障がい者の転職とオープン就労、踏み切るタイミングの考え方

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クローズ就労で頑張ってきたけれど、心身の負担が大きくなってきた、長く働き続けるための環境を整えたい、合理的配慮を受けながら自分らしく働きたいといった思いから、オープン就労への切り替えを考える方が増えています。

しかし、いつ踏み切ればよいのか、本当にオープンにして大丈夫なのか、決断のタイミングに迷う方は多くいます。

ここでは、オープン就労を選ぶ意味、踏み切るタイミングの考え方、決断を支える視点までをわかりやすく解説します。

なお、本記事は一般的な情報提供を目的としています。

オープン就労への切り替えは人生の大きな選択であり、主治医、支援機関、家族など複数の専門家や信頼できる人と相談しながら判断することをおすすめします。

オープン就労とクローズ就労の違い

オープン就労とクローズ就労の基本的な違いを整理しておきましょう。

オープン就労とは、障がいを開示して、障害者雇用枠で働くことを指します。

企業に対して障害者手帳の所持や障がい特性を伝え、合理的配慮を受けながら働くことが前提となります。

法定雇用率の算定対象となり、企業側にも障害者を雇用するメリットがあります。

クローズ就労とは、障がいを開示せず、一般雇用枠で働くことを指します。

障害者手帳を持っていても、企業には伝えず、一般の社員として働くスタイルです。

給与水準やキャリアの幅を保ちやすい一方で、合理的配慮を求めにくいという課題があります。

オープンとクローズの選択は、本人の状況、希望、価値観、心身の状態などによって決まります。

どちらが正しいというものではなく、自分にとって最適な選択を見つけることが大切です。

オープン就労を選ぶことのメリット

オープン就労を選ぶことには、いくつかの大きなメリットがあります。

合理的配慮を組織的に受けられます。

通院日の確保、業務量の調整、勤務時間の柔軟性、テレワークの活用、感覚過敏への配慮、コミュニケーション方法の工夫など、長期就労を支える仕組みを利用できます。

隠す心理的負担がなくなります。

通院や服薬を隠す必要がなく、心身の状態を率直に共有できる環境では、心の負担が大きく軽減されます。

長期就労が実現しやすくなります。

無理のない働き方が支えられることで、症状の悪化を防ぎ、長く働き続けられる可能性が高まります。

定期面談やサポート体制を活用できます。

上司との定期面談、産業医との相談、社内のサポート窓口など、組織的なサポートを受けられます。

産業医や保健師との連携が取りやすくなります。

体調管理に関する相談ができる窓口があることで、心身の健康を支える基盤が整います。

ハラスメントを受けにくくなります。

障害者差別解消法に基づき、企業は合理的配慮を提供する義務があり、ハラスメントの予防も含めた組織的な対応が期待できます。

転職市場での選択肢が広がります。

障害者雇用枠での求人は、近年大きく増えており、ハイクラスのポジションや専門職、管理職候補なども選べるようになっています。

これらのメリットを踏まえて、オープン就労が自分の状況に合うかを考えていきましょう。

オープン就労を選ぶことのデメリット

オープン就労にも、いくつかのデメリットがあります。

求人の選択肢が一般雇用枠より限られます。

業種、職種、勤務地などで、選べる求人の範囲が狭くなる場合があります。

給与水準が抑えられる傾向があります。

障害者雇用枠の平均年収は、一般雇用枠と比べてやや低めとされており、ハイクラスのポジションを除けば、給与面でのギャップを感じる場合があります。

職場での偏見の可能性があります。

DE&Iへの理解が深い企業では問題になりにくい一方で、企業によっては障がいへの偏見や誤解が残っている場合があります。

業務範囲が限定される場合があります。

合理的配慮の運用として業務量や責任範囲が調整されることで、キャリアアップの機会が限られると感じる方もいます。

家族や周囲への開示の影響もあります。

オープン就労を選ぶことで、家族や周囲に障がいの状況を伝える必要が生じる場合があり、その対話に心理的な負担を感じることがあります。

これらのデメリットを理解したうえで、自分にとってのメリットとのバランスを考えることが大切です。

オープン就労に踏み切るタイミングのサイン

オープン就労に踏み切るタイミングを判断するための、いくつかのサインを紹介します。

心身への負担が限界に近づいているとき。

