お子さんの将来を考え、B型施設を探している保護者の方へ
障害のあるお子さんに合った選択をするために、まず知っておきたい基本ガイド
初めての方は、基礎知識と不安解消をセットで押さえると安心です。
まず読むべき基礎知識5記事
施設選びでつまずきやすいポイント5記事
障害のある子どもや家族を在宅で介護し続けるべきか、施設やグループホームに入れるべきか、どちらが本人にとって幸せなのかなど、在宅か施設かの選択に悩む方に向けて、それぞれのメリット・デメリット、判断基準、後悔しない選択のポイントなどを詳しく解説します。
在宅か施設かの悩みは誰にでもある
在宅か施設かの悩みは誰にでもあることについて説明します。
多くの家族が抱える共通の悩みです。障害のある子どもを持つ親の多くが、この悩みを抱えています。一人で悩んでいるのではありません。
正解はありません。在宅が正しい、施設が正しいという答えはありません。本人の状態、家族の状況、地域の資源などによって、最適な選択は異なります。
罪悪感を感じる必要はありません。施設を検討することに罪悪感を感じる親が多いですが、それは親として当然の愛情の表れです。施設を検討すること自体は悪いことではありません。
時期によって答えが変わります。今は在宅が良くても、将来は施設が必要になるかもしれません。逆に、一度施設に入っても、地域生活に戻ることもあります。状況は変化します。
両方を組み合わせることもできます。在宅か施設かの二者択一ではありません。在宅を基本にしながら短期入所を活用する、グループホームを利用するなど、中間的な選択肢もあります。
何度も悩み直すことです。一度決めたら終わりではありません。本人の状態、家族の状況の変化に応じて、何度も考え直すことが大切です。
本人の意思が最も重要です。本人がどう思っているか、どう感じているかが最も重要です。親の都合だけで決めるべきではありません。
専門家に相談することです。相談支援専門員、医師、福祉職など、専門家の意見を聞くことで、冷静に判断できます。
家族だけで抱え込まないことです。きょうだい、親族、友人、家族会などに相談し、様々な意見を聞くことが大切です。
在宅介護のメリット
在宅介護のメリットについて説明します。
家族と一緒に暮らせることです。最も大きなメリットです。親、きょうだい、家族との絆を維持できます。愛情に包まれた生活ができます。
住み慣れた環境で暮らせることです。生まれ育った家、慣れ親しんだ部屋、近所の環境など、安心できる場所で暮らせます。環境の変化によるストレスがありません。
本人のペースで生活できることです。起床時間、食事時間、活動内容など、本人のペースに合わせて生活できます。集団生活のルールに縛られません。
好きなものを食べられることです。本人の好きな食事、好みに合わせた料理を提供できます。施設の画一的な食事より、食事の楽しみがあります。
個別対応ができることです。本人の状態、気分、体調に応じて、柔軟に対応できます。施設のようにスケジュールに縛られません。
プライバシーが守られることです。自分の部屋があり、プライバシーが確保されます。施設の多床室のような環境ではありません。
地域との繋がりを維持できることです。近所の人、商店街、公園など、地域との繋がりを維持できます。社会から隔離されません。
外出の機会が多いことです。買い物、外食、散歩、趣味の活動など、外出の機会を多く持てます。施設に比べて自由度が高いです。
親の愛情を直接伝えられることです。毎日顔を見て、話しかけて、触れ合うことで、愛情を伝えられます。親としての喜びがあります。
経済的な負担が少ないこともあります。施設やグループホームの費用月10〜15万円程度に比べて、在宅なら訪問サービスの費用のみで済むことがあります。
在宅介護のデメリット
在宅介護のデメリットについて説明します。
家族の負担が大きいことです。最も大きなデメリットです。24時間365日の介護は、心身ともに大きな負担です。食事、入浴、排泄、夜間の見守りなど、休む間がありません。
親の高齢化により限界が来ることです。親が60代、70代、80代になると、体力的に介護が困難になります。親が病気になったり倒れたりするリスクもあります。
親亡き後の不安があることです。親が亡くなった後、誰が面倒を見るのか、どこで暮らすのか、大きな不安があります。準備が不十分だと、本人が路頭に迷います。
