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「昼夜逆転して、夜眠れず朝起きられない」「食事の時間がバラバラで、いつ何を食べたか分からない」「生活リズムが崩れて、社会生活が送れなくなっている」――生活リズムの乱れに苦しんでいる方へ。本記事では、生活リズムが崩れる原因、心身への影響、そして段階的に立て直す具体的な方法を解説します。
生活リズムが崩れている状態とは
よくある症状
1. 睡眠リズムの乱れ
- 昼夜逆転:夜眠れず、昼間に寝てしまう
- 不規則な睡眠:毎日寝る時間、起きる時間がバラバラ
- 過眠:何時間も寝続けてしまう
- 不眠:眠りたいのに眠れない
- 中途覚醒:夜中に何度も目が覚める
2. 食事リズムの乱れ
- 食事時間が不規則:いつ食べるか決まっていない
- 欠食:朝食抜き、1日1食など
- 夜間の過食:夜中に大量に食べる
- 栄養バランスの偏り:菓子、インスタント食品ばかり
- 食欲不振:何も食べたくない
3. 活動リズムの乱れ
- 日中の活動ができない:昼間に起きていられない
- 夜型の生活:夜にだけ活動的になる
- 予定が守れない:約束の時間に起きられない
- 外出できない:生活リズムが崩れて家から出られない
4. 身体症状
- 慢性的な疲労感
- 頭痛、めまい
- 胃腸の不調
- 免疫力の低下(風邪をひきやすい)
- 体重の変動
- 肌荒れ
5. 精神症状
- うつ状態:気分の落ち込み
- 不安:将来への不安
- 焦燥感:「このままではダメだ」という焦り
- 自己嫌悪:「自分はダメな人間だ」
- 集中力の低下
- 判断力の低下
6. 社会的な影響
- 仕事・学校に行けない
- 約束が守れない
- 人間関係の悪化
- 社会的孤立
- 経済的困難
この状態が続くとどうなるか
- 健康の悪化:生活習慣病、精神疾患のリスク増加
- 社会生活の破綻:仕事、学校、人間関係の崩壊
- さらなる悪化:悪循環に陥り、回復が困難になる
生活リズムの乱れは、放置すると悪化します。早めの対処が重要です。
なぜ生活リズムが崩れるのか:原因
1. 精神疾患
うつ病
- 不眠または過眠:睡眠リズムの乱れ
- 朝の抑うつ:朝起きられない
- 意欲の低下:生活リズムを整える気力がない
- 食欲不振または過食
双極性障害(躁うつ病)
- 躁状態:睡眠時間が極端に短くなる、夜型になる
- うつ状態:過眠、朝起きられない
不安障害
- 入眠困難:不安で眠れない
- 中途覚醒:不安で夜中に目が覚める
統合失調症
- 睡眠リズムの乱れ
- 昼夜逆転
- 活動リズムの乱れ
睡眠障害(概日リズム睡眠障害など)
- 睡眠相後退症候群:睡眠時間帯が後ろにずれる(明け方に寝て昼過ぎに起きる)
- 非24時間睡眠覚醒症候群:毎日少しずつ睡眠時間がずれる
2. 発達障害
自閉スペクトラム症(ASD)
- 感覚過敏:音、光に敏感で眠れない
- こだわり:特定の時間に特定のことをしたい
- 社会的リズムの理解困難:「朝起きて夜寝る」という社会的リズムの理解が難しい
注意欠如・多動症(ADHD)
- 睡眠障害の併存:入眠困難、中途覚醒
- 時間管理の困難:時間の感覚が弱い
- 衝動性:夜更かし、スマホ・ゲームへの没頭
- 先延ばし:「明日から直そう」が続く
3. 生活環境・生活習慣
在宅勤務・リモートワーク
- 通勤がない:起きる必然性が減る
- 仕事と生活の境界が曖昧
- 深夜まで仕事
失業・休職・引きこもり
- 外部からのリズムがない:会社、学校など外部のリズムに合わせる必要がない
- 社会的孤立:人との接触が減る
- 目的の喪失:起きる理由がない
夜勤・交代勤務
- 勤務時間が不規則
- 夜勤後の回復が困難
スマホ・ゲーム・ネット依存
- ブルーライト:睡眠ホルモン(メラトニン)の分泌を妨げる
- 興奮:脳が覚醒してしまう
- 時間感覚の喪失:気づいたら朝
アルコール・カフェイン
- アルコール:入眠は早まるが、睡眠の質が低下
- カフェイン:夕方以降の摂取で入眠困難
4. 身体疾患
睡眠時無呼吸症候群
- 睡眠の質の低下
- 日中の眠気
慢性疼痛
- 痛みで眠れない
甲状腺機能異常
- 甲状腺機能亢進症:不眠
- 甲状腺機能低下症:過眠
5. ストレス・トラウマ
慢性的なストレス
- 交感神経の過活動:リラックスできず眠れない
- 不安・焦燥:夜も心が休まらない
トラウマ・PTSD
- 悪夢:眠るのが怖い
- 過覚醒:常に警戒状態で眠れない
