「一生に一度はお伊勢参り」古くからそう言われてきた伊勢神宮は、日本人の心のふるさととして、2000年以上の歴史を持つ日本最高峰の神社です。本記事では、伊勢神宮の歴史と由来、内宮・外宮の特徴、正しい参拝方法、おかげ横丁などの周辺観光スポット、アクセス方法、参拝に適した服装や持ち物、よくある質問まで、伊勢神宮参拝の全てを詳しく解説します。
初めて訪れる方も、何度目かの方も、この記事を読めば伊勢神宮の魅力と参拝のポイントが理解でき、より充実したお伊勢参りができるでしょう。
伊勢神宮とは
まず、伊勢神宮の基本情報を理解しましょう。
基本情報
正式名称
「神宮」(じんぐう)
一般的には「伊勢神宮」と呼ばれますが、正式名称は単に「神宮」です。
所在地
三重県伊勢市
祭神
- 内宮(ないくう) 天照大御神(あまてらすおおみかみ)
- 外宮(げくう) 豊受大御神(とようけのおおみかみ)
創建
- 内宮 約2000年前(垂仁天皇26年、紀元前4年頃)
- 外宮 約1500年前(雄略天皇22年、478年頃)
特徴
- 日本最高峰の神社
- 皇室の祖先神を祀る
- 125の宮社からなる神宮
- 20年に一度の式年遷宮
内宮と外宮
伊勢神宮は、大きく分けて内宮(ないくう)と外宮(げくう)の二つの正宮があります。
内宮(皇大神宮)
- 祭神 天照大御神(皇室の祖先神、日本国民の総氏神)
- 所在地 伊勢市宇治館町
- 特徴 五十鈴川のほとり、神路山を背景とする聖地
外宮(豊受大神宮)
- 祭神 豊受大御神(天照大御神の食事を司る神、産業の守護神)
- 所在地 伊勢市豊川町
- 特徴 天照大御神に日々の食事を奉る
125の宮社
内宮・外宮以外にも、14の別宮、43の摂社、24の末社、42の所管社があり、合計125の宮社で神宮が構成されています。
伊勢神宮の歴史
伊勢神宮の歴史を知ることで、参拝がより深いものになります。
天照大御神の鎮座
日本書紀による伝承
- 第10代崇神天皇の時代、天照大御神を宮中から移す
- 第11代垂仁天皇の皇女・倭姫命(やまとひめのみこと)が、天照大御神を祀る最適な地を求めて各地を巡る
- 伊勢の地に至り、天照大御神のお告げにより、この地に鎮座することが決まる
- 五十鈴川のほとりに内宮が創建される(約2000年前)
外宮の創建
- 雄略天皇の時代、天照大御神の食事を司る豊受大御神を丹波国(現在の京都府)から伊勢に迎える
- 外宮が創建される(約1500年前)
式年遷宮
20年に一度の神宮最大の神事
- 690年(持統天皇4年)に第1回式年遷宮
- 以来、原則20年ごとに社殿を造り替え、御神体を新しい社殿に遷す
- 2013年に第62回式年遷宮
- 次回は2033年予定
式年遷宮の意義
- 建築技術の伝承
- 常に新しく清浄な状態を保つ
- 「常若(とこわか)」の精神(永遠に若々しく)
江戸時代のお伊勢参り
- 江戸時代、庶民の間で伊勢参りが大流行
- 「一生に一度はお伊勢参り」が庶民の夢
- 「おかげ参り」 60年に一度の集団参拝
- 最盛期には年間数百万人が参拝(当時の日本の人口は約3000万人)
正しい参拝方法
伊勢神宮の正しい参拝方法を知りましょう。
参拝の順序
「外宮先祭」の習わし
伊勢神宮では、古来より外宮→内宮の順で参拝するのが正式です。
理由
- 天照大御神への食事を司る豊受大御神を先に参拝
- 毎日の神事でも外宮から行われる
推奨ルート
- 外宮参拝
- 内宮参拝
- 時間があれば別宮も
参道の歩き方
右側通行・左側通行
- 外宮 左側通行
- 内宮 右側通行
中央は神様の通り道なので避けます。
手水の作法
手水舎での清め方
