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障がいのある方が転職先を選ぶ際、離職率の低い企業を見つけたいと考える方は多くいます。 離職率が低いということは、社員が長く働き続けられる環境が整っているという証拠でもあり、安心して入社できる職場の重要な指標になります。 ここでは、離職率の意味から、低い企業を見つけるための具体的な方法、見極めのポイント、よく名前が挙がる業界や企業の特徴までをわかりやすく解説します。
なお、具体的な企業のリストや最新の離職率データは、企業ごとに変動するうえ、業界全体の動向も日々変化しています。 本記事では、信頼できる企業を見つけるための見極め方を中心に解説しますので、最新の情報はハローワークや転職エージェントに確認することをおすすめします。
離職率とは何か
離職率とは、一定期間内に企業を離れた社員の割合を示す指標です。 一般的には、1年間に退職した社員数を、年初の社員数で割って算出されます。 たとえば、年初に100人いた職場で1年間に10人が退職した場合、離職率は10パーセントとなります。
障がい者雇用における離職率には、特有の傾向があります。 厚生労働省の調査によれば、障がい者雇用の1年後定着率はおおむね60パーセントから80パーセント程度とされており、障がいの種類や雇用形態によって幅があります。 身体障がいのある方の定着率が比較的高く、精神障がいや発達障がいのある方は、職場環境との相性によって離職率にばらつきが見られる傾向があります。
離職率の数字だけでは、職場の実態を完全に把握することはできません。 たとえば、新規採用が活発な成長企業では、自然と分母が大きくなり離職率が低く見えることがあります。 逆に、社員が長く勤続している安定した企業では、定年退職が増えることで離職率が一時的に上がることもあります。
そのため、離職率の数字を鵜呑みにせず、背景や文脈をあわせて確認することが大切です。
離職率の低い企業の特徴
離職率が低い企業には、いくつかの共通する特徴があります。 これらを知っておくことで、求人を選ぶ際の判断軸が明確になります。
合理的配慮への取り組みが組織的に進んでいる企業は、長く働ける環境が整っています。 配慮事例を社外に公開している、社内の研修や啓発活動を継続している、配慮の依頼に対する対応マニュアルが整備されているなど、配慮の文化が組織に根付いていることが大きな特徴です。
ジョブコーチや支援員が職場に常駐している企業も、離職率が低い傾向にあります。 日々の業務での困りごとを相談できる存在がいることで、小さなつまずきが大きな問題に発展する前に解決できます。 特例子会社や、障がい者雇用に積極的な企業に多く見られる仕組みです。
産業医や産業保健師による定期面談が充実している企業も、心身の健康を守る仕組みが整っています。 体調の変化や働き方の悩みを早期にキャッチし、必要な調整を進められる体制が、長期的な就労継続を支えます。
DE&Iの推進に本気で取り組んでいる企業は、多様な人材を受け入れる文化があります。 障がいの有無、性別、年齢、国籍、性的指向など、さまざまな違いを尊重する姿勢が組織全体に浸透している職場では、誰もが安心して働けます。
業務内容と本人の特性のマッチングを丁寧におこなう企業も、離職率が低くなる傾向にあります。 入社時の業務分担を本人と話し合いながら決める、配置転換を柔軟に検討する、能力に応じた業務調整をおこなうなど、ひとりひとりに合わせた業務設計をしている企業は、ミスマッチによる離職が起こりにくくなります。
テレワークや柔軟な勤務制度を導入している企業も、離職率の低さにつながります。 通勤の負担軽減、体調に応じた働き方の調整、家庭との両立など、社員の事情に応じて働き方を選べる仕組みは、長期的な就労継続の大きな支えになります。
研修や教育制度が充実している企業は、長期的なキャリア形成を支える環境を持っています。 資格取得支援、スキルアップ研修、キャリア面談など、社員の成長を後押しする仕組みがある職場では、やりがいを感じて長く働ける可能性が高まります。
離職率の低い業界や企業の傾向
離職率の低さには、業界や企業規模による傾向もあります。 ここでは、よく名前が挙がる業界や企業のタイプを紹介します。
特例子会社は、障がい者雇用の代表的な選択肢として、定着率の高さが評価されています。 親会社の支援を受けつつ、配慮を前提とした業務設計、サポート体制、職場文化が整えられており、社員が長く働き続けやすい環境です。 大手企業のグループ会社として運営されている特例子会社は、安定性も高い傾向にあります。
