ADHDの学校トラブル 問題別の対応法と学校との連携

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「ADHDの子が学校でトラブルを起こす」「先生から連絡が来るたびに胃が痛い」「友達とのトラブルが絶えない」「授業中に立ち歩く」「忘れ物が多すぎる」「学校に行きたくないと言い出した」。ADHDのある子が学校で様々なトラブルに直面することは、本人にとっても親にとっても大きなストレスです。

ADHDの特性により、じっと座っていられない、衝動的に行動する、忘れ物が多いなど、学校生活で困難が生じやすくなります。しかし、適切な理解と支援があれば、トラブルを減らし、学校生活を送りやすくすることができます。本記事では、学校で起こりやすいトラブル、問題別の対応法、学校との連携方法、合理的配慮、そして本人・親のメンタルケアについて詳しく解説します。

目次

ADHDの子が学校で起こしやすいトラブル

ADHDの子が学校で起こしやすいトラブルを、種類別に説明します。

1. 授業中のトラブル

立ち歩き・離席

多動性

じっとしていられず、授業中に立ち歩いてしまいます。

理由

  • 体を動かしたい衝動
  • 集中が続かない
  • 刺激を求める

私語・独り言

衝動性

思ったことをすぐに口に出してしまいます。

具体例

  • 授業中に「お腹空いた」
  • 先生が話している途中で割り込む
  • 独り言を言う

忘れ物

ワーキングメモリの弱さ

教科書、ノート、宿題などの忘れ物が非常に多いです。

頻度

  • 週に数回
  • ほぼ毎日

集中できない・ぼーっとしている

不注意

授業に集中できず、ぼーっとしています。

結果

  • 成績が上がらない
  • 先生に注意される

宿題をやらない・提出しない

実行機能の弱さ

宿題をやらない、やっても提出しません。

詳細

  • 別記事「ADHD 宿題 やらない」参照

2. 友達とのトラブル

友達を叩く・蹴る

衝動性

カッとなって、友達を叩いたり蹴ったりしてしまいます。

理由

  • 怒りのコントロールができない
  • 嫌なことをされた→即反撃

割り込み・順番を守らない

衝動性

順番を待てず、割り込んでしまいます。

具体例

  • 列に割り込む
  • 他の子の話に割り込む

一方的に話す

コミュニケーションの困難

自分の話ばかりして、相手の話を聞きません。

結果

  • 友達が離れていく

ルールを守らない

衝動性・不注意

ゲームや遊びのルールを守りません。

理由

  • ルールを覚えていない
  • 勝ちたい衝動が勝る

物を取る・壊す

衝動性

友達の物を勝手に取ったり、壊したりします。

理由

  • 欲しいと思ったら即行動
  • 力加減がわからない

空気が読めない

社会性の困難

空気を読むことが苦手で、不適切な発言や行動をします。

具体例

  • みんなが静かにしているのに大声を出す
  • 相手が嫌がっているのに気づかない

3. 先生とのトラブル

反抗的な態度

衝動性

先生に反抗的な態度を取ります。

具体例

  • 「うるさい」と言う
  • 指示に従わない
  • 暴言を吐く

注意されても繰り返す

不注意・衝動性

何度注意されても、同じことを繰り返します。

理由

  • 注意されたことを忘れる
  • 衝動が抑えられない

4. その他のトラブル

物をなくす

不注意

教科書、筆記用具、体操着などをよくなくします。

遅刻

時間管理の困難

朝起きられない、準備に時間がかかり、遅刻します。

整理整頓ができない

実行機能の弱さ

ロッカー、机の中、ランドセルの中が常にぐちゃぐちゃです。

給食を食べるのが遅い

不注意・感覚過敏

食べることに集中できない、または偏食・感覚過敏で食べられません。

掃除をしない

不注意・多動性

掃除に集中できず、遊んでしまいます。

問題別の対応法

トラブルの種類別に、具体的な対応法を説明します。

1. 立ち歩き・離席への対応

学校での対応

動く機会を作る

  • こまめに休憩
  • 係活動で動く役割(配布物を配る、黒板消しなど)
  • 授業の途中で立つ時間を作る

座る場所の工夫

  • 前の席(先生の目が届く)
  • 窓際を避ける(刺激が少ない)

