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発達障害のある小学生が勉強についていけない、授業に集中できない、宿題をなかなか終えられないという状況に困っている保護者の方は多くいます。勉強ができないことへの焦りや自信の喪失は、子どもの学習意欲だけでなく自己肯定感にも大きく影響します。この記事では、発達障害のある小学生が勉強でつまずきやすい理由と、家庭や学校でできるサポートについて解説します。
発達障害のある小学生が勉強でつまずきやすい理由
発達障害のある子どもが勉強でつまずく理由は、努力が足りないからでも、やる気がないからでもありません。脳の特性によって、特定の学習スタイルや環境では力を発揮しにくいという状態が生じています。
ADHDの特性による困難
注意欠如多動症のある子どもは、注意を持続させることが難しく、授業中に関係のない刺激に気を取られやすい特性があります。黒板を写すことと先生の説明を同時に行うことが困難、長い文章を読み通すことが難しい、宿題を最後まで集中してやり遂げることが難しいといった困難が生じやすくなります。
衝動性が高い場合は、問題をよく読まずに答えてしまう、指示を最後まで聞かずに動き出すといったことも起きやすくなります。
ASDの特性による困難
自閉スペクトラム症のある子どもは、指示の意味を字義通りに受け取りやすく、暗黙の了解やニュアンスを読み取ることが難しい特性があります。
問題文の意図が正確に読み取れない、グループ学習での役割分担が難しい、文章の内容を情景としてイメージすることが困難、特定の教科への強い興味と他の教科への無関心が極端に分かれるといった困難が生じやすくなります。
LDの特性による困難
学習障害のある子どもは、知的な能力に問題はなくても、読む、書く、計算するといった特定の学習に著しい困難がある特性があります。
ディスレクシアでは文字の読み書きに困難があり、文字が正しく認識できない、読むことに非常に時間がかかる、書き間違いが多いといった状態が生じます。計算障害では数の概念の理解や計算に著しい困難があります。
感覚の過敏さによる困難
発達障害のある子どもは、感覚の過敏さを持つことが多くあります。教室の騒音が気になって集中できない、蛍光灯の光が眩しすぎて黒板が見えない、鉛筆を握る感覚が不快で書くことが苦痛といった感覚的な困難が、学習の妨げになることがあります。
勉強できないことが子どもに与える影響
発達障害のある子どもが勉強でつまずき続けると、学習面だけでなく心理的な面にも深刻な影響が生じることがあります。
自分はできない、自分はダメだという自己否定が積み重なっていきます。クラスの友達と自分を比べることで、劣等感や恥ずかしさを感じるようになります。
学校に行くことへの拒否感が生まれることがあります。勉強でつまずく経験が繰り返されることで、学校という場所そのものへの不安や恐怖が生まれていくことがあります。
二次障害として、うつ状態や不登校、行動上の問題が生じるリスクが高まります。勉強への困難に早めに対応することが、二次障害の予防につながります。
家庭でできるサポートの方法
子どもの特性を理解する
まず大切なのは、子どもが勉強できないのは努力不足や怠けではなく、脳の特性による困難であるということを保護者が理解することです。この理解があることで、叱責や比較ではなく適切なサポートへと関わり方が変わります。
子どもの特性を理解するために、主治医や発達支援の専門家への相談、特性に関する書籍の活用、学校の特別支援コーディネーターとの連携が助けになります。
学習環境を整える
発達障害のある子どもが集中して学習するためには、環境の整備が非常に重要です。
勉強する場所は、気が散る刺激が少ない静かな場所を選んでください。テレビの音、スマートフォンの通知、視野に入る雑多なものは集中を妨げます。机の上に必要なものだけを置くというシンプルな環境が、集中力を維持しやすくします。
感覚の過敏さがある場合は、騒音が気になる子どもにはイヤーマフやノイズキャンセリングイヤホンを活用する、光の眩しさが気になる子どもには遮光カーテンや照明の調整を行うといった対応が助けになります。
学習時間を短く区切る
