商品を販売するだけでなく、強く支持してくれる濃いファンを獲得したいとお考えではないでしょうか。
近年注目を集めているD2Cマーケティングは、まさにそんな思いをかなえるための最適な手法と言えるでしょう。
しかし競争が激しいD2C市場で成功するためには、ただ闇雲に商品を売り込むだけではいけません。
そこで今回は、D2Cマーケティングでファンを増やすための成功ポイント5つと、具体的な戦略や注意点をご紹介します。
この記事では、以下の内容を詳しく解説していきます。
これらのポイントを押さえることで、D2Cマーケティングで成功し、強く支持してくれるファンの獲得が可能です。
ぜひ最後までご一読いただき、D2Cマーケティングのノウハウを身につけてください。
D2Cマーケティングを知ろう
D2Cマーケティングを成功させるためには、その概要やなぜ注目されるのかといった基礎知識を理解しておきましょう。
D2Cマーケティングの意味
D2C(Direct to Consumer、DtoC)とはビジネスモデルのひとつで、メーカーや製造者が直接消費者に商品を販売する手法です。
商品の企画・生産、プロモーション、販売までを一括して行い、中間に流通業者を挟まないのが大きな特徴です。
D2Cで活用されるマーケティングには、SNSやオウンドメディア、ポップアップストアなどがあります。
メーカーや製造者が商品やサービスを、ダイレクトに消費者へ届けることで、顧客とのつながりを強化し長期的な関係性を築くことが可能です。
BtoB、BtoC、ECとの違い
D2Cと混同される物に、「BtoB」、「BtoC」、「EC」などがあります。
BtoB(Business to Business) | 企業と企業間での取引する手法 |
BtoC(Business to Customer) | 企業が消費者と取引する手法 |
EC(Electronic Commerce) | 電子商取引、インターネット通販のこと |
BtoBやBtoCは、相手が限定された取引を指します。
ECはオンラインで商品を販売する方法のことで、D2Cマーケティングでは自社ECサイトの運営することが主流です。
D2Cはなぜ注目されている?
D2Cマーケティングが注目されている理由には次のようなものがあります。
- SNSの普及
- インターネット通販の利用頻度増加
- ユーザーニーズの多様化
- サブスクリプションの需要
経済産業省は令和4年のBtoCのEC市場規模について、全体で22.7 兆円と発表し、年々市場規模は拡大しています。
D2Cマーケティングは売って終わりではなく、継続的に顧客との関係性を築くことを目指します。
近年の消費者はその商品やサービスから、どのような感動や驚きが体験できるかを重視するようになってきました。
D2Cは現代の消費ニーズを満たすビジネスモデルといえるでしょう。
D2Cマーケティングの効果
中間業者を介さないD2Cマーケティングではさまざまな効果が期待できます。
ここからは次の5つを紹介していきます。
コスト削減と利益率アップがかなう
仲介業者をはさまないため、手数料がかからずコスト削減が可能です。
単純に利益率アップとして捉えたり、価格競争の激しい商品を低価格化したりするのもひとつの手段です。
仲介手数料で削減された分、高品質な商品の維持、梱包にこだわるといったサービスを向上することもでき、自社の課題解決にもつながるでしょう。
顧客データが集まりやすくなる
D2Cマーケティングでは、直接的に顧客データが収集・蓄積できます。
ユーザーが何を検索しているのか、どのような経路で販売に至ったのか分析することで、中間業者を挟んでいた時にはわからなかった潜在的なニーズを探ることも可能です。
集めた顧客データを分析することで、商品やサービスの改善やトレンドの変化にも迅速に対応できるでしょう。
長期的なファン化が可能
D2Cマーケティングを活用することで、既存のファンを育成する効果も狙えます。
生産からアフターフォローまで一貫して行うため、顧客データを活かし繰り返し買ってもらうための対策がとれます。
顧客のライフスタイルやニーズを把握し、適切なタイミングと方法でアプローチすることで、リピーターからロイヤルカスタマーへと関係性を深めることが可能です。
濃いファンになってもらうことで、商品やサービスを自発的に口コミなどで拡散してもらえる効果も期待できます。
顧客満足度の向上につながる
D2Cマーケティングでは、顧客との接触頻度が高くなります。
