お子さんの将来を考え、B型施設を探している保護者の方へ
障害のあるお子さんに合った選択をするために、まず知っておきたい基本ガイド
初めての方は、基礎知識と不安解消をセットで押さえると安心です。
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「学校に配慮をお願いしたいけど、どう伝えればいいのか」「お願いしても断られた」「具体的に何を頼めばいいのかわからない」「モンスターペアレントと思われないか不安」「診断書は必要なのか」「文書で出すべきか」。
発達障害のある子を持つ親の多くが、学校への配慮のお願い方法について悩んでいます。
学校への配慮のお願いは、具体的に、根拠を示して、協力的な姿勢で伝えることが重要です。障害者差別解消法により、学校には合理的配慮を提供する義務があります。
しかし、学校も人手不足や知識不足で対応できないこともあります。お願いする側も、学校の状況を理解し、Win-Winの関係を築くことが大切です。
本記事では、配慮をお願いする前の準備、効果的な伝え方、具体的な配慮の例、診断書の活用、断られた場合の対応、そして良好な関係を保つコツについて詳しく解説します。
配慮をお願いする前の準備
配慮をお願いする前に、しっかり準備することが重要です。
1. 子どもの困りごとを明確にする
何に困っているか
漠然とではなく、具体的に把握します。
確認方法
- 子どもに聞く
- 学校での様子を先生に聞く
- 家での様子を観察
例
- 授業中、集中できない
- 板書を写すのが遅い
- 友達とトラブルを起こす
- 感覚過敏で給食が食べられない
2. 原因を考える
なぜ困っているか
困りごとの原因を考えます。
例
- 集中できない→ADHD(注意欠如)
- 板書が写せない→LD(書字障害)、ワーキングメモリの弱さ
- トラブル→ASD(コミュニケーションの困難)
- 給食が食べられない→ASD(感覚過敏)
3. 診断書を準備する
根拠
医師の診断書があると、説得力が増します。
診断書の内容
- 診断名
- 特性
- 配慮してほしいこと
詳細は後述
4. 具体的な配慮を考える
何をしてほしいか
「困っています」だけでなく、「こうしてほしい」を具体的に考えます。
例
- 席を前にする
- 板書を写真で撮らせる
- 別室でテストを受けさせる
- イヤーマフの使用を許可する
詳細は後述
5. 優先順位をつける
全部は難しい
配慮事項が多い場合、優先順位をつけます。
理由
学校も人手不足で、全ての配慮ができないことがあります。
方法
- 最優先:これだけは絶対にお願いしたい
- 優先:できればお願いしたい
- できれば:余裕があればお願いしたい
6. 学校の状況を理解する
Win-Win
学校の状況を理解し、Win-Winの関係を目指します。
学校の状況
- 教員不足
- 多忙
- 知識不足
- 予算不足
配慮
学校に負担をかけすぎないよう、配慮します。
7. 家庭でできることを考える
協力
学校だけに任せるのではなく、家庭でできることも考えます。
例
- 家で宿題を手伝う
- 生活リズムを整える
- ソーシャルスキルを教える
効果的な伝え方
配慮をお願いする効果的な伝え方を説明します。
1. 文書で伝える
記録に残る
口頭だけでなく、文書でも伝えます。
方法
- 手紙
- メール
- 配慮依頼書
メリット
- 記録に残る
- 正確に伝わる
- 後で確認できる
- 複数の先生に共有できる
2. 具体的に伝える
曖昧ではなく
曖昧な表現ではなく、具体的に伝えます。
悪い例 「うちの子、困っているので、配慮してください」
良い例 「うちの子は、ADHDで注意力が続きません。授業中に集中できず、立ち歩いてしまいます。席を前にする、こまめに声かけをする、休憩を増やすなどの配慮をお願いできますか」
3. 根拠を示す
説得力
診断書、専門家の意見などを根拠として示します。
例
- 「医師から、○○の配慮が必要と言われています」
- 「診断書を添付します」
4. なぜその配慮が必要か説明する
理解してもらう
なぜその配慮が必要か、理由を説明します。
例 「うちの子は、視覚優位で、耳からの情報だけでは理解しにくいです。そのため、口頭の指示だけでなく、黒板に書く、プリントを配るなどの視覚支援をお願いします」
