円覚寺は神奈川県鎌倉市山ノ内に位置する臨済宗円覚寺派の大本山です。弘安5年(1282年)に鎌倉幕府第8代執権北条時宗が創建した、鎌倉五山第二位の格式高い禅寺です。元寇の戦没者を弔うために建てられ、開山は中国から招かれた無学祖元(むがくそげん)禅師です。国宝の舎利殿や梵鐘、重要文化財の建造物が多数残り、鎌倉時代の禅宗文化を今に伝えています。四季折々の自然が美しく、特に紅葉の名所として知られています。坐禅会も定期的に開催され、禅の精神を体験できる場所です。この記事では円覚寺の歴史、見どころ、参拝方法、アクセスなど詳しく解説します。
円覚寺の基本情報
正式名称
正式名称は瑞鹿山円覚興聖禅寺(ずいろくさんえんがくこうしょうぜんじ)です。通称は円覚寺です。
所在地
神奈川県鎌倉市山ノ内409に位置します。JR横須賀線北鎌倉駅から徒歩約1分です。駅を出てすぐの場所にあります。
宗派
臨済宗円覚寺派の大本山です。全国に末寺を持つ禅宗の中心寺院です。
創建と開山
弘安5年(1282年)に北条時宗が創建しました。開山は無学祖元(仏光国師)です。約740年の歴史を持ちます。
本尊
本尊は宝冠釈迦如来です。仏殿に安置されています。
鎌倉五山
鎌倉五山第二位に列せられます。建長寺に次ぐ格式です。臨済宗の重要寺院です。
歴史的背景
創建の経緯
弘安4年(1281年)の元寇(弘安の役)で多くの日本と元の戦没者が出ました。北条時宗はこれらの霊を弔うために寺院の建立を発願しました。翌年、無学祖元を開山として円覚寺を創建しました。
無学祖元
無学祖元は中国宋代の高僧です。元の侵攻により日本に亡命しました。北条時宗に招かれて円覚寺の開山となりました。厳格な禅風で知られました。日本の禅宗発展に大きく貢献しました。
鎌倉時代の隆盛
北条氏の庇護を受けて栄えました。多くの塔頭が建てられました。鎌倉幕府の重要な禅寺として機能しました。武士や民衆の信仰を集めました。
火災と再建
室町時代以降、何度も火災に遭いました。多くの建物が焼失しました。その都度再建されてきました。現存する建物の多くは江戸時代以降のものです。
関東大震災
大正12年(1923年)の関東大震災で大きな被害を受けました。仏殿などが倒壊しました。昭和期に再建されました。
現代の円覚寺
禅の修行道場として機能し続けています。一般向けの坐禅会も開催されています。鎌倉を代表する観光寺院でもあります。多くの参拝者や観光客が訪れます。
境内の見どころ
総門
北鎌倉駅のすぐ前にある入口の門です。ここから境内が始まります。左右に仁王像が安置されています。
山門(三門)
境内に入って最初に見える大きな門です。三解脱門とも呼ばれます。楼上には十一面観音、十六羅漢などが安置されています。江戸時代の建築です。堂々とした姿が印象的です。
仏殿(大光明宝殿)
本尊の宝冠釈迦如来を安置する建物です。昭和39年に再建された鉄筋コンクリート造りです。内部には本尊と白衣観音像が祀られています。天井には白龍の図が描かれています。
方丈(龍隠庵)
住職の居室です。江戸時代の建築です。美しい庭園があります。方丈の縁側から庭を眺めることができます。静かで落ち着いた空間です。
選仏場
坐禅を行う建物です。修行僧が坐禅する場所です。一般向けの坐禅会もここで行われます。静謐な雰囲気があります。
居士林
在家の人が参禅する道場です。一般向けの坐禅会が開催されます。日曜説教会も行われます。禅を体験したい人が訪れます。
舎利殿(国宝)
円覚寺最大の見どころです。鎌倉時代の禅宗様建築の代表作です。国宝に指定されています。仏舎利(お釈迦様の遺骨)を安置する建物です。通常は非公開ですが、正月や特別公開時に拝観できます。精巧な禅宗様式の建築美が見事です。
梵鐘(国宝)
北条時宗が寄進した梵鐘です。鎌倉時代の作です。国宝に指定されています。高さ約2.6メートル、直径約1.4メートルの大きな鐘です。関東最大級の梵鐘です。美しい音色で知られます。弁天堂の近くの鐘楼に吊るされています。
