お子さんの将来を考え、B型施設を探している保護者の方へ
障害のあるお子さんに合った選択をするために、まず知っておきたい基本ガイド
初めての方は、基礎知識と不安解消をセットで押さえると安心です。
まず読むべき基礎知識5記事
施設選びでつまずきやすいポイント5記事
成年後見制度を利用しているか利用を検討しているのに「成年後見制度を使っていると仕事に影響があるか不安」「成年後見制度の利用が転職活動に障害となるか知りたい」という方はいらっしゃいませんか。成年後見制度と就労の関係を正しく理解しておくことが転職活動において重要です。本記事では成年後見制度を利用していると仕事への影響があるかどうかと転職への影響をわかりやすく解説します。
成年後見制度とはどのような制度か
成年後見制度の仕組みを正しく理解しておくことが重要です。
成年後見制度は認知症、知的障がい、精神障がいなどによって判断能力が不十分な方が不利益を受けないよう家庭裁判所が選任した後見人などが法律行為を支援する制度です。
成年後見制度には判断能力の程度に応じて3種類の類型があります。後見は判断能力が全くない状態の方を対象とし成年後見人が法律行為全般を代理します。保佐は判断能力が著しく不十分な状態の方を対象とし保佐人が重要な法律行為に同意または取り消しを行います。補助は判断能力が不十分な状態の方を対象とし補助人が特定の法律行為に同意または取り消しを行います。
成年後見制度の利用者は契約などの法律行為において一定の制限または支援が加わりますが日常生活における行為は制限されません。
成年後見制度の利用が就労に与える影響の基本的な考え方
成年後見制度の利用が就労にどのような影響を与えるかについての基本的な考え方があります。
成年後見制度を利用していても就労すること自体は原則として禁止されていません。成年後見制度は法律行為の支援を目的としたものであり就労活動そのものを制限するものではありません。
雇用契約の締結については後見の類型によって対応が異なります。後見類型の場合は成年後見人が代理して雇用契約を締結することがあります。保佐や補助の類型では本人が契約を締結しながら保佐人や補助人が同意するという形をとることがあります。
日常的な業務の遂行については成年後見制度の利用による直接的な制限はありません。職場での作業、上司への報告、同僚とのコミュニケーションなど日常的な業務活動は成年後見制度の対象外となります。
就労に関する具体的な影響
成年後見制度の利用が就労において具体的にどのような影響を与えるかを理解しておくことが重要です。
雇用契約書の署名については後見類型の場合は成年後見人が代理して署名することがあります。採用担当者が成年後見人の存在を把握することになるため成年後見制度を利用していることが採用担当者に伝わることになります。
給与の管理については後見人が本人に代わって管理する場合があります。給与の振込先口座の設定や給与明細の管理について後見人と連携した対応が必要となることがあります。
一部の職業についての資格制限が存在していましたが2019年の法改正により多くの職業資格の欠格事由から成年被後見人などの文言が削除されました。法改正以前は成年後見人の選任を受けた方が取得または保有できない資格が多数ありましたが現在は多くの職業においてこの制限が撤廃されています。
2019年の法改正による影響
2019年の法改正が成年後見制度の利用者の就労に与えた影響を理解しておくことが重要です。
2019年に成年被後見人等の権利の制限に係る措置の適正化等を図るための関係法律の整備に関する法律が成立し多数の法律において成年被後見人などを資格の欠格事由とする規定が改正されました。
この法改正により医師、看護師、弁護士、行政書士、宅地建物取引士、建築士など多くの職業資格について成年後見制度の利用者であることを理由とした資格の制限が廃止されました。
ただし個別の職業資格の取得条件については最新の情報を関係機関に確認することが重要です。一部の資格については個別の判断が必要な場合があります。
転職活動において成年後見制度の利用を開示すべきか
転職活動において成年後見制度を利用していることを開示すべきかどうかについての判断基準があります。
雇用契約の締結に成年後見人の関与が必要な場合は採用担当者に成年後見制度を利用していることを伝えることが必要となります。後見類型の場合は採用時の契約手続きで成年後見人の関与が必要となることが多いです。
保佐や補助の類型で本人が単独で雇用契約を締結できる場合は成年後見制度の利用を必ずしも開示する義務はありません。ただし就労上の配慮が必要な場合は障がいの状態とともに成年後見制度の利用についての開示を検討することが重要です。
採用担当者が成年後見制度への理解が不十分な場合は制度についての正確な説明を行うことが重要です。成年後見制度の利用が就労能力を直接制限するものではないことを具体的に説明することが採用担当者の不安を解消するうえで有効です。
成年後見人との連携が就労に役立つ場面
成年後見人との連携が就労において役立つ場面があります。
雇用契約書の内容の確認と署名において成年後見人の支援を受けることで契約内容を正確に把握しながら手続きを進めることができます。
給与の管理において成年後見人のサポートを受けることで給与の適切な管理と生活費の計画的な運用が実現しやすくなります。
職場でのトラブルが生じた場合に成年後見人が関係機関との連絡調整を支援してくれることがあります。
就労に関する重要な決断を行う際に成年後見人と相談しながら進めることで不当な扱いや不利益から守られやすくなります。
就労支援サービスと成年後見制度の連携
就労支援サービスと成年後見制度を連携させることで就労の安定が実現しやすくなります。
就労移行支援事業所のスタッフが成年後見人と連携しながら就職活動をサポートしてくれることがあります。雇用契約の手続きや職場への配慮事項の伝え方について成年後見人と支援スタッフが協力して対応することで本人への負担を軽減しながら就職活動を進めることができます。
障がい者就業生活支援センターでも成年後見制度を利用している方の就労支援に対応しています。就業と生活の両面からの支援を受けながら成年後見人とも連携した支援体制を整えることができます。
ハローワークの障がい者窓口でも成年後見制度を利用している方の求職活動をサポートしてくれることがあります。
成年後見制度の利用を理由に採用を拒否された場合の対処
成年後見制度の利用を理由に採用を拒否された場合の対処法があります。
成年後見制度の利用を理由とした採用拒否は2019年の法改正の趣旨に照らして問題となる可能性があります。採用拒否の理由が成年後見制度の利用であることが明らかな場合は都道府県労働局や障がい者就業生活支援センターに相談することが選択肢のひとつです。
成年後見制度についての正確な情報を採用担当者に提供することで誤解に基づく拒否が解消されることがあります。制度への理解が不十分な採用担当者に対して制度の内容と就労能力への影響を具体的に説明することが重要です。
成年後見制度を利用していても就労すること自体は原則として禁止されておらず2019年の法改正により多くの職業資格の欠格事由からも除外されています。雇用契約の手続きにおける成年後見人との連携を適切に行いながら就労移行支援事業所や障がい者就業生活支援センターのサポートを活用して成年後見制度の利用と就労を両立させていきましょう。

コメント