てんかんについて知る

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てんかんは脳の神経細胞が過剰に興奮することで、突然の発作を繰り返す慢性的な脳の病気です。約100人に1人が発症するとされ、決して珍しい病気ではありません。

発作の種類は多様で、けいれんだけでなく、意識を失う、動きが止まる、異常な感覚を体験するなど、様々な症状が現れます。適切な治療により、多くの患者さんが発作をコントロールし、普通の生活を送ることができます。

しかし誤解や偏見が残っており、社会的な理解が必要な疾患でもあります。本記事ではてんかんの症状や原因、診断方法、治療法、そして患者さんや周囲の人が知っておくべき情報について詳しく見ていきます。

てんかん発作の種類

てんかん発作は大きく分けて、部分発作焦点発作と全般発作があります。部分発作は脳の一部分から始まる発作で、意識が保たれる単純部分発作と、意識が障害される複雑部分発作があります。

単純部分発作では、手足が勝手に動く、ピクピクする、異常な感覚しびれ、光が見える、音が聞こえるなどを体験しますが、意識ははっきりしています。

複雑部分発作では、意識が曖昧になり、ぼんやりする、動作が自動的になる、口をもぐもぐさせる、手をこするなどの自動症が見られます。

全般発作は脳全体が同時に興奮する発作で、いくつかの種類があります。

最もよく知られているのが強直間代発作大発作で、突然意識を失い、全身が硬くなり、その後ガクガクとけいれんします。

欠神発作と他の全般発作

欠神発作は主に小児に見られる発作で、数秒から数十秒間、意識が途切れます。

動作が止まり、ぼんやりとした表情になりますが、けいれんはありません。周囲から見ると、ぼうっとしている、話しかけても反応しないように見えます。

ミオクロニー発作は、筋肉が瞬間的にピクッと動く発作です。朝起きたときに腕や肩がピクッとして、持っているものを落としてしまうことがあります。意識は保たれていることが多いです。

脱力発作は突然筋肉の力が抜ける発作で、立っていると倒れてしまいます。非常に短時間ですが、転倒によるケガのリスクがあります。

てんかん発作の経過

典型的な強直間代発作では、前兆を感じることもあります。気分の変化、頭痛、異常な感覚などが発作の数時間前から現れることがあり、これを前兆期といいます。

発作が始まると、突然意識を失い、全身が硬直します強直期。この時、大きな叫び声を上げることもあります。呼吸が止まり、顔色が悪くなることもあります。

その後、全身がガクガクとけいれんします間代期。この時、舌を噛んだり、失禁したりすることがあります。けいれんは通常1分から2分で収まりますが、長く感じられます。

発作後は意識が戻りますが、しばらくぼんやりした状態が続きます発作後期。頭痛、筋肉痛、疲労感、混乱などが見られ、数分から数時間続くこともあります。

てんかんの原因

てんかんの原因は様々です。症候性てんかんは、脳に明らかな原因がある場合で、脳の損傷、脳腫瘍、脳卒中、脳炎、頭部外傷、先天的な脳の異常などが原因となります。

特発性てんかんは、検査をしても明らかな原因が見つからない場合で、遺伝的要因が関係していると考えられています。家族にてんかんの人がいると、発症リスクがやや高くなります。

また年齢によって原因が異なります。小児期では出生時の脳の損傷や遺伝的要因が多く、高齢者では脳卒中や脳腫瘍、認知症などが原因になることが多いです。

発作の誘因

てんかん発作は様々な要因によって誘発されることがあります。最も一般的なのは睡眠不足で、疲労も発作のリスクを高めます。規則正しい生活リズムを保つことが重要です。

ストレスや感情的な興奮も誘因になります。また飲酒は発作を誘発しやすく、特に大量の飲酒や飲酒後の睡眠不足は危険です。

光過敏性てんかんの人では、点滅する光やテレビ、パソコンの画面が発作を引き起こすことがあります。ただしこのタイプは全体の数パーセントで、多くの人には光刺激は問題ありません。

