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「発達障害の子が中学生になって急に反抗的になった」「暴言がひどい」「物を壊す」「親に暴力をふるう」「全く言うことを聞かない」「どこまで許していいのかわからない」「親子関係が壊れそう」。
発達障害のある中学生の反抗期は、定型発達の子以上に激しく、長期化しやすく、親も子も疲弊します。
発達障害の中学生の反抗期が激しい理由は、感情のコントロールの困難、衝動性、思春期の心身の変化、学校でのストレス、自己肯定感の低下などです。しかし、反抗期は成長の証でもあります。
適切な理解と対応により、親子関係を保ちながらこの時期を乗り越えることができます。
本記事では、反抗期が激しい理由、やってはいけない対応、効果的な接し方、暴力・暴言への対応、学校との連携、そして親のメンタルケアについて詳しく解説します。
発達障害の中学生の反抗期が激しい理由
発達障害の中学生の反抗期が、定型発達の子より激しい理由を理解しましょう。
1. 感情のコントロールが苦手
爆発しやすい
発達障害の特性により、感情のコントロールが苦手です。
理由
- 前頭葉の機能が未熟(ADHD、ASD)
- 衝動性が強い
- 怒りの感情を抑えられない
結果
ちょっとしたことで爆発し、激しい反抗になります。
2. 言葉で表現できない
フラストレーション
気持ちを言葉で表現するのが苦手で、フラストレーションが溜まります。
結果
暴言、暴力という形で表現してしまいます。
3. 思春期の心身の変化
ホルモンバランス
思春期のホルモンバランスの変化により、情緒不安定になります。
発達障害の場合
定型発達の子以上に、変化に対応できず、不安定になります。
4. 学校でのストレスの蓄積
限界
中学校では、学習の困難、対人関係の複雑化などでストレスが蓄積します。
家での爆発
学校では我慢し、家で爆発します。
5. 自己肯定感の低下
劣等感
中学生になると、自分と他者の違いに気づき、劣等感を感じます。
反抗
劣等感を隠すため、反抗的な態度を取ります。
6. 親への依存と自立の葛藤
矛盾
親から自立したい気持ちと、まだ依存せざるを得ない現実の間で葛藤します。
イライラ
この矛盾がイライラとなり、親に向かいます。
7. 自我の目覚め
自己主張
中学生は、自我が目覚める時期です。自己主張が強くなります。
発達障害の場合
極端な自己主張になりやすいです。
8. 過去の失敗体験の蓄積
爆発
小学校時代からの失敗体験が蓄積し、中学生で爆発します。
9. 親への甘え
安全基地
親は唯一の安全基地です。親にだけ本音をぶつけます。
理由
学校では我慢しているため、家では甘えとして反抗します。
10. 二次障害
精神疾患
反抗の背景に、うつ病、不安障害などの二次障害がある場合があります。
反抗期の具体的な行動
発達障害の中学生の反抗期に見られる具体的な行動を説明します。
1. 暴言
言葉の暴力
- 「うるさい」「黙れ」
- 「死ね」「消えろ」
- 「クソババア」「クソジジイ」
- 「うざい」「きもい」
2. 無視
完全無視
- 話しかけても無視
- 目も合わせない
- 返事をしない
3. 反抗的な態度
態度が悪い
- ため息をつく
- 舌打ち
- ドアをバタンと閉める
- 物を投げる
4. 暴力
物理的な暴力
- 親を叩く、蹴る
- 物を投げる
- 壁を殴る、蹴る
- 家具を壊す
5. 指示を拒否
やらない
- 「やらない」「知らない」
- 宿題をしない
- 手伝いをしない
- 風呂に入らない
6. 夜遊び、外泊
家に帰らない
- 門限を破る
- 無断外泊
- 深夜徘徊
7. 不登校
学校に行かない
反抗期と不登校が重なることもあります。
8. 部屋に引きこもる
出てこない
- 食事も部屋で
- 一日中ゲーム
- 家族と顔を合わせない
9. お金を要求
金銭トラブル
- 過度な小遣いの要求
- 勝手にお金を持ち出す
- 物を買わせる
10. 家出
家を出る
- 短時間の家出
