はじめに 障害者手帳の取得を迷っている方へ
障害者手帳の取得を考えているものの、「デメリットがあるのでは」「取得したら不利になるのでは」「一度取ったら取り消せないのでは」「周りにバレるのでは」といった不安から、取得を躊躇している方は少なくありません。医療費助成、手当、交通費割引、税制優遇、障害者雇用での就職など、様々なメリットがある一方で、デメリットや注意点も確かに存在します。しかし、これらの多くは「誤解」や「思い込み」であることも事実です。
障害者手帳には、身体障害者手帳、療育手帳(東京都では「愛の手帳」)、精神障害者保健福祉手帳の3種類があり、それぞれ対象や特徴が異なります。また、デメリットと感じる点も、手帳の種類や使い方によって異なります。重要なのは、正確な情報に基づいて、メリットとデメリットを天秤にかけ、自分にとって取得する価値があるかを判断することです。
本記事では、障害者手帳のデメリットや注意点について、正確かつ詳細に解説します。よく言われるデメリットの真偽、実際に存在するデメリット、手帳の種類別の注意点、デメリットへの対処法、そしてメリットとデメリットの比較を通じて、あなたが適切な判断を下せるよう、情報を提供します。障害者手帳は、あくまで「支援を受けるためのツール」であり、「レッテル」ではありません。適切に理解し、活用することで、より良い生活を実現できます。
今、手帳の取得を迷っているあなたが、この記事を読むことで、不安を解消し、自分にとって最善の選択ができるよう、心から願っています。
障害者手帳の基本情報
まず、障害者手帳の基本を理解しましょう。
3種類の手帳
1. 身体障害者手帳
- 対象 身体に永続する障害がある方
- 等級 1級(最重度)〜6級(軽度)
- 障害の種類 視覚、聴覚、肢体不自由、内部障害など
- 有効期限 原則、無期限(再認定が必要な場合あり)
2. 療育手帳(知的障害者用)
- 対象 知的障害がある方
- 程度 自治体により異なる(東京都では1度〜4度)
- 有効期限 原則、無期限(定期的な再判定が必要な場合あり)
- 名称 自治体により異なる(東京都では「愛の手帳」)
3. 精神障害者保健福祉手帳
- 対象 精神疾患により長期的に日常生活・社会生活に制約がある方
- 等級 1級(重度)、2級(中等度)、3級(軽度)
- 対象疾患 統合失調症、うつ病、双極性障害、発達障害、高次脳機能障害など
- 有効期限 2年(更新が必要)
手帳の主なメリット(復習)
経済的メリット
- 医療費助成
- 各種手当(障害年金、特別障害者手当など)
- 税制優遇(所得税・住民税の障害者控除)
- 公共交通機関の割引
- NHK受信料の減免
- 携帯電話料金の割引
就労面のメリット
- 障害者雇用枠での就職
- 障害者雇用促進法による合理的配慮
- 就労支援サービスの利用
福祉サービス
- 障害福祉サービス(ホームヘルプ、生活介護、就労支援など)
- 補装具・日常生活用具の給付
その他
- 公共施設(美術館、動物園など)の割引・無料
- 駐車禁止除外指定(一定の障害に限る)
よく言われるデメリットの真偽
「障害者手帳のデメリット」としてよく言われることの真偽を検証します。
誤解1 「取得したら就職できなくなる」
【真偽】ほぼ誤解
真実
- 手帳を持っていても、一般就労(障害を開示しない就職)は可能
- 手帳の有無は、履歴書に書く義務はない
- 開示するかしないかは、本人の自由
ただし
- 障害者雇用枠で就職する場合は、手帳が必要
- 一般就労で開示した場合、合理的配慮を求めやすい
結論
手帳を持っていること自体が就職の障害になることはありません。
誤解2 「会社にバレる」
【真偽】基本的に誤解
真実
- 手帳を持っていることは、自分から言わない限り、会社には知られない
- 履歴書に書く義務はない
- 税金の申告で障害者控除を使っても、会社には詳細は伝わらない(住民税の通知に「障害者」の記載はあるが、手帳の有無や等級は記載されない)
ただし
- 障害者雇用枠で入社した場合は、当然会社は知っている
