就労継続支援B型 休みがち 頻繁に休む理由と対処法

はじめに:「休みがち」という悩みと罪悪感

就労継続支援B型事業所を利用している方の中には、「休みがち」で悩んでいる方が少なくありません。「行かなければと思うのに、朝起きられない」「体調が悪くて休んでしまう」「なんとなく気が重くて休んでしまう」「休みが続いて行きづらくなっている」「週に何日も休んでしまう」など、様々な形で「休みがち」の問題を抱えています。

そして、休みがちになることで、大きな罪悪感や自己否定の感情に苦しんでいる方も多いです。「また休んでしまった」「自分はダメな人間だ」「スタッフや他の利用者に申し訳ない」「こんなに休むなら辞めた方がいいのではないか」「一般企業なら許されないのに」「甘えているだけではないか」という自責の念に押しつぶされそうになっています。

特に、真面目な方、完璧主義の傾向がある方、過去に「休むこと」で叱責された経験がある方は、休むことへの罪悪感が強くなります。休むたびに自分を責め、それがストレスになり、さらに休みがちになるという悪循環に陥ることもあります。

しかし、B型事業所で休みがちになることは、決して珍しいことでも、恥ずかしいことでもありません。むしろ、B型事業所は「休みがちな方でも通える場所」として存在しています。体調の波がある、精神症状がある、障がいの特性で安定した通所が難しいという方々を支援するのが、B型事業所の役割なのです。

本記事では、B型事業所で休みがちになる主な理由、休むことへの罪悪感を軽減する考え方、休みがちでも通い続けるための対処法、スタッフへの伝え方、休みがちな自分を責めないための方法、そして「どうしても休みが続く」場合の選択肢について、詳しく解説していきます。休みがちで悩んでいる方、ご家族や支援者の方々にとって、実践的な情報となれば幸いです。

B型事業所で休みがちになる主な理由

まず、なぜ休みがちになるのか、その理由を理解しましょう。

体調・健康面の理由

精神症状の波

うつ状態、不安の悪化 精神障害のある方は、症状に波があります。

  • うつ状態:起き上がれない、何もする気力がない、絶望感
  • 不安の悪化:外出が怖い、人と会うのが怖い、パニック
  • 躁うつ病:うつ状態の時期は動けない
  • 統合失調症:陽性症状、陰性症状の悪化

症状が悪化している時期は、通所が困難になります。

身体的不調

慢性的な痛み、疲労

  • 慢性疲労症候群:疲れが取れず、起きられない
  • 線維筋痛症:痛みで動けない
  • 片頭痛:頭痛で外出できない
  • 自律神経失調症:めまい、吐き気、動悸
  • その他の身体疾患:持病の悪化

身体的な不調も、休みがちになる大きな理由です。

薬の副作用

眠気、だるさ 精神科の薬には、眠気やだるさなどの副作用があることが多く、朝起きられない、日中も眠いという状態になります。

睡眠障害

夜眠れない、朝起きられない

  • 不眠:夜眠れず、朝起きられない
  • 過眠:いくら寝ても眠い
  • 睡眠リズムの乱れ:昼夜逆転

睡眠の問題は、通所を困難にします。

通院

定期的な通院 定期的な通院(精神科、内科など)で休むことも多いです。通院日と通所日が重なると、どちらかを休むことになります。

精神的・心理的な理由

対人不安・社交不安

人と会うのが怖い 社交不安障害、対人恐怖症のある方は、「人と会うこと」自体が大きなストレスです。

  • 他の利用者の視線が怖い
  • スタッフと話すのが緊張する
  • 何か言われるのではないかという不安

この不安が強い日は、休んでしまいます。

場面緘黙

特定の場所で話せない 場面緘黙症のある方は、事業所で話せないことがストレスになり、行くのが辛くなります。

抑うつ気分

やる気が出ない うつ病、うつ状態では、「何もしたくない」「外に出たくない」という気持ちが強くなります。

完璧主義からの回避

「完璧に行けないなら行かない」 「行くからには遅刻せず、フルで参加しなければ」という完璧主義の考えが、逆に行動を妨げることがあります。

「今日は午前だけしか行けない」という時、「中途半端なら行かない方がいい」と休んでしまいます。

過去のトラウマ

嫌な経験の再現への恐怖 学校や職場で嫌な経験をした方は、似たような状況を恐れます。

  • いじめのトラウマ
  • パワハラのトラウマ
  • 失敗体験のトラウマ

「また同じことが起こるのではないか」という不安が、休む理由になります。

モチベーションの低下

意味を見出せない 「何のために通っているのか分からない」「やりがいを感じない」「つまらない」という気持ちが強くなると、行く気力がなくなります。

予期不安

「休んだらどう思われるか」という不安 「休んだら、スタッフに何か言われるのではないか」「他の利用者にどう思われるか」という予期不安が、逆に休みを増やすことがあります。

