障害者の転職と副業はできる?制度・注意点・自分に合った働き方を解説

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障害のある方の働き方は多様になっています。「今の職場から転職したい」「障害者雇用で働きながら副業もしたい」「転職活動中の収入を確保したい」と考える方もいるでしょう。

結論からいえば、障害があることだけを理由に、転職や副業が一律に禁止されているわけではありません。ただし、副業は勤務先の就業規則、障害年金や生活保護、各種手当、税金・社会保険、そして体調への影響まで確認する必要があります。

この記事では、障害者の転職と副業を考える際に知っておきたい基本ルールから、仕事の選び方、支援機関、始める前のチェックポイントまで分かりやすく整理します。

1.障害があっても転職・副業はできる

障害があること自体を理由として、転職や副業ができないわけではありません。働く目的も、「収入を増やしたい」「自分のスキルを活かしたい」「将来の転職に備えたい」など人それぞれです。

一方で、障害のある方は、仕事内容だけでなく、勤務時間、通勤負担、職場環境、必要な配慮まで含めて仕事を選ぶことが重要です。

厚生労働省も副業・兼業のガイドラインを整備しています。長時間労働や健康面に配慮し、就業規則の許可・届出などのルールを確認して進めることが重要です。

2.障害者雇用で働きながら副業する場合

障害者雇用枠で働いている場合も、副業そのものが自動的に禁止されるわけではありません。ただし、「障害者雇用だから特別に副業が自由」という意味でもありません。

まず確認したいのは、本業の就業規則です。副業が「原則可」なのか、「会社への届出が必要」なのか、「許可制」なのかを確認します。

また、副業の内容によっては、本業の会社の秘密情報を扱うことや、競合する仕事をすることなどが問題になる場合があります。厚生労働省のガイドラインでも、安全配慮義務、秘密保持義務、競業避止義務などへの配慮が示されています。

副業を隠れて始めるのではなく、必要な届出や相談を行ったうえで、本業に支障が出ない働き方を選ぶことが大切です。

3.転職と副業を同時に進めてもよい?

転職活動と副業を並行することも可能です。たとえば、現在の仕事を続けながら転職先を探し、副業は週数時間から始める方法があります。

副業の経験が、転職時のアピール材料になることもあります。Webライティング、データ入力、デザイン、オンライン事務などは、職種によって実務スキルとして説明できます。

一方で、応募書類の作成や面接などで、転職活動そのものにも時間と体力が必要です。

「転職も副業も一気に成功させる」と考えるより、優先順位を決めることが大切です。まず転職先を決めるのか、副業を小さく始めるのか、自分の体調と生活状況から判断しましょう。

4.障害年金・生活保護・各種手当への影響

副業を考える際、特に注意したいのが公的制度への影響です。

障害年金は、「副業で収入を得たら直ちに年金が止まる」という単純な仕組みではありません。ただし、20歳前の傷病による障害基礎年金には所得による支給制限があります。また、障害の状態を確認する際、就労状況が判断材料の一つになる場合があります。

生活保護を利用している場合は、収入を適切に申告する必要があります。副業を始める前に、ケースワーカーへ相談し、収入申告の方法や保護費への影響を確認しましょう。

特別障害者手当など、所得制限が設けられている制度もあります。副業を始める前に、「いくら稼げるか」だけではなく、「受けている制度にどのような影響があるか」を確認することが重要です。

5.障害特性に合う副業を選ぶ

副業は、収入だけで選ぶのではなく、障害特性や体力、集中力、通院、生活リズムとの相性から考えましょう。

身体的な負担を減らしたい場合は、在宅のWebライティング、データ入力、オンライン事務などが候補になります。支援技術や文字によるコミュニケーションを活用できる仕事を選ぶ方法もあります。

精神障害や発達障害のある方の場合は、勤務時間を調整しやすい仕事、作業手順が明確な仕事、人とのやり取りが比較的少ない仕事などが合うことがあります。

ただし、「障害の種類だけで向いている仕事を決める」必要はありません。得意なこと、苦手なこと、疲れやすい時間帯、必要な配慮を整理して、自分に合う働き方を探すことが大切です。

6.税金・社会保険も忘れずに確認

副業で収入を得たら、税金についても確認が必要です。

会社員の場合、副業の「所得」が一定額を超えると確定申告が必要になるケースがあります。たとえば、給与を1か所から受けている給与所得者で、給与・退職所得以外の所得金額の合計が20万円を超える場合は、原則として確定申告が必要です。20万円という基準は「売上」ではなく、基本的には必要経費を差し引いた「所得」で判断する点にも注意しましょう。

なお、所得税の確定申告が不要なケースでも、住民税については自治体への申告が必要になる場合があります。副業を始めたら、税務署や自治体の案内を確認しましょう。

副業先でも雇用契約を結ぶ場合は、労働時間や社会保険の扱いが変わることがあります。業務委託、アルバイトなどで扱いが異なるため、迷ったら専門家に確認しましょう。

7.転職・副業で活用できる支援機関

一人で転職や副業を進める必要はありません。

障害者向けの転職エージェントでは、障害特性や必要な配慮を踏まえた求人探しを相談できます。ハローワークには障害者向けの専門窓口があり、求人紹介や応募書類、面接などについて相談できます。

地域障害者職業センターでは、職業評価や職場適応に関する支援などを受けられます。また、障害者就業・生活支援センターでは、仕事だけでなく生活面も含めた相談が可能です。

就労移行支援や就労継続支援A型・B型などが選択肢になる場合もあります。「辞める・我慢する」の二択にせず、支援機関へ相談してみましょう。

8.副業を始める前の5つのチェックポイント

最後に、始める前に確認したいポイントを整理します。

①本業の就業規則を確認する
副業の可否、届出や許可の有無を確認します。

②公的制度への影響を確認する
障害年金、生活保護、各種手当などを利用している場合は、年金事務所、自治体、ケースワーカーなどに確認します。

③体調と時間に余裕を残す
最初から長時間働かず、週数時間など小さく始める方法もあります。

④税金・社会保険を確認する
副業の種類と収入を記録し、確定申告などの必要性を確認します。

⑤「簡単に高収入」に注意する
「誰でもすぐ月100万円」「スマホだけで簡単に稼げる」など、過度に高収入をうたう副業には注意しましょう。契約前に仕事内容、報酬、初期費用、解約条件などを確認することが大切です。

まとめ

障害のある方でも、転職や副業を通じて、自分に合った働き方を目指すことはできます。

ただし、重要なのは「いくら稼げるか」だけではありません。本業との両立、障害特性との相性、体調管理、公的制度への影響、税金・社会保険まで含めて考える必要があります。

特に、障害者雇用で働きながら副業をする場合は、まず就業規則を確認しましょう。障害年金や生活保護、各種手当を利用している場合は、制度への影響を事前に確認することも大切です。

転職と副業を考えるときは、一度にすべてを変える必要はありません。支援機関にも相談しながら、小さく試し、自分に合う働き方を見つけていくことが、長く働き続けるための大切な一歩です。

※制度や税金の取り扱いは、受給している制度や働き方、所得状況によって異なります。実際に転職・副業を始める際は、勤務先、自治体、年金事務所、税務署などに最新の情報を確認してください。

いろとりどり編集部

この記事の監修・運営

就労継続支援B型 いろとりどり編集部

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