- 職場で合理的配慮を求める場合は、開示が必要
結論
自分から言わない限り、基本的にバレることはありません。
誤解3 「一度取ったら一生取り消せない」
【真偽】誤解
真実
- 障害が軽快・治癒した場合、手帳を返納できる
- 特に精神障害者保健福祉手帳は2年ごとの更新制なので、更新しなければ失効
- 身体障害者手帳・療育手帳も、障害の程度が変化した場合、再認定で等級変更または返納
結論
取り消すことは可能です。
誤解4 「周りから偏見の目で見られる」
【真偽】半分真実、半分誤解
真実
- 残念ながら、社会には偏見が存在する
- 手帳を持っていることを周りに知られた場合、偏見を持つ人もいる
ただし
- 手帳を持っていることは、自分から言わない限り、周りには知られない
- 見た目でわかる障害でない限り、手帳の有無は外見からはわからない
- 偏見は、手帳の有無ではなく、障害そのものに対するもの
結論
手帳を持っていること自体が、直接的に偏見を招くわけではありません。開示するかどうかは自分で選べます。
誤解5 「生命保険に加入できなくなる」
【真偽】一部真実
真実
- 障害や疾患によっては、生命保険・医療保険の加入が難しくなる場合がある
- 特に精神疾患(うつ病、統合失調症など)がある場合、多くの保険会社で加入を断られる
ただし
- これは手帳を持っているからではなく、障害・疾患があるから
- 手帳がなくても、障害・疾患があれば同じ
- 引受基準緩和型保険(持病があっても入れる保険)もある
結論
保険加入の制限は、手帳ではなく、障害・疾患そのものが原因です。
誤解6 「結婚できなくなる」
【真偽】完全な誤解
真実
- 手帳を持っていても、結婚は自由
- 法律上、何の制限もない
ただし
- 相手やその家族が、障害に対して理解がない場合、反対される可能性はある
- これは手帳の有無ではなく、障害そのものに対する偏見
結論
手帳が結婚の障害になることはありません。
誤解7 「子どもに遺伝する」
【真偽】誤解(手帳と遺伝は無関係)
真実
- 手帳を持っていることと、遺伝は全く関係ない
- 遺伝するかどうかは、障害・疾患の種類による(例 一部の遺伝性疾患、発達障害の遺伝的要因など)
結論
手帳の有無と遺伝は無関係です。
実際に存在するデメリット・注意点
誤解を除いた、実際に存在するデメリットや注意点を見ていきましょう。
1. 心理的な抵抗感・自己受容の問題
「障害者」として認定されることへの抵抗
内容
- 自分が「障害者」だと認めることへの心理的抵抗
- アイデンティティの混乱
- 自己肯定感の低下
対処法
- 手帳は「レッテル」ではなく「支援を受けるためのツール」と考える
- 障害があっても、自分は自分。価値は変わらない
- カウンセリングや当事者会で気持ちを整理する
2. 一部の職業・資格で制限がある(主に身体・知的障害)
法律で制限されている職業がある
制限される可能性がある職業・資格の例
- 医師、歯科医師(絶対的欠格事由は撤廃されたが、相対的欠格事由あり)
- 薬剤師(同上)
- 看護師(同上)
- 教員(視覚障害、聴覚障害などで一部制限)
- 警察官、消防士(身体要件あり)
- パイロット(視覚、聴覚の基準あり)
- 大型・中型運転免許(一定の身体障害で制限)
注意
- これは手帳を持っているからではなく、障害そのものによる制限
- 多くの職業・資格は、障害があっても取得・従事可能
精神障害者保健福祉手帳の場合
ほとんどの職業・資格で制限はありません(一部の国家資格で、欠格事由に「精神の機能の障害」がある場合あり)
3. 生命保険・医療保険の加入が難しい(精神疾患の場合)
前述の通り
対処法
- 引受基準緩和型保険を検討
- 症状が安定してから加入を試みる
- ファイナンシャルプランナーに相談
4. 住宅ローンの審査が厳しくなる可能性(精神疾患の場合)
団体信用生命保険(団信)の加入が難しい
内容
住宅ローンを組む際、多くの金融機関で団信への加入が条件となるが、精神疾患があると加入を断られる場合がある
対処法
