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特別支援学校への入学を検討しているけれど、どんな学校なのか、普通の学校と何が違うのか、入学するにはどうすればいいか、卒業後の進路はどうなるのかといった疑問を持っている保護者の方は多くいます。
この記事では、特別支援学校の制度の仕組みと入学の流れ、卒業後の進路について解説します。
特別支援学校とはどういう学校か
特別支援学校は、視覚障害、聴覚障害、知的障害、肢体不自由、病弱・身体虚弱のある子どもを対象として、幼稚部、小学部、中学部、高等部という課程で教育を行う学校です。
学校教育法に基づいて設置されており、障害の種類や程度に応じた専門的な教育を提供することを目的としています。
特別支援学校では各教科の学習に加えて、障害による学習上または生活上の困難を克服するための自立活動という指導が行われることが特徴です。
また子ども一人ひとりの特性に応じた個別の教育支援計画と個別の指導計画が作成されます。
普通学校と比べて教員一人あたりの生徒数が少なく、個別的なきめ細かな対応が受けやすい環境です。
特別支援学校の種類
特別支援学校は対応する障害の種類によって以下のように分類されます。
視覚障害特別支援学校は視覚障害のある子どもを対象とし、点字による学習や視覚的な困難を補うための専門的な指導が行われます。
聴覚障害特別支援学校は聴覚障害のある子どもを対象とし、手話や口話等のコミュニケーション手段を活用した指導が行われます。
知的障害特別支援学校は知的障害のある子どもを対象とし、生活に必要な基本的なスキルや社会参加に向けた学習が中心となります。特別支援学校のなかで最も多い種類です。
肢体不自由特別支援学校は肢体不自由のある子どもを対象とし、理学療法士や作業療法士等の専門職と連携した指導が行われます。
病弱・身体虚弱特別支援学校は病院に隣接または併設されていることが多く、入院や長期療養中の子どもが学習を継続できる環境が整えられています。
複数の障害に対応した学校もあり、知的障害と肢体不自由の両方に対応した学校等が各地に設置されています。
特別支援学校の教育課程
特別支援学校の教育課程は、対象とする障害の種類によって異なりますが、以下のような内容で構成されています。
知的障害特別支援学校では、各教科として国語、算数または数学、音楽、図画工作または美術、体育、生活等が設けられています。
普通学校と比べて学習内容が生活に直結した実践的なものとなっており、学年よりも個々の発達の段階に応じた指導が行われます。
自立活動は特別支援学校の教育において重要な位置を占めており、健康の保持、心理的な安定、人間関係の形成、環境の把握、身体の動き、コミュニケーションという六つの区分に基づいた指導が行われます。
高等部では職業科や作業学習が重視されており、卒業後の就労や生活に向けた実践的な学習が中心となります。
農業、窯業、木工、縫製、清掃、食品加工等の作業学習を通じて、就労に向けたスキルと態度を育てます。
特別支援学校への入学の流れ
就学相談の申し込み
特別支援学校への入学を希望する場合は、まず居住する市区町村の教育委員会に就学相談を申し込むことが必要です。
就学相談では子どもの発達や障害の状況を評価し、どのような学校や学級が適切かについての相談と助言が行われます。
就学相談は小学部への入学前年度の春から秋にかけて行われることが多く、余裕を持って早めに申し込むことをおすすめします。
就学相談の内容
就学相談では、子どもの発達検査や行動観察、保護者からの聴き取りが行われます。子どもの障害の状況、得意なこととそうでないこと、生活上の困難、これまでの療育や支援の状況について詳しく伝えることが、適切な就学先の判断につながります。
医師の診断書や発達検査の結果等の資料があれば持参することで、より正確な評価が行われやすくなります。
就学先の決定
就学相談の結果をもとに、教育委員会が就学先についての意見をまとめます。最終的な就学先は保護者と教育委員会が合意のうえで決定されます。
近年は可能な限り地域の通常学校への就学を推進するインクルーシブ教育の考え方が重視されており、特別支援学校か通常学校かという二者択一ではなく、子どもの状況に合わせた多様な選択肢が検討されます。
保護者が特別支援学校への就学を希望する場合でも、また地域の通常学校への就学を希望する場合でも、保護者の意見が最大限尊重されることが原則となっています。
学校見学と体験入学
就学先を決定する前に、候補となる特別支援学校を実際に見学することが重要です。学校の雰囲気、教育環境、先生の関わり方、子どもたちの様子を実際に見ることで、わが子に合った環境かどうかを判断しやすくなります。
多くの特別支援学校では見学や体験入学の機会を設けており、学校に問い合わせることで日程を調整することができます。可能であれば子ども本人も一緒に見学することをおすすめします。
