はじめに:「連絡が来ない」不安と「いつ始まるのか」という疑問
就労継続支援B型事業所の見学や体験利用を終え、利用を希望することを伝えた後、「利用決定の連絡はいつ来るのだろうか」「もう何日も経つのに、連絡が来ない」「自分から連絡した方がいいのだろうか」「もしかして、断られたのだろうか」という不安を抱えている方が少なくありません。利用を希望したのに、その後の流れや連絡のタイミングが分からないと、「自分は受け入れてもらえるのか」「何か問題があったのか」「いつから通い始められるのか」と、不安と焦りが募ります。
特に、過去に学校や職場で拒絶された経験がある方、自己肯定感が低い方、不安障害がある方にとって、「連絡を待つ」という状況は非常にストレスフルです。「連絡が来ない」=「断られた」と短絡的に考えてしまい、落ち込んだり、自分を責めたりします。また、B型の利用決定までのプロセスが分からないため、「見学して、体験して、『利用したいです』と言えば、すぐに使えるのだろう」と思っていたのに、実際には様々な手続きや調整が必要で、時間がかかることを知らず、混乱します。
さらに、連絡の主体が分かりにくいことも、不安を増幅させます。「事業所から連絡が来るのか」「相談支援専門員から来るのか」「市区町村から来るのか」「自分から連絡すべきなのか」が分からず、誰に確認すればいいのかも分からない状態に陥ります。また、「連絡が来ないのは、自分に何か落ち度があったからではないか」「体験利用での態度が悪かったのか」「作業ができなかったから断られたのか」と、自分を責める思考に陥ることもあります。
しかし、利用決定の連絡が来るまでには、通常、一定の時間がかかります。事業所の受け入れ体制の確認、相談支援専門員によるサービス等利用計画の作成、市区町村への申請、受給者証の交付など、複数のステップがあり、それぞれに時間を要します。連絡が遅いからといって、必ずしも断られたわけではありません。プロセスを理解し、適切なタイミングで確認することで、不安は軽減されます。
本記事では、B型利用決定までの流れ、連絡が来るタイミング、連絡の主体、連絡が遅い場合の対処法、利用開始までの準備、そして不安への対処法について、詳しく解説していきます。利用決定の連絡を待っている方、不安を抱えている方、ご家族や支援者の方々にとって、実践的な情報となれば幸いです。
利用決定までの一般的な流れ
B型の利用決定までには、どのようなステップがあるのでしょうか。
ステップ1:見学・体験利用
事業所を知る
- 事業所を見学
- 体験利用(数日間)
ステップ2:利用希望を伝える
意思表示 体験利用後、「ここを利用したいです」と事業所に伝えます。
伝え方: 「体験させていただき、ありがとうございました。こちらの事業所を利用したいと考えています。」
ステップ3:事業所が受け入れ可否を検討
事業所側のプロセス
検討事項
- 定員の空き
- 定員に空きがあるか
- 受け入れ体制
- 本人の障害特性や支援ニーズに対応できるか
- スタッフの体制
- 作業のマッチング
- 本人ができそうな作業があるか
所要時間
数日〜1週間程度
結果
- 受け入れOK → 次のステップへ
- 受け入れ困難 → 理由を説明して、お断り(または空き待ち)
ステップ4:相談支援専門員との面談
サービス等利用計画の作成
プロセス
- 相談支援専門員と面談
- 本人の希望、目標、生活状況をヒアリング
- 相談支援専門員が「サービス等利用計画案」を作成
- 本人が内容を確認・同意
所要時間
1〜2週間程度
注意
既に相談支援専門員がいる場合は、このステップは早く進みます。相談支援専門員がいない場合は、まず相談支援専門員を探すところから始まるため、時間がかかります。
ステップ5:市区町村への申請
受給者証の申請
必要書類
- 障害福祉サービス受給者証の申請書
- サービス等利用計画案
- 障害者手帳または医師の診断書
- マイナンバーカード(または通知カード)
- 印鑑
提出先
市区町村の障がい福祉担当窓口
誰が申請するか
- 本人
- 家族
- 相談支援専門員が代行することも
ステップ6:市区町村の審査
支給決定
プロセス
- 市区町村が、申請内容を審査
- 必要に応じて、面談(認定調査)
- 支給の可否を決定
- 受給者証を発行
所要時間
1〜4週間程度(市区町村による)
ステップ7:受給者証の交付
正式な決定 市区町村から、受給者証が郵送されます。
受給者証には、以下が記載されています:
- サービスの種類(就労継続支援B型)
- 支給量(月に何日利用できるか)
- 有効期間
ステップ8:事業所と契約
正式な契約
プロセス
- 受給者証を持って、事業所へ