- 団信不要の住宅ローン(フラット35など)を利用
- ワイド団信(引受基準が緩い団信)を検討
- 症状が安定してから申し込む
5. 開示した場合の偏見・差別のリスク
社会の偏見は現実に存在する
内容
手帳を持っていることや障害があることを周囲に開示した場合、偏見や差別を受ける可能性がある
例
- 職場での不当な扱い
- 近隣住民からの偏見
- 恋愛・結婚での相手や家族の反対
対処法
- 開示するかどうかは慎重に判断
- 信頼できる人にだけ開示
- 差別を受けた場合、相談窓口(労働局、法務局など)に相談
6. プライバシーの懸念
手続きで個人情報を提供する必要がある
内容
手帳の申請、福祉サービスの利用などで、障害や疾患に関する個人情報を提供する必要がある
対処法
- 個人情報は法律で保護されている
- 不安な場合、窓口で秘密保持について確認
7. 手続きの手間
申請、更新の手間がかかる
内容
- 手帳の申請 診断書の取得(有料)、書類提出、審査待ち(1〜3ヶ月)
- 精神障害者保健福祉手帳 2年ごとの更新
- 各種支援の申請 それぞれ手続きが必要
対処法
- 手間はかかるが、得られるメリットと比較する
- 手続きは家族や支援者に手伝ってもらえる
8. 等級が低いと、受けられる支援が限られる
軽度の場合、メリットが少ない
内容
- 身体障害者手帳6級、精神障害者保健福祉手帳3級など、軽度の場合、受けられる支援が限られる
- 例 重度心身障害者医療費助成は1級・2級のみ、重度障害者手当は1級・2級の重複障害のみ、など
対処法
- 軽度でも、税制優遇、交通費割引、障害者雇用枠での就職などのメリットはある
- メリットとデメリットを比較して判断
9. 障害者雇用枠での就職の場合、給料が低い傾向
一般就労より給料が低い場合がある
内容
障害者雇用枠での就職は、一般就労と比べて給料が低い傾向がある(ただし、企業や職種による)
対処法
- 一般就労(障害を開示しない就職)も可能
- 障害者雇用枠でも、給料が高い企業や職種を選ぶ
- スキルを身につけて、条件の良い仕事を目指す
10. 自治体によって支援内容が異なる
住んでいる場所で受けられる支援が違う
内容
医療費助成、手当、交通費助成などは、自治体によって内容・金額が大きく異なる
対処法
- 自分の自治体の支援内容を確認
- 引っ越しの際は、転居先の支援内容も確認
手帳の種類別の注意点
手帳の種類によって、デメリット・注意点が異なります。
身体障害者手帳
特有の注意点
- 障害の程度が軽度(5級、6級)の場合、受けられる支援が限られる
- 外見で障害がわかる場合、周囲の目が気になる可能性
- 一部の職業・資格で制限がある(前述)
メリットが大きいケース
- 重度(1級、2級)の場合、医療費助成、手当などのメリットが大きい
- 内部障害(心臓、腎臓など)の場合、外見ではわからないため、周囲に知られずに支援を受けやすい
療育手帳(知的障害)
特有の注意点
- 社会的な偏見が強い(知的障害への理解不足)
- 成年後見制度の利用を検討する必要がある場合も(重度の場合)
メリットが大きいケース
- 税制優遇、福祉サービス、特別支援教育など、幅広い支援が受けられる
- 障害者雇用枠での就職がしやすい
精神障害者保健福祉手帳
特有の注意点
- 有効期限が2年 定期的な更新が必要(診断書代がかかる)
- 社会的な偏見が強い(精神疾患への理解不足)
- 生命保険、住宅ローンの審査が厳しい(前述)
- 一般就労での開示に抵抗がある人が多い
メリットが大きいケース
- 自立支援医療(精神通院医療)と併用で、医療費が大幅に軽減
- 障害者雇用枠での就職(精神障害者の雇用義務化により、求人が増加)
- 税制優遇(障害者控除)
精神障害者保健福祉手帳を取得すべきか迷う場合
- メリット 医療費軽減、税制優遇、交通費割引、障害者雇用枠
- デメリット 2年ごとの更新、偏見のリスク(開示した場合)、保険加入の制限
- 判断基準 医療費が高い、障害者雇用枠で就職したい、税制優遇を受けたい場合は、取得のメリットが大きい
