障がい者転職を検討中の方必読!
絶対に読むべき必読記事
障害福祉サービスにおける「就労移行支援体制加算」が、令和8年度障害福祉サービス等報酬改定で見直されました。一般就労への移行と定着を支える事業所を評価する加算である一方、同じ利用者について複数回の算定につながる運用などが課題として指摘され、算定できる就職者数に上限が設けられています。
今回の改定では、年間の就職者数を事業所の定員数までとするほか、過去3年間に他の事業所で同加算の算定実績がある利用者についても、原則として算定できないことが明確化されました。
本記事では、就労移行支援体制加算の仕組み、見直しの背景、上限設定の内容、過去3年間の算定制限、施行時期、事業所が準備しておきたいポイントまで、分かりやすく解説します。
第1章 就労移行支援体制加算とは
就労移行支援体制加算は、障害福祉サービスを利用した人が一般就労へ移行し、その後も就労を継続していることを評価する加算です。対象となるサービスには、就労継続支援A型・B型、生活介護、自立訓練(機能訓練・生活訓練)が含まれます。
基本的には、前年度にサービスを利用した後、一般就労へ移行し、6か月以上就労を継続した「就労定着者」がいる場合に、その実績などに応じて算定します。
重要なのは、この加算が単に「就職した人数」だけを評価するものではない点です。一般就労への移行後、一定期間にわたって就労が続いていることが算定上のポイントになります。
また、加算の単位数はサービスや利用定員、評価点などによって異なるため、事業所では自事業所に適用される告示や留意事項を確認する必要があります。
第2章 なぜ見直しが行われたのか
就労移行支援体制加算は、利用者の一般就労への移行と定着を後押しし、継続的な支援体制を構築している事業所を評価する目的で設けられています。
一方、厚生労働省の検討資料では、同一の利用者がA型事業所と一般企業の間で複数回の離職・転職を繰り返し、その都度、加算の算定につながるケースが報道されたことなどを踏まえ、本来の制度趣旨に沿った運用を確保する必要性が示されました。
そのため、令和8年度の臨時的な見直しとして、算定人数の上限設定と、過去の算定実績に関する制限の明確化が行われました。
これは、加算を単なる就職実績への報酬として扱うのではなく、利用者の就労定着を支える支援の実績を適切に評価するという制度本来の考え方を明確にする動きといえます。
第3章 年間の就職者数に上限を設定
今回の大きな変更の一つが、1事業所で算定できる年間の就職者数に上限が設定されたことです。
令和8年度改定では、就労移行支援体制加算の算定対象となる年間の就職者数について、原則として「当該事業所の定員数」が上限とされました。
例えば、定員20人の事業所であれば、算定対象となる就労定着者数は原則として年間20人が上限となります。
ただし、実務上は単純に現在の定員数だけを見ればよいわけではありません。厚生労働省のQ&Aでは、令和8年度の取扱いについて、前年度の9月末時点の利用定員数を上限として扱うことが示されています。
したがって、定員変更を行った事業所などは、どの時点の定員が基準になるのかを確認することが重要です。
この上限設定により、事業所は過去の就職実績だけでなく、実際に算定可能となる人数を踏まえて収入見込みを管理する必要があります。
第4章 過去3年間の算定実績も確認が必要
もう一つの重要な変更が、同一利用者についての算定制限の明確化です。
これまでも、同一の利用者について過去3年間に就労移行支援体制加算の算定実績がある場合は、原則として再度の算定を認めない取扱いがありました。
今回の改定では、この考え方を同一事業所だけでなく、他の事業所での算定実績にも明確に適用します。
つまり、利用者が現在の事業所では初めて加算の対象になったとしても、過去3年間に別の事業所で同じ利用者について加算が算定されていれば、原則として算定できません。
ただし、ハラスメントなどやむを得ない事情で退職した場合など、市町村長が適当と認める者については例外となる仕組みが設けられています。
