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発達障害の診断はどのような流れで行われるのか、どれくらい時間がかかるのか、何をするのかなど、発達障害の診断について知りたい方に向けて、診断の全体像、初診の内容、心理検査、診断基準、診断確定までの期間、診断後の流れなどを詳しく解説します。
診断の全体像
発達障害の診断の全体像について説明します。
一度では診断できません。発達障害の診断は、一度の診察では出ません。複数回の診察、検査、経過観察などを経て、診断されます。数ヶ月から1年以上かかることもあります。
総合的な判断が必要です。血液検査、画像検査などで診断できるものではありません。問診、行動観察、心理検査、生活場面の情報などを総合的に判断します。
診断基準があります。DSM-5精神疾患の診断・統計マニュアル第5版、ICD-11国際疾病分類第11版などの国際的な診断基準に基づいて診断されます。
専門医が診断します。児童精神科医、小児神経科医などの専門医が診断します。一般の小児科医、内科医では診断できないことが多いです。
子どもの場合は慎重です。特に乳幼児期は、発達の個人差が大きいため、慎重に診断されます。経過観察になることも多いです。
成人の診断も増えています。最近は、成人になってから発達障害と診断される人も増えています。成人の診断も可能です。
診断名が変わることもあります。成長とともに、症状が変わり、診断名が変わることもあります。ASDとADHDの併存診断が出ることもあります。
初診前の準備
初診前の準備について説明します。
母子手帳を用意します。妊娠中、出産時、乳幼児期の発達の記録を確認します。初語、初歩の時期などを確認しておきます。
困りごとを整理します。どんなことに困っているか、いつから困っているかを整理します。具体的なエピソードをメモしておきます。
ビデオを撮影します。家での様子、困った行動などをビデオで撮影しておくと、医師に伝わりやすいです。パニック、こだわり、多動などの様子です。
保育園・学校の様子を聞きます。担任の先生に、園や学校での様子を聞いておきます。可能であれば、書面でもらいます。
家族歴を確認します。家族に発達障害、精神疾患などがいるか確認します。遺伝的要因の参考になります。
質問リストを作ります。医師に聞きたいことをリストにします。診察時、聞き漏れを防げます。
生育歴を時系列で整理します。出生から現在までの発達の様子を、時系列で整理します。表にすると分かりやすいです。
過去の検査結果を持参します。過去に発達検査、知能検査などを受けている場合、結果を持参します。
初診の内容
初診の内容について説明します。
問診票の記入です。受付後、問診票を記入します。子どもの生育歴、現在の困りごと、家族歴などを詳しく記入します。30分から1時間かかることもあります。
問診が行われます。医師による問診が行われます。妊娠中、出産時の様子、発達の経過、現在の困りごとなどを詳しく聞かれます。1時間から1時間半程度かかります。
妊娠・出産時の様子を聞かれます。妊娠中の異常、出産時のトラブル、出生時の体重などを聞かれます。母子手帳を見ながら答えます。
発達の経過を聞かれます。首すわり、寝返り、おすわり、つかまり立ち、歩行、初語、二語文などの発達の節目をいつ達成したか聞かれます。
現在の困りごとを聞かれます。どんなことに困っているか、具体的に聞かれます。多動、衝動性、こだわり、コミュニケーションの困難さ、学習の困難さなどです。
家での様子を聞かれます。食事、睡眠、排泄、着替え、入浴などの日常生活の様子を聞かれます。
保育園・学校の様子を聞かれます。集団生活での様子、友達関係、学習面などを聞かれます。
家族歴を聞かれます。家族に発達障害、精神疾患などがいるか聞かれます。
子どもの観察が行われます。診察中、医師が子どもの様子を観察します。話し方、目の合い方、遊び方、落ち着きなどを見ます。
次のステップが示されます。初診だけでは診断できません。心理検査の予約、次回の診察の予約などをします。
心理検査
心理検査について説明します。
発達検査です。新版K式発達検査、遠城寺式乳幼児分析的発達検査などがあります。運動、認知、言語、社会性などの発達の全体像を把握します。乳幼児期に行われます。1〜2時間かかります。
知能検査です。WISC-Ⅴウェクスラー児童用知能検査、田中ビネー知能検査Ⅴなどがあります。5歳以降に行われることが多いです。全体的な知能指数IQ、言語理解、知覚推理、ワーキングメモリー、処理速度などの指標が出ます。1〜2時間かかります。
適応行動の評価です。Vineland-II適応行動尺度などで、日常生活能力を評価します。コミュニケーション、日常生活スキル、社会性、運動スキルなどを保護者への聞き取りで評価します。