5. お願い口調
命令ではなく
「○○してください」ではなく、「○○していただけますか」とお願い口調で伝えます。
例
- 「席を前にしていただけますか」
- 「板書を写真で撮ることを許可していただけますか」
6. 感謝を伝える
協力に感謝
配慮してもらったら、感謝を伝えます。
例 「席を前にしていただき、ありがとうございます。集中できるようになりました」
7. 協力的な姿勢
一緒に考える
「お願いします」だけでなく、「一緒に考えさせてください」という協力的な姿勢を示します。
例 「どうすれば、うちの子が授業に参加できるか、一緒に考えさせていただけますか」
8. 定期的に報告
フィードバック
配慮の効果を定期的に報告します。
例 「席を前にしていただいてから、集中できるようになりました。ありがとうございます」
9. 柔軟性を持つ
調整
配慮が難しい場合、代替案を一緒に考えます。
例 「別室でのテストが難しい場合、時間延長でもいいでしょうか」
10. 感情的にならない
冷静に
配慮してもらえなくても、感情的にならず、冷静に対応します。
配慮依頼書の書き方
配慮依頼書の書き方を説明します。
テンプレート
令和○年○月○日
○○小学校
校長 ○○様
担任 ○○様
保護者 ○○○○
配慮のお願い
いつもお世話になっております。
○年○組の○○○○の保護者です。
この度、子どもが発達障害(○○)の診断を受けましたので、ご報告とともに、学校生活における配慮をお願いしたく、お手紙を書かせていただきました。
【診断名】
○○(ADHD、ASDなど)
【子どもの特性】
- ○○○
- ○○○
【困っていること】
- ○○○
- ○○○
【お願いしたい配慮】
1. ○○○(理由:○○のため)
2. ○○○(理由:○○のため)
3. ○○○(理由:○○のため)
【家庭での取り組み】
- ○○○
- ○○○
医師の診断書を添付いたします。
お忙しいところ恐縮ですが、ご検討いただけますと幸いです。
何かご不明な点がございましたら、いつでもご連絡ください。
どうぞよろしくお願いいたします。
連絡先:○○○-○○○○-○○○○
メール:○○○○@○○○.com
ポイント
- 丁寧な言葉遣い
- 具体的な配慮
- 理由を明記
- 診断書を添付
- 連絡先を記載
具体的な配慮の例
障害別、場面別の具体的な配慮の例を説明します。
ADHD(注意欠如・多動症)
授業中
座席
- 前の席
- 窓側を避ける(刺激が少ない)
- 先生の近く
指示
- 短く、具体的に
- 一度に一つずつ
- 視覚支援(黒板に書く、プリント)
- 名前を呼んで注意を引く
休憩
- こまめに休憩を取らせる
- 体を動かす機会を作る(配布係など)
集中
- タイマーを使う
- 短時間の課題に分ける
テスト
- 別室での受験(刺激が少ない)
- 時間延長
- 問題文を読み上げる
その他
- 忘れ物チェックリスト
- 提出物の確認
- 視覚的なスケジュール
ASD(自閉スペクトラム症)
コミュニケーション
指示
- 具体的に
- 抽象的な言葉を避ける
- 視覚支援(絵カード、写真)
予定変更
- 事前に伝える
- 視覚的なスケジュール
感覚過敏
聴覚過敏
- イヤーマフ、ノイズキャンセリングヘッドホンの使用許可
- 静かな場所での活動
視覚過敏
- サングラスの使用許可
- まぶしい場所を避ける
触覚過敏
- 体育の着替えを個室で
- 特定の素材の服を許可
味覚過敏
- 給食を減らす、持参を許可
- 無理に食べさせない
社会性
- ソーシャルスキルの明示的な指導
- トラブル時の個別対応
- クールダウンスペースの設置
その他
- 通級指導教室の利用
- 特別支援学級の利用
LD(学習障害)
読字障害
- 音読を強制しない
- 拡大コピー
- 読み上げソフト、タブレットの使用許可
- テストの読み上げ
書字障害
- 板書を写さない(写真撮影、プリント配布)
- タブレット、パソコンの使用許可
- 代筆
- テストの時間延長
算数障害
- 計算機の使用許可
- 図や絵を使った説明
- 個別指導
全般
保健室・別室
- 保健室登校
- 別室での授業
- クールダウンスペース
評価
- 配慮した上での評価
- 努力を評価
発表会・行事
- 無理に参加させない
