、率直に伝える姿勢が大切です。

雇用形態の多様化とテレワークの広がり

最新の動向として、障害者雇用における働き方の選択肢が広がってきている点も注目すべきポイントです。

新型コロナウイルスの影響で広がったテレワークは、障がい者にとって新たな働き方の選択肢を増やしました。通勤の負担がない、自宅で集中して作業ができる、体調に合わせて休憩を取りやすいなど、テレワークには障がいのある方にとって多くのメリットがあります。神奈川県の取り組みでも、メタバースや分身ロボットを活用したテレワーク雇用に取り組む企業への支援が進められており、新しい働き方の可能性が広がっています。

短時間勤務の選択肢も広がっています。フルタイムでの就労が難しい方が、自分の体調に合わせて週20時間程度から働き始められる求人が増えており、段階的に労働時間を増やしていくキャリアパスも整備されつつあります。法定雇用率の算定方法も、特定短時間労働者の算定に対応するなど、多様な働き方を後押しする方向に制度が見直されています。

業務委託や個人事業主としての働き方も、障がい者にとって新たな選択肢となっています。会社員として雇用されるだけでなく、自分の専門性を活かしてフリーランスとして働く方も増えており、自分のペースで仕事を選べる柔軟さがあります。

副業や複数の収入源を持つことも、認められる方向に進んでいます。副業を許可する企業が増え、本業と並行して別の活動に取り組むことで、収入と経験の両方を広げられる環境が整いつつあります。障がいがあっても、こうした多様な働き方の選択肢を活用することで、自分らしいキャリアを築ける可能性が広がっています。

精神障がいや発達障がいへの対応の進化

近年の障害者雇用において、特に注目すべき変化が、精神障がいや発達障がいのある方への対応の進化です。

精神障がいのある方の雇用は、最新の白書でも示されている通り、急速に拡大しています。神奈川県を含む各自治体では、精神障害者職場指導員設置補助金などの制度を通じて、企業が精神障がいのある方を雇用しやすい環境づくりを支援しています。職場での適切な指導やサポート体制を整えることで、精神障がいのある方が長く安定して働ける環境が広がってきています。

発達障がいのある方への理解も深まってきています。ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如・多動症)、LD(学習障がい)などの特性に応じた業務マッチングや、作業環境の工夫が、企業の現場で実践されるようになっています。特定の作業に強い集中力を発揮する、細かい作業の正確性が高い、独自の発想力があるといった発達障がいのある方の強みを活かす雇用事例も増えています。

特定求職者雇用開発助成金には、発達障害者・難治性疾患患者雇用開発コースが設けられており、障害者手帳を持たない発達障がいや難病のある方を雇用する企業への助成金が用意されています。これにより、診断を受けていても手帳を取得していない方の雇用機会も広がってきています。

リワークプログラム(復職支援プログラム)や就労移行支援事業所の役割も、こうした変化に対応して進化してきています。精神障がいや発達障がいのある方が、自分の特性を理解した上で就労に向けた準備を進められる場が増え、転職や復職の成功率を高める仕組みが整いつつあります。

雇用の質の向上と長期的なキャリア形成

雇用の数だけでなく、雇用の質に関する議論も深まってきています。

障がい者が単に雇用されるだけでなく、長く安定して働き、キャリアを発展させていける環境づくりが求められています。職場定着、キャリアアップ、管理職への登用、賃金水準の向上など、これまで十分に注目されてこなかった側面が、政策的にも重視されるようになっています。

障害者就業・生活支援センター(なかぽつ)の役割も拡大しており、就労支援だけでなく、生活面の相談や職場定着のサポートまで一体的に提供する仕組みが各地域で整備されています。転職後も継続的にサポートを受けられる環境があることは、長期的なキャリア形成にとって大きな安心材料となります。

ジョブコーチ(職場適応援助者)による支援も、障がい者の職場定着に大きく貢献しています。職場での業務遂行や人間関係の構築を専門的にサポートする仕組みは、転職直後の不安な時期に頼れる存在となります。

特例子会社の役割も再評価されています。親会社とは別法人として障害者雇用に特化した特例子会社を設立する企業が増えており、障がい特性に配慮した業務設計や、安定した雇用環境を提供しています。一方で、特例子会社ではなく本社採用での障害者雇用を進める企業も増えており、選択肢が多様化しています。

障害者総合支援法に基づくサービスとの連携

障害者雇用は、障害者総合支援法に基づく福祉サービスとの連携も深まっています。最新の白書でも、こうした連携の重要性が強調されています。

就労継続支援A型・B型、就労移行支援、就労定着支援などの福祉サービスが、一般就労への橋渡しとして機能する仕組みが整っています。障がいの状態に応じて、まず就労継続支援B型で働く体験を積み、就労移行支援でスキルを高め、一般雇用へとステップアップする道筋が描けるようになってきました。

工賃向上の取り組みも進められており、就労継続支援B型での収入水準を高める努力が各事業所で続けられています。福祉的就労から一般就労への移行を支援する制度も拡充されており、自分のペースで働き方を変えていける柔軟性が高まっています。

