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朝起きれないという悩みは多くの人が経験しますが、単なる怠けや意志の弱さではなく、実際に病気が原因で起きられないこともあります。
アラームを何個かけても起きられない、家族が起こしても目が覚めない、起きても身体が動かない、午前中はまったく活動できないなど、日常生活に深刻な支障をきたす状態です。
起立性調節障害、睡眠相後退症候群、ナルコレプシー、過眠症、うつ病など、様々な疾患が朝起きられない原因になります。
これらは適切な診断と治療により改善が可能ですが、周囲からは怠けていると誤解され、本人も自分を責めてしまうことが多いです。
学校や仕事に遅刻や欠席が続き、社会生活に大きな影響を及ぼします。
本記事では朝起きれない原因となる主な病気、それぞれの特徴と症状、診断方法、治療法、そして日常生活での対処法について詳しく見ていきます。
起立性調節障害
起立性調節障害ODは、自律神経の働きが悪く、立ち上がったときに脳への血流が低下して様々な症状が現れる病気です。特に思春期の子どもに多く見られますが、成人でも発症します。
主な症状は、朝起きられない、起きても頭痛やめまい、立ちくらみ、吐き気があり、午前中は調子が悪く午後から夜にかけて元気になります。
この日内変動が特徴的で、朝は全く動けないのに、夕方からは普通に活動できるため、周囲から怠けていると誤解されやすいです。
立ち上がると、動悸、息切れ、顔色が悪くなる、全身倦怠感などの症状が現れます。重症の場合、失神することもあります。
起立性調節障害は自律神経の発達が未熟なため、または自律神経のバランスが崩れるために起こります。思春期には身体の成長に自律神経の発達が追いつかないことがあります。
診断は、起立試験新起立試験で、臥位から立位になったときの血圧と脈拍の変化を測定します。典型的なパターンが見られれば診断されます。
治療は、生活習慣の改善水分と塩分の摂取、規則正しい生活、薬物療法昇圧剤、自律神経調整薬などが行われます。多くは成人になるにつれて改善しますが、適切な対応をしないと、不登校や引きこもりにつながることがあります。
睡眠相後退症候群
睡眠相後退症候群DSPSは、体内時計のリズムが後ろにずれてしまい、夜遅くまで眠れず、朝起きられない睡眠障害です。概日リズム睡眠障害の一種で、思春期から青年期に多く見られます。
典型的なパターンは、夜中の2時から3時頃まで眠れず、朝は10時から12時頃まで起きられません。無理に早く寝ようとしても眠れず、無理に早く起きようとしても起きられません。
休日など自由に寝起きできるときは、十分な睡眠が取れて問題なく活動できます。しかし平日に学校や仕事に間に合う時間に起きることができず、遅刻や欠席が続きます。
睡眠相後退症候群は、体内時計が遅い時刻に固定されてしまった状態です。夜型の生活習慣、遺伝的要因、光の環境などが関係していると考えられています。
診断は、睡眠日誌を2週間以上つけ、睡眠のパターンを記録します。また睡眠ポリグラフ検査や活動量計による評価が行われることもあります。
治療は、光療法朝に強い光を浴びる、時間療法徐々に就寝時刻を早める、メラトニン受容体作動薬夜に服用して睡眠を促すなどが行われます。
生活習慣の改善も重要で、朝日を浴びる、夜の強い光を避ける、規則正しい生活を送ることが効果的です。
ただし治療には時間がかかり、数ヶ月から数年かかることもあります。
また体内時計の傾向は変わりにくく、油断すると再び後退してしまうため、継続的な管理が必要です。
ナルコレプシー
ナルコレプシーは日中に突然強い眠気に襲われ、居眠りを繰り返す睡眠障害です。夜間に十分睡眠を取っていても、日中に抗いがたい眠気が生じます。