フィジェットツール

  • 手で触れる小さな玩具(ストレスボール、フィジェットスピナーなど)

家庭での対応

登校前に体を動かす

  • 朝、散歩やラジオ体操で体を動かす

放課後にエネルギーを発散

  • 運動、外遊び

2. 私語・独り言への対応

学校での対応

事前に約束

  • 「手を挙げてから話す」と視覚的に示す

合図を決める

  • 先生が「シー」のジェスチャーをしたら静かにする

発言の機会を作る

  • 授業の最初や最後に、発言の時間を作る

家庭での対応

話を聞く時間を作る

  • 家で十分に話を聞く時間を作る

3. 忘れ物への対応

学校での対応

学校に置いておく

  • 教科書、ノートの予備を学校に置く

貸し出し

  • 忘れた場合、学校から借りられるようにする

家庭での対応

チェックリスト

  • 持ち物のチェックリストを作る
  • 玄関に貼る

前日の夜に準備

  • 前日の夜に、一緒に準備する

視覚的なリマインダー

  • 玄関に「水筒持った?」などの札を貼る

写真を撮る

  • 準備した荷物の写真を撮り、朝確認する

4. 友達を叩く・蹴るへの対応

学校での対応

すぐに引き離す

  • トラブルが起きたら、すぐに引き離す

クールダウンの場所

  • 落ち着ける場所を用意(保健室、相談室など)

事前の約束

  • 「イライラしたら、先生に言う」と約束

家庭での対応

怒りのコントロールを教える

  • アンガーマネジメント
  • 深呼吸、その場を離れるなどの方法

ロールプレイ

  • 「友達に嫌なことをされたら、どうする?」を練習

専門家の支援

  • カウンセリング、ソーシャルスキルトレーニング

5. 一方的に話す・空気が読めないへの対応

学校での対応

ソーシャルスキルトレーニング

  • 通級指導教室で、コミュニケーションを学ぶ

家庭での対応

ロールプレイ

  • 会話のキャッチボールを練習

ルールを教える

  • 「相手が話しているときは聞く」
  • 「相手の顔を見る」

絵本・動画

  • ソーシャルスキルを学べる絵本や動画を見せる

6. 整理整頓ができないへの対応

学校での対応

ラベリング

  • ロッカー、引き出しにラベルを貼る

片付ける時間を作る

  • 帰りの会の前に、片付ける時間を作る

支援員のサポート

  • 支援員が一緒に片付ける

家庭での対応

シンプルにする

  • 持ち物を最小限にする

一緒に片付ける

  • 定期的に一緒に整理する

7. 給食を食べるのが遅いへの対応

学校での対応

量を減らす

  • 最初から少なめによそう

時間延長

  • 食べ終わるまで時間を延長(可能であれば)

別室で食べる

  • 刺激の少ない場所で食べる

家庭での対応

偏食への対応

  • 無理に食べさせない
  • 少しずつ慣らす

感覚過敏への理解

  • 特定の食感が苦手なことを理解する

学校との連携方法

学校と連携することで、トラブルを減らせます。

1. 担任に早めに伝える

年度初めに

年度初めに、担任の先生にADHDのことを伝えます。

伝えること

  • ADHDの診断があること
  • 特性(不注意、多動性、衝動性)
  • 困りやすいこと
  • 効果的だった対応方法
  • 配慮してほしいこと

伝え方

口頭だけでなく、文書でも渡すと良いです。

2. 定期的に連絡を取る

連絡帳

連絡帳で、毎日やり取りします。

記載内容

  • 学校での様子
  • 家での様子
  • トラブルの報告
  • お礼

面談

定期的に面談を設定します(月1回など)。

3. トラブルが起きたらすぐに対応

報告を受けたら

トラブルの報告を受けたら、すぐに学校に連絡します。

謝罪

相手がいる場合、謝罪します。

対策を考える

先生と一緒に、再発防止策を考えます。

4. 合理的配慮を依頼

具体的に

合理的配慮を、具体的に依頼します。

配慮の例

  • 座席の配置(前の席、刺激の少ない場所)
  • 忘れ物への対応(教科書を学校に置く)
  • 宿題の量を減らす
  • テストの時間延長
  • 別室での試験
  • クールダウンの場所を用意
  • 視覚支援(チェックリスト、スケジュール表)