ASD自閉スペクトラム症の評価です。ADOS-2自閉症診断観察検査は、子どもと遊びながら、コミュニケーション、社会的相互作用などを評価します。1時間程度です。ADI-R自閉症診断面接改訂版は、保護者への詳しい聞き取りです。2〜3時間かかります。
ADHD注意欠如・多動症の評価です。Conners評価尺度などで、多動性、衝動性、不注意の程度を評価します。保護者、教師が質問紙に回答します。
検査は別日に行われます。初診時ではなく、別日に予約を取って行われることが多いです。病院によっては、数週間から数ヶ月待つこともあります。
子どもの体調を整えます。検査当日は、子どもの体調を整えます。十分な睡眠、朝食をとります。体調が悪い時は、予約を変更します。
検査結果は後日聞きます。検査後、臨床心理士が結果をまとめます。1〜2週間後、医師の診察時に結果を聞きます。
診断基準
発達障害の診断基準について説明します。
DSM-5が使われます。アメリカ精神医学会のDSM-5精神疾患の診断・統計マニュアル第5版が広く使われています。
ASD自閉スペクトラム症の診断基準です。社会的コミュニケーションおよび対人的相互反応における持続的な欠陥、行動、興味、または活動の限定された反復的な様式、症状は発達早期に存在、症状は社会的、職業的、他の重要な領域における現在の機能に臨床的に意味のある障害を引き起こしている、これらの障害は知的能力障害や全般的発達遅延ではうまく説明されないなどです。
ADHD注意欠如・多動症の診断基準です。不注意および多動性-衝動性の症状がいくつか12歳以前に存在、いくつかの不注意または多動性-衝動性の症状が2つ以上の状況において存在、症状が社会的、学業的、または職業的機能を損なっているまたはその質を低下させている明確な証拠がある、症状は他の精神疾患ではうまく説明されないなどです。
LD学習障害の診断基準です。学習や学業的技能の使用に困難があり、標準化された個別施行の到達度検査と総合的な臨床評価によって確認される、学習困難は学齢期に始まる、知的能力障害、視覚や聴覚の障害、他の精神または神経疾患、心理社会的逆境、学業的技能に用いられる言語の習熟度不足、不適切な教育的指導ではうまく説明されないなどです。
重症度が示されます。診断時、軽度、中等度、重度などの重症度が示されることがあります。日常生活への影響の程度で判断されます。
併存診断もあります。ASDとADHD、ASDとLDなど、複数の診断が同時に出ることもあります。
診断確定までの期間
診断確定までの期間について説明します。
数ヶ月から1年以上かかります。初診から診断確定まで、通常3ヶ月から6ヶ月、長い場合は1年以上かかります。焦らず、じっくり時間をかけます。
初診だけでは診断されません。初診では、診断は出ません。経過を見る、検査をするなどが必要です。
数回の診察が必要です。月1回程度の頻度で、数回診察を受けます。毎回、子どもの様子を観察され、保護者から話を聞かれます。
心理検査に時間がかかります。心理検査の予約が数週間から数ヶ月先になることがあります。検査結果が出るまでにも時間がかかります。
保育園・学校の情報収集に時間がかかります。保育園、学校の先生に書類を書いてもらう、面談をするなどに時間がかかります。
経過観察が必要な場合もあります。特に乳幼児期は、しばらく経過を観察することがあります。6ヶ月後、1年後に再度評価します。
年齢により異なります。年齢が低いほど、診断に時間がかかります。3歳未満では、診断が難しいことが多いです。
診断が急がれる場合もあります。療育手帳の申請、特別児童扶養手当の申請などで、診断書が急ぎ必要な場合、比較的早く診断されることもあります。医師に事情を説明します。
診断が出た時
診断が出た時について説明します。
診断名が告げられます。ASD自閉スペクトラム症、ADHD注意欠如・多動症、LDなど、具体的な診断名が告げられます。重症度も示されることがあります。
診断の根拠が説明されます。どの診断基準を満たしているか、検査結果がどうだったかなど、診断の根拠が説明されます。分からないことは質問します。
特性について説明されます。子どもの特性、得意なこと、苦手なことなどが説明されます。どういう配慮が必要かも説明されます。
今後の方針が示されます。療育、薬物療法、環境調整など、今後の治療、支援の方針が示されます。
診断書を発行してもらいます。療育手帳、精神障害者保健福祉手帳、特別児童扶養手当などの申請に必要な診断書を発行してもらいます。有料です。
質問をします。診断について、今後のことについて、質問をします。納得いくまで聞きます。
