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「周りより仕事が遅くて申し訳ない」「いつも締め切りギリギリ」「要領が悪くて自己嫌悪」――仕事の遅さに悩んでいる方へ向けて、本記事では仕事が遅くなる原因、具体的な改善方法、職場での工夫、専門家に相談すべきタイミング、そして自分を責めすぎないための考え方について詳しく解説します。仕事が遅いのには理由があり、改善する方法があります。
「仕事が遅い」とは
まず、この状態について理解しましょう。
どんな困りごとか
具体的な状況
- 周りの人より作業に時間がかかる
- 締め切りに間に合わない、ギリギリになる
- 残業が多い、持ち帰り仕事をしている
- 一つのタスクに時間をかけすぎる
- 優先順位がつけられず、重要でないことに時間を使ってしまう
- マルチタスクができない、一つずつしかできない
- 段取りが悪い、準備に時間がかかる
- 完璧を求めすぎて、進まない
- ミスを恐れて慎重になりすぎる
こんな経験はありませんか?
日常の場面
職場で:
- 同僚が1時間で終わる仕事に、自分は3時間かかる
- 「まだ終わってないの?」と言われる
- 定時に終わらず、いつも残業
- 複数の仕事を抱えると、パニックになる
- 上司に「もっと早く」と言われる
学校で:
- テストの時間が足りない
- レポートの提出がギリギリ
- 授業についていけない
日常生活で:
- 朝の支度に時間がかかる
- 買い物に時間がかかる
- 家事が終わらない
あなただけではない
多くの人が同じ悩みを抱えている
仕事が遅いという悩みは、決して珍しいことではありません。特に:
- 発達障害(ADHD、ASD)のある方
- 完璧主義の方
- 不安が強い方
- 経験が浅い方
- 疲れている方
などに、よく見られます。
仕事が遅くなる主な原因
なぜ仕事が遅くなるのか、原因を理解しましょう。
1. 発達障害
脳の特性
ADHD(注意欠如・多動症):
- 注意散漫:集中できない、気が散る
- 先延ばし:やるべきことを後回しにする
- 時間感覚の問題:時間の見積もりが苦手
- 優先順位づけの困難:何から手をつければいいかわからない
- 段取りの困難:計画を立てられない
- ケアレスミス:ミスが多く、やり直しに時間がかかる
- 衝動性:思いついたことをすぐやってしまい、本来の仕事が進まない
自閉スペクトラム症(ASD):
- こだわり:細部にこだわりすぎて、全体が進まない
- 完璧主義:完璧を求めすぎて時間がかかる
- マルチタスクの困難:複数の仕事を同時に進められない
- 変化への対応困難:予定が変わると混乱する
- 暗黙の了解の理解困難:「このくらいでいい」がわからない
- 感覚過敏:音や光などの刺激で集中できない
学習障害(LD):
- 読み書きに時間がかかる
- 計算に時間がかかる
2. 完璧主義
過度な完璧を求める
- 細部にこだわりすぎる
- 「完璧でなければ出せない」と思う
- 何度も見直す、やり直す
- 80点で十分なのに、100点を目指す
背景:
- 自己評価が低い
- 失敗を恐れる
- 他人の評価を過度に気にする
3. 不安・心配性
心理的な要因
- ミスを恐れて慎重になりすぎる
- 「間違っているのでは」と何度も確認する
- 決断できない
- 新しいことに不安を感じ、時間がかかる
精神疾患:
- 不安障害
- 強迫性障害(何度も確認してしまう)
- うつ病(集中力低下、意欲低下)
4. 経験不足・スキル不足
慣れていない
- 新人、異動したばかり
- 業務内容を理解していない
- 必要なスキルがない
- 効率的な方法を知らない
経験を積めば、自然と早くなることも多いです。
5. 情報処理の特性
処理速度の問題
- 情報を理解するのに時間がかかる
- 判断に時間がかかる
- 読むのが遅い、書くのが遅い
これは、努力不足ではなく、脳の特性です。
6. マルチタスクの困難
複数のことを同時に処理できない
- 一つずつしかできない
- 割り込みがあると混乱する
- 複数のプロジェクトを並行して進められない
7. 優先順位づけの困難
何から手をつければいいかわからない
- すべてを同じように重要だと感じる
- 緊急度と重要度の判断ができない
- 細かい仕事に時間を取られ、重要な仕事が進まない
8. 疲労・体調不良
体と心の状態
- 睡眠不足
- 慢性的な疲労
- うつ病などのメンタル不調
- 体の病気
疲れていると、誰でも作業速度が落ちます。
9. 環境要因
職場の問題
- 業務量が多すぎる(過重労働)
- 指示が不明確
- 頻繁な割り込み
- 騒がしい環境
- ツールや設備が古い、使いにくい
10. 仕事の進め方の問題
方法論の問題
- 段取りが悪い
- 無駄な作業をしている
- 効率的な方法を知らない
- ツールを使いこなせていない
仕事を早くする具体的な方法