きょうだいへの負担があることです。親亡き後、きょうだいに負担がかかることがあります。きょうだいの人生を縛ってしまう可能性があります。
社会的孤立のリスクがあることです。介護に追われ、親自身が社会から孤立することがあります。友人との交流、趣味、外出などができなくなります。
専門的な支援が不足することです。在宅では、施設のような専門的な支援を受けられません。リハビリ、療育、医療的ケアなどが不十分になることがあります。
緊急時の対応が困難なことです。本人が急病、けが、パニックなどを起こした時、家族だけでは対応が困難です。夜間や休日は特に不安です。
家族のストレスが大きいことです。介護疲れ、睡眠不足、自分の時間がない、将来への不安などで、大きなストレスを抱えます。うつ病、介護うつになるリスクがあります。
虐待のリスクがあることです。介護疲れ、ストレス、孤立などにより、虐待や不適切な関わりをしてしまうリスクがあります。追い詰められると、誰でも起こり得ます。
本人の社会参加が限られることです。在宅では、他者との交流、社会活動、余暇活動などが限られます。家族以外との関係が希薄になります。
家族関係が悪化することがあります。介護を巡って夫婦喧嘩、親子の衝突、きょうだい間の不和などが生じることがあります。
施設・グループホームのメリット
施設・グループホームのメリットについて説明します。
家族の介護負担がなくなることです。最も大きなメリットです。24時間の介護から解放され、親自身の人生を取り戻せます。
専門的な支援を受けられることです。介護福祉士、看護師、理学療法士などの専門職による支援を受けられます。在宅では難しい専門的なケアが可能です。
24時間体制で安心できることです。夜間も職員がいて、緊急時にすぐに対応してもらえます。在宅の夜間の不安がありません。
同世代の仲間ができることです。同じような障害のある仲間と生活し、友人関係ができることがあります。家族以外の人間関係が広がります。
規則正しい生活ができることです。決まった時間に起床、食事、活動、就寝することで、生活リズムが整います。健康的な生活ができます。
日中活動が充実していることです。創作活動、軽作業、レクリエーション、外出など、様々な活動があります。生きがいや楽しみが得られます。
栄養バランスの取れた食事が提供されることです。栄養士が献立を作成し、バランスの良い食事が提供されます。偏食の心配がありません。
親の高齢化に対応できることです。親が高齢になっても、施設なら安心です。親が倒れても、本人の生活は続きます。
親亡き後も安心できることです。親が亡くなった後も、継続して施設やグループホームで暮らせます。住む場所がなくなる心配がありません。
きょうだいの負担が軽減されることです。親亡き後、きょうだいに介護の負担がかかりません。きょうだいの人生を尊重できます。
親自身の人生を取り戻せることです。介護から解放され、仕事、趣味、友人との交流、夫婦の時間など、親自身の人生を楽しめます。
施設・グループホームのデメリット
施設・グループホームのデメリットについて説明します。
家族と離れて暮らすことです。最も大きなデメリットです。毎日顔を見られない、一緒に食事ができない、寂しさを感じることがあります。
本人が寂しさを感じることです。家族と離れることで、本人が寂しさ、不安、孤独感を感じることがあります。特に最初は環境の変化で混乱します。
親が罪悪感を感じることです。子どもを施設に入れたことに罪悪感を感じる親が多いです。見捨てた、親失格だと自分を責めてしまいます。
自由が制限されることです。集団生活のルールに従う必要があり、在宅のような自由はありません。起床時間、食事時間、入浴日などが決まっています。
プライバシーが少ないことです。特に施設の多床室の場合、プライバシーがほとんどありません。個室のグループホームでも、共同生活なのでプライバシーは限られます。
費用がかかることです。グループホームで月10〜15万円、施設で月8〜15万円程度の費用がかかります。経済的な負担があります。
施設選びが難しいことです。良い施設を見つけるのは簡単ではありません。見学、体験入居などで慎重に選ぶ必要があります。
待機期間があることです。人気のある施設、都市部では、待機者が多く、数年待つこともあります。すぐには入れません。
虐待のリスクがゼロではないことです。一部の施設で虐待事件が報告されています。外部の目が届きにくい閉鎖的な環境はリスクです。