クローズで働き続けることで、症状の悪化、強い疲労、睡眠障害、食欲不振など、心身に明確な負担が出ているときは、オープン就労への切り替えを考える時期です。

通院や治療との両立が困難になっているとき。

定期的な通院、長期的な治療、症状の波への対応など、医療面と業務の両立が難しくなっているときは、配慮を受けられる環境への移行を検討する時期です。

職場での合理的配慮を強く求めたいとき。

業務量の調整、勤務時間の柔軟性、テレワークの活用など、明確な配慮が必要になっているときは、オープン就労が選択肢となります。

職場でのストレスや人間関係に限界を感じているとき。

クローズで働くことで、周囲との関係に常に緊張があり、心理的な負担が大きいときは、オープンな関係を築ける環境への切り替えを考える時期です。

長期的なキャリアを見据えたいとき。

今後10年、20年と働き続けるための基盤を整えたい場合、合理的配慮を受けながら安定して働ける環境を選ぶことが、長期的な利益となります。

ライフイベントを控えているとき。

結婚、出産、住宅購入、親の介護など、人生の節目を迎える際に、安定した働き方を選び直すタイミングとなります。

クローズが知られてしまったとき。

何らかの経緯で職場に障がいが知られてしまった場合、これを機にオープン就労への切り替えを検討する方も多くいます。

主治医からオープン就労を勧められたとき。

医療面の視点から、長期的な健康を守るためにオープン就労が望ましいと助言された場合は、その意見を真剣に受け止めることが大切です。

これらのサインが複数当てはまる場合、オープン就労への切り替えを真剣に検討する時期かもしれません。

踏み切る前に確認したいこと

オープン就労への切り替えを決断する前に、いくつかの確認しておきたいことがあります。

主治医と相談しましょう。

オープン就労への切り替えは、医療面の視点から判断することも大切です。

症状の安定性、必要な配慮、長期的な見通しなど、主治医の助言を得ながら判断しましょう。

家族や信頼できる人と話し合いましょう。

家族にこれまで障がいを伝えていない場合、オープン就労への切り替えを機に話し合いが必要になることがあります。

家族の理解と支援は、長期就労を支える基盤です。

経済面の影響を試算しましょう。

オープン就労では給与水準が変わる場合があるため、家計への影響を試算しておくことが大切です。

転職する場合の準備期間中の生活費、新しい職場での収入見込み、配偶者やパートナーとの分担などを確認しましょう。

支援機関とつながりましょう。

ハローワーク、就労移行支援事業所、障害者就業生活支援センター、地域障害者職業センターなど、オープン就労を支える支援機関と関係を築いておくことが大切です。

求人情報を調べましょう。

オープン就労の求人にはどのようなものがあるか、給与水準、業務内容、合理的配慮の運用などを事前に調べておくことで、現実的なイメージが持てます。

自分の希望条件を整理しましょう。

業種、職種、勤務地、年収、勤務時間、合理的配慮の内容など、譲れない条件と妥協できる条件を明確にしましょう。

障害者手帳の取得が必要な場合

オープン就労を目指す場合、障害者手帳の取得が前提となることが多くあります。

すでに障害者手帳を持っている方は、その手帳を活用してオープン就労に踏み切ることができます。

手帳を持っていない方は、まず取得を検討しましょう。

身体障害者手帳、精神障害者保健福祉手帳、療育手帳のいずれかが、障害者雇用枠での応募の基本的な要件となります。

主治医に相談して、手帳の取得を申請する流れになります。

手帳の取得には数か月かかることがあるため、計画的に進めることが大切です。

手帳の申請中でも、エージェントへの登録や情報収集を始めることはできます。

すでに手帳を持っているか、これから取得するか、状況に応じて準備を進めましょう。

オープン就労への移行の進め方

オープン就労への移行を進める具体的なステップを紹介します。

まず、自己分析を丁寧におこないましょう。

これまでの職務経験、強み、苦手なこと、必要な配慮、希望する働き方などを整理することが、転職活動の基盤となります。

主治医の意見書を準備しましょう。

合理的配慮の根拠となる医学的な資料を、主治医に依頼して準備しておきます。

障害者専門の転職エージェントに登録しましょう。

dodaチャレンジ、ランスタッドチャレンジド、ウェブサーナ、サーナワークス、アビリティスタッフィング、マイナビパートナーズ紹介、アットジーピー、エージェントサーナなど、複数のエージェントがあります。

