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「症状が悪化したけれど、等級は変わらないのか」「もっと重い等級がもらえれば、受けられる支援が増えるのに」「等級を上げる方法はあるのか」「再申請はできるのか」「医師に何と言えばいいのか」。障害者手帳の等級は、受けられる福祉サービスや手当に大きく影響します。症状が変化した場合、等級の変更を申請することができます。
本記事では、障害者手帳の等級変更(再認定)の方法、申請のタイミング、必要書類、医師への相談方法、審査のポイント、そして等級が上がらなかった場合の対処法について詳しく解説します。
障害者手帳の種類と等級
まず、障害者手帳の種類と等級について整理しましょう。
1. 身体障害者手帳
等級
- 1級から7級まで(交付されるのは1級から6級まで)
- 1級が最も重度
障害の種類
- 視覚障害
- 聴覚・平衡機能障害
- 音声・言語・そしゃく機能障害
- 肢体不自由
- 心臓機能障害
- 腎臓機能障害
- 呼吸器機能障害
- ぼうこう・直腸機能障害
- 小腸機能障害
- ヒト免疫不全ウイルスによる免疫機能障害
- 肝臓機能障害
2. 療育手帳(知的障害者手帳)
等級
自治体によって異なります。
一般的な区分
- 最重度(A1、Aの1など)
- 重度(A2、Aの2、Aなど)
- 中度(B1、Bの1など)
- 軽度(B2、Bの2、Bなど)
名称
自治体によって名称が異なります。
- 療育手帳(多くの自治体)
- 愛の手帳(東京都)
- 愛護手帳(青森県、名古屋市)
- みどりの手帳(さいたま市)
3. 精神障害者保健福祉手帳
等級
- 1級から3級まで
- 1級が最も重度
障害の種類
- 統合失調症
- うつ病、双極性障害
- てんかん
- 発達障害
- 高次脳機能障害
- その他の精神疾患
等級変更(再認定)とは
基本的な理解
等級の見直し
障害の状態が変化した場合、等級の見直しを申請できます。
変更の方向
- 等級が上がる(重度になる)
- 等級が下がる(軽度になる)
- 等級が変わらない
申請できる人
- 既に障害者手帳を持っている人
定期的な再認定
有効期限がある手帳
精神障害者保健福祉手帳と一部の療育手帳には、有効期限があり、定期的な再認定が必要です。
精神障害者保健福祉手帳
- 有効期限:2年間
- 更新時に等級の見直しがある
療育手帳
- 自治体によって異なる
- 定期的に再判定がある場合が多い(数年ごと)
身体障害者手帳
- 原則として有効期限なし
- ただし、再認定指定がある場合は、指定された時期に再認定
随時の等級変更申請
症状が変化した場合
有効期限を待たず、症状が変化した場合に等級変更を申請できます。
例
- 身体障害が悪化した
- 知的障害の程度が変化した
- 精神障害が悪化した
等級を上げたい理由
等級が上がることで、以下のメリットがあります。
1. 受けられる福祉サービスが増える
障害福祉サービス
障害支援区分の認定に影響し、受けられるサービスが増える可能性があります。
2. 手当の金額が増える
特別障害者手当
特別障害者手当(月額約27,980円)は、著しく重度の障害があり、日常生活で常時特別の介護を必要とする20歳以上の在宅の人が対象です。
重度の等級
多くの場合、身体障害者手帳1級または2級、療育手帳の最重度または重度などが目安です。
障害児福祉手当
20歳未満の場合、障害児福祉手当(月額約15,690円)の対象になる可能性があります。
3. 税金の控除額が増える
障害者控除
障害者控除(所得税27万円、住民税26万円)から、特別障害者控除(所得税40万円、住民税30万円)に変わります。
特別障害者の要件
- 身体障害者手帳:1級または2級
- 療育手帳:最重度または重度(自治体によってA判定など)
- 精神障害者保健福祉手帳:1級
4. その他の減免・割引が増える
交通機関の割引
等級によって、割引内容が変わることがあります。
例
- JR:身体障害者手帳1級、療育手帳の重度は、本人と介護者が割引
- JR:身体障害者手帳2級~6級、療育手帳の軽度は、本人のみ100km以上で割引
駐車禁止除外標章
重度の身体障害(1級~4級の一部)が対象です。
5. 雇用での配慮
障害者雇用
重度障害者(身体障害者手帳1級・2級、療育手帳の重度、精神障害者保健福祉手帳1級)は、雇用率のカウントが2倍になり、企業が雇用しやすくなります。
等級変更の申請方法
等級変更を申請する方法を説明します。
1. 申請のタイミング
症状が変化したとき
症状が悪化した、または改善した場合、等級変更を申請できます。
申請できるタイミング
- いつでも申請可能(ただし、前回の申請から一定期間必要な場合もある)
おすすめのタイミング
- 症状が明らかに悪化したとき
- 医師が「等級が上がる可能性がある」と言ったとき
- 定期的な再認定の時期
2. 医師に相談
診断書が必要