顧客の声もダイレクトに届くので、商品やサービス改善について迅速な対応が可能です。
顧客情報をもとに、以前購入した商品に合うものを紹介するなど、一人一人のニーズにあわせてきめ細かく対応できます。
また手数料がかからない分、商品を低価格化したり、高品質なものをリーズナブルに提供したりすることで、リテラシーの高い顧客の満足度アップにもつながります。
マーケティング施策の自由度が高くなる
大手ECモールなどの中間業者を介する場合、規定の範囲内でしかマーケティング施策を実施できません。
しかしD2Cマーケティングでは、ブログ・SNS・DMなど顧客の興味関心をそそる方法でアプローチできます。
商品情報の紹介だけでなく、顧客が抱えている悩みを解決できる方法を提供したり、商品やサービスの開発ストーリーなどを共有したりすることで、愛着をもってもらうきっかけになります。
D2Cマーケティングの始め方
D2Cマーケティングの基本的な始め方は次の通りです。
- 市場の動向や顧客ニーズを調査
- 商品やサービスのコンセプト、世界観を決める
- 商品やサービスを企画・開発
- 顧客に直接売るためのプラットフォームを構築
- マーケティング・プロモーションの実施
コンセプトや世界観を明確にし、ブランディングを徹底することで、競合と差別化でき成功につながります。
その商品やサービスでどのようになりたいか目的をきめ、どのような消費者に、なにを提供するかを起点にそれぞれ考えていきましょう。
D2Cマーケティングの注意点
D2Cマーケティングでは次のような注意点があります。
どれも対策することで問題ないものばかりですので、ひとつずつ把握しておきましょう。
効果が出るまでに時間がかかる
D2Cマーケティングは、準備段階から軌道に乗せるまでに時間と労力が必要です。
ただ自社ECサイトなどを立ち上げるだけでなく、さまざまなマーケティング施策をとり軌道に乗せなければいけません。
自社ECサイトを運営する場合も、認知してもらうところからはじまります。
新規顧客を獲得し、売れ続ける仕組みを構築することで、D2Cのメリットを活かした運用ができるでしょう。
デジタルマーケティングの知識が必要
D2Cマーケティングでは仲介業者を使わない分、自力で集客しなければいけません。
ターゲットに合った手法でアプローチが必要で、そのためにデジタルマーケティングの知識が必要不可欠です。
デジタルマーケティングが得意な人材を確保する、もしくは外部に委託する方法もあります。
効率よくD2Cマーケティングを運用するために、正しい手順でデジタルマーケティングに取り組むことが重要です。
高い商品価値を確保しなければいけない
大手ECサイトなどは購買意欲がある人が訪れるため、条件に見合った商品があれば購入するというケースもあります。
しかしD2Cマーケティングでは自社の商品やサービス自体が魅力的でなければ、買いに来てもらえません。
商品のクオリティが高いことはもちろん、必要性・好み・ブランド力などこの商品でなければいけないと思われる「付加価値」を提供することが重要です。
D2Cマーケティングを成功させるポイント
せっかくD2Cに取り組むのであれば、必ず成功させたいと思われる方がほとんどでしょう。
ここからはD2Cマーケティングを成功させるためのポイントを5つ紹介します。
個々のニーズに応える
D2Cで生き残るためには、個々のニーズにきめ細かく対応したり、商品をパーソナライズ化することがポイントです。
収集された顧客情報から、ユーザーのライフスタイルや価値観をもとにどのような商品が求められているかを分析します。
例えば、食材を宅配するサービスでは、質問に答えると体質や体調、足りない栄養を補えるおすすめの食材を診断・注文できるようなサービスがあります。
顧客自身が気づいていないような、潜在的なニーズを満たすことで満足度が上がり、また利用したいと思われるでしょう。
ブランドの魅力をアピールする
D2Cマーケティングでは、ブランドに込めた思いやストーリーなどを共有できます。
例えば大手ECモールなどに出店している場合、規定の範囲でしか商品やサービスの魅力を表現できません。
しかしD2Cマーケティングでは、梱包や商品紹介の方法にまでこだわることができ、アフターサービスや問い合わせなども迅速に対応できます。
細かい部分までブランディングすることで、商品やサービスのファンになってもらえるチャンスが広がります。
競合との差別化を図る
