はじめに
「就労継続支援B型を利用したいけれど、何から始めればいいか分からない」「どこに相談すればいいのか」「相談にお金はかかるのか」——初めて福祉サービスを利用する方にとって、最初の一歩は大きな不安を伴います。
就労継続支援B型に関する相談は、基本的にすべて無料です。市区町村の窓口、相談支援事業所、障害者就業・生活支援センターなど、様々な専門機関が無料で相談に応じています。お金の心配をする必要はありません。
しかし、「無料で相談できる」ことを知らない方、「どの窓口に行けばいいか分からない」方、「何を相談すればいいか分からない」方は少なくありません。適切な相談窓口を知り、活用することで、スムーズにB型の利用を始められます。
本記事では、就労継続支援B型に関する無料相談窓口の種類、それぞれの特徴、相談の流れ、相談時に聞くべきこと、そして実際の相談事例まで、詳しく解説していきます。
就労継続支援B型の相談は無料
すべての相談が無料
就労継続支援B型に関する相談は、どの窓口でも完全無料です。
公的機関の相談窓口
- 市区町村の障害福祉窓口 無料
- 基幹相談支援センター 無料
- 障害者就業・生活支援センター 無料
- 相談支援事業所 無料
事業所の見学・相談
- B型事業所の見学 無料
- 体験利用 基本的に無料(一部、実費がかかる場合あり)
その他の相談窓口
- 保健所・保健センター 無料
- 精神保健福祉センター 無料
- 発達障害者支援センター 無料
なぜ無料なのか
これらの相談窓口は、国や自治体の予算で運営されているため、利用者が費用を負担する必要はありません。
公費で運営 税金を財源として、障害のある方への支援が行われています。
アクセスの保障 経済的な理由で相談できないことがないよう、無料で提供されています。
早期支援の重要性 困っている人が早めに相談できるよう、費用の壁をなくしています。
有料の相談はある?
基本的には無料ですが、以下のような場合に費用がかかることがあります。
医師の診断書 就労継続支援B型の申請に必要な診断書は、医療機関で発行してもらう際に費用がかかります(数千円〜1万円程度)。
弁護士・行政書士への相談 成年後見制度や法的な手続きについて、専門家に相談する場合は費用がかかることがあります。
民間のカウンセリング 公的機関以外の民間カウンセラーに相談する場合は、費用がかかります。
ただし、就労継続支援B型の利用に関する基本的な相談は、すべて無料で受けられます。
主な無料相談窓口
市区町村の障害福祉窓口
概要 お住まいの市区町村の役所・役場にある、障害福祉の総合窓口です。
名称
- 障害福祉課
- 福祉課
- 福祉事務所
- 高齢・障害支援課
など、自治体によって名称が異なります。
相談できる内容
- 就労継続支援B型について知りたい
- 利用の条件や手続きについて
- 受給者証の申請方法
- 地域の事業所情報
- 他の福祉サービスについて
- 障害者手帳の取得について
- 障害年金について
メリット
- 最も基本的な窓口で、どんな相談でも受け付けてくれる
- 受給者証の申請窓口なので、手続きがスムーズ
- 地域の詳しい情報を持っている
デメリット
- 窓口が混雑していることがある
- 担当者によって知識に差がある場合も
アクセス方法 お住まいの市区町村の代表電話に電話し、「障害福祉の相談をしたい」と伝えれば、担当部署につないでもらえます。
予約 予約なしでも相談できますが、事前に電話予約しておくと待ち時間が少なくて済みます。
基幹相談支援センター
概要 各市区町村に設置されている、障害者の総合相談窓口です。
特徴
- 障害の種類を問わず相談できる
- どんな相談でもまず受け止めてくれる
- 必要に応じて専門機関につないでくれる
- 緊急時の対応もしてくれる
相談できる内容
- 福祉サービス全般
- 生活の困りごと
- 就労の相談
- 家族関係の悩み
- どこに相談すればいいか分からない悩み
メリット
- 「何を相談すればいいか分からない」という段階でもOK
- 幅広い相談に対応
- 他の専門機関への橋渡し役