弁天堂
洪鐘弁財天を祀るお堂です。梵鐘の近くにあります。江の島弁財天の分身とされます。
黄梅院
塔頭寺院の一つです。夢窓疎石が住したと伝えられます。庭園が美しいです。通常非公開ですが特別公開されることがあります。
佛日庵
北条時宗を祀る塔頭です。時宗の廟所があります。拝観料が必要です(100円程度)。抹茶をいただくこともできます(500円程度)。落ち着いた雰囲気です。
正続院
塔頭寺院です。美しい庭園があります。通常非公開です。
如意庵
塔頭寺院です。通常非公開です。
境内の自然
広大な境内は自然に囲まれています。四季折々の花が楽しめます。春の桜、初夏の新緑、秋の紅葉が特に美しいです。苔むした石段や木々が風情を添えます。
妙香池
仏殿の前にある池です。開山堂に続く道の途中にあります。静かで趣があります。
ご利益と信仰
心の平安
禅寺として心の平安を求める人が訪れます。坐禅を通じて自己を見つめます。精神の安定を得られます。
学業成就
学問の場でもあったことから学業成就のご利益があるとされます。受験生も訪れます。
厄除け
災厄を祓うご利益があります。厄年の方が参拝します。
家内安全
家族の健康と平安を祈願します。
諸願成就
様々な願いを叶える寺として信仰されています。
年中行事
初詣(1月1日から3日)
正月三が日は多くの初詣客で賑わいます。国宝舎利殿の特別公開が行われます。
節分会(2月3日)
豆まきが行われます。福豆が撒かれます。
花まつり(4月8日)
お釈迦様の誕生を祝う法要です。甘茶がふるまわれます。
開山忌(9月)
開山無学祖元禅師の命日の法要です。重要な行事です。
宝物風入(11月)
宝物が虫干しを兼ねて公開されます。通常見られない文化財が見られる貴重な機会です。
紅葉シーズン(11月下旬から12月上旬)
境内の紅葉が見頃を迎えます。多くの観光客が訪れます。ライトアップは行われませんが美しい景色が楽しめます。
除夜の鐘(12月31日)
大晦日の夜に梵鐘が撞かれます。国宝の鐘の音色を聞くことができます。
坐禅会
日曜説教坐禅会
毎週日曜日の早朝に行われます。午前6時から坐禅、その後法話があります。初心者でも参加できます。予約不要です。無料です。
居士林の坐禅会
一般向けの坐禅会が定期的に開催されます。初心者向けの指導もあります。詳細は公式サイトで確認できます。
坐禅の心得
静かに坐ります。呼吸に意識を向けます。無になることを目指します。初心者は足が痛くなりますが無理をしません。
拝観情報
拝観時間
3月から11月は午前8時から午後16時30分です。12月から2月は午前8時から午後16時です。年中無休です。
拝観料
大人500円、小中学生200円です。境内の拝観料です。佛日庵など一部の塔頭は別途拝観料が必要です。
国宝舎利殿の公開
通常は非公開です。正月三が日とゴールデンウィークなどに特別公開されます。公開日は事前に確認が必要です。
宝物風入
11月3日の文化の日を中心に開催されます。通常非公開の宝物が見られます。別途料金が必要な場合があります。
参拝方法とマナー
基本的な参拝作法
総門で一礼します。山門をくぐります。仏殿で本尊を拝みます。合掌して静かに礼拝します。お寺なので柏手は打ちません。境内を静かに散策します。
禅寺でのマナー
静かに過ごします。大声で話しません。携帯電話はマナーモードにします。修行の場であることを忘れません。写真撮影は可能ですが節度を持ちます。
写真撮影
境内での撮影は基本的に可能です。建物内部は撮影禁止の場合があります。他の参拝者の迷惑にならないよう配慮します。
おすすめの参拝ルート
標準コース
総門から入ります。山門を見上げます。仏殿で参拝します。選仏場を見ます。方丈と庭園を拝観します。弁天堂と国宝梵鐘を見ます。境内を散策します。所要時間は40分から1時間です。
じっくりコース
標準コースに加えて佛日庵を拝観します。抹茶をいただきます。各塔頭を見て回ります。ゆっくり庭園を眺めます。所要時間は1時間半から2時間です。
