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障害のあるお子さんに合った選択をするために、まず知っておきたい基本ガイド
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障害のある子どもの子育てが終わらない、成人しても手がかかる、いつまで続くのかと悩む親に向けて、その現実、影響、対処法などを解説します。障害者の子育ては一般的な子育てとは異なる特徴があり、親の負担は長期間にわたります。適切なサポートと心構えが必要です。
障害者の子育てが終わらないとは
障害者の子育てが終わらない状態について説明します。
成人しても自立できない状態です。20歳、30歳、40歳になっても、一人で生活できない、親のサポートが必要、経済的にも精神的にも依存している状態です。
日常生活に手がかかる状態です。食事の準備、入浴の介助、服薬の管理、金銭管理、通院の付き添い、スケジュール管理など、日常生活の多くの場面で親の関与が必要です。
意思決定に親が必要な状態です。進路、就労、医療、福祉サービスの利用など、重要な決定に親が関わり続ける、本人だけでは判断できない状態です。
通所や就労の送迎が必要な状態です。毎日の送り迎え、付き添い、事業所との連絡、トラブル対応など、通所や就労に親の関与が続きます。
トラブルや問題への対応が続く状態です。作業所でのトラブル、近所とのトラブル、金銭トラブル、健康問題など、様々な問題に親が対処し続けます。
親が高齢になっても続く状態です。親が60代、70代、80代になっても、子どもの世話が続く、体力的にも精神的にも限界を感じる状態です。
終わりが見えない不安がある状態です。いつまで続くのか、自分が倒れたらどうなるのか、死んだ後はどうなるのかという不安が常にあります。
きょうだいへの期待や不安がある状態です。きょうだいに将来を託さざるを得ないのではないか、きょうだいに負担をかけるのではないかという心配があります。
なぜ子育てが終わらないのか
障害者の子育てが終わらない理由について説明します。
障害の程度や特性による理由です。知的障害が重度、重複障害がある、身体介護が必要、判断能力が不十分などの場合、生涯にわたって支援が必要です。
自立するためのスキルが身につかない理由です。生活スキル、金銭管理、対人スキル、問題解決能力などが、年齢相応に身につかない、または身につきにくい障害特性があります。
社会的な受け入れ体制が不十分な理由です。就労の機会が限られる、グループホームが不足している、支援サービスが十分でない、地域の理解が得られないなど、社会的なバリアがあります。
経済的な自立が困難な理由です。障害基礎年金だけでは生活できない、工賃が低い、就労しても低賃金、親の経済的支援が必要な状態が続きます。
親が手を出しすぎている理由です。何でもやってあげる、失敗させない、本人に任せない、過保護・過干渉などが、自立を妨げています。親自身が手放せないこともあります。
本人の意欲や意思の問題です。働きたくない、自立したくない、今のままでいい、変化を嫌う、親に依存している、甘えているなどの場合もあります。
二次障害や併存疾患がある理由です。精神疾患、行動障害、健康問題などが加わり、支援の必要性が増している場合があります。
親が元気なうちに準備をしていない理由です。将来の準備を先延ばしにしている、成年後見制度を利用していない、グループホームを探していない、支援体制を構築していないなどです。
子育てが終わらないことの影響
子育てが終わらないことによる影響について説明します。
親の身体的な疲労が蓄積することです。毎日の介護、送迎、家事、仕事などで、慢性的な疲労、体調不良、持病の悪化、体力の限界などを感じます。親自身が高齢になると、さらに負担が大きくなります。
親の精神的な負担が大きいことです。不安、焦り、絶望感、孤独感、罪悪感、怒り、悲しみなど、様々な感情に苦しみます。いつまで続くのか、自分が倒れたらどうなるのかという不安が常にあります。
親自身の人生が制限されることです。仕事を辞める、キャリアを諦める、趣味や旅行を我慢する、友人との付き合いが減る、再婚を諦めるなど、親自身の人生の選択肢が狭まります。
夫婦関係が悪化することです。子どもの対応を巡って対立する、時間がなくて会話が減る、疲弊して余裕がない、離婚に至ることもあります。
きょうだいへの影響があることです。親の関心が偏る、きょうだいが我慢する、将来の責任を感じる、結婚に影響する、家を出づらい、親の介護と障害者の世話が重なるなどです。
経済的な負担が続くことです。生活費、医療費、介護費用、施設利用料などがかかり続ける、親自身の老後資金が足りなくなる、貧困に陥るリスクがあります。
社会的な孤立が起こることです。周囲に理解されない、相談できる人がいない、近所との関係が悪化する、家族全体が孤立するなどです。
親自身の健康が損なわれることです。過労、ストレス、うつ病、生活習慣病、介護うつなどを発症するリスクが高まります。
8050問題や9060問題に発展することです。80代の親が50代の子どもを支える、90代の親が60代の子どもを支える状態になり、共倒れのリスクがあります。
親が亡くなった後の不安が大きいことです。誰が面倒を見るのか、どこで生活するのか、虐待されないか、生活していけるのかなど、親亡き後の不安が尽きません。