- 数日間の家出
やってはいけない対応
反抗期の子への対応で、やってはいけないことを説明します。
1. 感情的に怒鳴る
逆効果
感情的に怒鳴ると、火に油を注ぎます。
理由
- 子どもも感情的になる
- 親子関係が悪化
- 暴力がエスカレート
2. 力で押さえつける
反発
力で押さえつけると、反発が強くなります。
例
- 叩く
- 無理やり従わせる
3. 人格否定
傷つける
人格を否定する言葉は、深く傷つけます。
NG例
- 「お前は何をやってもダメ」
- 「生まれてこなければよかった」
- 「発達障害だから」
4. 比較する
劣等感を刺激
他の子やきょうだいと比較しないでください。
NG例
- 「○○くんはちゃんとしているのに」
- 「お兄ちゃんはこんなじゃなかった」
5. 過干渉
息が詰まる
過度に干渉すると、息が詰まります。
例
- 部屋に勝手に入る
- スマホをチェックする(度を超えた監視)
- 友達関係に口を出す
6. 放置
見守りと放置は違う
完全に放置すると、状況が悪化します。
必要なこと
適度な距離を保ちながら、見守ることが重要です。
7. 要求を全て受け入れる
わがままを助長
要求を全て受け入れると、わがままを助長します。
必要なこと
一貫したルールを守らせることが重要です。
8. 無視する
親も無視
子どもが無視してくるからといって、親も無視すると、関係が断絶します。
9. 過去を持ち出す
蒸し返さない
過去の失敗を持ち出さないでください。
NG例
- 「前もこうだったよね」
- 「いつもそう」
10. 友達の前で叱る
プライドを傷つける
友達の前で叱ると、プライドが傷つきます。
効果的な接し方
発達障害の中学生の反抗期への効果的な接し方を説明します。
1. 冷静に対応する
感情的にならない
反抗されても、冷静に対応します。
方法
- 深呼吸
- その場を離れる(一旦落ち着く)
- 6秒数える(怒りのピークは6秒)
2. 話を聞く
否定せず聞く
まずは、子どもの話を聞きましょう。
聞き方
- 否定しない
- 遮らない
- 共感する
- 「そう思うんだね」
3. 大人として扱う
一人の人間として
子ども扱いせず、一人の人間として尊重します。
言葉遣い
- 命令形を避ける
- 「○○してくれる?」(依頼形)
4. 適度な距離を保つ
プライバシーを尊重
- 部屋に勝手に入らない
- 過干渉にならない
- 見守る
5. 一貫したルールを守らせる
ブレない
ルールは一貫して守らせます。
ルールの例
- 暴力は絶対にダメ
- 門限は○時
- 宿題はやる
ただし
ルールは多すぎず、最低限にします。
6. 選択肢を与える
自己決定
命令ではなく、選択肢を与えます。
例
- 「宿題、今やる?夕食後にやる?」
- 「どっちがいい?」
7. 褒める
小さなことでも
反抗期でも、小さなことでも褒めます。
褒めるポイント
- 宿題をやった
- 手伝いをした
- 時間を守った
8. 感謝を伝える
ありがとう
何かしてくれたら、「ありがとう」と伝えます。
9. アイメッセージで伝える
「私は」を主語に
「あなたが○○だから」ではなく、「私は○○と感じる」
例
- NG:「あなたがうるさいから、イライラする」
- OK:「私は、静かにしてほしいと思っている」
10. 時間を置く
クールダウン
言い合いになったら、時間を置いて、落ち着いてから話します。
11. 第三者の力を借りる
専門家の介入
親子関係が悪化している場合、第三者(カウンセラー、医師など)の力を借ります。
12. 期待しすぎない
完璧を求めない
反抗期は、完璧を求めず、できる範囲でOKとします。
暴言・暴力への対応
暴言、暴力への具体的な対応方法を説明します。
暴言への対応
1. その場では反応しない
スルー
暴言を言われても、その場では反応しません。
理由
反応すると、エスカレートします。
2. 落ち着いてから話す
冷静に
お互いが落ち着いてから、「さっきの言葉は傷ついた」と伝えます。
3. ルールを確認
暴言はNG