- 重要事項説明を受ける
- 契約書にサイン
- 個別支援計画の作成
所要時間
数日〜1週間程度
ステップ9:利用開始
通所スタート 契約が完了したら、いよいよ利用開始です。
全体の所要時間
トータル:2週間〜2ヶ月程度
最短ケース(2週間程度)
- 既に受給者証を持っている
- 既に相談支援専門員がいる
- 事業所に空きがある
- 市区町村の審査が早い
一般的なケース(1〜1.5ヶ月程度)
- 受給者証をこれから取得
- 相談支援専門員がいる
時間がかかるケース(1.5〜2ヶ月以上)
- 受給者証をこれから取得
- 相談支援専門員を探すところから
- 市区町村の審査に時間がかかる
- 事業所が満員で、空き待ち
連絡が来るタイミングと主体
いつ、誰から、どんな連絡が来るのでしょうか。
連絡1:事業所から「受け入れOK」の連絡
タイミング: 利用希望を伝えてから、数日〜1週間後
主体: 事業所のスタッフ(サービス管理責任者、施設長など)
内容: 「○○様、先日は体験利用ありがとうございました。当事業所としましては、○○様の受け入れが可能です。今後の流れについて、説明させていただきます。」
方法:
- 電話
- メール
- 対面(体験利用の最終日など)
この時点で伝えられること:
- 受け入れOK
- 今後の手続きの流れ
- 相談支援専門員の有無の確認
- 必要書類
連絡2:相談支援専門員から「面談の日程調整」の連絡
タイミング: 事業所からの連絡後、数日以内
主体: 相談支援専門員
内容: 「○○様、相談支援を担当させていただく△△と申します。サービス等利用計画を作成するため、面談の日程を調整させていただきたいのですが。」
方法:
- 電話
連絡3:相談支援専門員から「計画案ができた」の連絡
タイミング: 面談から、数日〜1週間後
主体: 相談支援専門員
内容: 「計画案ができましたので、ご確認いただきたいです。」
方法:
- 電話、または対面
連絡4:市区町村から「受給者証」の送付
タイミング: 申請から、1〜4週間後
主体: 市区町村
内容: 受給者証が、郵送で届きます。
特に電話連絡はなく、いきなり郵送で届くことが多いです。
連絡5:事業所から「契約日程の調整」の連絡
タイミング: 受給者証が届いた後、数日以内
主体: 事業所のスタッフ
内容: 「受給者証が届きましたでしょうか?契約の日程を調整させていただきたいのですが。」
方法:
- 電話
連絡6:事業所から「利用開始日」の連絡
タイミング: 契約日
主体: 事業所のスタッフ
内容: 「それでは、○月○日から、利用開始となります。初日は、○時に来てください。」
方法:
- 対面(契約時)
連絡が遅い場合の対処法
連絡が予想より遅い場合、どうすればいいのでしょうか。
1. 「待つ期間」の目安を理解する
正常な範囲 以下の期間内であれば、「遅い」とは言えません。
- 事業所からの受け入れOK連絡:1週間以内
- 相談支援専門員からの面談調整:受け入れOK後、1週間以内
- 受給者証の交付:申請から、4週間以内
- 事業所からの契約日程調整:受給者証交付後、1週間以内
2. 「遅い」と感じたら、確認する
適切なタイミング
確認すべきタイミング
- 事業所からの連絡:利用希望を伝えてから1週間経過
- 相談支援専門員からの連絡:事業所から「相談支援専門員から連絡が行く」と言われてから1週間経過
- 受給者証:申請から4週間経過
- 事業所からの契約日程調整:受給者証が届いてから1週間経過
3. 誰に確認するか
確認先
パターン1:事業所からの受け入れOK連絡が来ない
→ 事業所に確認
連絡方法: 電話
伝え方: 「先日、体験利用させていただいた○○です。利用を希望するとお伝えしたのですが、その後のご連絡をいただいていないため、確認のお電話をさせていただきました。」
パターン2:相談支援専門員からの連絡が来ない
→ 事業所に確認(または相談支援専門員に直接)
伝え方: 「事業所から、相談支援専門員の○○さんから連絡があると伺ったのですが、まだ連絡をいただいていないため、確認させていただきました。」
パターン3:受給者証が届かない
→ 市区町村の障がい福祉担当窓口に確認
伝え方: 「○月○日に、障害福祉サービス受給者証の申請をした○○ですが、まだ受給者証が届いていないため、進捗を確認させていただきたいのですが。」
パターン4:事業所からの契約日程調整の連絡が来ない
→ 事業所に確認
伝え方: 「受給者証が届いたのですが、契約の日程について、ご連絡をいただいていないため、確認のお電話をさせていただきました。」
4. 連絡しづらい場合
代理人を活用 自分で連絡しづらい場合、以下の方に代わりに確認してもらいましょう。