連休後の再開の困難

休みが長引くほど行きづらくなる 数日休むと、「久しぶりに行くのが怖い」「何か言われるのではないか」と、さらに行きづらくなる悪循環に陥ります。

環境・状況の理由

事業所との相性

雰囲気が合わない

  • 事業所の雰囲気が自分に合わない
  • スタッフとの関係がうまくいかない
  • 他の利用者との関係がストレス

環境が合わないと、行くのが苦痛になり、休みがちになります。

作業内容が合わない

つまらない、きつい

  • 作業が単調すぎてつまらない
  • 作業が難しすぎてできない
  • 作業が体力的にきつい

作業が合わないことも、休みがちになる理由です。

家庭の事情

家族の介護、トラブル

  • 家族の介護が必要
  • 家庭内のトラブル
  • 家族の反対

家庭の事情で、通所が困難になることもあります。

季節や天候

気候の影響

  • 冬季うつ:冬になると症状が悪化
  • 梅雨時:低気圧で体調が悪化
  • 猛暑・厳冬:通所自体が体力的に困難
  • 雨や雪:外出が億劫

気候や天候も、休みがちになる要因です。

経済的な理由

交通費が払えない 交通費や昼食代が負担になり、「今日は行かない」という判断をすることもあります。

障がいの特性

ADHD

時間管理の困難

  • 朝起きるのが苦手
  • 時間通りに準備できない
  • 遅刻するくらいなら休む

ASD(自閉スペクトラム症)

予定変更への対応困難

  • ルーティンが崩れると混乱
  • 予定外のことが起こるとパニック
  • 一度休むと再開が困難

注意欠如

「今日は行く日」という意識の欠如 曜日感覚が薄く、「今日が通所日」という意識が弱いことがあります。

休むことへの罪悪感を軽減する考え方

休むことへの罪悪感を軽減するための考え方を紹介します。

B型は「休んでもいい場所」

制度の本質 B型事業所は、雇用契約がなく、通所の柔軟性が最大の特徴です。体調に波がある方、休みがちになる方を受け入れることが、B型の役割なのです。

「休んではいけない」場所ではなく、「休んでもいい場所」なのです。

休むことは「悪」ではない

必要な休息 休むことは、サボりでも甘えでもなく、体調を整えるための「必要な休息」です。無理をして体調を崩す方が、長期的には問題です。

一般企業とB型は違う

比較する必要はない 「一般企業ならこんなに休めない」と比較する必要はありません。B型は一般企業ではなく、福祉サービスです。条件が違うのは当然です。

スタッフは理解している

責めない前提 B型のスタッフは、利用者が休みがちになることを理解しています。責めるのではなく、「どうしたのかな」「大丈夫かな」と心配しています。

休むことで分かること

自己理解の機会 「なぜ休んだのか」を振り返ることで、自分の体調のパターン、ストレスの原因、苦手なことなどが分かります。これは、自己理解を深める貴重な機会です。

「休みがち」でも通っている

ゼロではない 週5日のうち3日休んでも、2日は通っています。それは、「何もしていない」のではなく、「2日通っている」のです。できたことに目を向けましょう。

長期的に見る

波があって当然 今月は休みがちでも、来月は調子が良くなるかもしれません。長期的に見れば、波があるのは自然なことです。

休みがちでも通い続けるための対処法

休みがちでも、何とか通い続けるための具体的な対処法を紹介します。

通所日数・時間を減らす

無理のない設定 週5日が無理なら週3日に、1日フルタイムが無理なら午前だけに、減らしましょう。

「少ししか通えない」ではなく、「その日数なら通える」という設定が大切です。

ハードルを下げる

「行けたらラッキー」 「絶対に行かなければ」ではなく、「行けたらラッキー」「行けなくても仕方ない」と、ハードルを下げましょう。

プレッシャーが減ると、逆に行きやすくなることがあります。

午前だけ、1時間だけでもOK

完璧を求めない 「フルで参加できないなら行かない」ではなく、「1時間だけでもいいから行く」という柔軟性を持ちましょう。

短時間でも行くことで、生活リズムが保たれます。

前日の準備

朝の負担を減らす 前日の夜に、以下を準備しておきましょう。

  • 明日着る服を出しておく
  • カバンに必要なものを入れておく
  • 朝食の準備をしておく(ゼリー飲料などを用意)