ADHDの特性がある子どもにとって、長時間の学習は非常に困難です。一回の学習時間を短く区切り、休憩を頻繁に挟む形にすることで、集中が続きやすくなります。
十五分学習して五分休憩、また十五分学習するというサイクルが、多くの子どもに有効です。タイマーを使うことで、終わりが見えて取り組みやすくなることもあります。
指示をシンプルにする
複数のことを一度に伝えることは、発達障害のある子どもには混乱を招きやすくなります。一度に一つの指示にする、短い言葉でわかりやすく伝える、視覚的なリストや手順書を使うといった工夫が、指示の理解を助けます。
視覚的なサポートを活用する
言葉だけでなく、図やイラスト、色分けといった視覚的なサポートを取り入れることが、理解を深める助けになります。
九九の表、計算の手順を書いたメモ、宿題のやることリストといった視覚的なツールを手元に置くことで、自分で確認しながら進めやすくなります。
できたことを積極的に認める
勉強でつまずきが多い子どもは、否定的なフィードバックを受ける機会が多くなりがちです。意識的にできたことを見つけて認め、褒めることが子どもの自信と意欲を育てるうえで非常に重要です。
全部できなくてもここまでできた、昨日より早く終わったといった小さな進歩を具体的に認めることが、継続的な学習への動機づけにつながります。
ICT機器やツールを活用する
書くことが困難な子どもにはタブレットやパソコンの利用、読むことが困難な子どもには読み上げソフトの活用、計算が難しい子どもには電卓の使用を許可するといったICT機器やツールの活用が、学習への参加を助けます。
困難な部分を補うツールを使うことで、子どもが本来持っている理解力や思考力を発揮しやすくなります。
学校との連携で取れるサポート
特別支援コーディネーターへの相談
学校には特別支援教育コーディネーターが配置されており、発達障害のある子どもへの支援について相談することができます。担任教師だけでなく、コーディネーターを通じて学校全体での支援体制をつくることが重要です。
個別の教育支援計画の作成
発達障害のある子どもに対しては、個別の教育支援計画や個別の指導計画を作成することが推奨されています。子どもの特性と必要な支援を明確にしたうえで、学校と家庭が連携した支援を行うことができます。
通級指導教室の活用
通級指導教室は、通常の学級に在籍しながら、障害の特性に応じた指導を少人数または個別で受けられる場所です。学習面だけでなく、コミュニケーションや生活スキルの向上にも取り組めます。利用するためには保護者の希望と学校、教育委員会との協議が必要です。
特別支援学級の検討
通常の学級での学習が著しく困難な場合は、特別支援学級での学習を検討することも選択肢のひとつです。少人数で個別に対応した指導が受けられるため、子どもの特性に合った学習環境が整いやすくなります。
専門機関への相談
子どもの勉強への困難が深刻な場合や、子どもの自信が著しく低下している場合は、以下のような専門機関への相談が有効です。
発達支援センターや児童発達支援事業所では、発達障害のある子どもへの専門的な支援を受けることができます。学習支援だけでなく、生活全般にわたる支援の相談が可能です。
小児科や児童精神科では、発達障害の診断や特性についての評価を受けることができます。特性を正確に把握することが、適切な支援につながります。
放課後等デイサービスは、学校終了後や長期休暇中に療育的な支援を受けられる場所です。学習支援を行っている事業所もあり、放課後の学習のサポートとして活用できます。
まとめ
発達障害のある小学生が勉強できないことの背景には、脳の特性による学習上の困難があります。叱責や比較ではなく、特性を理解したうえで環境を整える、学習時間を短く区切る、視覚的なサポートを活用する、できたことを認めるといった家庭でのサポートが、子どもの学習意欲と自己肯定感を守るうえで重要です。学校との連携や専門機関への相談も積極的に活用しながら、子どもに合った学び方を一緒に見つけていくことが大切です。あなたのお子さんの特性に合った支援が、学びの喜びを取り戻す力になることを願っています。

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