「暴言は、家族でも言ってはいけない」とルールを確認します。
暴力への対応
1. 絶対に許さない
明確に
暴力は、絶対に許さないと明確に伝えます。
伝え方
- 「暴力は、絶対にダメ」
- 「次にやったら、○○する」(警察に連絡など)
2. 安全確保
親を守る
暴力がひどい場合、親自身の安全を確保します。
方法
- その場を離れる
- 別の部屋に逃げる
- 家を出る(一時的に)
3. 警察に連絡
深刻な場合
暴力が深刻な場合、警察に連絡します。
理由
- 親を守るため
- 本人に「暴力は犯罪」と認識させるため
連絡先
- 110
4. 医療機関を受診
二次障害の可能性
暴力の背景に、二次障害(うつ病、素行障害など)がある可能性があります。
受診先
- 児童精神科
- 思春期外来
5. 児童相談所に相談
専門機関
家庭内暴力がひどい場合、児童相談所に相談します。
連絡先
- 189(いちはやく)
対応
- 一時保護
- 施設への入所
- 家族療法
学校との連携
学校との連携も重要です。
1. 担任に相談
家での様子を伝える
家での反抗の様子を、担任に伝えます。
理由
学校での様子と照らし合わせることで、原因が見えることがあります。
2. スクールカウンセラーの活用
本人のカウンセリング
スクールカウンセラーに、本人のカウンセリングをしてもらいます。
3. 合理的配慮の確認
ストレス軽減
学校でのストレスが原因の場合、合理的配慮を確認します。
4. 進路相談
将来への希望
進路について相談し、将来への希望を持たせます。
医療的支援
反抗期が激しい場合、医療的支援が必要です。
1. 児童精神科・思春期外来
専門医
反抗期が激しい、暴力がある、二次障害が疑われる場合、受診します。
治療
- 診察
- カウンセリング
- 薬物療法(必要に応じて)
- 家族療法
2. 薬物療法
必要に応じて
二次障害(うつ病、不安障害など)がある場合、薬物療法が有効です。
薬の例
- 抗うつ薬
- 抗不安薬
- ADHD治療薬
- 気分安定薬
3. カウンセリング
心理士
臨床心理士、公認心理師によるカウンセリングを受けます。
内容
- 感情のコントロール
- 怒りのマネジメント
- コミュニケーションスキル
4. 家族療法
親子関係の改善
家族療法で、親子関係を改善します。
5. 入院治療
深刻な場合
家庭内暴力が深刻、自傷行為などがある場合、入院治療が必要なこともあります。
親のメンタルケア
反抗期の子育ては、親にとって大きなストレスです。
1. 一人で抱え込まない
相談する
つらい気持ちを、誰かに相談しましょう。
相談相手
- 夫、パートナー
- 自分の親
- 友人
- 相談支援専門員
- カウンセラー
- 親の会
2. 距離を置く
一時的に離れる
ストレスが大きい場合、一時的に距離を置くことも選択肢です。
方法
- 短期入所
- 親戚に預ける
- 寮のある学校
- 親が家を出る(一時的に)
3. カウンセリング
親自身のケア
親自身がカウンセリングを受けることも有効です。
4. 親の会
ピアサポート
思春期、反抗期の子を持つ親の会に参加し、共感し合いましょう。
5. 完璧を求めない
できる範囲で
完璧な対応を求めず、できる範囲でサポートしましょう。
6. 自分の時間
息抜き
自分の時間を作り、息抜きしましょう。
7. 自分を責めない
あなたのせいではない
反抗期は、親の育て方のせいではありません。
反抗期はいつまで続くか
反抗期の終わりについて説明します。
期間
個人差がある
- 一般的:中学1年~高校1年頃(2~3年間)
- 発達障害の場合:長期化することもある(高校卒業まで)
終わりのサイン
落ち着く
- 暴言、暴力が減る
- 会話ができるようになる
- 協力的になる
- 将来について話すようになる
完全には終わらない場合も
大人になっても
発達障害の場合、完全には終わらず、大人になっても反抗的な態度が続くこともあります。
ただし
適切な支援により、改善します。
よくある質問
Q1: 暴言がひどいです。どう対応すればいいですか?