- 右手で柄杓を持ち、左手を清める
- 左手に柄杓を持ち替え、右手を清める
- 再び右手に柄杓を持ち、左手に水を受けて口をすすぐ(柄杓に直接口をつけない)
- 左手を清める
- 柄杓を立てて、柄に水を流して清める
- 柄杓を元に戻す
鳥居のくぐり方
一礼してからくぐる
鳥居は神域への入口です。一礼してからくぐりましょう。
参拝の作法
二拝二拍手一拝
- 深く二回礼をする(二拝)
- 胸の高さで二回拍手(二拍手)
- 深く一回礼をする(一拝)
個人的な願い事は控える
伊勢神宮は私幣禁断(個人的なお願いをしない)の精神があります。
- 日々の感謝を伝える
- 日本の平和や繁栄を祈る
- 個人的な願い事は別宮で
服装
正式な服装
- 正装が望ましい(スーツ、着物など)
- カジュアルでも清潔な服装
- 露出の多い服は避ける
- サンダルよりも靴が望ましい
帽子・サングラス
参拝時は脱ぎましょう。
外宮の見どころ
外宮の主な見どころを紹介します。
正宮(豊受大神宮)
最も神聖な場所
豊受大御神を祀る正宮。写真撮影は鳥居の外から。
多賀宮(たかのみや)
外宮第一の別宮
- 豊受大御神の荒御魂を祀る
- 石段を上った高台にある
- 個人的な願い事はここで
土宮(つちのみや)
外宮の地主神
風宮(かぜのみや)
風の神
元寇の際、神風を起こしたとされる神
せんぐう館
式年遷宮の歴史と技術を学ぶ
- 実物大の社殿模型
- 遷宮の歴史
- 神宝の展示
内宮の見どころ
内宮の主な見どころを紹介します。
宇治橋
俗界と聖界の境界
- 五十鈴川にかかる木造の橋
- 長さ101.8m
- 20年に一度架け替えられる
- 渡る際は一礼
五十鈴川の御手洗場
清流で身を清める
- 美しい清流
- ここで手を清めることもできる
正宮(皇大神宮)
天照大御神を祀る最高の聖地
- 茅葺屋根の社殿
- 唯一神明造
- 写真撮影は鳥居の外から
荒祭宮(あらまつりのみや)
内宮第一の別宮
- 天照大御神の荒御魂を祀る
- 個人的な願い事はここで
神楽殿
御祈祷・お神札授与所
- 御祈祷を受ける場所
- お守りや御朱印を受ける場所
おかげ横丁・おはらい町
内宮の門前町として賑わうエリアです。
おはらい町
宇治橋から続く門前町
- 約800mの石畳の通り
- 江戸時代から明治時代の建築様式
- お土産店、飲食店が並ぶ
おかげ横丁
江戸時代の町並みを再現
- おはらい町の中心部
- 伊勢名物が集まる
- 赤福本店
- 伊勢うどん
- てこね寿司
- 松阪牛
赤福本店
伊勢名物の和菓子
- 創業1707年
- 餅とこし餡の和菓子
- 赤福氷(夏季限定)
- 赤福ぜんざい(冬季限定)
アクセス方法
伊勢神宮へのアクセス方法を紹介します。
電車
名古屋方面から
- 近鉄特急で約1時間30分(名古屋→伊勢市駅または宇治山田駅)
- JR快速みえで約1時間30分(名古屋→伊勢市駅)
大阪方面から
- 近鉄特急で約1時間50分(大阪難波→伊勢市駅または宇治山田駅)
東京方面から
- 新幹線で名古屋まで約1時間40分
- 名古屋から近鉄特急で約1時間30分
- 合計約3時間10分
最寄り駅
- 外宮 伊勢市駅から徒歩約5分
- 内宮 宇治山田駅・伊勢市駅からバス約15分
バス
外宮⇔内宮
- 三重交通バス「51系統・55系統」
- 所要時間 約15分
- 運賃 片道430円
循環バス
- 外宮・内宮を結ぶ循環バスあり
車
駐車場
- 外宮 無料駐車場あり(約400台)
- 内宮 無料駐車場あり(約300台)
- 繁忙期は混雑するため、早めの到着がおすすめ
高速道路
- 伊勢自動車道「伊勢IC」または「伊勢西IC」から約5分