デメリットへの対処法
デメリットを最小化し、メリットを最大化する方法を見ていきましょう。
1. 開示するかどうかは自分で選ぶ
手帳を持っていることを周りに言う義務はない
戦略
- クローズ就労(障害を開示しない就職) 一般就労、手帳を持っていることは言わない
- オープン就労(障害を開示する就職) 障害者雇用枠、または一般就労で開示
- セミオープン(一部の人にだけ開示) 信頼できる上司や同僚にだけ開示
選び方
- 合理的配慮が必要な場合 オープンまたはセミオープン
- 偏見が心配な場合 クローズ
- 自分の状態、職場の雰囲気、必要な配慮の程度などを総合的に判断
2. 手帳を「使う場面」を選ぶ
すべての場面で手帳を使う必要はない
例
- 医療費助成、税制優遇 積極的に使う(周りに知られない)
- 交通費割引 使う(周りに多少知られる可能性があるが、気にしなければOK)
- 公共施設の割引 使う・使わないは自由
- 職場での開示 慎重に判断
3. 精神障害者保健福祉手帳の更新を利用する
症状が改善したら更新しない選択肢もある
メリット
- 2年ごとに見直しができる
- 症状が改善し、手帳が不要になったら更新しない
注意
- 更新しないと、受けていた支援が受けられなくなる
- 医療費助成、手当などが止まる
4. 専門家に相談する
一人で悩まない
相談先
- 市区町村の障害福祉窓口
- 障害者就業・生活支援センター
- 当事者団体
- ピアサポーター(同じ障害のある仲間)
5. 自己受容を進める
障害のある自分を受け入れる
方法
- カウンセリング
- 当事者会への参加
- 障害についての正しい知識を得る
- 「障害=ダメ」ではなく、「一つの特性」と捉える
6. 家族や信頼できる人に話す
理解者を得る
効果
- 孤独感が減る
- サポートが得られる
- 心理的な負担が軽減
メリットとデメリットの比較
メリットとデメリットを総合的に比較しましょう。
メリット(主なもの)
経済的メリット(年間換算の例)
- 医療費助成 年間数万円〜数十万円の節約
- 障害年金(該当する場合) 年間約80万円〜100万円以上
- 特別障害者手当(重度の場合) 年間約32万円
- 心身障害者福祉手当(東京都の場合) 年間約18万円
- 税制優遇(障害者控除) 所得税・住民税で年間数万円〜十数万円の軽減
- 交通費割引 年間数万円の節約(利用頻度による)
- その他割引(携帯電話、NHK受信料など) 年間数万円
合計 数十万円〜数百万円の経済的メリット(障害の程度や利用する支援による)
就労面のメリット
- 障害者雇用枠での就職 合理的配慮、安定した雇用
- 就労支援サービス 職業訓練、就職支援、職場定着支援
生活面のメリット
- 福祉サービス ホームヘルプ、生活介護、グループホームなど
- 補装具・日常生活用具の給付
デメリット(主なもの)
心理的デメリット
- 自己受容の問題(個人差大)
実務的デメリット
- 手続きの手間
- 更新の手間(精神障害者保健福祉手帳)
- 診断書代(数千円〜1万円)
社会的デメリット(開示した場合のみ)
- 偏見・差別のリスク(現実に存在するが、開示しなければ回避可能)
制度的デメリット(一部の人のみ)
- 一部の職業・資格で制限(該当する職業を目指す場合のみ)
- 生命保険の加入制限(精神疾患の場合)
- 住宅ローンの審査(精神疾患の場合)
総合判断
手帳取得をおすすめする人
- 医療費が高い人(特に精神科通院中)
- 経済的に困窮している人
- 障害者雇用枠での就職を希望する人
- 福祉サービスを利用したい人
- 税制優遇を受けたい人(一定の所得がある人)
手帳取得を慎重に検討すべき人
- 障害の程度が非常に軽度で、ほとんど支援が必要ない人
- 開示による偏見を強く恐れる人(ただし、開示しなければ偏見は回避可能)
- 制限される職業・資格を目指している人
ほとんどの場合、メリットがデメリットを上回る
経済的メリットだけでも、デメリットを大きく上回ることが多い
よくある質問
Q1 手帳を持つと就職できなくなりますか?