探し方 「○○市 基幹相談支援センター」で検索するか、市区町村の障害福祉窓口で場所を聞きます。
相談支援事業所
概要 障害福祉サービスの利用を希望する方の相談に応じ、サービス等利用計画を作成する専門機関です。
相談支援専門員 専門的な資格を持った相談支援専門員が対応してくれます。
相談できる内容
- 就労継続支援B型の利用について
- サービス等利用計画の作成
- 事業所選びのアドバイス
- 見学・体験の調整
- 利用開始後の定期的なモニタリング
- 他のサービスとの組み合わせ
メリット
- 専門的なアドバイスが受けられる
- 事業所選びから利用開始まで伴走してくれる
- 利用開始後も定期的にサポート
- 複数のサービスを組み合わせる際に調整してくれる
料金 完全無料です(自治体の予算で運営されています)。
探し方 市区町村の障害福祉窓口で、相談支援事業所のリストをもらえます。
選び方 複数の相談支援事業所があるので、電話で問い合わせて、対応の良いところを選びましょう。
障害者就業・生活支援センター
概要 障害のある方の就労と生活を一体的に支援する専門機関です。全国に設置されています。
愛称 「なかぽつ」(中間的就労支援の「なか」と、ネットワークの「ぽつ」から)
相談できる内容
- 就労に関する相談全般
- 就労継続支援B型の利用について
- 一般就労への移行支援
- 職場定着支援
- 生活面の相談
メリット
- 就労に特化した専門的な相談ができる
- 企業とのネットワークを持っている
- 一般就労への移行を視野に入れた相談ができる
対象 身体障害、知的障害、精神障害、発達障害など、すべての障害のある方
探し方 「○○県 障害者就業・生活支援センター」で検索するか、市区町村の障害福祉窓口で教えてもらえます。
精神保健福祉センター
概要 都道府県・政令指定都市に設置されている、精神保健福祉の専門機関です。
対象 精神障害のある方、精神的な不調がある方
相談できる内容
- 精神疾患に関する相談
- 就労に関する相談
- 生活の悩み
- 家族の相談
特徴
- 精神科医、精神保健福祉士、臨床心理士などの専門職がいる
- 電話相談、来所相談、家族相談などがある
探し方 「○○県 精神保健福祉センター」で検索します。
発達障害者支援センター
概要 都道府県・政令指定都市に設置されている、発達障害の専門支援機関です。
対象 自閉症スペクトラム障害(ASD)、注意欠如・多動性障害(ADHD)、学習障害(LD)などの発達障害のある方
相談できる内容
- 発達障害の特性について
- 就労に関する相談
- 生活の工夫
- 家族の相談
特徴
- 発達障害に特化した専門的な支援
- 幼児期から成人期までライフステージ全般をカバー
探し方 「○○県 発達障害者支援センター」で検索します。
保健所・保健センター
概要 地域の健康と福祉を担う公的機関です。
相談できる内容
- 精神保健に関する相談
- 生活の困りごと
- 福祉サービスの情報
特徴
- 保健師、精神保健福祉士などが対応
- 訪問相談もしてくれる場合がある
ハローワーク(公共職業安定所)
概要 国が運営する職業紹介機関です。
障害者専門窓口 多くのハローワークには、障害者専門の窓口があります。
相談できる内容
- 一般就労の求人情報
- 就労継続支援B型の情報(基本的なこと)
- 職業訓練の情報
メリット
- 一般就労と福祉的就労の両方の情報が得られる
注意点 就労継続支援B型の詳しい相談は、相談支援事業所や障害者就業・生活支援センターの方が適しています。
社会福祉協議会
概要 地域の福祉を推進する民間団体です。
相談できる内容
- 生活の困りごと全般
- 福祉サービスの情報
- 経済的な支援
特徴
- 地域に密着した相談
- 生活福祉資金の貸付なども行っている
オンライン相談
厚生労働省の相談窓口 厚生労働省のウェブサイトに、障害者の相談窓口の情報が掲載されています。
自治体のオンライン相談 一部の自治体では、メールやチャットでの相談を受け付けています。
民間の相談サイト 障害者の就労支援に特化したNPOや民間団体が、オンライン相談を提供していることもあります(無料・有料両方あります)。