6. 生活リズムの崩れ自体が原因(悪循環)
一度生活リズムが崩れると、悪循環に陥ります。
- 昼間寝る → 夜眠れない → さらに昼間寝る → さらに夜眠れない
生活リズムの立て直し方:段階的アプローチ
生活リズムを立て直すには、段階的に、無理なく進めることが重要です。
第1段階:現状の把握と専門家への相談
1. 専門家への相談
生活リズムの乱れの背景に精神疾患、睡眠障害、身体疾患がある場合、まず専門家に相談してください。
相談先
- 精神科・心療内科:うつ病、不安障害、発達障害などの診断・治療
- 睡眠外来:睡眠障害の専門的診断・治療
- 内科:身体疾患のチェック
専門家に伝えること
- いつから生活リズムが崩れたか
- 睡眠時間、起床時間、食事時間
- 精神的な症状(気分の落ち込み、不安など)
- 身体症状
- 現在の生活状況(仕事、人間関係)
2. 睡眠日誌をつける
現状を把握するため、睡眠日誌をつけます。
記録項目
- 就床時刻:ベッドに入った時刻
- 入眠時刻:眠りについた時刻(推定)
- 起床時刻:起きた時刻
- 睡眠時間
- 中途覚醒:夜中に目が覚めた回数
- 日中の仮眠
- 食事時刻
- カフェイン、アルコール摂取
- 気分・体調
2週間程度記録すると、パターンが見えてきます。
第2段階:医学的治療(必要な場合)
1. 薬物療法
精神疾患や睡眠障害がある場合、薬物療法が有効です。
主な薬
- 睡眠薬:不眠に(短期間使用)
- 抗うつ薬:うつ病、不安障害に
- 抗精神病薬:統合失調症、双極性障害に
- メラトニン受容体作動薬:概日リズム睡眠障害に
薬物療法は、専門医の指示に従ってください。自己判断で中止しないでください。
2. 光療法
概日リズム睡眠障害には、光療法が有効です。
- 高照度光療法:朝に強い光を浴びる(2500〜10000ルクス、30分〜2時間)
- 専用のライトボックスを使用
- 医師の指導のもとで実施
第3段階:睡眠衛生の改善
1. 起床時刻を固定する
重要:生活リズムを整えるには、起床時刻を固定することが最も重要です。
- 毎日同じ時刻に起きる(平日も休日も)
- 最初は無理のない時刻に設定(例:午前10時)
- 徐々に早める(週に30分ずつなど)
就寝時刻ではなく、起床時刻を固定する理由
- 就寝時刻は、眠気がないと眠れない
- 起床時刻を固定すれば、自然と夜に眠くなる
2. 朝日を浴びる
起床後すぐに朝日を浴びます(または明るい光を浴びる)。
- 体内時計がリセットされる
- 夜のメラトニン分泌を促進
- 15〜30分カーテンを開けて朝日を浴びる
曇りや雨の日でも、窓際にいるだけで効果があります。
3. 日中の活動を増やす
- 適度な運動:散歩、ストレッチ、軽いジョギング(夕方以降の激しい運動は避ける)
- 外出:外の光を浴びる
- 活動的に過ごす:デスクワーク、読書、趣味など
日中に活動すると、夜に自然と眠くなります。
4. 昼寝を制限する
- 昼寝は15〜30分まで
- 午後3時以降は昼寝しない
長い昼寝や夕方の昼寝は、夜の睡眠を妨げます。
5. 就寝前のルーティンを作る
- 寝る1〜2時間前からリラックスする時間を作る
- 入浴:ぬるめのお湯(38〜40℃)に15〜20分
- リラクゼーション:読書、音楽、ストレッチ
- スマホ・PC・テレビを見ない:ブルーライトを避ける
6. 寝室環境を整える
- 暗く:遮光カーテン
- 静か:耳栓、ホワイトノイズ
- 涼しく:室温16〜19℃
- 寝具を快適に
- 寝室は寝るだけの場所:スマホ、PC、テレビを置かない
7. カフェイン・アルコールを控える
- カフェイン:午後3時以降は摂らない
- アルコール:寝酒はNG(睡眠の質が低下)
第4段階:食事リズムの改善
1. 食事時刻を固定する
- 朝食:起床後1時間以内
- 昼食:12〜13時
- 夕食:18〜19時
食事時刻を固定すると、体内時計が整います。
2. 朝食を必ず食べる
朝食は、体内時計をリセットする重要な役割があります。
- 食欲がなくても、少量でも食べる
- バナナ、ヨーグルト、トーストなど簡単なものでOK
3. 夜遅い食事を避ける
- 就寝3時間前までに夕食を終える
- 夜遅い食事は、睡眠の質を低下させる
4. バランスの取れた食事
- タンパク質:肉、魚、卵、大豆製品
- 炭水化物:ご飯、パン(適量)
- 野菜・果物
- トリプトファン(セロトニン→メラトニンの材料):バナナ、ナッツ、牛乳、大豆製品
第5段階:段階的な時刻の調整
