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家から出られない状態が続いている、外に出ようとすると体や心に強い症状が出る、家から出られない状態を克服したいけれどどうすればいいかわからないという方は多くいます。この記事では、家から出られない状態の原因と少しずつ克服するための方法について解説します。
家から出られない状態は一人で抱え込まなくていい
家から出られない状態は意志の弱さや怠けではなく様々な背景から生じている実際の困難です。
この状態を一人で解決しようとする必要はありません。適切な支援と段階的なアプローチによって少しずつ改善していくことができます。
克服を焦ることが状態をさらに悪化させることがあります。自分のペースで少しずつ取り組むことが重要です。
家から出られない状態の主な原因
精神的な疾患
うつ病として体の重さ、意欲の著しい低下、外出への強い億劫感がうつ病の症状として現れることがあります。
パニック障害と広場恐怖症として外出先でのパニック発作への恐怖から外出できなくなる状態が生じることがあります。逃げられない場所への強い恐怖から外出を避けるようになる広場恐怖症が家から出られない状態につながることがあります。
社交不安障害として人目への強い恐怖、他者からの評価への強い不安から外出が困難になることがあります。
強迫性障害として外出する際のルーティンが複雑化したり外出先での汚染への強迫的な不安から外出が困難になることがあります。
長期間の引きこもりによる慣れの喪失
長期間家から出ない状態が続くことで社会への慣れが失われて外出への心理的なハードルが高くなっていきます。
外出しないことで一時的に不安は和らぎますが外出への慣れが失われることでさらに外出が困難になるという悪循環が生じます。
過去のトラウマ体験
外出先での事故、暴力被害、いじめ、性被害等のトラウマ体験が外出そのものへの強い恐怖として残ることがあります。
PTSDの症状として外出に関連した刺激でフラッシュバックや強い恐怖反応が起きることがあります。
発達障害の特性
感覚の過敏さとして外出先での音、光、人混み、においといった感覚的な刺激への強い不快感から外出が困難になることがあります。
ASDの特性として予測できない外の世界への強い不安や慣れた環境への強いこだわりから外出が困難になることがあります。
体の疾患
慢性疾患、疼痛、倦怠感等の体の問題が外出を身体的に困難にしている場合があります。
環境的な要因
安全でない地域環境、外出を妨げる家族関係、外出する手段がないといった環境的な要因が家から出られない状態につながることがあります。
克服のための基本的な考え方
完全に治ってから外出しようとしない
完全に症状が消えてから外出しようとすることが外出への取り組みを永遠に先延ばしにさせることがあります。
不安や恐怖がある状態のまま段階的に外出に取り組むことが克服への現実的なアプローチです。
不安を感じながらも外出に取り組んだ体験の積み重ねが不安の恐怖を少しずつ弱めていきます。
外出への不安を感じることを受け入れる
外出への不安を感じることへの恐怖が外出への取り組みをさらに困難にすることがあります。
不安を感じること自体は危険ではなく不安はやがて波のように引いていくという理解が不安との向き合いを助けます。
小さすぎると思うくらいの一歩から始める
克服への取り組みは小さすぎると思うくらいの一歩から始めることが重要です。
窓を開けるだけ、玄関のドアを開けるだけ、玄関の外に一歩出るだけという極小の一歩が取り組みの出発点として適切なことが多くあります。
後退があることを受け入れる
克服の過程では外出できる日とできない日が交互に来ることがあります。
できなかった日があっても克服が終わったわけではなく克服のプロセスの一部として自然なことだという理解が挫折からの回復を助けます。
家から出るための段階的なアプローチ
ステップ1 室内での準備
最初のステップとして家の中での準備を進めることが外出への取り組みの基盤をつくります。
生活リズムを整えることとして毎日同じ時間に起きて食事を取り規則正しい生活リズムを作ることが外出への準備として重要です。
体を動かす習慣をつくることとして家の中でのストレッチや軽い運動を習慣にすることが体の活性化につながります。
窓を開けることとして毎日窓を開けて外の空気と光を感じることが外の世界とのつながりを保つ小さな取り組みになります。
ステップ2 玄関周りでの取り組み
生活リズムが整ってきたら玄関周りでの取り組みを始めることが次のステップです。
玄関まで行く練習として毎日玄関まで歩いてドアを開けるという取り組みが外への慣れをつくる助けになります。
玄関の外に一歩出るだけとして玄関のドアを開けて外の空気を感じるだけという取り組みから始めることが重要です。
この段階で不安が高まっても不安はやがて引いていくということを思い出して深呼吸しながら少し立っているだけで構いません。
ステップ3 建物の外への短時間の外出
玄関周りへの慣れが生まれてきたら建物の外への短時間の外出に取り組みます。
人が少ない時間帯を選ぶこととして早朝や深夜の人が少ない時間帯に短時間外に出る取り組みが刺激を少なくした外出として取り組みやすくなります。
外出時間を短く設定することとして最初は一分から五分程度の外出から始めて徐々に時間を延ばすことが重要です。
目的を小さく設定することとしてポストを確認するだけ、建物の周りを一周するだけという小さな目的が外出への取りかかりをしやすくします。