特別支援学校と特別支援学級の違い
特別支援学校と混同されやすい制度として特別支援学級があります。
特別支援学級は地域の小学校や中学校の中に設けられた少人数のクラスです。通常の学校に在籍しながら、障害の特性に応じた専門的な指導を少人数または個別で受けることができます。
特別支援学校は学校全体が障害のある子どもを対象とした専門的な教育機関であるのに対し、特別支援学級は通常の学校の中に設けられた特別な学級という位置づけです。
特別支援学校に在籍する場合は地域の学校ではなく特別支援学校に通うことになりますが、特別支援学級に在籍する場合は地域の学校に通いながら支援を受けることができます。
どちらが子どもに適しているかは障害の種類と程度、子どもの特性、保護者の希望等によって判断されます。
特別支援学校のスクールバス
多くの特別支援学校では通学が困難な子どものためにスクールバスによる送迎が行われています。通学区域が広く、自宅から学校まで遠距離になることがある特別支援学校において、スクールバスは重要な通学手段です。
スクールバスの運行ルートや乗降場所は学校ごとに異なります。自宅からの乗降場所まで保護者が送り迎えをするケースが多く、乗降場所の確認と日々の送迎の負担についても事前に確認しておくことが重要です。
特別支援学校における専門的なサポート
特別支援学校には障害の特性に応じた専門的なサポートを行うための体制が整えられています。
理学療法士、作業療法士、言語聴覚士といったリハビリテーション専門職が学校に関わることで、運動機能、日常生活動作、コミュニケーション能力の向上に向けた専門的な指導が行われます。
医療的ケアが必要な子どもに対しては、看護師が配置されて痰の吸引、経管栄養、人工呼吸器の管理といった医療的ケアを学校で受けることができる体制が整備されてきています。
スクールカウンセラーや心理士が配置されている学校もあり、子どもと保護者の心理的なサポートが提供されることがあります。
特別支援学校高等部を卒業した後の進路
特別支援学校高等部を卒業した後の進路としては、主に以下のような選択肢があります。
一般就労
企業等に就職して働く一般就労は、特別支援学校高等部卒業後の進路のひとつです。ハローワーク、障害者就労支援センター、特別支援学校のジョブコーチ等のサポートを受けながら就職活動を行います。
就職後も職場定着のためのサポートとして就労定着支援サービスを活用することができます。
就労継続支援事業所
一般就労が難しい場合や、まずは就労の経験を積みたい場合は、就労継続支援A型または就労継続支援B型事業所での利用が進路のひとつとなります。自分のペースで働きながら収入を得ることができます。
生活介護
重度の障害があり日常的に介護が必要な方を対象に、入浴、排泄、食事等の介護とともに創作活動や生産活動の機会を提供する生活介護も進路のひとつです。
就労移行支援事業所
一般就労に向けた訓練と就職活動のサポートを受けるために就労移行支援事業所を利用する選択肢もあります。最長二年間の利用期間のなかで就労に向けたスキルを身につけながら就職活動を行います。
入所施設
自宅での生活が困難な場合は施設入所支援を利用することが選択肢となります。施設で生活しながら日中は生活介護等のサービスを利用する形態です。
卒業後の進路については学校在学中から準備を始めることが重要です。高等部の三年間を通じて就労訓練や実習を重ね、本人の特性と希望に合った進路を学校と保護者が連携しながら検討していきます。
保護者として特別支援学校と連携するために
特別支援学校での教育効果を高めるためには、学校と保護者の連携が非常に重要です。
個別の教育支援計画と個別の指導計画の作成には保護者が参加し、子どもの家庭での様子や保護者としての希望を積極的に伝えることが重要です。
連絡帳や定期的な面談を通じて学校と家庭での情報を共有し、一貫した支援が行われるようにすることが子どもの成長につながります。
気になることや要望がある場合は遠慮せずに担任教師や学校に相談することが大切です。学校と保護者が協力関係を築くことが子どもにとって最も良い環境をつくるうえで重要です。
まとめ
特別支援学校は視覚障害、聴覚障害、知的障害、肢体不自由、病弱等の障害のある子どもを対象とした専門的な教育機関です。
個別の教育支援計画に基づいたきめ細かな指導、自立活動、専門職によるサポートが特徴です。
入学にあたっては市区町村の教育委員会への就学相談が出発点となり、保護者の意向を尊重しながら就学先が決定されます。
高等部卒業後は一般就労、就労継続支援事業所、生活介護、就労移行支援事業所等の進路が選択肢となります。子どもに合った環境を見つけるために、早めの情報収集と学校見学を進めてください。


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