D2Cマーケティングで競合との差別化を図るには、次のような工夫が必要です。
- 付加価値をつける
- 独自性をだす
- 驚きや感動を提供する
多くの商品があふれかえる市場の中で、こだわりのある商品だけが買われ続けます。
人がものを買う時には次のような理由があります。
- 必要性
- 好み
- はやっている
- ブランド
- お得
- 義理
自社商品やサービスの強み、貢献できることを洗い出し、その商品やサービスを使うメリットを効果的にアピールしていきましょう。
集めた顧客データをうまく活用する
D2Cでは顧客の需要に焦点を当て、商品やサービスを展開することが成功するためのポイントです。
自社ECサイトを運営すれば、顧客がどのような検索ワードでそのページにたどり着いたのかがわかります。
そこから本当に顧客が求めているもの、どのようになりたいのかを探り商品やサービスをアップデートしていきます。
またユーザーの声がダイレクトに届く分、要望や期待に細かく応え、望まれる体験を提供することで長期的なファン化につながるでしょう。
適切なマーケティング戦略を実施する
D2Cマーケティングを行うには、自社が抱えている課題を把握しておく必要があります。
- ブランドの認知度を高めたい
- 初回購入の数を増やしたい
- リピーターやロイヤルカスタマーを増やしたい
- 顧客満足度をアップしたい
D2Cマーケティングでは顧客データを集め分析することで、これらの課題解決に取り組みやすくなります。
分析結果をもとに、ツーステップマーケティングやポイント制度の導入、SNSでの共有など課題解消に適した方法でマーケティング施策を実施すると効果的です。
D2Cマーケティングの戦略
D2Cマーケティングで成功するために実施したい戦略として、次の3つを紹介します。
自社商品やサービスに適したマーケティング戦略を実施するための参考にしてみてください。
SNSの活用
D2CマーケティングではSNSをうまく活用することが重要です。
SNSは商品情報だけでなく、ブランドコンセプトやこだわりなどを発信でき、プロモーションやブランディングに最適なツールです。
顧客とのコミュニケーションがとれるので、顧客との関係性を深め、不満の声をいちはやくすくいあげるうえでも役立ちます。
またソーシャルリスニングにより、顧客の普段の姿や何に関心を持っているかなど分析することも可能です。
SNSを活用する際は、ターゲットが利用しそうなSNSプラットフォームを選びましょう。
SNSを使ったマーケティングについては、下記記事でも詳しく紹介していますのでぜひ参考にしてみてください。
SNS運用とはSNSマーケティングのひとつ!はじめ方や成功のためのポイントを紹介
【初心者でも安心】SNS運用の始め方完全ガイド!始める手順や便利なツールも紹介
ライブコマース
ライブコマースはライブ動画を配信しながら販売する方法です。
Instagram、YouTubeなどのライブ配信機能や、ライブコマース専門のプラットフォームなどを使用することで簡単に実施できます。
家にいながら接客を受けているような臨場感を味わえ、注目を浴びています。
ライブコマースでは、社員などその商品を詳しく知る人が紹介できることがメリットです。
アパレルや家電製品、コスメ、食品などと相性の良い戦略で、人気のショップスタッフや、インフルエンサーを起用し商品を紹介してもらうのも効果的です。
サブスクリプション
サブスクリプションは、D2Cマーケティングで狙いたい長期的な顧客との関係性構築を実現できます。
美容や食材、健康食品、ペットフードなど、継続して利用する商品などと相性がよく、自分に合うものが見つかれば続けて購入してもらえるでしょう。
質問に答えて診断、処方するなど、パーソナライズ化された商品は特に好まれる傾向があります。
まとめ
現在の消費行動はその商品やサービスによってどのような体験が得られるかといった、コト消費が重視されるようになってきました。
消費者のニーズを満足させる可能性が、D2Cマーケティングにはあります。
この記事では、D2Cマーケティングを成功させる5つのポイントを紹介しました。
- 個々のニーズに応える
- ブランドの魅力をアピールする
- 競合との差別化を図る
- 集めた顧客データをうまく活用する
- 適切なマーケティング戦略を実施する
D2Cマーケティングを成功させて、商品やサービスをたくさんの人に体験してもらい、長期的なファン獲得を目指しましょう。