「日光を見ずして結構と言うなかれ」江戸時代からそう言われてきた日光東照宮は、徳川家康公を祀る日本を代表する神社であり、世界遺産にも登録された豪華絢爛な社殿が魅力です。本記事では、日光東照宮の歴史と由来、見どころ満載の社殿、有名な「三猿」「眠り猫」などの彫刻、正しい参拝方法、アクセス方法、周辺観光スポット、参拝に適した時期や服装まで、日光東照宮参拝の全てを詳しく解説します。
豪華な装飾と精緻な彫刻、そして深い歴史に彩られた日光東照宮は、訪れる人に圧倒的な感動を与えます。初めて訪れる方も、何度目かの方も、この記事を読めば日光東照宮の魅力と参拝のポイントが理解でき、より充実した参拝ができるでしょう。
日光東照宮とは
まず、日光東照宮の基本情報を理解しましょう。
基本情報
正式名称
日光東照宮(にっこうとうしょうぐう)
所在地
栃木県日光市山内2301
祭神
- 東照大権現(とうしょうだいごんげん)=徳川家康公
- 相殿 豊臣秀吉公、源頼朝公
創建
元和3年(1617年)
特徴
- 徳川家康公を神として祀る
- 世界遺産「日光の社寺」の一部(1999年登録)
- 国宝8棟、重要文化財34棟
- 豪華絢爛な建築と彫刻
- 陽明門、三猿、眠り猫などが有名
- パワースポットとしても人気
社格
旧別格官幣社、別表神社
日光東照宮の歴史
日光東照宮の歴史を知ることで、参拝がより深いものになります。
徳川家康と日光
徳川家康(1543-1616)
- 江戸幕府初代将軍
- 天下統一を成し遂げた
- 元和2年(1616年)4月17日、駿府城で死去(75歳)
遺言
家康は死に際し、「遺体は久能山に葬り、一周忌が過ぎたら日光山に小さな堂を建てて勧請せよ。八州(関東)の鎮守となろう」と遺言したとされます。
創建
元和3年(1617年)
- 2代将軍・徳川秀忠が家康の遺言に従い、日光に社殿を造営
- 4月17日、家康の一周忌に遷座
- 当初は質素な社殿
寛永の大造替
3代将軍・徳川家光による大改修
- 寛永11年(1634年)から約1年半
- 現在見られる豪華絢爛な社殿に造り替え
- 総工費 銀100貫(現在の価値で約400億円)
- 延べ人数 約454万人
- 当時の最高技術を結集
なぜ豪華に?
- 家康への敬愛と感謝
- 徳川幕府の権威の象徴
- 全国の大名に造営を命じることで、経済的に疲弊させ、謀反を防ぐ
世界遺産登録
1999年12月
「日光の社寺」として世界遺産に登録
- 日光東照宮
- 日光二荒山神社
- 日光山輪王寺
境内の見どころ
日光東照宮は見どころが非常に多い神社です。主な見どころを紹介します。
1. 石鳥居
最初の鳥居
- 表参道の入口
- 高さ9.2m
- 黒田長政(福岡藩主)が奉納
2. 五重塔
高さ35.09m
- 慶安3年(1650年)建立
- 若狭の国(福井県)小浜藩主・酒井忠勝が奉納
- 文化12年(1815年)焼失後、再建
- 心柱が地面から浮いている構造(制振装置)
- 初層内部には十二支の彫刻
3. 表門(仁王門)
最初の門
- 左右に仁王像(金剛力士像)
- 運慶作と伝わる
4. 三神庫(さんじんこ)
上神庫・中神庫・下神庫
- 宝物や祭具を収める倉庫
- 重要文化財
上神庫の「想像の象」
- 狩野探幽下絵と伝わる象の彫刻
- 当時の日本人は象を見たことがなかったため「想像の象」
5. 神厩舎(しんきゅうしゃ)と「三猿」
神馬をつなぐ厩舎
- 唯一の素木(しらき)造り(彩色なし)
「見ざる、言わざる、聞かざる」の三猿
- 神厩舎の長押上の彫刻
- 猿の一生を通じて人間の生き方を説く8面の物語
- 三猿はその中の一場面(幼少期の教え)
- 日光東照宮で最も有名な彫刻
6. 御水舎(おみずや)
手水舎
- 柱に龍の彫刻
7. 輪蔵(りんぞう)
経典を納める建物
- 重要文化財
8. 鼓楼・鐘楼
時を告げる建物
- 鼓楼 太鼓
- 鐘楼 鐘
9. 陽明門(ようめいもん)
日光東照宮で最も有名な門
- 国宝
- 高さ11.1m
- 「日暮御門(ひぐらしごもん)」とも呼ばれる →一日中見ていても飽きないほど美しいという意味
- 508の彫刻で埋め尽くされる
- 彫刻 龍、麒麟、唐獅子、中国の故事など
- 金箔、極彩色
魔除けの逆柱
- 12本の柱のうち1本だけ、グリ紋(渦巻き模様)が逆
