「しっかり寝ているのに疲れが取れない」「休日に休んでも月曜日が辛い」「慢性的な疲労感から抜け出せない」
休んでも疲れが取れないと感じている方へ向けて、本記事では疲労が取れない原因、自分でできる対処法、病気の可能性、専門家に相談すべきタイミング、そして利用できる支援について詳しく解説します。
「休んでも疲れが取れない」は、体と心からの重要なサインです。
「休んでも疲れが取れない」とは
まず、この状態について理解しましょう。
正常な疲労と病的な疲労
正常な疲労
- 原因がはっきりしている(運動、仕事など)
- 休息で回復する
- 一晩〜数日で回復
病的な疲労・慢性疲労
- 原因がはっきりしない、または原因に見合わない疲労
- 休んでも回復しない
- 6ヶ月以上続く
- 日常生活に支障がある
「休んでも疲れが取れない」のサイン
こんな状態ではありませんか?
- 朝起きた時点で既に疲れている
- 十分寝ているのに眠い
- 休日に休んでも月曜日が辛い
- 何をするにも億劫
- 集中力が続かない
- やる気が出ない
- 体が重い、だるい
- 頭がぼーっとする
- 以前は楽しかったことが楽しめない
これらが2週間以上続く場合、単なる疲れではなく、何らかの対処が必要なサインかもしれません。
休んでも疲れが取れない主な原因
疲労が取れない原因は多様です。
1. 睡眠の質の問題
眠っているのに休めていない
睡眠時無呼吸症候群
- いびきをかく
- 睡眠中に呼吸が止まる
- 日中の眠気が強い
- 朝起きた時の頭痛
不眠症
- 寝つきが悪い(入眠困難)
- 夜中に何度も目が覚める(中途覚醒)
- 朝早く目が覚める(早朝覚醒)
- 熟睡感がない
概日リズム障害
- 昼夜逆転
- 夜型の生活
- シフトワークによる乱れ
2. 精神的な問題
心の疲れ
うつ病
- 憂うつな気分が続く
- 何にも興味が持てない
- 疲れやすい、気力が出ない
- 眠れない、または寝すぎる
- 食欲がない、または過食
- 自分を責める
- 集中力の低下
不安障害
- 過度な不安や心配
- 緊張が続く
- 心が休まらない
適応障害
- ストレスの原因がはっきりしている(職場、学校、家庭など)
- そのストレスに対して過剰な反応
- 抑うつ、不安
燃え尽き症候群(バーンアウト)
- 過度な仕事や責任による疲弊
- 意欲の低下
- 仕事への冷笑的な態度
- 達成感の低下
3. 身体的な病気
体の病気
貧血
- 特に女性に多い
- 立ちくらみ
- 息切れ
- 顔色が悪い
甲状腺機能低下症
- 疲れやすい
- 体重増加
- 寒がり
- 便秘
糖尿病
- 疲れやすい
- 喉が渇く
- トイレが近い
- 体重減少
慢性疲労症候群(CFS/ME)
- 原因不明の強い疲労が6ヶ月以上続く
- 日常生活に大きな支障
- 微熱、筋肉痛、頭痛、記憶力低下など
肝臓疾患
- 疲れやすい
- 食欲不振
- 黄疸
心臓疾患
- 息切れ
- 動悸
- むくみ
慢性腎臓病
- 疲れやすい
- むくみ
- 食欲不振
自己免疫疾患
- 関節リウマチ、全身性エリテマトーデスなど
- 疲労、痛み、発熱
がん
- 原因不明の疲労
- 体重減少
- その他の症状
4. 生活習慣の問題
日常生活の乱れ
運動不足
- デスクワーク中心
- 体を動かさない
- 筋力低下
運動のしすぎ
- オーバートレーニング
- 回復が追いつかない
栄養不足・偏り
- 偏食
- ダイエット
- ビタミン・ミネラル不足
水分不足
- 脱水気味
- 喉が渇いてから飲む
カフェイン・アルコールの取りすぎ
- コーヒー、エナジードリンク
- アルコール依存
5. 環境・社会的要因
ストレス
仕事のストレス
- 過重労働、長時間労働
- 人間関係のトラブル
- パワハラ、いじめ
- 責任が重い
家庭のストレス
- 家族の介護
- 育児
- 家事の負担
- 家族関係のトラブル
経済的ストレス
- 借金
- 生活の困窮
孤独・孤立
- 人とのつながりがない
- 相談できる人がいない
6. 薬の副作用
薬の影響
- 抗ヒスタミン薬(アレルギー薬)
- 降圧薬
- 抗不安薬、睡眠薬
- 抗うつ薬
- その他
薬を飲み始めてから疲れが取れなくなった場合は、医師に相談しましょう。
7. ホルモンバランスの変化
ホルモンの影響
女性の場合
- 月経前症候群(PMS)
- 月経困難症
- 妊娠、出産後
- 更年期障害
男性の場合