相談の流れ
ステップ1 相談窓口に連絡する
電話で予約 まずは相談窓口に電話し、相談の予約を取ります。
伝えること
- 名前
- 連絡先
- 簡単な相談内容(例 「就労継続支援B型の利用を考えています」)
- 希望する日時
予約なしでもOK 多くの窓口では、予約なしでも相談できますが、待ち時間が長くなることがあります。
ステップ2 相談当日
持っていくもの
- メモ帳と筆記用具
- 障害者手帳(持っている場合)
- 診断書や障害の診断を受けた病院の情報
- 受給者証(すでに持っている場合)
- 印鑑(場合によって)
所要時間 初回相談は30分〜1時間程度が一般的です。
同行者 家族や支援者と一緒に行くこともできます。
ステップ3 相談内容を伝える
何を相談するか
- 就労継続支援B型を利用したい
- 自分の状況(障害の種類、生活状況、希望する働き方など)
- 困っていること、不安なこと
正直に話す 遠慮せず、正直に状況を伝えましょう。相談員は味方です。
分からないことは質問 制度や手続きで分からないことは、遠慮なく質問しましょう。
ステップ4 アドバイスや情報提供を受ける
相談員から、以下のような情報やアドバイスがもらえます。
- 就労継続支援B型の制度説明
- 利用の条件と手続き
- 地域の事業所情報
- 次のステップ(見学、申請など)
- 他に利用できるサービス
ステップ5 次のアクションを決める
相談の最後に、次に何をするか決めます。
- 受給者証の申請をする
- 事業所を見学する
- 他の相談窓口を紹介してもらう
- もう一度相談する日を決める
相談時に聞くべきこと
利用条件について
自分は対象になるか 「私の状況でも就労継続支援B型を利用できますか?」
必要な書類 「申請にはどんな書類が必要ですか?」
障害者手帳は必須か 「障害者手帳を持っていないのですが、利用できますか?」
手続きについて
申請の流れ 「申請から利用開始までの流れを教えてください」
かかる期間 「申請してから受給者証が届くまで、どのくらいかかりますか?」
サポート 「手続きを手伝ってもらえますか?」
事業所について
地域の事業所 「自宅から通える範囲に、どんな事業所がありますか?」
作業内容 「どんな作業内容の事業所がありますか?」
見学 「事業所の見学はどうやって申し込めばいいですか?」
費用について
利用料 「利用するのにお金はかかりますか?」
工賃 「工賃はどのくらいもらえますか?」
交通費 「交通費の補助はありますか?」
他のサービスとの併用
他のサービス 「他にどんな福祉サービスがありますか?」
併用 「複数のサービスを同時に利用できますか?」
家族の関わり
家族の同席 「見学や契約に家族も同席できますか?」
家族の相談 「家族が相談することもできますか?」
よくある相談事例
事例1 初めて福祉サービスを利用する方
相談内容 「うつ病で仕事を辞めました。就労継続支援B型というものがあると聞きましたが、何から始めればいいか分かりません」
相談窓口 市区町村の障害福祉窓口、または基幹相談支援センター
アドバイス
- B型の制度説明
- 受給者証の申請方法
- 相談支援事業所の紹介
- 診断書の取得方法
事例2 事業所選びで悩んでいる方
相談内容 「受給者証は取得したのですが、どの事業所を選べばいいか分かりません」
相談窓口 相談支援事業所、障害者就業・生活支援センター
アドバイス
- 地域の事業所情報の提供
- 希望する作業内容や条件の聞き取り
- 複数の事業所の見学を勧める
- 見学の同行(希望に応じて)
事例3 家族からの相談
相談内容 「息子がB型に通っていますが、将来が心配です。親としてどうサポートすればいいですか?」
相談窓口 相談支援事業所、基幹相談支援センター
アドバイス
- 家族の不安の傾聴
- 本人のペースを尊重する大切さ
- 親亡き後の準備(成年後見制度、グループホームなど)
- 家族会の紹介
事例4 一般就労を目指したい方
相談内容 「B型で働いていますが、一般就労を目指したいです。どうすればいいですか?」
相談窓口 障害者就業・生活支援センター、相談支援事業所