等級変更には、医師の診断書が必要です。まずは医師に相談しましょう。
相談内容
- 「症状が悪化したので、障害者手帳の等級を上げたいです」
- 「診断書を書いていただけますか」
医師の判断
医師が診察し、診断書を書いてくれます。ただし、医師が「等級が上がる程度ではない」と判断すれば、診断書を書いてもらえないこともあります。
3. 必要書類を準備
手帳の種類別
身体障害者手帳
必要書類
- 障害者手帳等級変更申請書(再交付申請書)(市区町村の窓口にあります)
- 身体障害者診断書・意見書(指定医が作成)
- 現在の身体障害者手帳
- 写真(縦4cm×横3cm、1枚)
- 本人確認書類
- 印鑑(自治体によっては不要)
診断書の費用
- 数千円~1万円程度(健康保険適用外)
療育手帳
必要書類
- 療育手帳再判定申請書(市区町村の窓口にあります)
- 現在の療育手帳
- 写真(縦4cm×横3cm、1枚)
- 本人確認書類
- 印鑑(自治体によっては不要)
再判定
- 児童相談所または知的障害者更生相談所で再判定を受ける
精神障害者保健福祉手帳
必要書類
- 障害者手帳等級変更申請書(または更新申請書)(市区町村の窓口にあります)
- 精神障害者保健福祉手帳用診断書(精神科医が作成)または障害年金証書のコピー
- 現在の精神障害者保健福祉手帳
- 写真(縦4cm×横3cm、1枚)
- 本人確認書類
- 印鑑(自治体によっては不要)
診断書の費用
- 数千円程度(健康保険適用外)
診断書の基準日
- 申請日から3か月以内の診断
4. 申請窓口に提出
提出先
- 市区町村の障害福祉課
本人または代理人
本人または家族、成年後見人などが申請できます。
5. 審査
都道府県で審査
提出された書類は、都道府県(または政令指定都市)で審査されます。
審査期間
- 1~3か月程度(自治体によって異なる)
審査のポイント(後述)
6. 結果通知
新しい手帳の交付
等級が変更された場合、新しい手帳が交付されます。
等級が変わらない場合
等級が変わらない場合、その旨が通知されます。
審査のポイント
等級変更の審査で、どのような点が見られるかを説明します。
1. 診断書の内容
最も重要
診断書の内容が、最も重要です。
記載内容
- 障害の状態
- 日常生活の状況
- 就労の状況
- 治療の状況
具体的に書かれているか
抽象的ではなく、具体的に書かれていることが重要です。
例
- 悪い例:「日常生活に支障がある」
- 良い例:「一人で入浴できない。食事は介助が必要。外出は車いすを使用」
2. 障害の程度
認定基準
各障害者手帳には、等級の認定基準があります。その基準に照らして、審査されます。
身体障害者手帳の例
視覚障害の場合
- 1級:両眼の視力の和が0.01以下のもの
- 2級:両眼の視力の和が0.02以上0.04以下のもの
精神障害者保健福祉手帳の例
- 1級:日常生活の用を弁ずることを不能ならしめる程度
- 2級:日常生活が著しい制限を受けるか、又は日常生活に著しい制限を加えることを必要とする程度
- 3級:日常生活若しくは社会生活が制限を受けるか、又は日常生活若しくは社会生活に制限を加えることを必要とする程度
3. 日常生活の状況
どれだけ支障があるか
日常生活でどれだけ支障があるかが、重要なポイントです。
評価される項目
- 食事
- 入浴
- 排泄
- 更衣
- 移動
- 意思疎通
- 金銭管理
- 服薬管理
- 就労
介助の必要性
介助が必要か、どの程度の介助が必要かが評価されます。
4. 前回との比較
症状が悪化したか
前回の診断書と比較して、症状が悪化しているかが見られます。
変化がない場合
症状に変化がない場合、等級は変わりません。
5. 客観的な証拠
医学的な根拠
診断書だけでなく、検査結果、画像診断、カルテなどの客観的な証拠も重要です。
医師への相談のコツ
医師に診断書を書いてもらうための相談のコツを説明します。
1. 症状を正確に伝える
具体的に
症状を具体的に伝えましょう。
伝えること
- いつから症状が悪化したか
- どのような症状か
- 日常生活でどんな支障があるか
例
- 「半年前から、一人で入浴できなくなりました」
- 「最近、物忘れがひどく、薬を飲み忘れます」
- 「外出すると、パニックになります」
2. 日常生活の困難を伝える
できないこと
できないこと、介助が必要なことを伝えましょう。
例
- 「一人で買い物に行けません」
- 「料理ができません」
- 「仕事を続けられなくなりました」
3. 遠慮しない
正直に
「大げさに言うのは悪い」と遠慮せず、正直に症状を伝えましょう。
4. メモを持参
忘れない
診察で緊張して忘れないよう、症状や困っていることをメモに書いて持参しましょう。
5. 家族に同席してもらう
客観的な意見
家族に同席してもらい、客観的な意見を伝えてもらうことも有効です。
6. 診断書の目的を伝える
等級変更
「障害者手帳の等級を上げたいので、診断書をお願いします」と明確に伝えましょう。