- 更年期障害(男性更年期)
- テストステロン低下
自分でできる対処法
休んでも疲れが取れない時、まず自分でできることを試してみましょう。
1. 睡眠の質を改善する
良質な睡眠のために
就寝・起床時間を一定に
- 毎日同じ時間に寝る、起きる
- 休日も大きくずらさない
寝る前のルーティン
- 就寝1時間前からリラックスタイム
- 入浴(就寝1〜2時間前)
- ストレッチ、瞑想
- 読書(刺激的でない内容)
避けるべきこと
- 寝る前のスマホ、パソコン(ブルーライト)
- 寝る前のカフェイン(6時間前まで)
- 寝る前の飲酒(睡眠の質が下がる)
- 寝る前の激しい運動
寝室環境を整える
- 暗く、静かに
- 適温(16〜19℃が理想)
- 寝具を見直す
2. 適度な運動
動くことで回復する
軽い有酸素運動
- ウォーキング(1日20〜30分)
- ジョギング
- 水泳
- サイクリング
ストレッチ、ヨガ
- 朝のストレッチ
- 寝る前のヨガ
ポイント
- 無理をしない
- 楽しめる程度
- 続けられるものを選ぶ
3. 栄養バランスを整える
食事を見直す
バランスの良い食事
- 主食、主菜、副菜を揃える
- ビタミンB群(豚肉、玄米、納豆など)
- 鉄分(レバー、ほうれん草、赤身肉など)
- タンパク質(肉、魚、卵、大豆製品)
避けるべきこと
- 砂糖の取りすぎ(血糖値の乱高下)
- カフェインの取りすぎ
- アルコールの取りすぎ
- ジャンクフード
水分補給
- こまめに水を飲む(1日1.5〜2L)
4. ストレスを減らす
ストレス管理
リラクゼーション
- 深呼吸
- 瞑想、マインドフルネス
- 音楽を聴く
- 好きなことをする時間
人に話す
- 家族、友人に相談
- 愚痴を聞いてもらう
環境を変える
- 休職を検討
- 転職を検討
- 家事の負担を減らす
5. 休息の質を上げる
本当に休む
アクティブレスト(積極的休養)
- 完全に何もしないより、軽い運動
- 散歩、ストレッチ
デジタルデトックス
- スマホ、パソコンから離れる時間
- SNSを見ない日を作る
一人の時間
- 誰にも邪魔されない時間
- 好きなことに没頭
6. カフェイン・アルコールを控える
依存を見直す
カフェイン
- コーヒー、エナジードリンクの飲みすぎ
- 午後3時以降は避ける
アルコール
- 毎日の飲酒を見直す
- 休肝日を作る
7. 日光を浴びる
体内時計を整える
- 朝、太陽の光を浴びる
- 日中、外に出る時間を作る
- ビタミンDの生成
8. 小さな目標を設定
達成感を得る
- 大きな目標ではなく、小さな目標
- 「今日は10分散歩する」など
- 達成したら自分を褒める
専門家に相談すべきタイミング
自分での対処を試しても改善しない場合、専門家に相談しましょう。
こんな時は早めに相談
すぐに相談すべきサイン
- 2週間以上続く 疲労が2週間以上続いている
- 日常生活に支障 仕事、学校、家事ができない
- 悪化している 時間とともに悪化している
- 体重の急激な変化 食べていないのに太る、食べているのに痩せる
- その他の症状 発熱、痛み、息切れ、動悸、黄疸など
- メンタルの症状 憂うつ、不安、イライラ、死にたい気持ち
- 睡眠の問題が深刻 全く眠れない、いびきがひどい
- 自分での対処で改善しない 1〜2ヶ月試しても変わらない
何科を受診すべきか
受診する診療科
内科・総合診療科
- まずはここから
- 身体的な病気の有無を調べる
- 血液検査、尿検査など
心療内科・精神科
- うつ病、不安障害などが疑われる場合
- ストレスが原因と思われる場合
- 内科で異常が見つからなかった場合
睡眠外来
- 睡眠の問題が主な場合
- いびき、睡眠時無呼吸症候群が疑われる場合
婦人科
- 女性特有の症状がある場合
- 月経の問題、更年期障害など
その他の専門科
- 内科で特定の病気が疑われた場合
医療機関での検査
主な検査
- 血液検査 貧血、肝機能、腎機能、甲状腺機能、血糖値など
- 尿検査
- 心電図
- 胸部レントゲン
- 睡眠検査(睡眠時無呼吸症候群が疑われる場合)
- 問診 詳しい生活状況、ストレスなど
治療・支援の選択肢
専門家に相談した後の治療・支援について。
1. 原因疾患の治療
病気が見つかった場合
- 貧血→鉄剤
- 甲状腺機能低下症→ホルモン補充
- 糖尿病→血糖コントロール
- うつ病→抗うつ薬、カウンセリング