主な症状は、日中の過度な眠気で、会議中、運転中、会話中など、どのような状況でも突然眠ってしまいます。
居眠りは通常10分から20分程度で、目覚めた直後はすっきりしますが、数時間後にまた眠気が襲います。
情動脱力発作カタプレキシーも特徴的な症状です。笑う、驚く、怒るなどの強い感情により、突然全身または部分的に力が抜けてしまいます。膝から崩れ落ちる、顔の筋肉が弛緩するなどの症状が現れます。
また入眠時幻覚眠りに入るときに生々しい幻覚を見る、睡眠麻痺金縛り、夜間の睡眠の分断なども見られます。
ナルコレプシーは、覚醒を維持する脳内物質であるオレキシンヒポクレチンの欠乏が原因です。自己免疫的なメカニズムが関与していると考えられています。
診断は、睡眠ポリグラフ検査と反復睡眠潜時検査MSLTで行われます。夜間の睡眠を記録した後、日中に4回から5回の昼寝の機会を与え、入眠までの時間とレム睡眠の出現を調べます。
治療は、覚醒を促進する薬モダフィニル、メチルフェニデートなど、情動脱力発作に対する薬抗うつ薬の一部などが使用されます。また規則的な短時間の昼寝を計画的に取ることも有効です。
ナルコレプシーは生涯続く病気ですが、適切な治療により症状をコントロールし、普通の生活を送ることは可能です。
特発性過眠症
特発性過眠症は、夜間に十分な睡眠を取っているにもかかわらず、日中に強い眠気があり、長時間眠ってしまう睡眠障害です。ナルコレプシーと似ていますが、情動脱力発作はありません。
主な症状は、日中の過度な眠気で、一度眠ると1時間以上、ときには数時間眠り続けます。目覚めた後も、すっきりせず、ぼんやりした状態睡眠酩酊が続きます。
夜間の睡眠時間も長く、10時間以上眠ることが多いです。それでも日中に眠気があり、昼寝をしてしまいます。アラームで起こされても、すぐには覚醒できず、朝起きることが非常に困難です。
原因は明確にはわかっていませんが、覚醒と睡眠を調整する脳の機能に問題があると考えられています。
診断は、睡眠ポリグラフ検査と反復睡眠潜時検査で行われます。ナルコレプシーと区別するため、詳しい検査が必要です。
治療は、覚醒を促進する薬が使用されます。また生活習慣の調整、計画的な昼寝なども推奨されます。
特発性過眠症もナルコレプシーと同様、長期的な管理が必要な病気ですが、適切な治療により日常生活を送ることは可能です。
うつ病
うつ病では、睡眠障害が主要な症状の一つで、朝早く目が覚めてしまう早朝覚醒が典型的ですが、逆に過眠朝起きられない、日中も眠いという症状が現れることもあります。
特に非定型うつ病では、過眠と過食が特徴的です。10時間以上眠っても眠く、朝起きることができません。午前中は特に気分が重く、身体が鉛のように重く感じられます。
うつ病では、意欲の低下、興味の喪失、気分の落ち込み、疲労感などの症状があります。朝起きられないのは、単に睡眠の問題だけでなく、うつ病による意欲の低下や疲労感が関係しています。
また季節性うつ病冬季うつ病でも過眠が見られます。日照時間が短い秋から冬にかけて、気分の落ち込みと共に、過眠、過食、体重増加などの症状が現れます。
うつ病の診断は、精神科医による詳細な問診で行われます。睡眠障害だけでなく、気分や意欲の状態、他の症状も総合的に評価されます。
治療は、抗うつ薬による薬物療法と、認知行動療法などの心理療法が中心です。睡眠障害に対しても、生活リズムの調整、光療法などが有効です。
うつ病による朝起きられない状態は、うつ病そのものの治療により改善します。
睡眠時無呼吸症候群
睡眠時無呼吸症候群SASは、睡眠中に呼吸が止まったり浅くなったりする病気です。夜間の睡眠の質が悪いため、日中に強い眠気があり、朝もすっきりと目覚められません。