1. 無理に一気に直さない
昼夜逆転している場合、一気に「明日から朝6時起き」は無理です。
段階的に調整
- 現在の起床時刻から、週に30分〜1時間ずつ早める
- 例:午後2時起き → 午後1時 → 正午 → 午前11時 → …
2. 時刻を前にずらす方法
前進法(推奨)
- 毎日起床時刻を30分〜1時間早める
- 時間がかかるが、確実
後退法(医師の指導のもとで)
- 毎日起床時刻を3時間遅らせる
- 1週間程度で目標時刻に到達
- 医師の指導が必要
第6段階:スマホ・ゲーム・ネットの制限
1. 就寝前のスマホ・PC使用を制限
- 就寝1〜2時間前からスマホ、PC、テレビを見ない
- ブルーライトカット眼鏡、アプリを使用
- スマホを寝室に持ち込まない
2. 時間制限アプリを使う
- スマホ使用時間を制限するアプリ
- 夜間はアプリをロックする機能
3. 代替活動を見つける
- スマホ、ゲームの代わりに、読書、音楽、ストレッチなど
第7段階:社会的リズムの活用
1. 外部のリズムに合わせる
- 仕事・学校:通勤、通学のリズム
- デイケア・就労継続支援:通所のリズム
- 趣味のサークル:定期的な活動
外部のリズムに合わせることで、生活リズムが整いやすくなります。
2. 就労継続支援B型の活用
生活リズムを整えるために、就労継続支援B型を活用できます。
- 通所のリズム:週に数日、決まった時間に通所
- 柔軟な対応:体調に合わせて無理なく
- 支援員のサポート:生活リズムの相談
- 仲間との交流:孤立を防ぐ
利用方法
市区町村の障害福祉課に相談してください。
第8段階:継続とモチベーション
1. 小さな目標を設定
- 「毎日午前10時に起きる」
- 「朝食を食べる」
- 「15分散歩する」
小さな目標を達成し、自信をつけます。
2. 記録を続ける
睡眠日誌を続け、改善を実感します。
3. 完璧を求めない
- たまに崩れても自分を責めない
- 「明日また頑張ろう」と切り替える
4. サポートを得る
- 家族、友人に協力してもらう
- 専門家に定期的に相談
- 自助グループ、オンラインコミュニティ
生活リズムの乱れのタイプ別アドバイス
タイプ1:昼夜逆転型
特徴
- 明け方に寝て、昼過ぎに起きる
対処
- 段階的に起床時刻を早める(週に30分〜1時間ずつ)
- 朝日を浴びる
- 光療法(医師の指導のもと)
タイプ2:不規則型
特徴
- 毎日寝る時間、起きる時間がバラバラ
対処
- 起床時刻を固定(まず起床時刻だけでも)
- 食事時刻を固定
- 外部のリズムに合わせる(仕事、デイケアなど)
タイプ3:過眠型
特徴
- 何時間も寝続けてしまう
対処
- うつ病など精神疾患の治療
- アラームを複数設定
- 家族に起こしてもらう
- 日中の活動を増やす
タイプ4:不眠型
特徴
- 眠りたいのに眠れない
対処
- 睡眠衛生の改善
- 就寝前のリラクゼーション
- 必要に応じて睡眠薬(医師の処方)
- 不安、ストレスの対処
やってはいけないこと
1. 無理に一気に直そうとする
昼夜逆転を一気に直そうとすると、失敗します。段階的に進めてください。
2. 寝酒
アルコールは睡眠の質を低下させます。寝酒はNGです。
3. 昼寝のしすぎ
長い昼寝(1時間以上)や夕方の昼寝は、夜の睡眠を妨げます。
4. 就寝前のスマホ・ゲーム
ブルーライト、興奮が睡眠を妨げます。
5. 自分を責める
生活リズムが崩れるのは、あなたのせいではありません。病気、環境など様々な原因があります。自分を責めず、段階的に改善していきましょう。
回復には時間がかかる:焦らないで
生活リズムの立て直しには、数週間〜数ヶ月かかります。
- 少しずつ改善:一気には直りません
- 良くなったり悪くなったり:波があります
- 小さな進歩を大切に:「30分早く起きられた」も大きな進歩です
焦らず、自分のペースで進んでください。
まとめ:一人で抱え込まないで
生活リズムの乱れは、精神疾患、睡眠障害、生活環境など様々な原因があります。
専門家の助けを借りることで、改善できます。
今日からできること
- 睡眠日誌をつける(現状把握)
- 専門家に相談する(精神科、心療内科、睡眠外来)
- 起床時刻を決める(毎日同じ時刻に)
- 朝日を浴びる(起床後すぐに)
- 就寝前のスマホをやめる(1〜2時間前から)
一人で抱え込まず、専門家、家族、支援者に助けを求めてください。
生活リズムは、必ず取り戻せます。
一歩ずつ、一緒に進んでいきましょう。応援しています!
