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転職活動を進めるなかで、クローズ就労を続けたいと考える方にとって、源泉徴収票から障がいの有無が会社に知られてしまうのではないかという不安は大きなものです。
年末調整、住民税の手続き、健康保険の切り替えなど、転職に伴うさまざまな書類のやり取りで、自分の障がいが明らかになる可能性があるのか、慎重に判断したい場面です。
ここでは、源泉徴収票の仕組み、クローズ就労が会社に知られる可能性、自分で対処する方法までをわかりやすく解説します。
なお、本記事は2026年5月時点の一般的な情報提供を目的としています。
具体的な税務や手続きの判断は、税務署、社会保険労務士、税理士など専門家へのご確認をおすすめします。
源泉徴収票とはどのような書類か
源泉徴収票は、企業が社員に発行する書類で、1年間の給与収入、源泉徴収された所得税、社会保険料、各種控除の額などが記載されています。
転職時には、前職の源泉徴収票を新しい職場に提出することが一般的です。
この書類をもとに、新しい職場で年末調整がおこなわれます。
源泉徴収票に記載される主な項目を見ていきましょう。
支払金額として、1年間の給与収入の総額が記載されます。
給与所得控除後の金額、所得控除の額の合計、源泉徴収税額などの計算情報が含まれます。
社会保険料の額が記載されます。
健康保険料、厚生年金保険料、雇用保険料、介護保険料などの合計額です。
扶養家族の情報も記載されます。
配偶者、子供、その他の扶養家族の人数や控除の状況が反映されます。
ここで重要なポイントが、障害者控除に関する記載です。
源泉徴収票の障害者控除欄
源泉徴収票には、障害者控除に関する項目があります。
具体的には、本人が障害者である場合、控除対象配偶者が障害者である場合、扶養親族のうち障害者である方の人数などが記載される欄があります。
この欄は、年末調整で障害者控除を申請した場合に、自動的に記載される仕組みになっています。
つまり、前職の年末調整で障害者控除を申請していた場合、その情報が源泉徴収票に反映され、新しい職場に伝わる可能性があります。
クローズ就労を続けたい方にとって、この点が大きな懸念となります。
クローズ就労が源泉徴収票から知られる経路
クローズ就労が源泉徴収票から会社に知られる経路には、いくつかのパターンがあります。
前職で障害者控除を申請していた場合があります。
前職の年末調整で障害者控除を申請していると、源泉徴収票の障害者控除欄に印が付き、新しい職場の経理や人事担当者がそれを目にする可能性があります。
社会保険の手続きで明らかになる場合もあります。
健康保険組合の切り替え、自立支援医療制度の利用情報、傷病手当金の受給歴などから、間接的に情報が伝わることがあります。
住民税の通知から知られる場合もあります。
特別徴収の住民税通知書には、本人の所得情報や控除の内訳が記載される場合があり、会社の経理担当者がそれを確認する場面で情報が伝わる可能性があります。
ただし、多くの自治体では、企業に届く住民税決定通知書には個別の控除内容まで詳細に記載されないよう配慮されています。
雇用保険の手続きで関連情報が伝わる場合もあります。
ハローワーク経由で就職困難者の認定を受けている、トライアル雇用制度を利用しているといった情報が、企業側に伝わることがあります。
源泉徴収票を提出しない選択をした場合、別の問題が生じます。
源泉徴収票を提出せず、自分で確定申告をする方法もありますが、その場合は新しい職場での年末調整が不完全になり、別の形で疑問を持たれる可能性があります。
障害者控除を自分で申請する方法
クローズ就労を続けながら障害者控除を受けたい場合、年末調整ではなく自分で確定申告をする方法があります。
年末調整では障害者控除を申請せず、年末調整後の源泉徴収票を受け取った後に、自分で確定申告をする流れです。
確定申告の時期は、毎年2月16日から3月15日までです。
国税庁のホームページにある確定申告書等作成コーナーを使えば、画面の案内に従って簡単に申告書を作成できます。
この方法の場合、源泉徴収票の障害者控除欄には印が付かないため、新しい職場に障がいの情報が伝わりにくくなります。