大手企業の障害者雇用枠も、離職率が低い傾向があります。 合理的配慮への取り組みが組織的に進んでおり、産業医や人事サポートなどの体制が整っています。 研修制度、評価制度、福利厚生なども充実しており、長期的な就労を支える基盤が整っています。
公的機関や独立行政法人、地方自治体の障害者雇用も、安定性の高い選択肢です。 雇用の安定性、給与体系の透明性、福利厚生の充実、配慮への理解など、長く働き続けやすい要素が揃っています。 ただし、応募の競争率が高く、採用試験の準備が必要になることもあります。
医療法人や福祉法人も、障がいへの理解が深い職場として知られています。 医療現場や福祉現場では、多様な人材を受け入れる文化が浸透しており、合理的配慮への対応もスムーズな傾向にあります。 事務職、清掃、洗濯、配膳補助など、さまざまな職種があります。
もにす認定を受けた中小企業は、注目に値する選択肢です。 もにす認定は、障がい者雇用に積極的に取り組む中小企業を厚生労働省が認定する制度で、第三者の評価によって取り組みの実効性が裏付けられています。 認定企業は厚生労働省のホームページで公開されており、誰でも確認できます。
DE&Iやウェルビーイングに力を入れている外資系企業も、離職率が低い傾向にあります。 グローバル基準の人権意識、柔軟な働き方、EAPなどのメンタルヘルス支援、メンター制度など、多様な社員を支える仕組みが充実しています。
IT業界やクリエイティブ業界では、リモートワークやフレックスタイムを前提とした働き方が広がっており、自分のペースで長く働きやすい環境が整っています。
製造業の特例子会社や、安定した事業基盤を持つ老舗企業も、定着率の高さで知られています。 急な事業変動が少なく、長期的な雇用が前提となっている職場では、安心して働き続けられます。
離職率の情報を確認する方法
離職率の情報は、複数のルートから確認することができます。
企業の採用ページやサステナビリティレポートを見ることが、最も基本的な方法です。 障がい者雇用の取り組み、定着率、社員の声、配慮の事例などが、企業の公式情報として掲載されていることがあります。 具体的な数字が公開されている企業は、透明性の高い姿勢を持っていると判断できます。
統合報告書や有価証券報告書も、上場企業の場合は重要な情報源です。 従業員の構成、勤続年数の平均、離職率、研修制度などの情報が記載されています。 やや専門的な内容も含まれますが、企業の実態を客観的に知る材料になります。
口コミサイトや社員レビューサイトも、参考になる情報源です。 実際に働いている方や元社員の声から、求人票だけでは見えない情報が得られます。 ただし、口コミは個人の主観も含まれるため、複数の意見を総合的に判断することが大切です。 極端な意見に振り回されず、全体的な傾向を読み取る姿勢が大切です。
転職エージェントの担当者に直接質問するのも有効な方法です。 障がい者専門の転職エージェントは、企業の内部情報に精通しており、定着率の傾向、職場の雰囲気、配慮の実態などについて率直に教えてくれます。 ホームページや口コミでは見えない情報を得られる貴重なルートです。
ハローワークの障がい者専門窓口でも、相談員から地域の企業情報を聞くことができます。 過去に紹介した実績、定着の傾向、企業の評判など、現場の生きた情報を得られます。
職場見学を活用しましょう。 実際にオフィスを訪れて、社員の表情、職場の雰囲気、上司や人事担当者の対応などを肌で感じることが、求人票や数字だけでは見えない情報を得るうえで最も信頼できる方法です。
面接で確認したい質問
面接の場で、定着率や働きやすさに関する質問をすることで、企業の実態を確認できます。
社員の平均勤続年数を質問してみましょう。 障害者雇用枠で入社した社員が、どのくらいの期間働き続けているかを聞くことで、定着率の傾向が見えてきます。 具体的な数字を答えてくれる企業は、透明性の高い姿勢を持っています。
過去の合理的配慮の事例を質問しましょう。 これまでにどのような配慮を提供してきたか、社員からの相談にどう対応してきたかなど、具体的なエピソードを聞くことで、企業の姿勢が見えてきます。
サポート体制について尋ねましょう。 ジョブコーチ、産業医、社内相談窓口、定期面談の頻度など、困ったときに頼れる仕組みを確認します。
業務内容の調整について質問しましょう。 入社後の業務分担はどう決まるか、配置転換は可能か、能力に応じた業務調整はあるかなど、本人の特性を尊重する仕組みを確認します。