ハローワークの障がい者専門窓口も併用しましょう。

公的機関ならではの安定したサポートを無料で受けられます。

就労移行支援事業所も視野に入れましょう。

オープン就労への移行を段階的に支援してくれる場として、最長2年間のサポートを受けられます。

応募書類を作成しましょう。

履歴書、職務経歴書、自己紹介シートなど、応募書類を丁寧に準備します。

合理的配慮の希望を明確に記載することが、オープン就労の応募書類の特徴です。

面接対策を進めましょう。

オープン就労の面接では、障がい特性、必要な配慮、これまでの経験などを率直に伝えることが大切です。

支援機関や転職エージェントの担当者と一緒に、面接対策を進めましょう。

応募から内定までの期間は、想定より長くなる場合があります。

数か月から半年、場合によっては1年以上かかることもあります。

焦らず、心身の健康を守りながら、自分のペースで進めることが大切です。

現職を続けながら準備する場合

現職を続けながらオープン就労への切り替え準備をする場合のポイントを紹介します。

体調を最優先にしましょう。

現職を続けながらの転職活動は心身に負担をかけるため、無理のないペースで進めることが大切です。

主治医と相談しながら、業務との両立を見極めましょう。

業務に支障が出るようであれば、休職や退職を視野に入れることも、自分を守る選択です。

経済面の備えを整えましょう。

転職活動の長期化に備えて、貯蓄、家族からの支援、利用できる経済支援を確認しておきましょう。

支援機関への通いを計画しましょう。

就労移行支援事業所、障害者就業生活支援センター、ハローワークなど、平日に通う必要がある支援機関もあります。

有給休暇、半休、時短勤務などを活用して、無理のないスケジュールで通えるよう調整しましょう。

家族との話し合いを継続しましょう。

転職に伴う家計の変化、勤務地の変更、ライフプランへの影響など、家族との対話を継続的に持つことが大切です。

退職してから本格的に準備する場合

現職を退職してから本格的に準備する選択肢もあります。

退職のメリットは、心身を整える時間が確保できることです。

体調を整える、自己分析を深める、スキルアップに取り組むなど、転職活動に集中できる環境が整います。

退職のデメリットは、経済面の不安です。

無収入の期間が生じるため、貯蓄や経済支援の活用が必要となります。

失業給付を活用できます。

雇用保険に加入していた方は、離職時に基本手当を受給できます。

特定理由離職者の認定を受けられる場合、給付制限期間がなく、待機期間後すぐに支給が始まります。

就職困難者の認定を受けられる場合、給付日数が大幅に延長されます。

障害者手帳を持っている方は、最長で360日の給付を受けられる場合があります。

傷病手当金も活用できます。

在職中に病気やけがで働けなくなった場合、健康保険から支給される手当で、退職後も一定の条件を満たせば継続して受給できます。

障害年金の受給対象になる場合もあります。

主治医、社会保険労務士、年金事務所などと相談しながら、活用できる経済支援を確認しましょう。

退職してからの活動は、就労移行支援事業所の利用が現実的な選択肢となります。

最長2年間の就労準備プログラムを通じて、自分のペースで転職活動を進められます。

心と体の準備

オープン就労への切り替えは、心と体の準備も大切です。

主治医とのつながりを継続しましょう。

通院、服薬、相談など、医療面のサポートを欠かさないことが、心身の安定の基盤です。

カウンセリングも活用できます。

これまでクローズで働いてきた経験、オープンへの切り替えの不安、これからの希望など、専門家との対話を通じて気持ちを整理できます。