アドバイス
- 就労移行支援の利用を検討
- スキルアップの方法
- 企業の障害者雇用枠の情報
- 段階的な移行の計画
事例5 体調の波が大きい方
相談内容 「双極性障害があり、体調の波が大きいです。それでもB型を利用できますか?」
相談窓口 相談支援事業所、精神保健福祉センター
アドバイス
- 短時間・短日数から始められることの説明
- 体調に配慮してくれる事業所の紹介
- 主治医との連携の重要性
- 柔軟な通所が可能な事業所の情報
相談時のポイント
遠慮しない
何でも聞いてOK 「こんなこと聞いていいのか」と遠慮する必要はありません。どんな質問でも大丈夫です。
分からないことは分からないと言う 制度が複雑で分からないのは当然です。「分かりません」「もう一度説明してください」と素直に言いましょう。
正直に話す 自分を良く見せようとせず、困っていること、不安なことを正直に話しましょう。
メモを取る
重要な情報はメモ 説明された内容、次のステップ、連絡先などはメモを取りましょう。
録音 許可を得れば、スマートフォンで録音することも可能です(後で聞き返せます)。
資料をもらう パンフレットや資料があれば、もらっておきましょう。
何度でも相談できる
1回で決める必要はない 1回の相談で全てを理解し、決断する必要はありません。
再相談OK 「もう一度相談したい」「考えてから連絡します」で大丈夫です。
複数の窓口を利用 複数の窓口で相談し、情報を集めることもおすすめです。
よくある質問
Q1 相談にお金はかかりますか?
いいえ、就労継続支援B型に関する相談は、どの公的窓口でも完全無料です。
Q2 予約は必要ですか?
予約なしでも相談できる窓口が多いですが、予約しておくと待ち時間が少なく、じっくり相談できます。
Q3 何を持っていけばいいですか?
特に必須のものはありませんが、障害者手帳(持っている場合)、メモ帳、筆記用具があると便利です。
Q4 家族だけで相談に行ってもいいですか?
はい、家族だけでも相談できます。本人が同席できない場合、家族が代わりに情報収集することも可能です。
Q5 どの窓口に相談すればいいか分かりません。
迷ったら、まず市区町村の障害福祉窓口か、基幹相談支援センターに連絡してください。必要に応じて、適切な窓口を紹介してもらえます。
Q6 電話が苦手です。メールで相談できますか?
自治体によっては、メールやオンラインフォームでの相談を受け付けています。窓口のウェブサイトを確認するか、家族に電話をお願いしてもいいでしょう。
Q7 相談したら、必ずB型を利用しなければいけませんか?
いいえ、相談だけでも全く問題ありません。情報収集のための相談も歓迎されます。
Q8 障害者手帳を持っていないのですが、相談できますか?
できます。手帳がなくても、診断を受けていれば利用できる可能性があります。まずは相談してみましょう。
Q9 相談内容が他の人に漏れませんか?
相談内容は守秘義務で守られています。本人の同意なく、他人に漏れることはありません。
Q10 相談したら、どのくらいで利用開始できますか?
申請から受給者証の交付まで2週間〜1ヶ月、その後事業所との契約で1〜2週間程度かかります。急ぐ場合は、その旨を相談時に伝えましょう。
まとめ
就労継続支援B型に関する相談は、すべて無料で受けられます。
市区町村の障害福祉窓口、相談支援事業所、障害者就業・生活支援センターなど、様々な専門機関が、あなたの相談を待っています。
「こんなこと聞いていいのか」「迷惑じゃないか」と遠慮する必要は全くありません。どんな小さな疑問でも、不安でも、相談することから始まります。
一人で悩まず、まずは電話一本、窓口への一歩を踏み出してみてください。専門家があなたの状況に合わせて、丁寧にアドバイスしてくれます。
相談することは、あなたの権利です。そして、相談することが、新しい一歩を踏み出すきっかけになります。
安心して、無料の相談窓口を活用してください。あなたの新しい一歩を、心から応援しています。

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