A いいえ、そのようなことはありません
手帳を持っていても、一般就労(障害を開示しない就職)は可能です。履歴書に書く義務もありません。
Q2 会社に知られますか?
A 自分から言わない限り、基本的に知られません
税金の申告で障害者控除を使っても、手帳の詳細は会社に伝わりません。
Q3 一度取ったら返せませんか?
A 返納できます
障害が軽快・治癒した場合、手帳を返納できます。精神障害者保健福祉手帳は2年ごとの更新なので、更新しなければ失効します。
Q4 周りから偏見の目で見られますか?
A 開示しなければ、知られることはありません
手帳を持っていることを周りに言わなければ、偏見を受けることはありません。開示するかは自分で選べます。
Q5 生命保険に入れなくなりますか?
A 障害・疾患によっては難しくなる場合があります
ただし、これは手帳ではなく、障害・疾患そのものが原因です。引受基準緩和型保険もあります。
Q6 デメリットよりメリットの方が大きいですか?
A ほとんどの場合、メリットの方が大きいです
経済的メリットだけでも年間数十万円〜数百万円になることがあり、デメリットを大きく上回ります。
Q7 精神障害者保健福祉手帳は取得すべきですか?
A 医療費が高い、障害者雇用枠で就職したい場合は、取得をおすすめします
自立支援医療と併用で医療費が大幅に軽減されます。2年ごとの更新が必要ですが、症状が改善したら更新しない選択肢もあります。
Q8 軽度でも取得するメリットはありますか?
A あります
税制優遇、交通費割引、障害者雇用枠での就職などのメリットがあります。ただし、重度と比べると受けられる支援は限られます。
Q9 家族に反対されています
A メリットとデメリットを説明し、理解を求めましょう
この記事を家族に読んでもらうのも一つの方法です。また、市区町村の窓口で家族と一緒に相談するのも良いでしょう。
Q10 取得を迷っています。どうすればいいですか?
A まず市区町村の障害福祉窓口に相談してください
窓口で、あなたが受けられる支援の具体的な内容を聞いた上で、メリットとデメリットを比較して判断しましょう。
まとめ 正しい理解で適切な判断を
障害者手帳のデメリットとして「就職できなくなる」「会社にバレる」「一生取り消せない」「偏見の目で見られる」などがよく言われますが、これらの多くは誤解です。実際に存在するデメリットは、心理的な抵抗感、一部の職業・資格での制限、生命保険・住宅ローンの制限(精神疾患の場合)、開示した場合の偏見のリスク、手続きの手間、等級が低い場合の支援の限界などです。
しかし、これらのデメリットは、医療費助成、手当・年金、税制優遇、交通費割引、障害者雇用枠での就職、福祉サービスなどの経済的・生活的メリット(年間数十万円〜数百万円相当)と比較すると、多くの場合、メリットの方が大きく上回ります。また、デメリットの多くは、開示しない、手帳を使う場面を選ぶ、更新しない(精神障害者保健福祉手帳)などの方法で最小化できます。
手帳の種類別では、精神障害者保健福祉手帳は2年ごとの更新が必要ですが、自立支援医療との併用で医療費が大幅に軽減されるため、精神科通院中の方には特におすすめです。身体障害者手帳、療育手帳は原則無期限で、幅広い支援が受けられます。
最も重要なのは、正確な情報に基づいて、自分の状況に合わせて判断することです。迷っている場合は、まず市区町村の障害福祉窓口に相談し、具体的に受けられる支援の内容を確認した上で、メリットとデメリットを比較して決めましょう。障害者手帳は、あくまで「支援を受けるためのツール」であり、適切に活用することで、より良い生活を実現できます。

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