親の気持ちは様々です。診断が出た時、親の気持ちは様々です。ショック、安堵、混乱、受容など、色々な感情が湧きます。どんな気持ちも自然です。
セカンドオピニオンも選択肢です。診断に納得がいかない場合、別の病院でセカンドオピニオンを受けることもできます。
診断後の流れ
診断後の流れについて説明します。
定期的に通院します。診断後も、定期的に通院します。月1回、3ヶ月に1回などです。子どもの様子を診てもらい、相談します。
療育を開始します。児童発達支援、放課後等デイサービスなどの療育を開始します。受給者証の申請をします。
薬物療法を検討します。ADHDの場合、薬物療法を検討することがあります。コンサータ、ストラテラなどの薬です。効果、副作用を確認しながら調整します。
学校に伝えます。診断が出たことを、学校に伝えます。診断書、検査結果を提出します。合理的配慮を依頼します。
支援シートを作成します。個別の教育支援計画、個別の指導計画などを学校と一緒に作成します。必要な配慮を具体的に示します。
障害者手帳を申請します。療育手帳知的障害を伴う場合、精神障害者保健福祉手帳を申請します。手帳があると、様々なサービス、割引が受けられます。
特別児童扶養手当を申請します。診断書を添えて、特別児童扶養手当を申請します。認定されれば、月約3.7万円または5.5万円の手当がもらえます。
親の会に参加します。同じ診断名の子どもを持つ親の会に参加します。情報交換、支え合いができます。
本を読んで学びます。発達障害について、本を読んで学びます。子どもの特性を理解します。対応方法を学びます。
診断が出なかった場合
診断が出なかった場合について説明します。
グレーゾーンと言われます。診断基準を完全には満たさないが、傾向があると言われます。診断名はつきませんが、支援は必要です。
経過観察になります。今は診断できないが、経過を見ましょうと言われます。半年後、1年後に再評価します。成長とともに、診断がつくこともあります。
支援は受けられます。診断がなくても、療育、特別支援教育などの支援は受けられることがあります。自治体、学校に相談します。
医師の意見書をもらいます。診断名はつかなくても、支援が必要という医師の意見書をもらいます。療育、特別支援学級の利用などに役立ちます。
セカンドオピニオンを検討します。診断に納得がいかない場合、別の病院でセカンドオピニオンを受けます。医師により判断が異なることがあります。
焦らないことです。診断がつかなくても、焦りません。子どもの困りごとに対応することが重要です。診断名より、実際の支援が大切です。
注意点
発達障害の診断についての注意点について説明します。
診断はレッテルではありません。診断は、子どもにレッテルを貼るためのものではありません。適切な支援を受けるための情報です。
診断名がすべてではありません。同じ診断名でも、一人ひとり違います。診断名だけで、子どもを決めつけません。
診断が遅れることもあります。特に女の子、知的に高い子どもは、診断が遅れることがあります。大人になってから診断されることもあります。
診断名が変わることもあります。成長とともに、症状が変わり、診断名が変わることがあります。
併存診断も多いです。ASDとADHD、ASDとLDなど、複数の診断が同時に出ることが多いです。
病院により判断が異なることがあります。グレーゾーンの場合、病院により診断が出る、出ないが異なることがあります。
親の直感も大切です。医師の診断も重要ですが、毎日子どもと過ごしている親の直感も大切です。違和感があれば、別の医師にも相談します。
診断がゴールではありません。診断は、支援のスタートです。診断を受けて終わりではなく、そこから適切な支援を始めます。
まとめ
発達障害の診断は初診だけでは出ず数ヶ月から1年以上かかり、初診前に母子手帳、困りごとの整理、ビデオ撮影、保育園や学校の様子、質問リストを準備し、初診は問診票記入、問診1〜1.5時間、子どもの観察が行われます。
心理検査は発達検査、知能検査WISC、田中ビネー、適応行動評価Vineland-II、ASD評価ADOS-2やADI-R、ADHD評価Connersなどを別日に1〜2時間実施し、DSM-5の診断基準に基づき総合的に判断されます。
診断後は定期通院、療育開始、薬物療法検討、学校への伝達、支援シート作成、障害者手帳申請、特別児童扶養手当申請を行い、診断が出なくてもグレーゾーンとして支援は受けられ、医師の意見書取得やセカンドオピニオンも可能です。
診断はレッテルではなく適切な支援を受けるための情報で、診断がゴールではなく支援のスタートです。

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