タクシー
- 伊勢市駅から外宮まで約5分
- 外宮から内宮まで約10分
参拝に適した時期・時間
参拝時期
四季それぞれの魅力
- 春 桜、新緑
- 夏 深緑
- 秋 紅葉
- 冬 澄んだ空気
避けた方が良い時期
- 年末年始(非常に混雑)
- ゴールデンウィーク(混雑)
- お盆(混雑)
おすすめ時期
- 平日
- 春・秋の穏やかな気候の時期
参拝時間
参拝可能時間
- 1月〜4月、9月 5:00〜18:00
- 5月〜8月 5:00〜19:00
- 10月〜12月 5:00〜17:00
おすすめ時間
- 早朝 人が少なく、静かで神聖な雰囲気
- 朝6:00〜8:00頃が特におすすめ
参拝の所要時間
外宮のみ
- 約1時間〜1時間30分
内宮のみ
- 約1時間30分〜2時間
外宮+内宮
- 約3時間〜4時間
外宮+内宮+おかげ横丁
- 約5時間〜6時間
じっくり別宮も
- 1日〜2日
持ち物・服装
服装
- 清潔な服装
- 歩きやすい靴(かなり歩きます)
- 帽子(日よけ)
- 雨具(折りたたみ傘)
持ち物
- 飲み物(夏場は特に)
- タオル
- カメラ(鳥居の外からの撮影)
- 小銭(バス代、お賽銭など)
- 御朱印帳(御朱印を集めている方)
宿泊
伊勢市内のホテル
伊勢市駅・宇治山田駅周辺
多数のホテル・旅館があります。
二見浦(ふたみのうら)
海岸沿いの温泉街
- 夫婦岩で有名
- 内宮から車で約15分
- 二見興玉神社
鳥羽・志摩
伊勢志摩エリア
- 温泉、海の幸
- 内宮から車で約30分〜1時間
よくある質問
Q1 内宮だけ参拝してもいいですか?
可能ですが、正式には外宮→内宮の順で参拝するのが「外宮先祭」の習わしです。時間があれば両方参拝することをおすすめします。
Q2 お賽銭はいくら?
決まりはありませんが、一般的には5円、10円、50円など。気持ちが大切です。
Q3 御朱印はもらえますか?
はい、内宮・外宮それぞれの神楽殿で御朱印を受けられます(初穂料300円)。
Q4 ペット同伴は可能ですか?
基本的に不可です。盲導犬・介助犬は可。
Q5 車椅子でも参拝できますか?
可能です。スロープや車椅子用トイレが整備されています。砂利道が多いため、介助者と一緒がおすすめです。
Q6 お守りは買えますか?
はい、神楽殿で授与されます。
Q7 冬は寒いですか?
三重県は比較的温暖ですが、12月〜2月は冷え込みます。防寒対策をしましょう。
Q8 写真撮影はできますか?
境内は撮影可能ですが、正宮の鳥居の内側は撮影禁止です。
まとめ
伊勢神宮は、2000年以上の歴史を持つ日本最高峰の神社であり、日本人の心のふるさとです。天照大御神を祀る内宮と、豊受大御神を祀る外宮、そして125の宮社からなる神域は、訪れる人に深い感動と静謐な時間を与えてくれます。
参拝のポイント
- 外宮→内宮の順で参拝(外宮先祭の習わし)
- 早朝参拝がおすすめ(静かで神聖な雰囲気)
- 正しい参拝作法 手水、二拝二拍手一拝
- 清潔な服装、歩きやすい靴
- 感謝の気持ちを伝える(個人的な願い事は控える)
- おかげ横丁で伊勢名物を楽しむ
- 時間に余裕を持って(外宮+内宮で3〜4時間)
「一生に一度はお伊勢参り」と言われるように、伊勢神宮への参拝は特別な体験です。神聖な空気に包まれた境内を歩き、日本の歴史と伝統に触れ、日々の感謝を伝える――そんな心洗われる時間を、ぜひ伊勢神宮で過ごしてください。
お伊勢参りが、あなたにとって素晴らしい体験となりますように。

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