2. 休養
休職・休学
- 医師の診断書をもらう
- 傷病手当金(会社員の場合)
3. カウンセリング・心理療法
心の問題の場合
- 認知行動療法
- 精神分析的心理療法
- マインドフルネス
4. 薬物療法
症状に応じて
- 抗うつ薬
- 抗不安薬
- 睡眠薬
- ビタミン剤、鉄剤
5. リワークプログラム
復職支援
- 休職中の方の復職準備
- 段階的な負荷
- 認知行動療法
6. 生活指導
専門家からのアドバイス
- 睡眠指導
- 栄養指導
- 運動指導
7. 働き方の見直し
職場との調整
- 産業医との面談
- 業務量の調整
- 配置転換
- 時短勤務
8. 就労継続支援
働くことが難しい場合
- 就労継続支援B型・A型
- 障害者手帳の取得
- 自分のペースで働く
利用できる支援制度
疲労に関連して利用できる制度を紹介します。
1. 傷病手当金
会社員の場合
- 病気で仕事を休んでいる期間の給与補償
- 健康保険から支給
- 最大1年6ヶ月
- 給与の約3分の2
申請先 勤務先の健康保険組合
2. 自立支援医療
精神疾患の場合
- 精神疾患で通院している場合
- 医療費の自己負担が原則1割に軽減
申請先 市区町村の障害福祉課
3. 精神障害者保健福祉手帳
精神疾患の場合
- 様々な福祉サービス
- 税金の控除
- 公共交通機関の割引
申請先 市区町村の障害福祉課
4. 障害年金
働けない場合
- 病気で働けない、または生活に支障がある場合
申請先 年金事務所
5. 生活保護
生活に困窮している場合
- 最低限の生活費を保障
- 医療費も支給
申請先 市区町村の福祉課
周囲の人ができること
疲労で苦しむ人を支える側の方へ。
家族・友人ができること
1. 話を聴く
- 批判せず、共感する
- 「疲れているんだね」と受け止める
2. 無理をさせない
- 「休んでいいよ」と伝える
- 家事などの負担を減らす
3. 受診を勧める
- 「一度、お医者さんに相談してみない?」
- 一緒に行くことを提案
4. 「怠けている」と思わない
- 本人も苦しんでいる
- 病気の可能性もある
5. 家族自身もケアする
- 一人で抱え込まない
- 自分の時間を持つ
よくある質問(FAQ)
Q1 どれくらい休めば回復しますか?
A 原因によって異なります。単なる疲れなら数日〜1週間、うつ病などの場合は数ヶ月〜半年以上かかることもあります。焦らず、長期的な視点を持ちましょう。
Q2 「怠けているだけ」と言われます
A 休んでも疲れが取れないのは、病気のサインかもしれません。専門家に相談し、診断を受けることをお勧めします。診断書があれば、周囲の理解も得やすくなります。
Q3 サプリメントは効きますか?
A ビタミンB群、鉄分などの不足がある場合は効果がありますが、まずは医師に相談し、本当に必要か確認しましょう。サプリメントだけで治るものではありません。
Q4 仕事を辞めるべきでしょうか?
A まずは休職を検討しましょう。医師や産業医と相談し、休職か退職かを決めます。焦って退職すると、後で後悔することもあります。
Q5 カフェインやエナジードリンクで乗り切っています
A 一時的に覚醒しても、根本的な疲労は取れません。むしろ、依存や睡眠の質の低下を招きます。控えることをお勧めします。
Q6 うつ病でしょうか?
A 「休んでも疲れが取れない」はうつ病の主要症状の一つですが、他の病気の可能性もあります。専門家の診断を受けましょう。
まとめ
「休んでも疲れが取れない」は、体と心からの重要なサインです。
自分でできること
- 睡眠の質を改善
- 適度な運動
- 栄養バランスを整える
- ストレスを減らす
- カフェイン・アルコールを控える
専門家に相談すべきタイミング
- 2週間以上続く
- 日常生活に支障
- 悪化している
- その他の症状がある
- 自分での対処で改善しない
相談先
- 内科・総合診療科(まずはここから)
- 心療内科・精神科
- 睡眠外来
休んでも疲れが取れない原因は、睡眠、精神的な問題、身体の病気、生活習慣、ストレスなど、多様です。原因によって対処法も異なります。
「怠けているだけ」「気のせい」ではありません。早めに専門家に相談し、原因を突き止め、適切な治療・支援を受けることが回復への第一歩です。
一人で抱え込まず、周囲の人や専門家の力を借りましょう。
あなたが少しでも楽になれますように。

コメント