子育てを終わらせるという考え方
子育てを終わらせるという考え方について説明します。
完全な自立を目指さないことです。障害の程度によっては、完全な自立は困難です。無理に自立を目指すのではなく、適切な支援を受けながら生きていく道を考えます。
親の役割を変えることです。何でもやってあげる親から、見守り・サポートする親へ、直接的な支援者から間接的な支援者へと役割を変えていきます。
支援体制を構築することです。相談支援専門員、グループホーム、成年後見人、訪問サービスなど、親以外の支援者を増やします。親がいなくても生活できる体制を作ります。
親が手を引く練習をすることです。本人にできることは任せる、失敗も経験させる、支援者に任せる、親が前に出すぎないなどです。親が手を引くことも親の役割です。
子どもの人生は子どものものと認識することです。親の思い通りにしようとしない、本人の意思を尊重する、本人らしい生き方を応援することです。
親自身の人生を取り戻すことです。子どものことばかり考えるのではなく、自分の時間、趣味、友人関係、夫婦関係など、親自身の人生を大切にします。
子育てには区切りが必要と理解することです。物理的に子育てが終わらなくても、心理的に区切りをつけることは可能です。親としての責任を果たしつつ、距離を保つことができます。
親の役割を減らす具体的な方法
親の役割を段階的に減らす具体的な方法について説明します。
できることは本人にやらせることです。時間がかかっても、失敗しても、本人にできることは任せます。食事の準備、洗濯、掃除、買い物など、少しずつ任せる範囲を広げます。
訪問サービスを利用することです。居宅介護ホームヘルプ、訪問看護、移動支援などのサービスを利用し、親以外の支援者に頼ります。
グループホームへの入居を検討することです。親と離れて暮らすことで、自立が促されます。最初は短期入所体験ステイから始め、徐々に慣らします。早めに入居することで、本人も親も新しい生活に適応しやすくなります。
日中活動の場を確保することです。作業所、デイサービス、就労など、日中の居場所を作ります。送迎サービスがある事業所を選べば、親の負担も減ります。
成年後見制度を利用することです。親が元気なうちに成年後見人を立てることで、財産管理や契約行為を親以外の人に任せられます。将来に備えます。
相談支援専門員との関係を築くことです。サービス等利用計画を作成してもらう、定期的に相談する、困った時に頼るなど、支援のキーパーソンとして関係を強化します。
親の会や家族会に参加することです。同じ立場の親と情報交換する、先輩の親から学ぶ、支え合うなどです。親亡き後の準備についても学べます。
きょうだいに過度な期待をしないことです。きょうだいの人生を尊重する、負担を押し付けない、きょうだいと話し合う、専門的な支援体制を作るなどです。
親自身の健康を優先することです。無理をしない、定期的に健診を受ける、休息を取る、自分の時間を持つなど、親自身が倒れないことが最も重要です。
親亡き後の準備
親亡き後の準備について説明します。
住まいの確保です。グループホーム、入所施設、公営住宅、賃貸住宅など、親が亡くなった後の住まいを確保します。早めに見学し、体験利用し、入居の申し込みをします。
経済的な準備です。障害年金、生活保護、親の遺産、生命保険、信託、障害者扶養共済制度などを活用し、経済的な基盤を作ります。
成年後見制度の利用です。親が元気なうちに成年後見人を立てます。親族、専門職弁護士、司法書士、社会福祉士など、法人後見などを検討します。
支援者ネットワークの構築です。相談支援専門員、グループホームの職員、行政の福祉課、医療機関、成年後見人などのネットワークを作ります。複数の支援者がいることが重要です。
日常生活のマニュアル作成です。本人の障害特性、必要な配慮、服薬内容、好きなもの嫌いなもの、パニック時の対応など、支援者が参考にできる情報をまとめます。
きょうだいとの話し合いです。どの程度関わるか、どこまで支援するか、経済的な負担はどうするかなど、率直に話し合います。きょうだいの意思を確認し、過度な期待をしません。
遺言書の作成です。財産の分配方法、不動産の処分方法、障害のある子どもへの配慮などを明確にします。公正証書遺言が確実です。
親族や友人への情報共有です。信頼できる親族や友人に、本人のことを伝えておきます。いざという時に相談できる人を増やします。
定期的な見直しです。準備は一度すれば終わりではありません。本人の状態、制度、社会資源の変化に応じて、定期的に見直します。
親自身のケアと人生
親自身のケアと人生を大切にすることについて説明します。
自分を責めないことです。子どもが自立できないのは親のせいだと責めがちですが、障害そのものの特性であり、親だけの責任ではありません。
完璧を求めないことです。すべてを完璧にしようとしない、できることをすればいい、60点でも十分だと理解します。
自分の時間を持つことです。趣味、友人との交流、一人の時間、夫婦の時間など、子ども以外の時間を意識的に作ります。罪悪感を持たず、自分を大切にします。
レスパイトケアを利用することです。短期入所ショートステイ、日中一時支援などを利用し、親自身が休息を取ります。休むことは悪いことではありません。
カウンセリングを受けることです。親自身がカウンセリングを受けることで、気持ちの整理ができます。抱えている感情を吐き出す場所が必要です。