7. 医師が書いてくれない場合
他の医師に相談
医師が診断書を書いてくれない場合、セカンドオピニオンとして他の医師に相談することも選択肢です。
等級が上がらなかった場合
等級変更を申請したが、等級が上がらなかった場合の対処法を説明します。
1. 理由を確認
なぜ上がらなかったか
市区町村の障害福祉課に、等級が上がらなかった理由を確認しましょう。
理由の例
- 認定基準を満たさない
- 診断書の記載が不十分
- 症状の悪化が認められない
2. 再度申請
時期をずらして
すぐには難しくても、症状がさらに悪化した場合、再度申請することができます。
3. 診断書の内容を見直す
医師に相談
医師に、診断書の内容をもっと具体的に書いてもらえないか相談しましょう。
4. 別の医師に相談
セカンドオピニオン
別の医師に診断書を書いてもらうことも選択肢です。
5. 不服申立
審査請求
等級の決定に不服がある場合、審査請求をすることができます。
申立先
- 都道府県の障害者介護給付費等不服審査会
期限
- 決定を知った日の翌日から3か月以内
方法
- 市区町村の障害福祉課で手続き
注意点
- 審査請求をしても、認められるとは限らない
6. 他の支援を利用
等級が上がらなくても
等級が上がらなくても、他の福祉サービスや制度を利用することで、支援を受けられます。
例
- 障害福祉サービス(等級に関係なく利用できるものもある)
- 自立支援医療
- 生活保護
等級を維持するための注意点
等級が下がらないようにするための注意点を説明します。
1. 定期的な受診
治療を継続
定期的に受診し、治療を継続することが重要です。
理由
受診していないと、「症状が改善した」と判断される可能性があります。
2. 症状を正確に伝える
悪化を伝える
症状が悪化している場合、医師に正確に伝えましょう。
3. 再認定時の診断書
注意深く確認
精神障害者保健福祉手帳の更新時など、再認定時の診断書の内容を注意深く確認しましょう。
よくある質問
Q1: 等級を上げる申請は、いつでもできますか?
A: 基本的にはいつでもできます。
症状が変化した場合、いつでも等級変更を申請できます。ただし、自治体によっては、前回の申請から一定期間必要な場合もあります。
Q2: 診断書の費用はいくらですか?
A: 数千円~1万円程度です。
健康保険適用外のため、全額自己負担です。医療機関によって異なります。
Q3: 等級が上がる可能性はどのくらいですか?
A: ケースバイケースです。
症状が明らかに悪化し、認定基準を満たせば、等級が上がります。ただし、審査は厳しく、簡単には上がりません。
Q4: 等級変更を申請したら、逆に等級が下がることはありますか?
A: あります。
等級変更申請では、上がるだけでなく、下がる可能性もあります。現在の等級に不満がない場合は、申請を慎重に検討しましょう。
Q5: 医師が診断書を書いてくれません。どうすればいいですか?
A: 他の医師に相談するか、理由を聞きましょう。
医師が診断書を書いてくれない場合、理由を聞いてみましょう。等級が上がる程度ではないと判断された可能性があります。セカンドオピニオンとして、他の医師に相談することも選択肢です。
Q6: 審査にはどのくらい時間がかかりますか?
A: 1~3か月程度です。
自治体によって異なりますが、一般的には1~3か月程度かかります。
Q7: 等級が上がらなかった場合、再度申請できますか?
A: できます。
等級が上がらなかった場合でも、症状がさらに悪化すれば、再度申請できます。
まとめ
障害者手帳の等級は、症状が変化した場合、変更を申請できます。等級が上がることで、受けられる福祉サービスや手当が増える、税金の控除額が増えるなどのメリットがあります。
等級変更の申請方法は、医師に相談、必要書類を準備(診断書など)、申請窓口に提出、審査、結果通知です。
審査のポイントは、診断書の内容(具体的に書かれているか)、障害の程度(認定基準を満たすか)、日常生活の状況(どれだけ支障があるか)、前回との比較(症状が悪化したか)、客観的な証拠です。
医師への相談のコツは、症状を正確に伝える、日常生活の困難を伝える、遠慮しない、メモを持参、家族に同席してもらう、診断書の目的を伝えることです。
等級が上がらなかった場合は、理由を確認、再度申請、診断書の内容を見直す、別の医師に相談、不服申立、他の支援を利用することが対処法です。
等級変更の申請は権利ですが、審査は厳しく、簡単には上がりません。症状が明らかに悪化している場合、医師と相談しながら申請を検討しましょう。一人で悩まず、相談支援専門員や市区町村の障害福祉課に相談することもおすすめします。
主な相談窓口
市区町村の障害福祉課
- 等級変更の申請、手続き
医療機関
- 診断書の作成
相談支援事業所
- 手続きのサポート
一人で悩まず、必ず相談してください。

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