ただし、いくつかの注意点があります。
住民税の通知に情報が反映される可能性があります。
確定申告のデータは自治体に共有されるため、住民税の計算で障害者控除が反映されます。
自治体によっては、企業に届く住民税決定通知書に控除の内訳が記載される場合があるため、心配な方は自治体の住民税担当窓口に確認することをおすすめします。
住民税を普通徴収にする選択もあります。
会社経由で住民税が徴収される特別徴収ではなく、自分で納付する普通徴収に切り替えることで、会社に住民税の通知が届かないようにする方法もあります。
ただし、普通徴収への切り替えは、自治体や会社の方針によって対応が異なります。
事前に自治体の住民税担当窓口や会社の経理担当者に確認することが大切です。
転職時に提出する源泉徴収票の取り扱い
転職時の源泉徴収票の取り扱いには、いくつかの選択肢があります。
源泉徴収票を新しい職場に提出する方法が、最も一般的です。
新しい職場で年末調整がスムーズに進み、税金の精算が正確におこなわれます。
ただし、前職で障害者控除を申請していた場合、その情報が反映された源泉徴収票が新しい職場に渡ります。
源泉徴収票を提出せず、自分で確定申告する方法もあります。
源泉徴収票を提出しない場合、新しい職場では年末調整が前職分を含めて計算できないため、自分で確定申告をして税金を精算することになります。
この方法であれば、新しい職場に前職の源泉徴収票が渡らないため、障害者控除の情報も伝わりません。
ただし、新しい職場の経理担当者から、なぜ源泉徴収票を提出しないのかと聞かれることがあります。
その場合は、自分で確定申告すると伝えることで対応できます。
転職先での年末調整に影響することを理解しておきましょう。
源泉徴収票を提出しない選択をした場合、新しい職場での年末調整は、新しい職場での収入のみが対象となります。
前職分の収入と税金は、自分で確定申告して精算する必要があります。
これらの選択肢から、自分の状況に応じて判断していくことが大切です。
マイナポータルや社会保険の影響
近年、デジタル化の進展により、職歴や障がいに関連する情報の取り扱いが変化しています。
マイナポータルでは、職歴データの一部を閲覧できる仕組みが広がっています。
ただし、職歴データの第三者への提供には、本人の明確な同意が必要です。
新しい職場が、本人の同意なくマイナポータル経由で職歴データを取得することは、原則としてできません。
健康保険の切り替えでは、これまでの健康保険組合の情報が新しい職場に伝わります。
ただし、健康保険組合の名称は分かっても、利用してきた医療内容まで詳細に伝わるわけではありません。
自立支援医療制度の利用情報は、原則として企業には伝わりません。
自立支援医療は、自治体と医療機関の間で運用される仕組みであり、企業が利用情報を知ることは通常ありません。
健康診断やストレスチェックの結果も、企業側で詳細を把握することは制限されています。
ただし、産業医面談や保健師との相談を通じて、間接的に情報が伝わる可能性はあります。
これらの仕組みを踏まえて、自分の情報をどう管理するかを慎重に判断することが大切です。
クローズ就労を続けるための工夫
クローズ就労を続けたい方が、転職時にできる工夫を紹介します。
年末調整で障害者控除を申請しないことが、最も基本的な対策です。
会社の年末調整書類には、障害者欄に記入せず、自分で確定申告する形を選びましょう。
確定申告で障害者控除を申請する習慣を持ちましょう。
毎年確定申告をすることで、職場に知られずに障害者控除のメリットを受けられます。
住民税の通知への影響を確認しましょう。
自治体によって運用が異なるため、住民税担当窓口に確認することで、自分の状況に応じた対応を取れます。
健康診断や産業医面談では、必要最小限の範囲で対応しましょう。
法的に申告が必要な範囲を超えて、自分から情報を開示する必要はありません。
ただし、業務に支障が出るような状態であれば、適切な対応を取ることが大切です。
通院や服薬を隠す工夫も大切です。
通院日を有給休暇として取る、薬の管理を慎重におこなう、診察券や薬袋を持ち歩かないなど、日常的な工夫が情報を守る基盤となります。