- 「建物は完成した瞬間から崩壊が始まる」という思想から、わざと未完成にする魔除け
10. 唐門(からもん)
本殿への入口
- 国宝
- 全面に彫刻と装飾
- 許可された者のみが通れた門
11. 本殿・拝殿・石の間
国宝
- 拝殿 参拝者が拝む場所
- 石の間 拝殿と本殿をつなぐ
- 本殿 御神体を安置
権現造(ごんげんづくり)
- 拝殿と本殿を石の間でつなぐ建築様式
- 日光東照宮が発祥
12. 坂下門
本社から奥宮への途中
13. 眠り猫(ねむりねこ)
坂下門の上の彫刻
- 左甚五郎作と伝わる
- 平和の象徴(猫も眠るほど平和な世)
- 裏側には雀の彫刻(猫がいるのに雀が安心して遊んでいる=平和)
14. 奥宮(おくみや)
徳川家康公の墓所
- 坂下門から石段207段
- 宝塔(ほうとう)の下に家康公の遺骨
- 鋳抜門(いぬきもん) 唐銅製の門
15. 鳴龍(なきりゅう)
本地堂(薬師堂)の天井画
- 龍の絵の下で拍子木を打つと、共鳴して鳴き声のように聞こえる
- 音響効果
16. その他の彫刻
麒麟(きりん)
- 陽明門などに
唐獅子(からじし)
- 各所に
龍
- 各所に
狩野派の絵画
- 陽明門周辺など
正しい参拝方法
日光東照宮の正しい参拝方法を知りましょう。
参拝の順路
推奨ルート
- 石鳥居
- 五重塔
- 表門(仁王門)
- 三神庫
- 神厩舎(三猿)
- 御水舎(手水)
- 輪蔵
- 鼓楼・鐘楼
- 陽明門
- 唐門
- 本殿・拝殿
- 坂下門
- 眠り猫
- 奥宮
手水の作法
御水舎での清め方
- 右手で柄杓を持ち、左手を清める
- 左手に柄杓を持ち替え、右手を清める
- 再び右手に柄杓を持ち、左手に水を受けて口をすすぐ
- 口をつけた左手を清める
- 柄杓を立てて、柄に水を流して清める
- 柄杓を元に戻す
参拝の作法
二拝二拍手一拝
- お賽銭を入れる
- 鈴を鳴らす
- 深く二回礼をする(二拝)
- 胸の高さで二回拍手(二拍手)
- 手を合わせて祈る
- 深く一回礼をする(一拝)
拝観料
個人
- 大人・高校生 1,300円
- 小・中学生 450円
セット券(東照宮+宝物館)
- 大人・高校生 2,100円
- 小・中学生 770円
御朱印・御守り
御朱印
拝受場所
- 拝殿横の授与所
初穂料
- 500円
種類
- 通常の御朱印
- 期間限定の特別御朱印(不定期)
御守り
種類
- 開運守
- 厄除守
- 学業成就守
- 交通安全守
- 病気平癒守
- 縁結び守
- その他多数
人気の御守り
- 叶鈴(かなうすず) 願いが叶う鈴守り
- 勝守(かちまもり) 徳川家康公にちなんだ勝負運の御守り
初穂料
- 500円〜1,500円程度
パワースポット
日光東照宮はパワースポットとしても有名です。
1. 本殿周辺
最強のパワースポット
- 徳川家康公の御神徳
- 勝負運、仕事運、出世運
2. 奥宮
家康公の墓所
- 強力な龍穴(風水の吉相地)
- 北極星の真下に位置するとされる
3. 陽明門
美と調和のパワー
- 見るだけでパワーをもらえる
4. 三猿
人生の教訓
- 「見ざる、言わざる、聞かざる」の教え
5. 眠り猫
平和と安らぎ
6. 北辰の道
江戸城から日光東照宮を結ぶ直線
- 江戸城の真北に日光東照宮
- 風水に基づく配置
周辺の見どころ
日光東照宮周辺にも見どころが多数あります。
日光二荒山神社(ふたらさんじんじゃ)
世界遺産
- 日光東照宮のすぐ隣
- 縁結びの神社
- 徒歩約5分
日光山輪王寺(りんのうじ)
世界遺産
- 天台宗の門跡寺院
- 三仏堂(さんぶつどう) 日光山最大の木造建築
- 大護摩堂、逍遥園など
- 徒歩約5分
神橋(しんきょう)
日本三奇橋の一つ
- 世界遺産
- 大谷川にかかる朱塗りの美しい橋
- 長さ28m、幅7.4m、高さ10.6m
- 日光東照宮から徒歩約10分
華厳の滝(けごんのたき)
日本三名瀑の一つ
- 高さ97m
- 中禅寺湖の水が流れ落ちる
- エレベーターで滝壺近くまで
- 日光東照宮から車・バスで約30分
中禅寺湖(ちゅうぜんじこ)
標高1,269mの湖
- 周囲約25km
- 遊覧船、ボート
- 日光東照宮から車・バスで約30分
いろは坂
日光を代表する観光道路
- 48のカーブ(いろは48文字)
- 紅葉の名所
アクセス方法
日光東照宮へのアクセス方法を紹介します。
電車