地域社会から隔離されることです。施設は郊外にあることが多く、地域との交流が少なくなります。社会から切り離された生活になりがちです。
一度入ると出にくいことです。施設での生活に慣れてしまい、地域生活に戻ることが難しくなります。能力が低下することもあります。
判断基準
在宅か施設かの判断基準について説明します。
本人の障害の程度です。重度で常時介護が必要、医療的ケアが必要な場合、施設が適していることが多いです。軽度から中度で、ある程度自立できる場合、グループホームや在宅が選択肢になります。
本人の意思です。最も重要な基準です。本人が家にいたいと言っている場合、その意思を尊重すべきです。本人が施設に行きたいと言っている場合も、その意思を尊重します。
家族の介護能力です。若い親で体力がある、家族が複数人いて協力できる場合、在宅が可能です。高齢の親一人、親が病気などの場合、施設が現実的です。
親の年齢と健康状態です。親が60代前半までで健康なら、在宅が可能かもしれません。70代以上、病気がある、体力が衰えている場合、施設を検討すべきです。
親亡き後の準備です。親が元気でも、親亡き後を考えて早めに施設やグループホームに入れることも選択肢です。本人が若いうちに慣れておく方が、適応しやすいこともあります。
きょうだいの意思です。きょうだいが将来的に引き受けると言っている場合と、引き受けられないと言っている場合では、判断が変わります。きょうだいの人生も尊重します。
在宅サービスの充実度です。訪問介護、訪問看護、短期入所などのサービスが充実している地域なら、在宅が可能です。サービスが少ない地域では困難です。
経済的な状況です。施設やグループホームの費用を払えるか、障害年金や生活保護で賄えるかを確認します。経済的に困難な場合の選択肢も考えます。
緊急時の対応体制です。本人が急病、パニックなどを起こした時、家族だけで対応できるか、近くに医療機関があるか、緊急時に頼れる人がいるかを考慮します。
家族のストレスレベルです。介護疲れ、うつ、虐待のリスクなど、家族のストレスが限界に達している場合、施設を検討すべきです。共倒れを防ぐことが優先です。
中間的な選択肢
在宅か施設かの二者択一ではなく、中間的な選択肢について説明します。
グループホームの利用です。施設よりも地域に近く、少人数で家庭的な雰囲気です。週末は自宅に帰る、月に数回自宅に帰るなど、在宅と組み合わせることもできます。
短期入所ショートステイの活用です。在宅を基本としながら、月に数日、短期入所を利用します。家族の休息レスパイト、緊急時の対応などに使えます。
日中は通所施設、夜は在宅です。生活介護、就労継続支援などの通所施設に日中通い、夜は自宅で過ごします。日中の活動と家族との生活を両立できます。
訪問サービスの活用です。在宅生活を基本にしながら、居宅介護、重度訪問介護、訪問看護などのサービスを利用します。家族の負担を軽減できます。
サテライト型グループホームです。グループホームに登録しながら、一人暮らしをする形態です。定期的に世話人が訪問します。自立と支援のバランスが取れます。
親と同居しながらヘルパー利用です。親と同居しながら、定期的にヘルパーが訪問し、入浴介助、外出支援などを受けます。親の負担を軽減できます。
平日は施設、週末は在宅です。平日は施設やグループホームで過ごし、週末は自宅に帰ります。両方の良さを活かせます。
将来的な移行を見据えた体験です。将来的には施設やグループホームに移行することを見据えて、定期的に体験入所をします。本人が徐々に慣れていきます。
後悔しない選択のために
後悔しない選択のためのポイントについて説明します。
本人の意思を何度も確認することです。本人がどう思っているか、どう感じているか、繰り返し確認します。言葉で表現できない場合も、表情、態度、行動から読み取ります。
複数の選択肢を実際に体験することです。グループホーム、施設、在宅+訪問サービスなど、複数の選択肢を実際に体験します。体験してみないと分かりません。
家族で十分に話し合うことです。親だけでなく、本人、きょうだい、祖父母など、家族全員で話し合います。一人で決めず、合意形成をします。
専門家の意見を聞くことです。相談支援専門員、医師、福祉職、家族会の先輩など、複数の専門家や経験者の意見を聞きます。
焦らず時間をかけることです。すぐに決めず、数ヶ月から1年以上かけて検討します。焦って決めると後悔します。
