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訪問看護を利用する中で複数の疾患を抱えている方が異なる医師から訪問看護指示書を受けるケースがあり、制度上のルールを正しく理解することで必要なケアを漏れなく受けられます。
この記事では訪問看護で複数の医師から指示書を受ける場合のルールと運用方法を解説します。
複数の医師から指示書が必要になるケース
必要になるケースを、把握しておきましょう。
第一のケースは、身体疾患と精神疾患を併せ持つ場合です。
例えば糖尿病で内科に通院しながら、うつ病で精神科にも通院している方は、内科の主治医からの訪問看護指示書と精神科の主治医からの精神科訪問看護指示書の両方が必要となる場合があります。
第二のケースは、主治医と専門医が異なる場合です。
かかりつけの内科医が主治医で全身管理の指示書を発行し、がんの治療を行う腫瘍内科医が専門的な処置に関する指示書を発行するなど、役割分担がある場合です。
第三のケースは、在宅療養支援診療所の医師と病院の専門医が連携している場合です。
普段の在宅医療は訪問診療の医師が担当し、専門的な疾患の管理は病院の専門医が担当するケースです。
第四のケースは、歯科の訪問看護指示書が必要な場合です。
口腔ケアや嚥下リハビリに関して、歯科医師からの訪問看護指示書が発行されることがあります。
複数の指示書に関する制度上のルール
制度上のルールを、見ていきましょう。
第一のルールとして、訪問看護指示書は原則として1人の主治医から1つの訪問看護ステーションに対して発行されます。
同一の利用者に対して、同一の診療科の複数の医師からそれぞれ指示書を受けることは原則として想定されていません。
第二のルールとして、精神科訪問看護指示書は精神科の主治医が発行し、一般の訪問看護指示書とは別の扱いとなります。
身体疾患の管理のための訪問看護指示書と精神科訪問看護指示書は、それぞれ別の医師から発行されて併用することが可能です。
この場合、同じ訪問看護ステーションが両方の指示書に基づいてケアを提供することも、別々のステーションが担当することもできます。
第三のルールとして、特別訪問看護指示書は主治医が発行する追加的な指示書です。
急性増悪時や退院直後に、通常の指示書を発行している主治医が特別訪問看護指示書を追加で発行し、一時的に毎日の訪問を可能にします。
第四のルールとして、複数の訪問看護ステーションを利用する場合は、それぞれのステーションに対して指示書が必要です。
厚生労働大臣が定める疾病等に該当する方や特別訪問看護指示書が出ている方は、2か所以上のステーションからの訪問看護を受けることが認められています。
それぞれのステーションに対して主治医が指示書を発行します。
複数の指示書を運用する際の注意点
注意点を、見ていきましょう。
第一の注意点は、指示内容の整合性の確保です。
複数の医師から指示書が出ている場合、薬の相互作用、ケアの優先順位、リハビリの内容などに矛盾がないよう調整が必要です。
訪問看護師が複数の指示書の内容を確認し、矛盾や不明点があれば主治医に確認します。
第二の注意点は、情報共有の徹底です。
複数の医師が関わる場合、それぞれの医師に訪問看護の報告を行う必要があります。
訪問看護師が各医師に対して利用者の状態を定期的に報告し、治療方針の統一を図ります。
第三の注意点は、指示書の有効期間の管理です。
訪問看護指示書の有効期間は最長6か月です。
複数の指示書がある場合、それぞれの有効期限を管理し、更新漏れがないよう注意します。
訪問看護事業所が有効期限を管理してくれますが、利用者や家族も把握しておくと安心です。
第四の注意点は、保険制度上の取り扱いの確認です。
医療保険と介護保険の併用、精神科訪問看護と一般の訪問看護の併用など、保険の適用関係が複雑になる場合があります。
訪問看護事業所やケアマネジャーに確認して、適切な保険で利用できるよう調整します。
利用者と家族ができること
利用者と家族ができることを、見ていきましょう。
通院している医療機関と主治医の一覧を作成し、訪問看護事業所に共有しておきます。
どの医師がどの疾患を担当しているか、処方されている薬の一覧をお薬手帳で管理します。
訪問看護師に「他の先生からも指示書をもらっています」と伝え、ケアの内容に重複や矛盾がないかを確認してもらいます。
ケアマネジャーがいる場合は、複数の医師と訪問看護事業所の調整をケアマネジャーに依頼できます。
自立支援医療制度を活用すれば、精神科の通院医療費の自己負担を軽減できます。
障害年金の申請は、社会保険労務士のサポートを受けることが推奨されます。
保険の見直しは、ほけんの窓口や保険見直し本舗で無料相談ができます。
つらい気持ちが強まった時は、よりそいホットライン、いのちの電話、こころの健康相談統一ダイヤルに連絡できます。
まとめ
訪問看護で複数の医師から指示書を受けるケースは身体疾患と精神疾患の併存や主治医と専門医の役割分担がある場合に起こり、精神科訪問看護指示書と一般の指示書は別の医師から併用可能で、指示内容の整合性の確保、各医師への情報共有、有効期限の管理が重要であり、訪問看護事業所、ケアマネジャー、主治医、社会保険労務士、ほけんの窓口、よりそいホットラインなどの支援を活用しながら必要なケアを漏れなく受けていきましょう。