典型的な症状は、大きないびき、睡眠中の呼吸停止家族が気づくことが多い、日中の強い眠気、朝起きたときの頭痛や口の渇き、熟睡感がないなどです。
肥満、首が太い、下顎が小さいなどの身体的特徴がある人に多く見られます。中高年の男性に多いですが、女性や若い人でも発症します。
睡眠時無呼吸症候群では、睡眠中に何度も覚醒するため、深い睡眠が得られず、朝起きても疲れが取れていません。そのため朝起きることが困難で、日中も眠気が続きます。
また放置すると、高血圧、心臓病、脳卒中、糖尿病などのリスクが高まります。日中の眠気による事故のリスクも高いです。
診断は、睡眠ポリグラフ検査で、睡眠中の呼吸、酸素飽和度、脳波などを記録します。無呼吸低呼吸指数AHIで重症度を判定します。
治療は、CPAP療法持続陽圧呼吸療法が標準的で、睡眠中にマスクを装着し、空気を送り込んで気道を開く方法です。また減量、側臥位での睡眠、歯科装具マウスピースなども有効です。
CPAP療法を始めると、多くの人が劇的に症状が改善し、朝すっきり起きられるようになります。
慢性疲労症候群
慢性疲労症候群ME/CFSは、原因不明の強い疲労が長期間続く病気で、休息しても改善しない極度の疲労が特徴です。睡眠障害も主要な症状の一つで、何時間寝ても疲れが取れません。
朝起きることが非常に困難で、起きても全く回復感がなく、むしろ疲労が増しています。睡眠の質が悪く、眠りが浅い、頻繁に目が覚めるなどの問題があります。
また軽労作後の消耗感PEMがあり、わずかな活動の後に症状が劇的に悪化し、数日から数週間も寝たきりになることがあります。
その他、頭痛、筋肉痛、関節痛、認知機能の低下、起立性の症状なども見られます。
慢性疲労症候群の原因は完全には解明されていませんが、免疫系の異常、神経系の機能不全、エネルギー代謝の障害などが関係していると考えられています。
診断は、他の疾患を除外した上で、症状の基準を満たすかどうかで判断されます。特異的な検査はありません。
治療は対症療法が中心で、症状を管理し、生活の質を改善することを目指します。無理をせず、ペーシング自分のエネルギーの範囲内で活動することが重要です。
慢性疲労症候群では、朝起きられないことは怠けではなく、病気の症状です。周囲の理解と適切な支援が必要です。
甲状腺機能低下症
甲状腺機能低下症は、甲状腺ホルモンの分泌が不足する病気で、全身の代謝が低下します。主な症状は、疲労感、倦怠感、無気力、眠気、寒がり、体重増加、便秘、皮膚の乾燥などです。
眠気が強く、日中も眠く、朝起きることが困難になります。十分な睡眠を取っても疲れが取れず、常に眠い状態が続きます。
また思考や動作が緩慢になり、記憶力や集中力が低下します。気分の落ち込みも見られ、うつ病と間違われることもあります。
甲状腺機能低下症は、自己免疫疾患橋本病、甲状腺の手術や放射線治療の後遺症、ヨウ素不足などが原因で起こります。
診断は、血液検査で甲状腺ホルモンTSH、Free T4などを測定します。TSHが高く、Free T4が低ければ、甲状腺機能低下症と診断されます。
治療は、甲状腺ホルモン製剤の補充療法です。毎日薬を服用することで、不足しているホルモンを補います。適切な量に調整されると、症状は改善し、朝も起きられるようになります。
甲状腺機能低下症は見逃されやすい病気ですが、血液検査で容易に診断でき、治療も効果的です。朝起きられない、眠気が強いなどの症状がある場合は、検査を受けることをおすすめします。
鉄欠乏性貧血
鉄欠乏性貧血は、体内の鉄が不足し、ヘモグロビンが減少して起こる貧血です。主な症状は、疲労感、倦怠感、息切れ、動悸、めまい、頭痛、顔色が悪いなどです。
