お子さんの将来を考え、B型施設を探している保護者の方へ
障害のあるお子さんに合った選択をするために、まず知っておきたい基本ガイド
初めての方は、基礎知識と不安解消をセットで押さえると安心です。
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障害のある成人の子どもや支援対象者が家にこもる、外に出ない、引きこもっているなど、社会参加ができない状態への対応に悩む親や支援者に向けて、その原因、影響、適切な対応方法などを解説します。家にこもる状態は、本人の将来に大きく影響するため、適切なサポートが重要です。
障害者が家にこもる状態とは
障害者が家にこもる状態について説明します。
外出しない状態です。買い物に行かない、散歩もしない、何ヶ月も家から出ていない、玄関から一歩も出ないなどの状態です。
社会参加をしていない状態です。デイサービスや作業所に通っていない、就労していない、ボランティアもしていない、社会とのつながりが全くないなどです。
家族以外との交流がない状態です。友人がいない、知人と会わない、電話やメールもしない、SNSでのやり取りもない、完全に孤立しているなどです。
自室にこもっている状態です。リビングにも出てこない、食事も部屋で取る、家族とも顔を合わせない、部屋から出ないなどです。
身だしなみに気を遣わなくなった状態です。入浴しない、着替えない、髪を整えない、清潔感がなくなる、自己管理ができていないなどです。
昼夜逆転している状態です。夜遅くまで起きている、昼間は寝ている、生活リズムが乱れているなどです。家にこもると昼夜逆転しやすくなります。
趣味や興味を失った状態です。以前は好きだったことにも興味がない、何もしたくない、無気力になっている、テレビやゲームさえしないなどです。
数ヶ月から数年にわたって続いている状態です。一時的な休養期間ではなく、長期間この状態が続いています。
障害者が家にこもる原因
障害者が家にこもる原因について説明します。
過去のトラウマや失敗体験が原因です。学校でのいじめ、職場でのトラブル、仕事での失敗、人間関係での傷つき体験、差別や偏見を受けた経験などが、外に出ることへの恐怖を生んでいます。
対人恐怖や社交不安が原因です。人が怖い、人と話すのが苦手、視線が怖い、集団が苦手、誤解される、嫌われるなどの不安が強く、人と関わることを避けています。
自己肯定感の低さが原因です。自分には価値がない、何もできない、迷惑をかける、社会に必要とされていないなどと思い込んでいます。
感覚過敏が原因です。音、光、人混み、触覚、匂いなどに敏感で、外に出ることが苦痛です。特に自閉スペクトラム症の場合、感覚過敏が外出の大きな障壁になります。
精神疾患を抱えている場合です。うつ病、不安障害、統合失調症、パニック障害などがあり、外に出るエネルギーがない、症状が外出を困難にしているなどです。
適切な居場所がないことが原因です。自分に合った場所がない、受け入れてくれる場所がない、行きたいと思える場所がない、選択肢を知らないなどです。
家が安全地帯になっていることが原因です。家にいれば傷つかない、家族が守ってくれる、外の世界は怖い、家が一番安心できるという認識があります。
働く必要性を感じていないことが原因です。経済的に困っていない、親が支えてくれる、年金があるので困らない、外に出る理由がないなどです。
体調が不安定なことが原因です。疲れやすい、体力がない、体調の波が大きい、慢性的な痛みや不調があるなどで、外出が困難です。
コミュニケーション能力への不安が原因です。うまく話せない、言葉が出ない、会話が続かない、意思疎通が難しいなどの不安があります。
親の過保護や過干渉が影響していることがあります。親が何でもやってしまう、失敗させない、外の世界から守りすぎる、本人の自立を妨げているなどです。
きっかけとなる出来事があったことが原因です。学校卒業、就職活動の失敗、職場を辞めた、施設でのトラブルなど、特定の出来事が引きこもりの始まりになっています。
家にこもることの影響
家にこもることによる影響について説明します。
身体的な健康が悪化することです。運動不足で体力が低下する、筋力が落ちる、肥満または痩せすぎる、免疫力が低下する、日光不足でビタミンD欠乏になる、生活習慣病のリスクが高まるなどです。
精神的な健康が悪化することです。うつ状態になる、不安が強くなる、自己肯定感がさらに下がる、無気力になる、希望が持てなくなる、精神疾患のリスクが高まるなどです。