そのため、事業所側では利用者本人からの聞き取りだけで判断せず、必要な届出や指定権者・市町村との確認手続きを含め、記録を適切に管理することが重要です。
もう一つの重要な変更が、同一利用者についての算定制限の明確化です。
これまでも、同一の利用者について過去3年間に就労移行支援体制加算の算定実績がある場合は、原則として再度の算定を認めない取扱いがありました。
今回の改定では、この考え方を同一事業所だけでなく、他の事業所での算定実績にも明確に適用します。
つまり、利用者が現在の事業所では初めて加算の対象になったとしても、過去3年間に別の事業所で同じ利用者について加算が算定されていれば、原則として算定できません。
ただし、ハラスメントなどやむを得ない事情で退職した場合など、市町村長が適当と認める者については例外となる仕組みが設けられています。
そのため、事業所側では利用者本人からの聞き取りだけで判断せず、必要な届出や指定権者・市町村との確認手続きを含め、記録を適切に管理することが重要です。
今回の就労移行支援体制加算の見直しは、令和8年4月1日から施行されています。令和8年度の報酬改定では複数の見直しが行われていますが、この加算の適正化は4月から適用される項目として位置付けられました。
厚生労働省のQ&Aでは、令和8年4月に体制届を受理する場合、過去3年間の算定実績として令和5年度から令和7年度までを確認する考え方が示されています。
また、指定権者が体制届を確認するだけでなく、市町村が給付費の審査を行う際にも確認する仕組みが示されています。
事業所にとっては、「新しい利用者だから対象になる」と考えるのではなく、過去の算定状況まで確認したうえで請求することが重要です。
第6章 事業所への影響と実務上の注意点
今回の上限設定は、加算収入に直接影響する可能性があります。特に、年間の就労定着者数が事業所の定員を大きく上回る実績を持つ事業所では、従来と同じ収入を見込めない可能性があります。
まず取り組みたいのは、過去の就労定着者について「就職日」「6か月継続の確認」「加算算定年度」「過去3年間の他事業所での算定実績」などを一覧化することです。
次に、定員数と実際の算定可能人数を照合し、年度ごとの加算収入を現実的に見積もります。請求担当者だけに任せず、サービス管理責任者や就労支援担当者、管理者などが情報を共有することも大切です。
さらに、就職後の定着支援の記録を丁寧に残すことも重要です。加算の算定だけを目的にするのではなく、職場での困りごと、勤務状況、本人の希望、企業側との調整内容などを記録しておけば、支援の質を振り返る材料にもなります。
第7章 今後の就労支援で重要になること
今回の適正化は、事業所にとって単なる「加算の上限」ではありません。一般就労を実現した後、利用者が安心して働き続けられるように支援することの重要性を改めて考える機会でもあります。
就職者数だけを追うのではなく、本人の希望や障害特性に合った職場選び、職場との調整、就職後の相談支援、必要に応じた関係機関との連携などを一体的に進めることが大切です。
また、今回の見直しは令和9年度報酬改定に向けて、就労移行支援体制加算の在り方を改めて議論することも示されています。今後さらに制度が見直される可能性があるため、事業所は厚生労働省の通知やQ&A、自治体からの案内を継続的に確認する必要があります。
まとめ
就労移行支援体制加算は、障害福祉サービスを利用する人の一般就労への移行と定着を支える事業所を評価する重要な仕組みです。
令和8年度改定では、1事業所で算定できる年間の就職者数を原則として定員数までとする上限が設けられました。また、過去3年間に他の事業所で同じ利用者について算定実績がある場合も、原則として算定できないことが明確化されています。
事業所では、過去の算定実績の確認、対象者の管理、定員数に応じた収入見込みの見直し、支援記録の整備を早めに進めることが重要です。
制度の変更を正確に把握し、加算の算定だけに目を向けるのではなく、利用者が一般就労を継続できる支援体制を整えることが、今後ますます求められます。