- 別の役割を与える
診断書の活用
診断書の活用方法を説明します。
診断書の重要性
説得力
診断書があると、配慮の必要性が明確になり、説得力が増します。
診断書に書いてもらうこと
内容
- 診断名
- 子どもの特性
- 困っていること
- 配慮してほしいこと
例
診断書
氏名:○○○○
生年月日:○年○月○日
上記の者は、注意欠如・多動症(ADHD)の診断基準を満たします。
【特性】
- 注意力が続かない
- 衝動性が強い
- 多動性がある
【学校生活での困難】
- 授業中、集中できない
- じっと座っていられない
- 忘れ物が多い
【配慮してほしいこと】
1. 座席を前にする
2. 指示は短く、具体的に
3. こまめに休憩を取らせる
4. 視覚支援を活用する
5. テストの時間延長
令和○年○月○日
○○クリニック
医師 ○○○○
診断書の提出先
誰に渡すか
- 担任
- 特別支援教育コーディネーター
- 校長
方法
- 手渡し
- 郵送
- メールで送る(スキャン)
診断書の更新
定期的に
年度が変わるとき、進学するときなど、定期的に更新した診断書を提出します。
断られた場合の対応
配慮を断られた場合の対応を説明します。
1. 理由を聞く
なぜダメか
断られた理由を聞きます。
理由の例
- 人手不足
- 予算不足
- 他の子への影響
- 知識不足
2. 代替案を提案
別の方法
断られた配慮の代替案を提案します。
例
- 別室でのテストが難しい→時間延長でもいいか
- 専属の支援員が難しい→担任が声かけを増やすでもいいか
3. 優先順位の高いものだけお願い
絞る
全ての配慮が難しい場合、優先順位の高いものだけお願いします。
4. 段階的に
少しずつ
一度に全ての配慮ではなく、段階的にお願いします。
例
- 今学期は席を前にするだけ
- 来学期は、視覚支援も追加
5. 特別支援教育コーディネーターに相談
専門家の力を借りる
担任が理解してくれない場合、特別支援教育コーディネーターに相談します。
6. 校長に相談
学校のトップ
それでもダメな場合、校長に相談します。
7. 教育委員会に相談
学校外
校長に相談してもダメな場合、教育委員会に相談します。
8. 弁護士に相談
法的な対応
合理的配慮は、障害者差別解消法で義務化されています。正当な理由なく断られた場合、弁護士に相談します。
9. 転校を検討
環境を変える
どうしても配慮してもらえない場合、転校を検討します。
合理的配慮とは
合理的配慮について説明します。
法的根拠
障害者差別解消法
2016年4月施行の障害者差別解消法により、学校には合理的配慮を提供する義務があります。
2024年4月改正
私立学校も義務化されました。
合理的配慮の定義
必要かつ適当な変更・調整
障害のある子が、他の子と平等に教育を受けられるよう、必要かつ適当な変更・調整を行うこと。
過度な負担
拒否できる場合
過度な負担がある場合、拒否できます。
過度な負担とは
- 財政的負担が極めて大きい
- 人的負担が極めて大きい
- 物理的に不可能
ただし
単なる「大変」では、拒否できません。
本人・保護者と学校の対話
建設的対話
合理的配慮は、本人・保護者と学校が対話を重ね、決定します。
良好な関係を保つコツ
学校と良好な関係を保つコツを説明します。
1. 感謝を伝える
ありがとう
配慮してもらったら、必ず感謝を伝えます。
2. 先生を責めない
協力者
先生を責めるのではなく、協力者として接します。
3. 定期的にコミュニケーション
信頼関係
定期的にコミュニケーションを取り、信頼関係を築きます。
4. 先生の大変さを理解
共感
先生も多忙で大変だということを理解し、共感します。
5. 家庭でもできることをする
協力
学校だけに任せず、家庭でもできることをします。
6. ポジティブなことも伝える
褒める
子どもの成長、良かったことなども伝えます。
7. 他の保護者との関係
協調
他の保護者とも良好な関係を保ちます。
8. 学校行事への参加
協力
可能な範囲で、学校行事に参加します。
9. クレームではなく相談
姿勢
クレームではなく、相談という姿勢で接します。
10. 先生の努力を認める
評価
先生が努力してくれたら、評価します。
よくある質問
Q1: 診断書は必要ですか?