研修や教育の機会についても聞いてみましょう。 スキルアップの機会、資格取得支援、キャリア面談などが用意されている企業は、長期的な成長を支える文化を持っています。
休暇の取得状況や、通院との両立についても確認しましょう。 有給休暇取得率、通院日の調整、体調不良時の対応など、長く働き続けるための要素を確認します。
質問への回答が抽象的で具体性に欠ける場合は、職場の実態が伴っていない可能性があります。 具体的な数字や事例を交えて答えてくれる企業を選ぶことが、ミスマッチを防ぐ鍵です。
離職率の低い企業を見つける戦略
離職率の低い企業を効率的に見つけるための、戦略的な進め方を紹介します。
まず、複数の情報源を組み合わせて活用しましょう。 ひとつの情報源だけに頼らず、企業の公式情報、口コミサイト、転職エージェント、ハローワーク、職場見学など、複数のルートから情報を集めることが大切です。
業界研究を丁寧におこないましょう。 自分が興味のある業界、特性に合った業界、安定性の高い業界などを調べることで、業界全体の動向や離職率の傾向を把握できます。
企業規模別に比較する視点も持ちましょう。 大手企業、中堅企業、中小企業、特例子会社など、それぞれにメリットとデメリットがあります。 自分にとってどの規模の企業が合っているかを考えながら、選択肢を絞り込みます。
地域による違いも考慮しましょう。 首都圏と地方では、求人の傾向や企業文化が異なることがあります。 自分が住む地域、または移住を検討する地域で、長く働ける企業を探していきましょう。
時間をかけて慎重に選ぶ姿勢を持ちましょう。 焦って妥協した職場を選ぶと、再び離職という結果になりかねません。 納得できる企業に出会うまで、活動を続ける覚悟を持つことが大切です。
複数の企業を比較する習慣も大切です。 ひとつの企業に絞り込まず、複数の選択肢を並行して検討することで、客観的な比較ができます。
入社後に長く働き続けるための姿勢
離職率の低い企業に入社できたとしても、自分自身の姿勢や工夫が、長く働き続けるためには欠かせません。
入社後の早い段階で、合理的配慮の依頼を整理しましょう。 自分のトリセツや、必要な配慮の一覧をまとめて、上司や人事担当者と共有することで、職場との認識合わせがスムーズに進みます。
定期面談を活用しましょう。 小さな違和感や困りごとを、早めに上司や人事担当者に伝えることが、長期的な就労継続の鍵です。 我慢しすぎず、対話を重ねる姿勢を大切にしましょう。
職場での人間関係を、無理のないペースで築いていきましょう。 すべての人と仲良くなる必要はありませんが、信頼できる相手を一人か二人作っておくことが、職場での安心感につながります。
体調管理を最優先に考えましょう。 無理を続けると、心身の不調から離職に追い込まれることがあります。 通院の継続、休息の確保、医師との連携を丁寧に進めましょう。
スキルアップを継続しましょう。 資格取得、研修への参加、新しい業務への挑戦など、自分の成長を意識的に進めることが、長期的なキャリア形成を支えます。
家族や支援機関とのつながりを大切にしましょう。 職場だけでなく、家族や支援員、医師、当事者の仲間など、職場の外でも自分を支えてくれる人とのつながりを保つことが、心の安定につながります。
まとめ
離職率の低い企業を見つけることは、障がいのある方が長く安心して働くための大切なテーマです。 合理的配慮への取り組み、ジョブコーチや産業医の存在、DE&Iの推進、柔軟な勤務制度、研修制度の充実など、定着率の高い企業にはいくつかの共通する特徴があります。 特例子会社、大手企業の障害者雇用枠、公的機関、医療法人や福祉法人、もにす認定を受けた中小企業、DE&Iに力を入れる外資系企業など、注目すべき選択肢は多岐にわたります。 企業の採用ページ、統合報告書、口コミサイト、転職エージェント、ハローワーク、職場見学など、複数の情報源を組み合わせて、企業の実態を確認していきましょう。
面接では、平均勤続年数、合理的配慮の事例、サポート体制、業務内容の調整、研修制度などを具体的に質問することで、企業の姿勢が見えてきます。 焦らず、複数の選択肢を比較しながら、時間をかけて自分に合った職場を選ぶことが、長期的な就労継続への近道です。
入社後も、合理的配慮の依頼、定期面談の活用、体調管理、スキルアップ、人とのつながりを大切にしながら、自分らしい働き方を育てていきましょう。 最新の離職率データや企業情報については、ハローワークや障がい者専門の転職エージェントに確認することをおすすめします。