主治医とのつながりは継続しましょう。
クローズで働き続けるためにも、医療面のサポートを欠かさないことが、心身の安定の基盤です。
クローズ就労のリスクも理解する
クローズ就労を続けることには、メリットだけでなくリスクもあります。
合理的配慮を受けにくい点が、最大の課題です。
通院日の確保、業務量の調整、勤務時間の柔軟性など、長期就労を支える配慮を求めにくい状況になります。
症状の悪化リスクがあります。
無理を続けることで、症状が悪化し、結果的に離職せざるをえない状況になることがあります。
知られたときの対応の困難さもあります。
何らかの経緯で知られた場合、職場での居づらさや人間関係の変化が大きな負担となります。
これらのリスクを踏まえて、クローズ就労を続けるか、オープン就労に切り替えるかを慎重に判断することが大切です。
オープン就労への切り替えという選択
クローズ就労に限界を感じる方は、オープン就労への切り替えを検討することも選択肢のひとつです。
合理的配慮を組織的に受けられます。
通院日の確保、業務量の調整、勤務時間の柔軟性、テレワークの活用など、長期就労を支える仕組みを利用できます。
隠す心理的負担がなくなります。
通院や服薬を隠す必要がなく、心身の状態を率直に共有できる環境では、心の負担が大きく軽減されます。
長期就労が実現しやすくなります。
無理のない働き方が支えられることで、症状の悪化を防ぎ、長く働き続けられる可能性が高まります。
ただし、オープン就労にもデメリットがあります。
求人の選択肢が限られる、給与水準が抑えられる傾向がある、職場での偏見の可能性などです。
主治医、支援機関、家族と相談しながら、自分にとって最善の選択を見つけていきましょう。
専門家への相談
源泉徴収票や税務に関する判断で迷ったときは、専門家への相談を活用しましょう。
税理士は、税務全般の専門家です。
確定申告、障害者控除、住民税の取り扱いなど、具体的な相談ができます。
社会保険労務士は、社会保険、雇用保険、年金などの専門家です。
労働法に関する助言も受けられます。
税務署の無料相談を活用できます。
確定申告の時期には、税務署や各自治体で無料の申告相談会が開催されます。
国税庁のオンライン相談も便利です。
チャット形式の相談や、よくある質問の検索ができるため、自分のペースで情報を得られます。
ハローワーク、就労移行支援事業所、障害者就業生活支援センターも、就労全般の相談先として活用できます。
主治医や医療機関のソーシャルワーカーも、心身の状態を踏まえた相談に乗ってくれます。
まとめ
源泉徴収票には障害者控除に関する記載があり、前職で年末調整時に障害者控除を申請していた場合、新しい職場に情報が伝わる可能性があります。
クローズ就労を続けたい場合は、年末調整で障害者控除を申請せず、自分で確定申告する方法を選ぶことで、源泉徴収票への記載を避けられます。
ただし、住民税の通知、健康保険の切り替え、雇用保険の手続きなど、他の経路から情報が伝わる可能性もあります。
確定申告で障害者控除を申請する習慣、住民税の取り扱いの確認、健康診断や産業医面談での対応、日常的な情報管理など、複数の工夫を組み合わせることが大切です。
クローズ就労には、合理的配慮を受けにくい、症状悪化のリスク、知られたときの対応の困難さなどのデメリットもあります。
これらを踏まえて、クローズを続けるか、オープン就労に切り替えるかを、主治医、支援機関、家族と相談しながら慎重に判断することが大切です。
税理士、社会保険労務士、税務署、国税庁のオンライン相談、ハローワーク、就労移行支援事業所、障害者就業生活支援センター、主治医など、専門家への相談を活用しながら、自分にとって最善の選択を見つけていきましょう。
なお、税務や手続きの具体的な判断は、税理士、社会保険労務士など専門家に確認しながら、自己責任で進めてください。
本記事は一般的な情報提供を目的としており、個別の助言ではありません。
自分の状況、希望、価値観に合った働き方を、複数の支援先と相談しながら見つけていきましょう。
焦らず、自分のペースで、納得のいく転職と長期就労を実現していきましょう。
