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大規模災害が相次ぐ中、被災地を支えるNPOや民間団体が平時からつながり、災害が起きたときにすぐ動けるネットワークをつくることが重要になっています。
行政や社会福祉協議会、NPOなど、それぞれの組織が単独で被災者支援を担うのではなく、異なる立場の団体が情報や人材、資金、ノウハウを共有することが、災害対応の力につながります。
こうした中で注目されているのが、全国のまちづくり団体がつながる「チャレコミ(チャレンジ・コミュニティ・プロジェクト)」の取り組みです。
2022年には会員団体同士が災害時に助け合う「災害支援会員制度」を開始し、さらに2026年4月には新たな一般社団法人が設立されました。
この記事では、災害支援ネットワークの必要性やチャレコミの取り組み、JVOADなど他のネットワークとの関係、法人化の意義について整理します。
災害支援は「連携」が重要

災害が発生すると、被災者の生活支援、物資の提供、ボランティアの調整、避難所の支援など、さまざまな対応が必要になります。
そのため、行政、社会福祉協議会、NPOなど、どこか一つの組織だけで被災地全体を支えることは難しいとされています。
こうした考え方を背景に、2016年には行政・社会福祉協議会・NPOなどの連携を支える全国的なネットワークとして、全国災害ボランティア支援団体ネットワーク(JVOAD)が設立されました。
同年に発生した熊本地震では、行政や社会福祉協議会、NPOなどが参加する情報共有の場が各地で設けられ、その後の災害でも連携の仕組みが活用されるようになっています。
一方で、実際に被災地域で支援を進めるためには、地域の事情を理解している地元の中間支援組織が中心となることも重要です。
全国レベルのネットワークと地域レベルのネットワークが、それぞれの役割を担いながら連携することが求められています。
チャレコミとは

チャレコミは「チャレンジ・コミュニティ・プロジェクト」の略称で、起業家型のリーダー育成や地域課題の解決に取り組む全国のまちづくり団体をつなぐネットワークです。
2004年から活動しており、地域で活動する団体同士が経験やノウハウを共有しながら、それぞれの地域の課題に取り組んできました。
こうした平時からのつながりは、災害が起きたときにも活かされます。
そこで2022年に始まったのが「災害支援会員制度」です。
この制度では、災害が発生した際に、被災した地域の団体に対して必要な人材を派遣したり、活動に必要な資金を支援したりする仕組みが設けられました。
つまり、普段からつながっている全国の団体が、災害時には被災地を支える側として動ける仕組みです。
新潟県や能登半島、青森県などで発生した災害でも、人材と資金の両面から支援が行われてきました。
なぜ「平時からのつながり」が重要なのか

災害が起きてから初めて支援団体同士が連携しようとしても、誰に相談すればよいのか、どの団体が何をできるのかを確認するだけで時間がかかります。
一方、平時から顔の見える関係ができていれば、災害発生時に必要な人材や情報を迅速に動かしやすくなります。
また、地域ごとに災害の状況や必要とされる支援は異なります。
全国の団体がそれぞれの地域で培った経験を共有することで、特定の地域だけでは得にくい知識やノウハウを活用できる可能性もあります。
災害支援においては、発災後の活動だけでなく、「平時にどれだけ備えておけるか」が実際の支援力を左右することになります。
法人化で何が変わるのか

2026年4月、チャレコミの取り組みを中心となって進めてきた団体が、全国の参画団体とともに新たな一般社団法人を設立しました。
これまで行われてきた災害支援基金を中心とする活動を法人化し、まちづくり団体が平時から継続的に活動できる基盤をつくり、全国の災害対応力を高めることが目的とされています。
新法人の取り組みとしては、全国のネットワークを通じて資金・人材・ノウハウを迅速かつ継続的に届ける仕組みの運用などが挙げられています。
さらに、地域のまちづくり団体が災害時に果たす役割を社会に発信し、その公的な位置づけを進めることも掲げられています。
そしてもう一つ重要なのが、平時から研修やノウハウ共有を行い、災害時にすぐ動ける人材を育てることです。
能登半島地震などで、全国のチャレコミの団体による支援が力になった経験も、今回の法人化を後押しする背景となりました。
JVOADなど他のネットワークとの関係

災害支援には、全国規模のネットワークや地域ごとのネットワーク、特定のテーマを持つ団体のネットワークなど、さまざまな仕組みがあります。
JVOADのように行政・社会福祉協議会・NPOなどの連携を支えるネットワークがある一方、チャレコミのように「まちづくり」という共通のテーマを持つ団体がつながるネットワークもあります。
それぞれは競合するものではなく、異なる役割を担っています。
例えば、全国的なネットワークが情報共有や団体間の調整を担い、地域のネットワークが現地の状況を把握し、テーマ型のネットワークが専門性や人材を提供するといった形です。
複数のネットワークがそれぞれの強みを生かして重層的に機能することが、被災地への支援をより実効的なものにする鍵になります。
今後の災害支援に求められること

法人化によって、資金や人材を支援する仕組みがより安定すれば、災害発生時の初動を早め、継続的な支援につなげられる可能性があります。
また、平時から研修や情報共有を続けることで、災害が起きたときに実際に動ける人材を増やすことも期待されます。
ただし、ネットワークは法人をつくれば完成するものではありません。
日頃から団体同士が交流し、互いの活動を知り、災害時に何ができるのかを確認しておくことが重要です。
「災害が起きたときだけつながる」のではなく、「普段からつながっているからこそ、災害時に力を発揮できる」ネットワークづくりが今後ますます重要になります。
まとめ
災害支援では、行政、社会福祉協議会、NPO、地域団体などがそれぞれの役割を担い、連携することが重要です。
チャレコミでは、全国のまちづくり団体が平時からつながる強みを生かし、2022年から災害支援会員制度を通じて人材や資金を被災地の団体につなぐ取り組みを進めてきました。
2026年4月の法人化は、こうした取り組みを一時的な災害対応ではなく、平時から継続して機能する仕組みへ発展させる動きといえます。
JVOADなどの全国的なネットワークや地域の中間支援組織、テーマごとのネットワークが、それぞれの専門性を生かして連携することも重要です。
災害に強い地域をつくるためには、災害が起きてから支援するだけでなく、平時から人と団体がつながり、経験や資源を共有しておくことが欠かせません。
今後、こうした全国のネットワークがどのように連携し、次の災害への備えにつながっていくのかが注目されます。