また薬の飲み忘れが最も多い発作の誘因です。抗てんかん薬を規則正しく服用することが、発作予防に最も重要です。

診断方法

てんかんの診断は、詳細な問診から始まります。発作の様子、頻度、きっかけ、発作前後の状態などを詳しく聞きます。目撃者がいる場合は、その証言も重要です。発作時の動画があれば、診断に非常に役立ちます。

脳波検査EEGは、てんかんの診断に最も重要な検査です。頭皮に電極をつけて脳の電気活動を記録します。

てんかんに特徴的な異常波形が見られれば、診断の根拠になります。ただし1回の検査で異常が出ないこともあり、繰り返し検査することもあります。

MRIやCTなどの画像検査で、脳の構造的な異常がないかを調べます。脳腫瘍、脳の萎縮、奇形などが見つかれば、症候性てんかんの原因が特定できます。

抗てんかん薬による治療

てんかんの治療の中心は抗てんかん薬です。脳の神経細胞の過剰な興奮を抑え、発作を予防します。多くの種類があり、発作のタイプや患者さんの状態に応じて選択されます。

治療は通常1種類の薬から始めます単剤療法。適切な薬と用量が見つかれば、約70パーセントの患者さんで発作がコントロールできます。効果が不十分な場合は、薬の種類を変えたり、複数の薬を組み合わせたりします多剤療法。

薬は毎日規則正しく服用することが重要です。血中濃度を一定に保つことで、発作を予防できます。飲み忘れは発作の最も多い誘因ですので、服薬管理が治療成功の鍵です。

副作用としては、眠気、ふらつき、めまい、吐き気などが現れることがあります。多くは服用を続けるうちに軽減しますが、辛い場合は医師に相談し、薬の種類や量を調整してもらいましょう。

外科治療

薬物療法で発作がコントロールできない難治性てんかんの場合、外科治療が検討されることがあります。

特に発作の焦点が脳の一部に限られている場合、その部分を切除することで発作が消失する可能性があります。

手術の適応を決めるために、詳細な検査が行われます。発作の焦点を正確に特定し、その部分を切除しても重大な機能障害が起こらないことを確認します。

側頭葉てんかんは外科治療の良い適応とされ、手術により約60パーセントから80パーセントの患者さんで発作が消失します。ただし手術にはリスクもあり、慎重な判断が必要です。

また脳梁離断術、迷走神経刺激療法VNSなど、他の外科的治療法もあります。これらは発作を完全になくすことはできませんが、頻度や重症度を減らす効果があります。

発作時の対応

てんかん発作を目撃したときの対応を知っておくことは重要です。まず慌てず、落ち着いて行動しましょう。発作中は意識がないため、声をかけても反応しません。

安全を確保することが最優先です。周囲の危険なもの硬いもの、熱いもの、鋭いものを遠ざけます。

頭の下に柔らかいものを置き、衣服を緩めます。横向きに寝かせると、唾液や嘔吐物による窒息を防げます。

やってはいけないことは、口の中に物を入れることです。舌を噛むのを防ごうとして指や物を入れると、歯を折ったり、介助者がケガをしたりする危険があります。また身体を強く押さえつけることも避けましょう。

発作が5分以上続く、短時間に発作を繰り返す、発作後の意識回復が遅いなどの場合は、救急車を呼ぶ必要があります。また初めての発作、妊婦、ケガを負った場合も救急対応が必要です。