ステップ4 近所への外出
建物の外への外出に慣れてきたら近所への外出に取り組みます。
近所の散歩として人が少ない時間帯に近所を少し歩くことが外出への慣れをつくる重要なステップです。
コンビニや自動販売機への立ち寄りとして近所のコンビニや自動販売機への短時間の立ち寄りが外の空間への慣れをつくる助けになります。
ステップ5 目的を持った外出
近所への外出に慣れてきたら目的を持った外出に挑戦します。
スーパーへの買い物、公園への散歩、図書館への訪問等の目的を持った外出が社会への参加としての外出への慣れをつくります。
不安が高まったときの対処法
各ステップの取り組みの中で不安が高まったときのために対処法を準備しておくことが重要です。
深呼吸の実践として鼻からゆっくり吸い口からゆっくり吐くという腹式呼吸が自律神経を整えて不安を和らげる即時の効果があります。
グラウンディングとして足の裏が地面に着いている感覚、手で何かを触っている感覚等に意識を向けることが現実への感覚を取り戻す助けになります。
安全だと感じる場所に戻ることを自分に許すこととして不安が強くなったとき一度家に戻ることを自分に許す準備をしておくことが外出への挑戦をしやすくします。失敗ではなく今日はここまでという認識が重要です。
感覚の過敏さへの対処としてノイズキャンセリングイヤホン、帽子、サングラス等の感覚刺激を和らげるアイテムを持参することが感覚の過敏さがある方の外出を助けることがあります。
専門的な支援の活用
家から出られない状態の克服において専門的な支援を活用することが回復を大きく助けます。
医療機関への受診
家から出られない状態の背景にうつ病、パニック障害、社交不安障害等の疾患がある場合は治療が回復において最も重要な要素のひとつです。
受診が難しい場合はオンライン診療や電話での予約から始めることが医療へのアクセスの第一歩になります。
薬物療法として抗不安薬やSSRI等の薬物療法が外出への恐怖と不安を和らげる助けになることがあります。
認知行動療法として家から出られない状態を維持している思考パターンを修正して段階的な曝露療法を行う認知行動療法が効果的とされています。
ひきこもり地域支援センター
各都道府県に設置されているひきこもり地域支援センターでは引きこもりの状態にある方への相談支援を提供しています。
電話やメールでの相談から始めることができます。
訪問支援サービス
外出が困難な状態では支援者が自宅を訪問してくれる訪問支援サービスを活用することが外に出ることなく専門的な支援につながる方法です。
地域によって利用できる訪問支援が異なりますのでひきこもり地域支援センターや市区町村の担当窓口に問い合わせることが重要です。
オンラインでの相談
外出が難しい状態でもオンラインカウンセリング、電話相談、メール相談等を活用することで専門家のサポートにつながることができます。
よりそいホットライン(0120-279-338)への電話相談が二十四時間無料で利用できます。
家族ができるサポート
家から出られない家族への適切なサポートを知っておくことが重要です。
無理に外出させようとしないこととして強制的に外出させようとすることが恐怖をさらに強化してかえって状態を悪化させることがあります。
日常的なつながりを大切にすることとして外出できるかどうかに関係なく日常的な会話とつながりを大切にすることが孤立感を和らげる助けになります。
専門家への相談をすることとして家族だけで問題を解決しようとするのではなくひきこもり地域支援センターや医療機関への相談が状況の改善につながることがあります。
本人のペースを尊重することとして回復のペースは人それぞれです。焦らず本人のペースを尊重することが回復を支える重要な姿勢です。
回復の過程で自分を大切にする
家から出られない状態の克服は時間がかかるものです。その過程で自分を大切にすることが重要です。
できたことを認めることとしてどんなに小さな一歩でもできたことを認めて自分を褒めることが次への動機をつくります。
自分を責めないこととして家から出られないことを意志の弱さとして責めることが回復を妨げます。
支援者とのつながりを保つこととして医療機関、支援機関、信頼できる人とのつながりを保つことが孤立を防いで回復を支えます。
消えてしまいたいという気持ちが浮かぶ場合は緊急のサインです。すぐに医療機関または相談窓口に連絡してください。よりそいホットライン(0120-279-338)は二十四時間無料で相談できます。今すぐ電話してください。
まとめ
家から出られない状態の主な原因として精神的な疾患、長期間の引きこもりによる慣れの喪失、過去のトラウマ体験、発達障害の特性、体の疾患、環境的な要因といった様々なものがあります。克服のための段階的なアプローチとして室内での準備、玄関周りでの取り組み、建物の外への短時間の外出、近所への外出、目的を持った外出という段階を自分のペースで少しずつ進めることが重要です。医療機関への受診、ひきこもり地域支援センターへの相談、訪問支援サービス、オンラインでの相談といった専門的な支援を積極的に活用することが回復を大きく助けます。消えてしまいたいという気持ちが浮かぶ場合はすぐに専門家に相談してください。家から出られない状態は適切な支援と段階的な取り組みによって少しずつ改善していくことができます。焦らず自分のペースで一歩ずつ前に進んでいってください。

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