家族や信頼できる人とのつながりを大切にしましょう。

ひとりで抱え込まず、気持ちを共有できる相手を持つことが、心の支えになります。

ピアサポートのコミュニティも支えになります。

同じような経験を持つ方々とのつながりは、孤立を防ぎ、希望を持ち続ける力になります。

休息と楽しみの時間を確保しましょう。

転職活動の準備に集中しすぎず、心身を整える時間や、自分が心地よいと感じる活動を生活に取り入れることが大切です。

自分のペースを大切にする

オープン就労への踏み切りは、人それぞれのペースで進めるべき選択です。

すぐに決断する必要はありません。

時間をかけて検討し、複数の支援者と相談しながら、納得のいく判断をすることが大切です。

途中で迷ったり、計画を変更したりすることも自然なことです。

転職活動を進めるなかで、状況や気持ちが変わることはあります。

柔軟に対応していきましょう。

完璧な選択を求めすぎないようにしましょう。

オープン就労にもクローズ就労にも、それぞれにメリットとデメリットがあります。

自分の状況に合った、現時点で最善と思える選択をすることが大切です。

過去の選択を後悔しないようにしましょう。

これまでクローズで働いてきたことには、必ず理由があり、その時々の最善の判断だったはずです。

これからの選択も、現在の自分にとって最善のものを選んでいきましょう。

まとめ

オープン就労への踏み切りは、心身の負担、通院との両立、合理的配慮の必要性、職場でのストレス、長期的なキャリア、ライフイベント、クローズが知られた状況、主治医からの助言など、いくつかのサインを総合的に判断するタイミングです。

オープン就労には、合理的配慮を組織的に受けられる、心理的負担が減る、長期就労が実現しやすい、サポート体制を活用できるなどのメリットがあります。

一方で、求人の選択肢の限定、給与水準の傾向、職場での偏見の可能性、業務範囲の制限などのデメリットもあります。

主治医との相談、家族との話し合い、経済面の試算、支援機関とのつながり、求人情報の調査、希望条件の整理など、踏み切る前に確認したいことを丁寧に進めましょう。

障害者手帳の取得、自己分析、応募書類の作成、面接対策など、移行のステップを段階的に進めていくことが大切です。

現職を続けながら準備する場合は、体調管理、経済面の備え、支援機関への通い、家族との話し合いを継続的におこないましょう。

退職してから本格的に準備する場合は、失業給付、傷病手当金、障害年金など、経済面のセーフティネットを活用しながら、就労移行支援事業所などのサポートを受けて進めましょう。

主治医とのつながり、カウンセリング、家族や信頼できる人との関係、ピアサポート、休息と楽しみの時間など、心と体の準備を大切にしましょう。

自分のペースを大切にし、すぐに決断する必要はなく、途中で計画を変更することも自然なことだと理解しましょう。

完璧な選択を求めず、現時点で最善と思える選択をすることが大切です。

過去の選択も、これからの選択も、すべて自分にとって意味のあるものです。

オープン就労への踏み切りは、人生の大きな選択ですが、決して急ぐ必要はありません。

主治医、支援機関、家族、信頼できる人とつながりながら、自分のペースで判断していきましょう。

なお、つらい気持ちが強くなったときは、ひとりで抱え込まず専門機関に相談してください。

よりそいホットライン、いのちの電話、こころの健康相談統一ダイヤルなど、24時間対応の窓口もあります。

これまでの歩みも、これからの選択も、すべてあなたの人生の大切な一部です。

自分を大切にしながら、納得のいく働き方への道を歩んでいきましょう。

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