朝の準備の負担を減らすことで、行きやすくなります。

朝のルーティンを簡素化

時間をかけない 朝の支度に時間がかかると、億劫になります。できるだけシンプルにしましょう。

  • 洗顔は簡単に
  • 朝食は簡素に(バナナ、ゼリー飲料など)
  • 服装はシンプルに

アラームを工夫する

起きやすくする

  • 複数のアラームを設定する
  • スマホを遠くに置く(取りに行くために起きる)
  • 光で起きるアラーム時計を使う
  • 好きな音楽をアラームにする

誰かに起こしてもらう

家族の協力 同居家族がいる場合、起こしてもらうようお願いしましょう。

「とりあえず起きる」だけでもOK

小さな目標 「起きて、準備して、出発する」という大きな目標ではなく、「とりあえず起きるだけでもOK」という小さな目標にしましょう。

起きたら意外と行けることもあります。

通所仲間を作る

一緒に行く約束 仲の良い利用者と「一緒に行こう」と約束することで、「休めない」という良いプレッシャーになります。

ご褒美を設定する

行ったら自分にご褒美 「今日行けたら、帰りに好きなものを買う」など、ご褒美を設定することで、モチベーションが上がります。

スタッフに相談する

休みがちなことを伝える 「最近休みがちで…」とスタッフに相談しましょう。

  • 通所日数・時間の調整
  • 作業内容の変更
  • 環境の調整
  • カウンセリング

様々なサポートを受けられます。

休んだ日の過ごし方を決める

罪悪感を減らす 休んだ日に何もせず寝ているだけだと、罪悪感が強まります。

  • 散歩する
  • 好きなことをする
  • 家事をする
  • 次に行くための準備をする

休んだ日も「意味のある日」にしましょう。

記録をつける

パターンを把握する 通所できた日、休んだ日、その時の体調や理由を記録しましょう。

  • 曜日のパターン(月曜日は休みがち、など)
  • 季節のパターン
  • 体調のパターン

パターンが分かれば、対策も立てられます。

目標を再確認する

なぜ通っているのか 「なぜB型に通っているのか」という目標を再確認しましょう。

  • 生活リズムを整えるため
  • 人とつながるため
  • スキルアップのため
  • 将来の就労のため

目標を思い出すことで、モチベーションが回復することがあります。

完璧を求めない

60%でもOK 週5日の計画で週3日しか行けなくても、60%は達成しています。100%を目指さず、60%でも良しとしましょう。

スタッフへの伝え方

休むこと、休みがちなことを、どうスタッフに伝えればよいでしょうか。

休む時の連絡

できるだけ早く 休む場合は、できるだけ早く(可能なら前日、当日なら始業時間前に)連絡しましょう。

連絡方法:

  • 電話
  • メール(事業所が対応している場合)
  • 家族に代わりに連絡してもらう

伝え方: 「体調が悪いため、本日お休みさせてください」

理由を詳しく説明する必要はありません。「体調不良」で十分です。

連絡できない時もある

自分を責めない 精神状態が悪い時は、連絡する気力すらないこともあります。それも仕方ありません。

後日、「連絡できなくてすみませんでした」と伝えれば大丈夫です。

休みがちなことを相談する

正直に伝える 「最近、休みがちで申し訳ありません。体調が安定せず、なかなか毎日通えません」と正直に伝えましょう。

スタッフは理解し、一緒に対策を考えてくれます。

具体的な困りごとを伝える

何が原因か

  • 朝起きられない
  • 対人不安が強い
  • 作業がきつい
  • 通所距離が負担

具体的に何が困っているかを伝えると、スタッフも対応しやすくなります。

「申し訳ない」と思いすぎない

謝罪の連続は不要 「すみません」「申し訳ありません」と謝る必要はありますが、過度に謝り続ける必要はありません。

B型は休んでもいい場所なのですから。

休みがちな自分を責めないために

休みがちな自分を責めてしまう方へ、伝えたいことがあります。

「休む=悪」ではない

必要な行動 休むことは、「悪いこと」「怠けること」ではなく、体調を整えるための「必要な行動」です。

体と心のサイン

限界を教えてくれる 休みたくなるのは、体と心からの「これ以上無理をすると壊れる」というサインです。このサインを無視する方が問題です。

障がいの特性

あなたのせいではない 休みがちになるのは、あなたの努力不足や能力不足ではなく、障がいの特性や体調の問題です。

他者と比較しない

人それぞれ 「あの人は毎日来ているのに、自分は…」と比較する必要はありません。体調も障がいも、人それぞれ違います。

できたことに目を向ける

ポジティブな視点 「週2日しか行けなかった」ではなく、「週2日も行けた」と、できたことに目を向けましょう。

長期的に見る

今だけではない 今月は休みがちでも、来月は改善するかもしれません。長期的に見れば、波があるのは自然です。

自分に優しく

セルフ・コンパッション 自分を責めるのではなく、「頑張っているね」「よく耐えているね」と、自分に優しく声をかけましょう。

どうしても休みが続く場合の選択肢

どうしても休みが続く場合、どうすればよいでしょうか。

一時休止

しばらく休む 1〜2週間、あるいは1〜2ヶ月、一時的に利用を休止することも選択肢です。

休んでいる間に体調を整え、エネルギーを蓄えてから、再開します。

通所日数・時間の大幅な調整

週1日、午前のみなど 週5日が無理なら、週1日に減らす。それでもいいのです。

少しでも通うことが、完全に辞めるよりも良いです。

事業所の変更

環境を変える 今の事業所が合わないことが原因なら、別の事業所への変更を検討しましょう。

環境が変わることで、通いやすくなることもあります。

他のサービスへの変更

B型以外の選択肢

  • 地域活動支援センター:より柔軟、通所のハードルが低い
  • デイケア:医療的サポートがある
  • 訪問看護:自宅で支援を受ける

B型が合わないなら、他のサービスも検討しましょう。

主治医に相談

薬の調整、診断書 主治医に、休みがちになっていることを相談しましょう。

  • 薬の調整(眠気を減らす、など)
  • 診断書の内容の見直し
  • カウンセリングの紹介

完全に辞めることも選択肢

無理をしない どうしても通えない、通うことが苦痛でしかない場合、完全に辞めることも選択肢です。

無理を続けて心身を壊すよりも、一度辞めて休養する方が良いこともあります。

まとめ:休みがちでも、あなたは頑張っている

就労継続支援B型事業所で休みがちになる理由には、精神症状の波、身体的不調、薬の副作用、睡眠障害、対人不安、抑うつ気分、完璧主義、過去のトラウマ、事業所との相性、家庭の事情、季節や天候、障がいの特性など、様々な要因があります。これらは、あなたの努力不足や能力不足ではありません。

休むことへの罪悪感を軽減するには、B型は「休んでもいい場所」であること、休むことは「悪」ではなく必要な休息であること、一般企業とB型は違うこと、スタッフは理解していることを理解しましょう。

休みがちでも通い続けるには、通所日数・時間を減らす、ハードルを下げる、完璧を求めない、前日の準備、朝のルーティンを簡素化、アラームの工夫、ご褒美の設定、スタッフへの相談、記録をつけるなどの対処法があります。

スタッフへの連絡は「体調不良のため休みます」で十分で、休みがちなことを正直に相談すれば、一緒に対策を考えてくれます。

休みがちな自分を責める必要はありません。休むことは体と心からのサイン、障がいの特性であり、あなたのせいではありません。できたことに目を向け、長期的に見て、自分に優しくしましょう。

どうしても休みが続く場合は、一時休止、通所日数・時間の大幅な調整、事業所の変更、他のサービスへの変更、主治医への相談、完全に辞めることも選択肢です。

休みがちでも、通おうとしているあなたは、十分頑張っています。自分を責めず、自分のペースで、できる範囲で続けてください。そして、どうしても無理な時は、休む勇気、辞める勇気を持つことも大切です。

あなたのペースで、あなたらしく、一歩ずつ進んでください。応援しています。

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