医療と福祉と雇用の連携も、より緊密になってきています。医療機関での治療、福祉サービスでの生活支援、就労支援機関でのキャリア形成支援が、本人を中心に有機的につながる仕組みが整備されつつあります。これにより、症状の管理と就労を両立させやすい環境が、社会全体として整えられてきています。

2026年の転職活動で意識したいポイント

最新の動向を踏まえて、2026年の転職活動で意識しておきたいポイントを整理しておきましょう。

法定雇用率の引き上げに伴い、特に2026年後半は障害者雇用枠の求人が増える傾向が予想されます。タイミングを見計らって転職活動を進めることで、より多くの選択肢の中から自分に合った職場を選べます。求人情報のチェックを早めに始め、エージェントへの登録や情報収集を計画的に進めることをおすすめします。

合理的配慮の義務化を活用し、自分に必要な配慮を堂々と求める姿勢を持ちましょう。配慮を求めることは権利であり、企業もそれに対応する義務があります。具体的にどのような配慮があれば力を発揮できるかを整理しておき、面接や採用面談の場で率直に伝えることが、入社後のミスマッチを防ぐ上でも重要です。

働き方の多様化を活かし、自分のライフスタイルや体調に合った形態を選びましょう。テレワーク中心の働き方、短時間勤務、業務委託、副業など、選択肢が広がっています。固定観念にとらわれず、自分にとって最適な働き方を考える視点を持つことが大切です。

長期的なキャリア形成を視野に入れた転職先選びも重要です。入社時の条件だけでなく、入社後にどのようにキャリアを発展させていけるか、研修制度や昇進機会、職場定着支援の体制などを総合的に検討しましょう。短期的な収入や勤務条件だけで判断せず、5年後、10年後の自分を想像しながら選択することが、満足度の高い転職につながります。

専門機関や支援サービスの活用

最新の動向を踏まえて転職活動を進めるには、適切な支援機関や専門サービスの活用が欠かせません。

ハローワークの障害者専門窓口は、最新の求人情報や助成金情報を持っており、障害者雇用の動向を踏まえた就労相談が受けられます。地域に根ざした求人情報も豊富で、自分が住んでいる地域での就労を考える上での貴重な情報源となります。

障害者専門の転職エージェントも、市場動向に詳しく、自分に合った求人を紹介してくれる存在です。複数のエージェントに登録し、それぞれの強みを活かしながら情報収集することで、より幅広い選択肢の中から検討できます。

就労移行支援事業所では、最新の障害者雇用の動向を踏まえたカリキュラムが提供されており、自分の特性に合った就労準備を進められます。模擬面接、職場体験、ビジネスマナー研修など、転職活動に直結する支援を受けられる点が魅力です。

障害者就業・生活支援センターは、就労と生活の両面を一体的に支援してくれる地域の拠点です。転職活動中の不安や、入社後の職場定着まで、長期的にサポートしてくれる存在として活用しましょう。

最新の障害者白書そのものを読むことも、政策の方向性を理解する上で有益です。内閣府のホームページに令和7年版障害者白書の概要と全文が掲載されており、誰でも無料で閲覧できます。専門用語が多く読みにくい部分もありますが、自分に関連する部分だけでも目を通すことで、社会の動きを理解する助けとなります。

自分の力を信じて前向きに進む

最新の障害者白書が示す動向は、障害者雇用の進展という前向きなメッセージを伝えています。21年連続で雇用障がい者数が過去最高を更新し続けていること、合理的配慮が法的義務として確立したこと、働き方の多様化が進んでいることなど、障がいのある方を取り巻く環境は確実に改善されてきています。

一方で、依然として課題は残っています。雇用の質、長期的なキャリア形成、職場定着、賃金水準、管理職への登用など、量的な拡大だけでなく質的な向上が今後の課題となっています。社会全体としての取り組みは進んでいますが、個別の企業や職場での実態には差があり、自分にとって本当に良い職場を見つけるためには、慎重な情報収集と判断が必要です。

転職活動は、不安と希望が入り混じる経験です。最新の動向を知ることで、自分の置かれている状況を客観的に把握し、戦略的に活動を進められるようになります。一人で抱え込まず、専門機関や支援サービスを積極的に活用しながら、自分に合った職場と出会う旅を続けていきましょう。

2026年は、障害者雇用にとって大きな転換点となる年です。法定雇用率の引き上げ、合理的配慮の浸透、働き方の多様化など、複数の変化が重なるタイミングです。この機会を活かして、自分の人生をより豊かにする転職を実現してください。

最新の情報をもとに、自分の可能性を信じて前に進んでいくことが、何よりも大切です。社会の動きは、確実に障がいのある方の活躍を後押しする方向に進んでいます。あなたの力を必要としている職場が、必ずどこかにあります。希望を持って、自分のペースで、新しい一歩を踏み出していきましょう。あなたの転職活動が実を結ぶことを願っています。

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