双極性障害の躁状態でのギャンブルや浪費を防ぐ対策を解説します

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双極性障害を抱える方の中には、躁状態のときに大金をギャンブルに使ったり、衝動的に浪費してしまったりする方が少なくありません。

冷静なときには考えられないような行動を取り、後で大きな後悔と借金に苦しむパターンは、双極性障害の典型的な症状の一つです。

「自分でも止められなかった」「あの時の自分はおかしかった」と振り返る方が多く、本人と家族にとって深刻な問題となります。

この記事では、双極性障害の躁状態における浪費・ギャンブルのメカニズム、具体的な対策、再発を防ぐ工夫について詳しく解説します。

躁状態で起こる衝動的な行動

双極性障害は、躁状態とうつ状態が繰り返される精神疾患です。

躁状態では、気分の高揚、エネルギーの増加、自信過剰、判断力の低下といった症状が現れます。

この状態では、脳の前頭前野(自己制御を司る部位)の機能が低下し、リスクの高い行動を抑制できなくなります。

ドーパミンなどの神経伝達物質のバランスが崩れることで、強い刺激を求める衝動が高まり、ギャンブルや浪費に走りやすくなるのです。

「自分は大金持ちになれる」「絶対に勝てる」という根拠のない確信を持ち、貯金を全て使ってしまう、消費者金融から借金をしてまでギャンブルを続けるといった行動が見られます。

これは本人の意思の弱さではなく、病気の症状として理解すべきものです。

早期発見の重要性

躁状態は、突然激しい状態になるわけではなく、軽い症状から徐々に進行していくことが多いです。

軽躁の段階で気づき、早めに対処することが、深刻な浪費を防ぐ鍵となります。

軽躁の兆候として、睡眠時間の減少、急にアイデアが次々と浮かぶ、いつもより饒舌になる、買い物の頻度が増える、ギャンブルへの興味が高まる、などがあります。

これらのサインに気づいたら、すぐに主治医に連絡することが大切です。

家族や信頼できる人にも、自分の状態の変化を観察してもらうよう頼んでおくと、客観的な視点から早期発見が可能になります。

お金の管理を信頼できる人に任せる

躁状態での浪費を防ぐ最も効果的な対策の一つが、お金の管理を信頼できる人に任せることです。

家族や配偶者に給料を管理してもらう、毎日使えるお金を制限する、現金を持ち歩かないようにする、といった対策が有効です。

クレジットカードは、躁状態での浪費を加速させる最大のリスク要因の一つです。

カードを家族に預ける、解約する、利用限度額を最低額に設定するなどの対策を、安定している時期に行っておくことが大切です。

デビットカードや、チャージ型のプリペイドカードに切り替えることも、使える金額を物理的に制限する有効な方法となります。

ギャンブル環境の遮断

ギャンブルへの衝動が高まる躁状態では、ギャンブルができる環境そのものを遮断することが必要です。

オンラインカジノやスポーツベッティングのアプリを削除する、ブラウザでギャンブル関連サイトをブロックする、パチンコ屋や競馬場の近くを通らないルートを使うなど、物理的にギャンブルから離れる工夫が大切です。

スマートフォンの設定で、特定のアプリやサイトの利用を制限する機能を活用することもできます。

家族にもギャンブルへの再開のサインを観察してもらい、早めに介入してもらう体制を作っておきましょう。

治療の継続が最大の予防

双極性障害の治療を継続することが、躁状態での浪費・ギャンブルを防ぐ最も根本的な対策です。

気分安定薬(リチウム、バルプロ酸、ラモトリギンなど)、非定型抗精神病薬などの薬物療法を、医師の指示通りに続けることで、躁状態の発症や重症化を予防できます。

「調子が良いから薬をやめても大丈夫」と自己判断で中断すると、再び躁状態が訪れて浪費を繰り返してしまいます。

服薬管理を家族に協力してもらう、毎日決まった時間に飲む習慣をつけるなど、確実な服薬を支える工夫が大切です。

定期的な通院も欠かさず、自分の状態を主治医と共有しながら、治療方針を調整していきましょう。

事前の取り決めを書面で残す

安定している時期に、躁状態になった場合の対応を事前に取り決めておくことが有効です。

「躁状態と判断されたら、家族がカードを預かる」「特定の金額以上の支出は家族の同意が必要」「主治医に連絡して入院を含む対応を検討する」など、具体的なルールを書面で残しておきます。

このような取り決めは、本人が冷静なうちに作成することで、躁状態になった時の自分の行動を制御する仕組みとして機能します。

家族と一緒に作成し、本人と家族の双方が署名しておくと、より効果的です。

借金を作ってしまった場合

万が一、躁状態で多額の借金やギャンブルでの損失を作ってしまった場合は、すぐに弁護士に相談することが大切です。

任意整理個人再生自己破産など、状況に応じた借金整理の方法があります。

法テラスや弁護士会の無料相談を活用すれば、経済的に余裕がない場合でも法律相談を受けられます。

双極性障害という病気の症状による行動であることを、医師の診断書とともに伝えることで、状況の理解を得やすくなります。

家族にすぐに状況を共有し、一人で抱え込まないことが、被害を最小限に抑える鍵となります。

自分を責めすぎない姿勢

躁状態での浪費やギャンブルを振り返ると、強い自己嫌悪や罪悪感に襲われることがあります。

「家族に迷惑をかけた」「自分はダメな人間だ」という思いに苦しむ方が多いものです。

しかし、これは病気の症状であり、本人の人格や価値とは別の問題です。

自分を責めすぎることは、うつ状態の悪化や治療への意欲の低下につながり、回復を妨げる結果となります。

主治医、カウンセラー、家族、当事者の自助グループなど、頼れる存在と関わりながら、自分自身を受け入れていく時間を大切にしましょう。

困ったときの相談先

精神保健福祉センター、保健所は、双極性障害の相談に対応する公的機関です。

主治医、心療内科、精神科のクリニックは、医療的な治療の提供先です。

弁護士、法テラスは、借金問題の相談先となります。

双極性障害の当事者の会、家族会も、同じ経験を持つ仲間と出会える貴重な場です。

困ったときは、ためらわずに相談することが、再起への第一歩となります。

自分らしい人生を取り戻すために

双極性障害は、適切な治療と環境調整によって、安定した生活を送ることが可能な病気です。

躁状態での浪費・ギャンブルは深刻な問題ですが、対策を組み合わせることで、十分にコントロールできます。

家族の協力、医療との連携、お金の管理の工夫、環境的な対策など、できることを一つずつ積み重ねていく姿勢が、長期的な安定を支えます。

過去の出来事を糧に、自分と家族を守るための仕組みを作りながら、これからの人生を一歩ずつ大切に歩んでいってください。

困ったときは一人で抱え込まず、医療と支援のネットワークを活用しながら、自分らしい人生を取り戻していきましょう。

いろとりどり編集部

この記事の監修・運営

就労継続支援B型 いろとりどり編集部

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