特別公開時のコース
国宝舎利殿が公開されているときは必ず見学します。宝物風入の時期は宝物も鑑賞します。貴重な機会を活かします。所要時間は2時間以上です。
北鎌倉散策コース
円覚寺参拝後、北鎌倉の他の寺院を巡ります。東慶寺、浄智寺、建長寺など。禅寺巡りが楽しめます。半日から1日のコースです。
アクセス方法
電車でのアクセス
JR横須賀線北鎌倉駅下車徒歩約1分です。駅を出てすぐ目の前です。最もアクセスが良い鎌倉の寺院の一つです。東京方面からは横須賀線で約1時間です。
徒歩でのアクセス
鎌倉駅から徒歩約20分です。建長寺、鶴岡八幡宮を経由して歩くこともできます。散策を楽しみながら行けます。
自動車でのアクセス
横浜横須賀道路朝比奈ICから約15分です。駐車場は寺の駐車場があります(有料、普通車600円程度)。休日は混雑します。公共交通機関の利用がおすすめです。
周辺の観光スポット
東慶寺
円覚寺から徒歩約3分です。かつての駆け込み寺、縁切り寺として知られます。花の寺としても有名です。四季折々の花が美しいです。
浄智寺
円覚寺から徒歩約7分です。鎌倉五山第四位の寺院です。苔むした参道が趣があります。布袋尊像のお腹を撫でると福が来ると言われます。
建長寺
円覚寺から徒歩約15分です。鎌倉五山第一位の寺院です。日本最古の禅寺です。広大な境内が見事です。
明月院
円覚寺から徒歩約10分です。あじさい寺として有名です。6月は多くの観光客で賑わいます。丸窓から見る庭園が美しいです。
鶴岡八幡宮
鎌倉を代表する神社です。円覚寺から徒歩約20分です。鎌倉観光の中心地です。
参拝のベストシーズン
春
桜が美しい季節です。新緑も清々しいです。気候が良く参拝しやすいです。
初夏
緑が濃くなります。紫陽花も楽しめます。比較的空いています。
秋
紅葉が見事です。11月下旬から12月上旬が見頃です。円覚寺の紅葉は鎌倉屈指の美しさです。最も混雑するシーズンです。
冬
初詣は混雑します。舎利殿の特別公開があります。それ以外は静かです。凛とした禅寺の雰囲気が味わえます。
参拝時の注意点
参拝時間
午前8時から午後16時から16時30分です。早めの時間帯が空いています。閉門時間に注意します。
所要時間
通常の参拝なら40分から1時間です。じっくり見るなら1時間半から2時間です。坐禅会に参加するなら追加で1時間程度です。
混雑状況
紅葉シーズンは大変混雑します。正月も混みます。平日の午前中が比較的空いています。早朝の坐禅会の時間は静かです。
服装
特別な服装は不要ですが清潔感のある服装が望ましいです。坐禅会に参加する場合は動きやすい服装が良いです。歩きやすい靴が推奨されます。
拝観マナー
禅寺であることを意識します。静かに過ごします。修行の場への敬意を持ちます。
まとめ
円覚寺は弘安5年(1282年)に北条時宗が元寇の戦没者を弔うために創建した鎌倉五山第二位の格式高い禅寺です。開山は無学祖元禅師で、約740年の歴史を持ちます。
臨済宗円覚寺派の大本山として全国に末寺を持ち、禅の修行道場として機能し続けています。
国宝の舎利殿と梵鐘、重要文化財の建造物が多数あり、鎌倉時代の禅宗文化を今に伝えています。特に舎利殿は禅宗様建築の代表作として貴重です。
山門、仏殿、方丈、選仏場、弁天堂、佛日庵など見どころが豊富です。境内は自然に囲まれ、四季折々の美しさがあります。特に秋の紅葉は見事です。
北鎌倉駅から徒歩約1分と抜群のアクセスです。東慶寺、浄智寺、建長寺など周辺の禅寺巡りも楽しめます。
一般向けの坐禅会も開催され、禅を体験できます。心の平安を求める人、歴史と文化に触れたい人、紅葉を楽しみたい人、禅の精神を学びたい人。多くの人に愛される円覚寺は、鎌倉を代表する禅の聖地です。静かな境内で心を落ち着け、禅の世界に触れてみてください。

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