A: あると説得力が増します。
診断書がなくても配慮をお願いできますが、あると説得力が増します。
Q2: 口頭でお願いするだけでいいですか?
A: 文書でも伝えましょう。
口頭だけでなく、文書でも伝えることで、記録に残り、正確に伝わります。
Q3: 配慮を断られました。諦めるしかないですか?
A: いいえ、段階的に相談先を変えましょう。
代替案を提案する、特別支援教育コーディネーターに相談、校長に相談、教育委員会に相談と、段階的に進めます。
Q4: モンスターペアレントと思われないか不安です。
A: 具体的に、丁寧に、協力的な姿勢で伝えれば大丈夫です。
感情的にならず、具体的に、丁寧に、協力的な姿勢で伝えれば、モンスターペアレントとは思われません。
Q5: 他の子への影響を心配されました。
A: 配慮が他の子にもプラスになることを伝えましょう。
視覚支援、わかりやすい指示などは、他の子にもプラスになることを伝えます。
Q6: どこまで配慮をお願いしていいですか?
A: 必要かつ過度な負担でない範囲です。
子どもが教育を受けるために必要で、学校に過度な負担がかからない範囲であれば、お願いできます。
Q7: 先生と関係が悪くなりそうで怖いです。
A: 協力的な姿勢で、感謝を伝えながら進めましょう。
配慮をお願いするときも、協力的な姿勢で、感謝を伝えながら進めることで、関係は悪化しません。
まとめ
配慮をお願いする前の準備は、子どもの困りごとを明確にする、原因を考える、診断書を準備する、具体的な配慮を考える、優先順位をつける、学校の状況を理解する、家庭でできることを考えることです。
効果的な伝え方は、文書で伝える、具体的に伝える、根拠を示す、なぜその配慮が必要か説明する、お願い口調、感謝を伝える、協力的な姿勢、定期的に報告、柔軟性を持つ、感情的にならないことです。
配慮依頼書には、診断名、子どもの特性、困っていること、お願いしたい配慮、家庭での取り組みを記載します。診断書を添付します。
具体的な配慮の例は、ADHDは座席を前に、指示を短く具体的に、休憩を増やす、ASDは具体的な指示、視覚支援、感覚過敏への配慮、クールダウンスペース、LDは読み上げ、板書を写さない、タブレット使用許可などです。
診断書には、診断名、特性、困っていること、配慮してほしいことを書いてもらい、担任、特別支援教育コーディネーター、校長に提出します。
断られた場合は、理由を聞く、代替案を提案、優先順位の高いものだけお願い、段階的に、特別支援教育コーディネーターに相談、校長に相談、教育委員会に相談、弁護士に相談、転校を検討します。
合理的配慮は、障害者差別解消法で義務化されており、過度な負担がない限り、提供する義務があります。
良好な関係を保つコツは、感謝を伝える、先生を責めない、定期的にコミュニケーション、先生の大変さを理解、家庭でもできることをする、ポジティブなことも伝える、他の保護者との関係、学校行事への参加、クレームではなく相談、先生の努力を認めることです。
一人で抱え込まず、発達障害者支援センター、相談支援事業所、医療機関などに相談しながら、学校と協力して子どもをサポートしましょう。配慮をお願いすることは、当然の権利です。
主な相談窓口
学校内
- 特別支援教育コーディネーター
- スクールカウンセラー
学校外
- 発達障害者支援センター
- 教育委員会
- 法テラス:0570-078374(弁護士相談)
一人で悩まず、必ず相談してください。子どもが安心して学校生活を送れるよう、適切な配慮をお願いしましょう。

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