依頼方法

文書で依頼すると、記録に残ります。

5. 通級指導教室の利用

週1回程度

通級指導教室で、個別指導を受けます。

内容

  • ソーシャルスキルトレーニング
  • 学習支援
  • 感情のコントロール

申し込み方法

学校または教育委員会に相談します。

6. 特別支援教育コーディネーターに相談

専門家

学校には、特別支援教育コーディネーターがいます。

相談内容

  • 合理的配慮
  • 通級指導教室
  • 支援の方針

7. 支援員・介助員の配置

個別支援

支援員や介助員を配置してもらえることがあります。

役割

  • 授業中のサポート
  • 整理整頓のサポート
  • トラブル時の対応

申請方法

学校または教育委員会に相談します。

8. 個別の教育支援計画・個別の指導計画

作成

学校と家庭、関係機関が連携し、個別の教育支援計画を作成します。

内容

  • 本人の特性
  • 支援の目標
  • 具体的な支援方法
  • 関係機関との連携

9. スクールカウンセラーとの連携

定期的な面談

スクールカウンセラーと、定期的に面談します。

相談内容

  • 本人の心のケア
  • 親の相談
  • 先生へのアドバイス

10. 医療機関との連携

診断書・意見書

医師に診断書や意見書を書いてもらい、学校に提出します。

内容

  • ADHDの診断
  • 特性
  • 必要な配慮

学校が理解してくれない場合

学校が理解してくれない場合の対処法を説明します。

1. 粘り強く説明

繰り返し

諦めず、繰り返し説明します。

資料を渡す

ADHDについての資料を渡します。

2. 医師の意見書

専門家の意見

医師に意見書を書いてもらい、提出します。

3. 教育委員会に相談

上位機関

学校が動いてくれない場合、教育委員会に相談します。

4. 発達障害者支援センターに相談

専門機関

発達障害者支援センターに相談し、アドバイスをもらいます。

5. 弁護士に相談

法的対応

合理的配慮を拒否される場合、弁護士に相談します。

6. 転校も視野に

環境を変える

どうしても理解が得られない場合、転校も視野に入れます。

選択肢

  • 他の小学校
  • 特別支援学級
  • 特別支援学校

特別支援学級・特別支援学校の検討

通常学級が難しい場合、特別支援学級や特別支援学校を検討します。

特別支援学級

少人数

少人数(8人以下)で、個別の支援が受けられます。

種類

  • 情緒障害特別支援学級(発達障害が対象)
  • 知的障害特別支援学級

メリット

  • 個別の支援
  • トラブルが減る
  • 子どもが落ち着く

デメリット

  • 通常学級の友達と離れる
  • 偏見の目

特別支援学校

より手厚い支援

より手厚い支援が受けられます。

対象

重度の障害がある子

本人のメンタルケア

学校でのトラブルは、本人の自己肯定感を低下させます。

1. 話を聞く

否定しない

本人の話を、否定せずに聞きます。

2. 共感する

つらかったね

「つらかったね」「嫌だったね」と共感します。

3. 叱らない

責めない

トラブルを起こしたことを、責めません。

理由

  • 本人も困っている
  • 脳の特性によるもの

4. 一緒に考える

次はどうする?

「次はどうすればいいと思う?」と一緒に考えます。

5. 得意なことを褒める

自己肯定感

学校でうまくいかなくても、得意なことを褒め、自己肯定感を守ります。

6. 安心できる場所

家は安全基地

家は、安心できる場所にします。

7. カウンセリング

専門家の支援

必要であれば、カウンセリングを受けます。

親のメンタルケア

学校からの連絡に怯える日々は、親にとっても大きなストレスです。

1. 自分を責めない

あなたのせいではない

子どもがトラブルを起こすのは、あなたの育て方のせいではありません。

2. 完璧を求めない

できなくてもいい

学校で完璧に過ごせなくても、それでいいです。

3. 誰かに話す

吐き出す

つらい気持ちを、誰かに話しましょう。

話す相手

  • 夫、パートナー
  • 親、きょうだい
  • 友人
  • 相談支援専門員
  • カウンセラー
  • 親の会のママ友

4. 親の会に参加

ピアサポート

同じ悩みを持つ親と交流することで、孤立感が軽減されます。

5. 一人の時間

休息

一人の時間を作り、休息しましょう。

6. カウンセリング

専門家の支援

親自身がカウンセリングを受けることも有効です。

よくある質問

Q1: 学校から毎日のようにトラブルの連絡が来ます。どうすればいいですか?