- 相談支援専門員
- 家族
- 主治医(診断書を書いてもらった場合)
5. 「忘れられている」可能性
稀だが、ある 稀ですが、事務的なミスで、連絡が漏れていることもあります。
遠慮せず、確認しましょう。
6. 「断られた」のか確認する
はっきりさせる もし、事業所が受け入れを断る場合、通常は連絡があります。
しかし、稀に、連絡がないままになることもあります。
確認の電話で、はっきりさせましょう。
質問: 「利用は可能でしょうか?それとも、何か問題がありましたでしょうか?」
利用開始までに準備すること
利用決定の連絡を待っている間、また、連絡が来た後、利用開始までに準備することです。
1. 生活リズムを整える
最優先
方法
- 毎日、同じ時間に起きる
- 日中に活動する(散歩など)
- 夜に眠る
- 3食を規則正しく
生活リズムが整っていると、利用開始がスムーズです。
2. 通所経路の確認
道を覚える
方法
- 実際に、事業所まで行ってみる(何度か)
- 所要時間を確認
- 電車・バスの時刻を確認
- 迷いそうなポイントを確認
3. 持ち物の準備
前日の準備
一般的な持ち物
- 受給者証(初日)
- 障害者手帳(初日)
- 印鑑(初日)
- 筆記用具
- メモ帳
- 飲み物
- 昼食(弁当持参の場合)
- 着替え(必要な場合)
- 薬
4. 服装の準備
清潔で動きやすい服
ポイント
- スーツは不要
- 清潔な服
- 動きやすい服
- 季節に合った服
5. 体力をつける
少しずつ
方法
- 散歩・ウォーキング
- ラジオ体操
- ストレッチ
体力をつけておくと、疲れにくくなります。
6. 不安を整理する
心の準備
方法
- 何が不安か、書き出す
- 不安への対処法を考える
- スタッフや相談支援専門員に、不安を伝える
不安を整理することで、気持ちが楽になります。
7. 目標を設定する
何のために通うのか
目標例
- 生活リズムを整えるため
- 社会とのつながりを持つため
- 将来、一般就労するための準備
- 少しでも収入を得るため
目的が明確だと、モチベーションが保てます。
8. 家族と話し合う
協力体制
話し合う内容
- 家族のサポート(朝起こしてもらう、送迎など)
- 家族の理解と励まし
家族の協力があると、続けやすくなります。
9. 主治医に報告
医療との連携
報告内容
「B型の利用が決まりました。○月○日から通所します。」
主治医も、状況を把握することで、適切なサポートができます。
10. 楽しみを見つける
ポジティブに
楽しみ
- 「どんな人に会えるかな」
- 「どんな作業があるかな」
- 「工賃で、何を買おうかな」
楽しみを見つけることで、前向きになれます。
不安への対処法
利用決定の連絡を待っている間、また、利用開始前の不安への対処法です。
1. 「連絡が来ない」=「断られた」ではない
理解する 連絡が遅いからといって、断られたわけではありません。
手続きに時間がかかっているだけです。
2. プロセスを理解する
不安の軽減 利用決定までのプロセスを理解することで、「今、どの段階か」が分かり、不安が減ります。
3. 確認する勇気
モヤモヤするなら 不安でモヤモヤするなら、確認しましょう。
確認することで、はっきりします。
4. 相談支援専門員に相談
サポートを受ける 「連絡が来なくて不安です」と相談支援専門員に伝えましょう。
代わりに確認してくれることもあります。
5. 「最悪のシナリオ」を想定
備える 「もし断られたら、どうするか」を考えておきましょう。
- 他のB型事業所を探す
- 地域活動支援センターを検討
- デイケアを検討
備えることで、不安が減ります。
6. リラクゼーション
ストレス解消
方法
- 深呼吸
- 瞑想
- ストレッチ
- 好きな音楽を聴く
- 入浴
- 趣味
リラクゼーションで、不安を和らげましょう。
7. 「今できること」に集中
待つ間も有意義に 連絡を待っている間、「今できること」に集中しましょう。
- 生活リズムを整える
- 体力をつける
- 通所経路を確認
待つ時間も、準備の時間です。
8. ポジティブに考える
前向きに
考え方
「連絡が来ないのは、丁寧に手続きを進めてくれているからだ」
「時間がかかるのは、それだけしっかりしている証拠だ」
ポジティブに捉えましょう。
9. 家族や友人と話す
吐き出す 不安を、家族や友人に話しましょう。
吐き出すことで、気持ちが楽になります。
10. 主治医に相談
医学的なサポート 不安が強い場合、主治医に相談しましょう。
必要に応じて、薬の調整もできます。
よくある質問
Q1: 利用希望を伝えてから、どれくらいで連絡が来ますか?