生活上の注意

てんかんを持つ人も、適切な管理のもとで普通の生活を送ることができます。

ただしいくつかの注意が必要です。

規則正しい生活リズムを保ち、十分な睡眠を取ることが最も重要です。

入浴時の注意も必要です。発作時の溺水を防ぐため、家族がいるときに入浴する、シャワーを利用する、浴槽の水位を低くするなどの工夫が推奨されます。

高所作業、火を扱う作業、水辺での活動などは、発作が起きたときに危険が伴います。主治医と相談しながら、安全に配慮した生活を送ることが大切です。

また飲酒は控えめにし、睡眠不足にならないよう注意が必要です。ストレス管理も重要で、無理をせず、自分のペースを守ることが発作予防につながります。

運転と就労

運転については法律で規制があります。日本では、過去2年間発作がない、医師が運転に支障がないと判断した場合などに運転免許の取得や更新が可能です。

ただし条件は複雑なので、主治医とよく相談する必要があります。

就労については、てんかんがあっても多くの職業に就くことができます。発作がコントロールされていれば、ほとんどの仕事は問題ありません。

ただし安全上の理由から、一部の職業運転手、高所作業、機械操作などには制限があります。

職場にてんかんのことを伝えるかは個人の判断ですが、理解を得られれば、万が一の発作時にも適切な対応をしてもらえます。また障害者雇用枠を利用することも選択肢の一つです。

女性とてんかん

女性の場合、月経周期と発作の関係があることがあります。月経前や月経中に発作が増える月経随伴性てんかんという状態です。ホルモンの変動が発作に影響を与えると考えられています。

妊娠を希望する場合は、事前に主治医と相談することが重要です。一部の抗てんかん薬は胎児に影響を与える可能性があるため、妊娠前に薬の調整が必要になることがあります。

妊娠中もてんかんの治療は継続する必要があります。

発作が母体と胎児の両方に危険をもたらすため、薬を中止することは勧められません。適切な管理のもとで、多くの女性が健康な赤ちゃんを出産しています。

授乳については、主治医と相談しながら判断します。多くの抗てんかん薬は少量が母乳に移行しますが、授乳可能な場合も多くあります。

小児のてんかん

小児期のてんかんには特有の種類があり、成長とともに自然に治るものもあります。例えば良性ローランドてんかんは、思春期までに自然に治癒することが多いです。

学校生活では、教師や学校の理解と協力が重要です。発作が起きたときの対応を説明しておくこと、体育や校外活動での配慮、いじめの予防などが必要です。

学業への影響は個人差が大きいです。多くの子どもは普通に学校生活を送れますが、一部のてんかん症候群では学習困難を伴うこともあります。早期からの適切な支援が重要です。

また抗てんかん薬の副作用として眠気や集中力の低下が現れることがあり、学業に影響することもあります。医師と相談しながら、薬の調整や生活の工夫をすることが大切です。

社会の理解

てんかんに対する誤解や偏見はまだ残っています。てんかんは伝染しない、遺伝性は低い、知的障害とは別の問題である、適切な治療で普通の生活ができるなど、正しい知識を広めることが重要です。

てんかん発作を目撃すると驚くかもしれませんが、ほとんどの発作は自然に収まります。落ち着いて安全を確保し、必要に応じて医療機関に連絡することが適切な対応です。

てんかんを持つ人を特別視せず、普通に接することが大切です。能力や人格は発作とは関係なく、てんかんがあっても様々な分野で活躍している人は多くいます。

また災害時の備えも重要です。薬を数日分持ち歩く、お薬手帳を携帯する、家族や知人に病気のことを伝えておくなどの準備が推奨されます。

長期的な見通し

てんかんの予後は、発作のタイプや原因によって異なります。適切な治療により、約70パーセントの患者さんで発作がコントロールされ、普通の生活を送ることができます。

発作が数年間消失した場合、医師と相談しながら薬を減量、中止できることもあります。ただし中止後に再発するリスクもあるため、慎重な判断が必要です。

難治性てんかんの場合でも、新しい薬や治療法の開発が進んでおり、選択肢は増えています。希望を持ち続け、主治医と協力しながら最適な治療を探していくことが大切です。

てんかんと診断されても、適切な治療と自己管理により、充実した人生を送ることは十分可能です。病気を受け入れ、上手に付き合っていく姿勢が重要です。

まとめ

てんかんは脳の神経細胞が過剰に興奮することで発作を繰り返す慢性的な脳の病気で、約100人に1人が発症します。

発作はけいれんだけでなく意識障害や動作停止など多様で、原因が特定できるものと不明なものがあります。

診断は問診や脳波、画像検査で行い、治療は抗てんかん薬が中心です。約70パーセントで発作はコントロール可能で、規則正しい服薬と生活管理が重要です。

適切な治療により、多くの人が通常の生活を送れます。

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