A: 学校と連携し、合理的配慮を依頼しましょう。

担任の先生と面談し、具体的な配慮を依頼します。通級指導教室の利用、支援員の配置なども検討しましょう。

Q2: 友達を叩いてしまいます。どう対応すればいいですか?

A: すぐに謝罪し、怒りのコントロールを教えましょう。

相手の親に謝罪し、家庭でアンガーマネジメントを教えます。学校にもクールダウンの場所を用意してもらいましょう。

Q3: 先生が「しつけの問題」と言います。

A: 医師の意見書を提出しましょう。

ADHDは脳の特性であり、しつけの問題ではありません。医師に意見書を書いてもらい、提出しましょう。

Q4: 通常学級と特別支援学級、どちらがいいですか?

A: 子どもの状況によります。

トラブルが多く、本人がつらそうであれば、特別支援学級も選択肢です。見学して、本人に合った環境を選びましょう。

Q5: 学校が合理的配慮を拒否します。

A: 教育委員会に相談しましょう。

合理的配慮は、法律で定められています。学校が拒否する場合、教育委員会に相談しましょう。

Q6: 子どもが学校に行きたくないと言い出しました。

A: 無理に行かせず、原因を探りましょう。

学校でつらいことがあるのかもしれません。話を聞き、スクールカウンセラーや医師に相談しましょう。

Q7: 毎日学校から連絡が来て、精神的につらいです。

A: 一人で抱え込まず、相談しましょう。

相談支援専門員、カウンセラー、親の会などに相談しましょう。親自身のメンタルケアも大切です。

まとめ

ADHDの子が学校で起こしやすいトラブルは、授業中のトラブル(立ち歩き、私語、忘れ物、集中できない、宿題)、友達とのトラブル(叩く・蹴る、割り込み、一方的に話す、ルールを守らない、物を取る・壊す、空気が読めない)、先生とのトラブル(反抗的、注意されても繰り返す)、その他(物をなくす、遅刻、整理整頓、給食、掃除)です。

問題別の対応法として、立ち歩きは動く機会を作る、私語は事前に約束、忘れ物はチェックリスト、友達を叩くは怒りのコントロール、一方的に話すはソーシャルスキルトレーニング、整理整頓はラベリング、給食は量を減らすなどがあります。

学校との連携方法は、担任に早めに伝える、定期的に連絡を取る、トラブルが起きたらすぐに対応、合理的配慮を依頼、通級指導教室の利用、特別支援教育コーディネーターに相談、支援員の配置、個別の教育支援計画の作成、スクールカウンセラーとの連携、医療機関との連携です。

学校が理解してくれない場合は、粘り強く説明、医師の意見書、教育委員会に相談、発達障害者支援センターに相談、弁護士に相談、転校も視野に入れます。

通常学級が難しい場合、特別支援学級や特別支援学校も検討します。

本人のメンタルケアとして、話を聞く、共感する、叱らない、一緒に考える、得意なことを褒める、家は安心できる場所にする、カウンセリングを受けることが大切です。

親のメンタルケアとして、自分を責めない、完璧を求めない、誰かに話す、親の会に参加、一人の時間を作る、カウンセリングを受けることが重要です。

一人で抱え込まず、学校、医療機関、相談支援事業所、親の会などと連携しながら、子どもに合った支援を見つけましょう。


主な相談窓口

スクールカウンセラー

  • 学校に配置

教育委員会

  • 学校との調整

発達障害者支援センター

  • 各都道府県・指定都市に設置

相談支援事業所

  • 継続的な相談

一人で悩まず、必ず相談してください。学校でのトラブルを減らす方法はあります。

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