A: 事業所からの受け入れOK連絡は、数日〜1週間程度 その後、全体で2週間〜2ヶ月程度で利用開始となります。
Q2: 連絡が来ないのは、断られたということですか?
A: 必ずしもそうではありません 手続きに時間がかかっているだけの可能性が高いです。1週間以上連絡がない場合は、確認しましょう。
Q3: 自分から連絡するのは、失礼ですか?
A: 失礼ではありません 適切なタイミングで確認することは、全く問題ありません。
Q4: 誰に連絡すればいいか分かりません
A: まずは事業所に 分からない場合は、まず事業所に連絡しましょう。事業所が、適切な連絡先を教えてくれます。
Q5: 受給者証を既に持っていますが、それでも時間がかかりますか?
A: 時間は短縮されます 受給者証を既に持っている場合、手続きが簡素化され、早く利用開始できます(最短1〜2週間程度)。
Q6: 相談支援専門員がいない場合、どうすればいいですか?
A: 事業所または市区町村に相談 事業所や市区町村が、相談支援専門員を紹介してくれます。
Q7: 利用開始日は、自分で決められますか?
A: 相談して決めます 事業所と相談して、利用開始日を決めます。ある程度の希望は聞いてもらえます。
Q8: 連絡が来る前に、気が変わって利用をやめたくなりました
A: 断ることもできます 連絡が来た時、または自分から連絡して、「検討した結果、今回は見送らせていただきます」と伝えましょう。
Q9: 利用決定の連絡が、メールで来ることはありますか?
A: 基本的には電話 重要な連絡は、基本的に電話で来ます。ただし、事業所によっては、メールやLINEで連絡することもあります。
Q10: 利用開始日を延期できますか?
A: 相談次第で可能 体調不良などの理由があれば、利用開始日を延期することも可能です。事業所に相談しましょう。
まとめ:プロセスを理解し、適切に確認しよう
B型の利用決定までの流れは、見学・体験利用、利用希望を伝える、事業所が受け入れ可否を検討、相談支援専門員との面談、市区町村への申請、市区町村の審査、受給者証の交付、事業所と契約、利用開始というステップがあり、全体で2週間〜2ヶ月程度かかります。
連絡は、事業所から受け入れOK、相談支援専門員から面談日程調整、相談支援専門員から計画案完成、市区町村から受給者証送付、事業所から契約日程調整、事業所から利用開始日というタイミングで来ます。
連絡が遅い場合は、待つ期間の目安を理解し、適切なタイミングで確認し、事業所・相談支援専門員・市区町村など適切な相手に連絡し、自分で連絡しづらい場合は代理人を活用し、忘れられている可能性も考慮し、断られたのかはっきりさせることが大切です。
利用開始までに準備することは、生活リズムを整え、通所経路を確認し、持ち物・服装を準備し、体力をつけ、不安を整理し、目標を設定し、家族と話し合い、主治医に報告し、楽しみを見つけることです。
不安への対処法は、連絡が来ない=断られたではないと理解し、プロセスを理解し、確認する勇気を持ち、相談支援専門員に相談し、最悪のシナリオを想定し、リラクゼーションし、今できることに集中し、ポジティブに考え、家族や友人と話し、主治医に相談することです。
利用決定までには、複数のステップがあり、時間がかかります。連絡が遅いからといって、必ずしも断られたわけではありません。プロセスを理解し、適切なタイミングで確認することで、不安は軽減されます。焦らず、準備を進めながら、連絡を待ちましょう。そして、利用開始の日を、前向きに迎えてください。新しい一歩を踏み出すあなたを、応援しています。

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