A: その場では反応せず、落ち着いてから話しましょう。
暴言を言われても、その場では反応せず、お互いが落ち着いてから「傷ついた」と伝えましょう。
Q2: 親に暴力をふるいます。どうすればいいですか?
A: 絶対に許さず、深刻な場合は警察に連絡しましょう。
暴力は絶対に許さないと伝え、親の安全を確保します。深刻な場合は、警察、児童相談所に相談しましょう。
Q3: 全く言うことを聞きません。
A: 命令ではなく、選択肢を与えましょう。
「○○しなさい」ではなく、「○○する?それとも△△する?」と選択肢を与えます。
Q4: 反抗期は、いつまで続きますか?
A: 個人差がありますが、2~3年程度です。
一般的には2~3年程度ですが、発達障害の場合、長期化することもあります。
Q5: 医療機関を受診すべきですか?
A: 暴力がひどい、二次障害が疑われる場合は受診しましょう。
家庭内暴力、自傷行為、希死念慮、不登校などがある場合、児童精神科を受診しましょう。
Q6: 親として、どこまで許していいですか?
A: 暴力は絶対にダメ。他は、ルールを決めて一貫して対応しましょう。
暴力は絶対に許しません。暴言、態度などは、家庭のルールを決めて、一貫して対応します。
Q7: 親子関係が壊れそうです。
A: 第三者(カウンセラー、医師)の力を借りましょう。
親子だけでは解決できない場合、カウンセラー、医師などの第三者の力を借りましょう。
まとめ
発達障害の中学生の反抗期が激しい理由は、感情のコントロールが苦手、言葉で表現できない、思春期の心身の変化、学校でのストレスの蓄積、自己肯定感の低下、親への依存と自立の葛藤、自我の目覚め、過去の失敗体験の蓄積、親への甘え、二次障害などです。
やってはいけない対応は、感情的に怒鳴る、力で押さえつける、人格否定、比較する、過干渉、放置、要求を全て受け入れる、無視する、過去を持ち出す、友達の前で叱ることです。
効果的な接し方は、冷静に対応する、話を聞く、大人として扱う、適度な距離を保つ、一貫したルールを守らせる、選択肢を与える、褒める、感謝を伝える、アイメッセージで伝える、時間を置く、第三者の力を借りる、期待しすぎないことです。
暴言・暴力への対応は、暴言はその場では反応せず落ち着いてから話す、暴力は絶対に許さず親の安全確保、警察に連絡、医療機関を受診、児童相談所に相談です。
学校との連携として、担任に相談、スクールカウンセラーの活用、合理的配慮の確認、進路相談が重要です。
医療的支援として、児童精神科・思春期外来、薬物療法、カウンセリング、家族療法、入院治療があります。
親のメンタルケアとして、一人で抱え込まない、距離を置く、カウンセリング、親の会、完璧を求めない、自分の時間、自分を責めないことが大切です。
一人で抱え込まず、児童精神科、カウンセラー、スクールカウンセラー、相談支援事業所、親の会、児童相談所などに相談しながら、この困難な時期を乗り越えましょう。反抗期は、成長の証でもあります。適切な支援により、親子関係を保ちながら乗り越えられます。
緊急相談窓口
児童精神科・思春期外来
- 医療機関を受診
警察
- 110(暴力が深刻な場合)
児童相談所
- 189(いちはやく)
よりそいホットライン
- 0120-279-338(24時間無料)
24時間子供SOSダイヤル
- 0120-0-78310(なやみ言おう)
一人で悩まず、今すぐ相談してください。親自身の安全と心を守ることが、最優先です。

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