改善のための具体的な方法を紹介します。
1. タスク管理を見直す
To-Doリストを作る
方法:
- 朝、または前日の夜に、やるべきことをすべて書き出す
- 紙、付箋、アプリ(Todoist、Microsoft To Do、Googleタスクなど)
- 完了したらチェックを入れる
メリット:
- やるべきことが明確になる
- 頭の中が整理される
- 達成感が得られる
2. 優先順位をつける
重要度と緊急度で分類
アイゼンハワーのマトリックス:
- 緊急かつ重要:今すぐやる
- 重要だが緊急ではない:スケジュールを立てる
- 緊急だが重要ではない:人に任せる、または短時間で済ませる
- 緊急でも重要でもない:やらない、または後回し
3. タイムボックス(時間を区切る)
ポモドーロ・テクニック
- 25分作業→5分休憩
- これを4回繰り返したら、15〜30分の長い休憩
- タイマーを使う
メリット:
- 集中力が持続
- ダラダラと時間を使わない
- 休憩を取ることで疲労を軽減
4. 一つずつやる
マルチタスクをやめる
- 複数の仕事を同時にやろうとしない
- 一つの仕事に集中
- 完了してから次に移る
5. 完璧を求めすぎない
80点主義
- 100点を目指さない
- 80点で十分な仕事は、80点で終わらせる
- 「完璧でなくても、完了させる方が大事」
6. 期限を設定する
締め切りを作る
- 「この仕事は今日の15時までに終わらせる」
- タイマーを使う
- 期限があると、集中できる
7. テンプレートを作る
繰り返し作業を効率化
- メールのテンプレート
- 書類のフォーマット
- チェックリスト
一度作れば、次回から早くなります。
8. ツールを活用する
効率化ツール
- タスク管理アプリ:Todoist、Trello、Asanaなど
- 時間管理アプリ:ポモドーロタイマー、Togglなど
- 自動化ツール:Excelマクロ、Zapier、IFTTTなど
- ショートカットキー:コピペ、保存などをキーボードで
9. 割り込みを減らす
集中できる環境を作る
- 「今、集中中」と周囲に伝える
- メールや通知をオフにする
- ノイズキャンセリングイヤホン
- 会議の時間を固める
10. 人に頼る・委任する
一人で抱え込まない
- 自分がやらなくてもいい仕事は、人に頼む
- わからないことは、早めに質問する
- 「助けてください」と言う
11. 朝型にする
朝の時間を活用
- 早起きして、午前中に重要な仕事を済ませる
- 朝は集中力が高い
- 午後は疲れて効率が落ちる
12. 休息を取る
疲れたら休む
- 無理に頑張り続けない
- 短い休憩を頻繁に取る
- 十分な睡眠
- 休日はしっかり休む
疲れていると、作業効率が大幅に落ちます。
13. 段取りを考える
事前準備
- 仕事を始める前に、全体の流れを考える
- 必要なものを揃える
- 手順を書き出す
14. 学ぶ
効率的な方法を学ぶ
- 先輩や同僚のやり方を見る
- 本を読む(時間管理、仕事術)
- セミナーに参加
- Excelなどのスキルを向上させる
15. 記録をつける
時間の使い方を把握
- 何にどれだけ時間がかかったか記録
- 無駄な時間が見えてくる
- 改善点がわかる
職場でできる工夫
職場での具体的な工夫です。
1. 上司に相談する
正直に伝える
「仕事が遅くて申し訳ありません。改善したいのですが、アドバイスをいただけますか?」
相談内容:
- 自分の課題
- 改善のために取り組んでいること
- 困っていること
2. 業務量の調整をお願いする
過重労働の場合
「現在の業務量では、期限内に完了するのが難しいです。優先順位を教えていただけますか?」
3. 指示を明確にしてもらう
曖昧な指示をクリアに
- 「期限はいつまでですか?」
- 「どのくらいの完成度が求められていますか?」
- 「優先順位は?」
4. 環境調整をお願いする
集中できる環境
- 静かな場所での作業
- 在宅勤務
- 会議の削減
5. 産業医に相談
健康面の相談
- 疲労、メンタル不調
- 発達障害の可能性
- 職場環境の調整
6. 障害者雇用への切り替え
発達障害などがある場合
障害者手帳を取得し、障害者雇用枠に切り替えることで、
- 合理的配慮を受けられる
- 業務量の調整
- 働きやすい環境
専門家に相談すべきタイミング
こんな時は、専門家に相談しましょう。
相談すべきサイン
- 改善の努力をしても変わらない:自分なりに工夫しても改善しない
- 子どもの頃から同様の困りごと:学生時代から遅かった
- 日常生活全般に支障:仕事だけでなく、日常生活でも遅い
- 二次的な問題:うつ、不安、不眠、自己嫌悪
- 人間関係のトラブル:遅さが原因で職場で孤立、叱責される
- 発達障害の可能性:他にも困りごとがある(忘れ物が多い、人間関係が苦手など)
相談先
1. 精神科・心療内科
- 発達障害の診断