家族会に参加することです。同じ悩みを持つ親と支え合う、情報交換する、孤立を防ぐなどです。理解し合える仲間がいることは心の支えになります。
健康管理をすることです。定期的に健診を受ける、適度な運動をする、バランスの良い食事、十分な睡眠など、自分の健康を優先します。親が倒れたら元も子もありません。
夫婦関係を大切にすることです。子どものことばかりでなく、夫婦の時間を作る、会話をする、協力し合う、お互いをいたわるなどです。
親自身の将来を考えることです。老後の生活、住まい、趣味、やりたいことなど、自分の人生設計も大切にします。
子どもへの愛情と自分の人生のバランスを取ることです。子どもを愛することと、自分の人生を犠牲にすることは別です。両方を大切にすることが可能です。
社会的なサポートの活用
社会的なサポートを活用することについて説明します。
相談支援事業所を活用することです。サービス等利用計画の作成、モニタリング、生活全般の相談、緊急時の対応など、包括的なサポートを受けられます。
地域生活支援拠点を活用することです。緊急時の受け入れ、相談、体験の機会などを提供する拠点です。地域によって整備状況は異なります。
基幹相談支援センターを活用することです。地域の相談支援の中核機関です。困難なケースの対応、権利擁護、地域資源の情報提供などをしてくれます。
市区町村の障害福祉課を活用することです。制度の説明、サービスの申請、相談窓口の紹介などをしてもらえます。困った時はまず行政に相談します。
社会福祉協議会を活用することです。日常生活自立支援事業、ボランティアの紹介、地域福祉活動など、様々なサポートがあります。
民生委員との関係を築くことです。地域の民生委員に家庭の状況を知ってもらうことで、いざという時に助けてもらえます。
NPO団体や当事者団体を活用することです。障害者支援のNPO、親の会、きょうだい会など、民間の支援団体も多数あります。
成年後見制度利用支援事業を活用することです。経済的に困難な場合、市区町村が成年後見制度の利用を支援してくれる制度があります。
法律相談を活用することです。相続、成年後見、虐待など、法的な問題については弁護士に相談します。法テラスで無料相談もできます。
長期的な視点を持つ
長期的な視点を持つことの重要性について説明します。
子育ては長期マラソンと理解することです。短距離走ではなく、長期マラソンです。ペース配分が重要です。全力疾走し続けると途中で倒れます。
今できることをすることです。将来のすべてを今準備することは不可能です。今できることを一つずつ積み重ねます。
完璧な準備は不可能と理解することです。どんなに準備しても、不安は残ります。完璧を目指さず、できる範囲で準備します。
制度や社会は変化すると理解することです。10年後、20年後の制度は今と違います。その時の制度を利用すればいいと考えます。
支援者は変わると理解することです。今の支援者がずっと関わるとは限りません。組織や制度でつながることを考えます。
子どもも変化すると理解することです。今できないことが、将来できるようになるかもしれません。逆に、今できることができなくなるかもしれません。柔軟に対応します。
親がすべてを解決しなくていいと理解することです。親が亡くなった後は、その時の支援者が何とかしてくれます。すべてを親が抱える必要はありません。
希望を持ち続けることです。不安や心配は尽きませんが、希望を持ち続けることが大切です。必ず道は開けます。
まとめ
障害者の子育てが終わらないことは、多くの親が抱える深刻な悩みです。
子育てが終わらない状態としては、成人しても自立できない、日常生活に手がかかる、意思決定に親が必要、通所や就労の送迎が必要、トラブル対応が続く、親が高齢になっても続く、終わりが見えない不安、きょうだいへの期待や不安などがあります。
理由としては、障害の程度や特性、自立スキルが身につかない、社会的受け入れ体制の不足、経済的自立困難、親が手を出しすぎる、本人の意欲の問題、二次障害、準備不足などがあります。
影響としては、親の身体的疲労、精神的負担、人生の制限、夫婦関係悪化、きょうだいへの影響、経済的負担、社会的孤立、親の健康悪化、8050問題、親亡き後の不安などがあります。
対処法としては、子育てを終わらせるという考え方完全な自立を目指さない、親の役割を変える、支援体制構築、親が手を引く、本人の人生を尊重、親自身の人生を取り戻す、心理的な区切り、親の役割を減らす方法本人にやらせる、訪問サービス、グループホーム、日中活動、成年後見制度、相談支援専門員、家族会、きょうだいへの配慮、親の健康優先などがあります。
親亡き後の準備、親自身のケアと人生、社会的サポートの活用、長期的な視点を持つことも重要です。
障害者の子育てが終わらないことに悩んでいる親御さんは、一人で抱え込まないでください。多くの親が同じ悩みを持っています。完璧な自立や完璧な準備を目指さず、できることを一つずつ積み重ねてください。親の役割を段階的に減らし、支援体制を構築してください。親自身の人生も大切にしてください。社会的なサポートを活用してください。長期的な視点を持ち、希望を持ち続けてください。必ず道は開けます。

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