また眠気や朝起きられないという症状も見られます。身体に十分な酸素が運ばれないため、疲れやすく、エネルギーが不足します。
女性に多く、月経による出血、妊娠、授乳、ダイエットによる栄養不足などが原因になります。また消化管出血による鉄の喪失も原因になります。
診断は、血液検査でヘモグロビン、血清鉄、フェリチンなどを測定します。ヘモグロビンが低く、血清鉄やフェリチンも低ければ、鉄欠乏性貧血と診断されます。
治療は、鉄剤の補充が基本です。経口の鉄剤を数ヶ月間服用します。また鉄分の多い食事レバー、赤身の肉、ほうれん草などを摂ることも推奨されます。
原因となる出血がある場合は、その治療も必要です。消化管出血、月経過多などの原因を特定し、対処します。
鉄欠乏性貧血は適切な治療により改善し、疲労感や眠気も軽減され、朝起きやすくなります。
生活習慣の問題
病気ではなく、生活習慣の問題で朝起きられないこともあります。夜更かし、不規則な生活、運動不足、食生活の乱れなどが原因です。
夜遅くまでスマートフォンやパソコンを使うと、ブルーライトの影響で睡眠ホルモンメラトニンの分泌が抑制され、眠りにくくなります。
カフェインやアルコールの過剰摂取も睡眠の質を悪化させます。特に夕方以降のカフェイン、寝る前のアルコールは避けるべきです。
運動不足も睡眠の質に影響します。適度な運動は良い睡眠を促しますが、寝る直前の激しい運動は逆効果です。
また休日の寝だめ、昼寝のしすぎも体内時計を乱します。平日と休日で睡眠時刻が大きくずれると、社会的時差ぼけの状態になります。
生活習慣の改善により、朝起きやすくなることも多いです。規則正しい生活、朝日を浴びる、適度な運動、バランスの取れた食事、寝る前のリラックス、スマートフォンの使用を控えるなどが効果的です。
ただし生活習慣を改善しても朝起きられない場合は、病気の可能性を考え、医療機関を受診することが重要です。
受診するタイミング
朝起きられないことで日常生活に支障をきたしている場合は、医療機関を受診することを検討しましょう。遅刻や欠席が続く、仕事や学業に影響が出ている、生活の質が低下しているなどの状況です。
また生活習慣を改善しても症状が改善しない、日中も強い眠気がある、居眠りを繰り返す、夜間の睡眠中に呼吸が止まる、疲労感が強い、気分の落ち込みがあるなどの症状がある場合も受診が必要です。
受診先は、睡眠障害が疑われる場合は睡眠外来や睡眠障害を専門とする医療機関、精神的な問題が疑われる場合は精神科や心療内科、身体的な問題が疑われる場合はまずかかりつけ医や内科が適切です。
睡眠日誌をつけておくと、診断に役立ちます。就寝時刻、起床時刻、睡眠の質、日中の眠気などを2週間程度記録しましょう。
家族にも同行してもらい、睡眠中のいびきや呼吸停止、朝の様子などを伝えてもらうことも有用です。
早期に適切な診断と治療を受けることで、症状は改善し、生活の質を取り戻すことができます。一人で悩まず、専門家に相談しましょう。
まとめ
朝起きられない症状は怠けではなく、様々な病気が原因で起こることがあります。
起立性調節障害や睡眠相後退症候群、ナルコレプシー、特発性過眠症、うつ病、睡眠時無呼吸症候群、慢性疲労症候群、甲状腺機能低下症、鉄欠乏性貧血などが代表的です。
生活習慣の乱れも原因になりますが、改善しても治らない場合は注意が必要です。
日常生活に支障がある、日中の強い眠気が続く場合は、睡眠外来や内科、精神科などの受診が勧められます。早期に診断と治療を受けることで、症状改善と生活の質向上が期待できます。

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