- うつ病、不安障害の診断
- 薬物療法、カウンセリング
2. 発達障害者支援センター
- 発達障害に関する相談
- 診断機関の紹介
- 就労支援機関の紹介
探し方:「○○県 発達障害者支援センター」で検索
3. 障害者就業・生活支援センター
- 就労に関する相談
- 職場への助言
- 生活面の支援
4. 臨床心理士・公認心理師
- カウンセリング
- 認知行動療法
- 時間管理のトレーニング
5. 産業医
- 職場の健康管理
- 職場環境の調整
利用できる支援・制度
困りごとに対する支援があります。
1. 障害者手帳
精神障害者保健福祉手帳
発達障害やうつ病などがある場合、精神障害者保健福祉手帳を取得できます。
メリット:
- 障害者雇用枠での就労
- 職場での合理的配慮
- 税金の控除
- 公共交通機関の割引
申請先:市区町村の障害福祉課
2. 就労支援
就労移行支援:
- 一般企業への就職を目指す訓練
- ビジネススキル、コミュニケーション、時間管理などの訓練
- 最大2年間
就労継続支援A型・B型:
- 障害や病気がある方の就労支援
- 自分のペースで働ける
申請先:市区町村の障害福祉課
3. 職場での合理的配慮
障害者雇用促進法
障害者手帳があれば、職場に「合理的配慮」を求めることができます。
合理的配慮の例:
- 業務量の調整
- 締め切りの延長
- マニュアルの作成
- 静かな環境での作業
- 定期的な面談
4. カウンセリング
心理的なサポート
- 不安やストレスへの対処
- 認知行動療法
- 時間管理のトレーニング
自分を責めすぎないために
仕事が遅いことで、自分を責めすぎないでください。
1. 仕事の速さだけが価値ではない
あなたの強みは他にある
- 正確さ
- 丁寧さ
- 誠実さ
- アイデア
- 人柄
仕事の速さだけで、人の価値は決まりません。
2. 遅いのには理由がある
努力不足ではない
- 脳の情報処理の特性
- 完璧主義
- 不安
- 経験不足
これらは、努力不足ではありません。
3. 改善には時間がかかる
焦らない
- すぐに早くなるわけではない
- 少しずつ改善していく
- 長期的な視点を持つ
4. 完璧を求めない
80点主義
- 100点を目指さない
- 80点で十分
5. 比較しない
他人ではなく、過去の自分と比べる
- 「1年前の自分」と比べる
- 少しでも改善していれば、それでOK
6. 自分の強みを活かす
遅くても、質が高い
- 丁寧な仕事
- ミスが少ない
- 考え抜かれた仕事
これも、大きな価値です。
7. 助けを求める
一人で抱え込まない
- 周囲に相談
- 専門家に相談
- 支援を受ける
よくある質問(FAQ)
Q1:発達障害なのでしょうか?
A:仕事が遅い原因は様々で、発達障害だけとは限りません。気になる場合は、発達障害者支援センターや精神科を受診し、専門家の診断を受けましょう。
Q2:怠けているだけではないですか?
A:そうではありません。仕事が遅いのには、脳の特性や心理的な要因など、理由があります。自分を責めないでください。
Q3:周りから「遅い」と言われて辛いです
A:辛い気持ちをわかります。上司や産業医に相談し、職場環境の調整や、業務量の見直しを依頼しましょう。
Q4:効率化を試しても変わりません
A:一人での改善が難しい場合は、専門家に相談しましょう。カウンセリングや、職業訓練が有効なこともあります。
Q5:転職を考えています
A:転職も一つの選択肢ですが、まずは現在の職場で環境調整や業務内容の変更を相談してみましょう。障害者雇用への切り替えも検討できます。
Q6:自分に向いている仕事はありますか?
A:速さよりも、正確さや丁寧さが求められる仕事、一つのことに集中できる仕事、自分のペースで進められる仕事が向いているかもしれません。就労支援機関で相談できます。
まとめ
「仕事が遅い」という悩みには、様々な原因があります。
主な原因:
- 発達障害(ADHD、ASD)
- 完璧主義
- 不安・心配性
- 経験不足
- 情報処理の特性
- 疲労・体調不良
改善方法:
- タスク管理を見直す
- 優先順位をつける
- タイムボックス(時間を区切る)
- 一つずつやる
- 完璧を求めすぎない
- 期限を設定する
- ツールを活用する
- 人に頼る
- 休息を取る
相談先:
- 精神科・心療内科
- 発達障害者支援センター
- 障害者就業・生活支援センター
- 産業医
仕事が遅いのは、決してあなたがダメだからではありません。脳の特性や心理的な要因が関係していることが多いです。
適切な工夫と支援があれば、改善できます。そして、仕事の速さだけが価値ではありません。あなたには、他の強みがあります。
自分を責めすぎず、できることから少しずつ取り組んでいきましょう。一人で抱え込まず、周囲に相談し、必要であれば専門家の力を借りましょう。
あなたが少しでも楽に働けますように。