見学や体験入所を複数回行うことです。一度の見学では分かりません。複数回、時間帯を変えて見学します。体験入所も複数回します。
親の感情を整理することです。罪悪感、不安、寂しさなど、親自身の感情を整理します。カウンセリング、家族会などで話を聞いてもらいます。
完璧な選択肢はないと理解することです。在宅にも施設にも、メリットとデメリットがあります。完璧な選択肢はありません。総合的に判断します。
選択後も見直せると理解することです。一度決めたら終わりではありません。状況が変われば、見直すことができます。柔軟に考えます。
本人の幸せを最優先することです。親の都合、世間体、きょうだいの都合ではなく、本人の幸せを最優先に考えます。本人が笑顔で暮らせることが最も大切です。
よくある悩みと回答
よくある悩みと回答について説明します。
Q:施設に入れたら親失格でしょうか。A:いいえ、違います。施設を選ぶことも、本人の幸せを考えた結果です。親が倒れて共倒れになるより、適切な支援を受けられる場所を選ぶことは、賢明な判断です。
Q:本人が嫌がっているのに施設に入れるべきですか。A:本人の意思は最優先すべきです。嫌がっている場合、まず在宅での支援を充実させることを検討します。ただし、親の介護が限界で倒れそうな場合、本人を説得することも必要です。
Q:親が元気なうちに施設に入れるのは早すぎますか。A:早すぎることはありません。むしろ、親が元気なうちに入れる方が、本人が若くて適応しやすい、親が頻繁に面会できる、緊急時に対応できるなどのメリットがあります。
Q:一度施設に入れたら、もう家に帰れませんか。A:そんなことはありません。施設やグループホームから、在宅生活に戻ることもできます。状況に応じて、柔軟に変更できます。
Q:きょうだいは将来引き受けると言っていますが。A:きょうだいの意思は尊重すべきですが、将来的に気が変わる可能性、きょうだいが病気になる可能性なども考慮します。きょうだいに頼らなくても暮らせる体制を作ることも重要です。
Q:経済的に施設の費用を払えません。A:生活保護を利用すれば、施設やグループホームに入居できます。障害年金と生活保護を組み合わせれば、費用は賄えます。経済的理由で諦める必要はありません。
Q:近くに良い施設がありません。A:遠方の施設も検討します。または、グループホーム、在宅+訪問サービスなど、他の選択肢を検討します。複数の地域を視野に入れます。
Q:親亡き後が心配で眠れません。A:多くの親が同じ悩みを抱えています。今から準備を始めることが大切です。施設やグループホームの見学、体験入所、成年後見制度の検討など、具体的な行動を始めましょう。
まとめ
在宅か施設かの悩みは、多くの家族が抱える共通の悩みです。
在宅介護のメリットは、家族と一緒に暮らせる、住み慣れた環境、本人のペース、個別対応、地域との繋がり、親の愛情などです。デメリットは、家族の負担、親の高齢化、親亡き後の不安、きょうだいへの負担、社会的孤立、専門的支援不足などです。
施設・グループホームのメリットは、家族の負担軽減、専門的支援、24時間体制、仲間、規則正しい生活、親亡き後の安心などです。デメリットは、家族と離れる、本人の寂しさ、親の罪悪感、自由の制限、プライバシー、費用、虐待リスクなどです。
判断基準は、本人の障害の程度、本人の意思、家族の介護能力、親の年齢と健康状態、親亡き後の準備、きょうだいの意思、在宅サービスの充実度、経済的状況、緊急時対応体制、家族のストレスレベルなどです。
中間的な選択肢として、グループホーム、短期入所活用、通所施設+在宅、訪問サービス活用、サテライト型、平日は施設で週末は在宅などがあります。
後悔しない選択のために、本人の意思確認、複数の選択肢を体験、家族で話し合い、専門家の意見、焦らず時間をかける、見学や体験を複数回、親の感情整理、完璧な選択肢はない理解、選択後も見直せる理解、本人の幸せ最優先などが重要です。
在宅か施設かで悩んでいる方は、一人で抱え込まないでください。相談支援専門員、家族会、福祉事務所などに相談してください。正解はありません。本人と家族にとって最適な選択を、時間をかけて見つけてください。罪悪感を感じる必要はありません。どちらを選んでも、本人の幸せを願う親の愛情に変わりはありません。

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