東京方面から
①東武鉄道(おすすめ)
- 浅草駅→東武日光駅
- 特急「スペーシアX」「リバティ」 約1時間50分
- 快速 約2時間10分
②JR
- 新宿駅→(JR湘南新宿ライン)→日光駅 約2時間
最寄り駅から東照宮まで
- 東武日光駅またはJR日光駅から
- 徒歩 約30分(上り坂)
- バス 東武バス「世界遺産めぐり循環バス」約10分、「西参道」下車すぐ
- タクシー 約5分
バス
東京駅から
- JRバス「日光号」
- 約2時間30分
- 東照宮近くまで
車
高速道路
- 東北自動車道「宇都宮IC」→日光宇都宮道路「日光IC」→約5分
- 東京から約2時間30分
駐車場
- 日光東照宮周辺に有料駐車場多数
- 料金 500円〜1,000円/日
参拝に適した時期
四季の魅力
春(4月〜5月)
- 桜
- 新緑
- 比較的空いている
夏(6月〜8月)
- 深緑
- 涼しい(東京より5℃低い)
- 避暑地として人気
秋(10月〜11月)
- 紅葉の名所
- 最も美しい時期
- 最も混雑
- 紅葉の見頃 10月中旬〜11月上旬
冬(12月〜3月)
- 雪景色
- 空気が澄んで美しい
- 最も空いている
- 寒さ対策必須
避けた方が良い時期
- ゴールデンウィーク 非常に混雑
- 紅葉シーズンの週末 非常に混雑
- 年末年始 混雑
おすすめ時期
- 平日(特に紅葉シーズン以外)
- 春(4月〜5月) 桜、新緑が美しく、比較的空いている
- 冬(12月〜3月) 雪景色が美しく、最も空いている
参拝の所要時間
東照宮のみ
- 約2時間〜3時間
東照宮+二荒山神社+輪王寺
- 約4時間〜5時間
東照宮+周辺観光(華厳の滝、中禅寺湖など)
- 1日
服装・持ち物
服装
基本
- 歩きやすい靴(石段が多い)
- 動きやすい服装
季節別
- 春・秋 長袖、羽織るもの(朝晩冷える)
- 夏 涼しい服装(東京より5℃低い)、日焼け対策
- 冬 厚手の防寒着、手袋、マフラー(非常に寒い)
持ち物
- 御朱印帳(御朱印を受ける方)
- カメラ
- 飲み物
- 雨具(折りたたみ傘)
- 小銭(拝観料、バス代など)
- 地図・ガイドブック
よくある質問
Q1 拝観料はいくらですか?
大人・高校生1,300円、小・中学生450円です。
Q2 所要時間はどれくらいですか?
東照宮のみで約2〜3時間、周辺の二荒山神社や輪王寺も含めると4〜5時間です。
Q3 写真撮影はできますか?
境内は撮影可能です。ただし、本殿内部など一部撮影禁止の場所があります。
Q4 ペット同伴は可能ですか?
不可です。盲導犬・介助犬は可。
Q5 車椅子でも参拝できますか?
可能ですが、石段が多いため一部困難な場所があります。介助者と一緒が望ましいです。
Q6 紅葉の見頃はいつですか?
10月中旬〜11月上旬が見頃です。この時期は非常に混雑します。
Q7 冬は雪が積もりますか?
積もります。12月〜3月は雪景色が美しいですが、滑りやすいので注意が必要です。
Q8 日帰りできますか?
東京から日帰り可能です。ただし、じっくり見るなら1泊がおすすめです。
まとめ
日光東照宮は、徳川家康公を祀る豪華絢爛な社殿が魅力の、日本を代表する神社です。世界遺産にも登録され、国宝8棟、重要文化財34棟を有し、陽明門、三猿、眠り猫などの有名な彫刻が訪れる人を魅了します。
参拝のポイント
- 見どころが多い 陽明門、三猿、眠り猫、奥宮など
- 所要時間 東照宮のみで約2〜3時間
- 拝観料 大人1,300円、小・中学生450円
- アクセス 東武日光駅・JR日光駅からバス約10分
- おすすめ時期 春(4〜5月)、秋の紅葉(10月中旬〜11月上旬)
- 服装 歩きやすい靴、季節に応じた防寒・暑さ対策
- 周辺観光 二荒山神社、輪王寺、華厳の滝、中禅寺湖
- パワースポット 本殿、奥宮、陽明門
「日光を見ずして結構と言うなかれ」の言葉通り、日光東照宮は一度は訪れるべき素晴らしい場所です。徳川家康公の遺徳を偲び、豪華絢爛な建築と精緻な彫刻に感動し、日光の自然に癒される――そんな充実した時間を、ぜひ日光東照宮で過ごしてください。
日光東照宮への参拝が、あなたにとって素晴らしい体験となりますように。

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