社会性が失われることです。人との関わり方を忘れる、コミュニケーション能力がさらに低下する、社会のルールから遠ざかる、常識が分からなくなるなどです。長期化すると、社会復帰がより困難になります。
生活スキルが低下することです。生活リズムが乱れる、身だしなみを整えなくなる、料理や掃除などの基本的な生活習慣が失われる、自己管理ができなくなるなどです。
認知機能が低下する可能性があります。刺激がない生活では、記憶力、判断力、思考力などが低下することがあります。特に長期間の引きこもりでリスクが高まります。
孤立感が深まることです。社会から取り残されている、誰にも必要とされていない、一人ぼっちだ、世界から切り離されているなどの感覚が強まります。
将来への展望が失われることです。このままでいいのか、どうなるのか分からない、何もできない自分、時間だけが過ぎるなどの絶望感があります。
経済的な自立が困難になることです。収入がない、親に依存し続ける、将来の生活が不安、親が亡くなった後はどうするのかなどの問題があります。
親の負担が増大することです。経済的な負担、精神的な負担、将来への不安、罪悪感、焦り、ストレスなどで、親自身が疲弊します。
きょうだいへの影響もあります。きょうだいが将来の責任を感じる、家を出づらい、結婚に影響する、親の関心が偏る、ストレスを感じるなどです。
年齢を重ねるほど復帰が困難になることです。20代、30代、40代、50代と年齢が上がるにつれて、社会復帰のハードルが高くなります。
8050問題に発展する可能性があります。80代の親が50代の引きこもりの子どもを支える状態になり、親が高齢化して支えられなくなる深刻な問題です。
親がやってはいけない対応
親がやってはいけない対応について説明します。
叱る、責める、説教することです。外に出なさい、なぜ出ないのか、いつまで引きこもっているのかなどと責めることは逆効果です。本人を追い詰め、関係が悪化し、余計に引きこもります。
無理やり外に出そうとすることです。強制的に連れ出す、ドアを開けっ放しにする、無理やり施設に連れて行くなどは、トラウマを増やすだけです。暴力的な対応は絶対にしてはいけません。
放置することです。諦めて何も言わない、関わらない、見て見ぬふりをするなどです。放置は問題を悪化させます。適度な関わりが必要です。
過保護にすることです。部屋まで食事を運ぶ、洗濯や掃除を全部やってあげる、何でもやってしまう、失敗させないなどは、自立を妨げます。
お金を無制限に与えることです。欲しいものを何でも買い与える、お小遣いを多く渡す、要求に応えすぎるなどは、外に出る必要性を感じさせません。
他者と比較することです。◯◯さんの子は働いている、同級生はみんな働いている、兄弟は違うのになどと比較することは、自己肯定感をさらに下げます。
感情的になることです。怒鳴る、泣く、嘆く、悲観する、絶望するなどの感情的な対応は、本人にプレッシャーを与え、罪悪感を強めます。
期待や要求を押し付けることです。こうあるべき、普通はこうだ、親の希望を押し付けるなどは、本人の気持ちを無視しています。
一人で抱え込むことです。誰にも相談せず、恥ずかしがって隠す、専門家の助けを求めないなどです。孤立すると状況は改善しません。
すぐに結果を求めることです。焦って変化を求める、すぐに働かせようとする、短期間で改善を期待するなどは、プレッシャーになります。
親がすべき適切な対応
親がすべき適切な対応について説明します。
まず現状を受け入れることです。今の状態を否定せず、受け止めることから始めます。受け入れることと諦めることは違います。現実を見ることが第一歩です。
本人の気持ちを聞くことです。なぜ外に出たくないのか、何が不安なのか、どうしたいのかを、批判せずに聞きます。話せる雰囲気を作ることが大切です。強要せず、タイミングを待ちます。
焦らないことです。すぐに外に出させようとしない、長期的な視点を持つ、小さな変化を待つなどです。焦りは本人に伝わり、プレッシャーになります。回復には数ヶ月から数年かかることもあります。
責めないことです。本人を責めない、自分を責めない、誰かのせいにしないことです。責めても状況は改善しません。
コミュニケーションを保つことです。話しかける、挨拶をする、食事を一緒に取る機会を作る、つながりを維持するなどです。反応がなくても、関わり続けることが大切です。
家の中での小さな役割を持たせることです。食器を洗う、ゴミを出す、洗濯物を畳むなど、小さな家事を頼みます。できたら褒めます。役割を持つことで、自己肯定感が少し上がります。
生活リズムを整える支援をすることです。朝声をかける、食事の時間を決める、カーテンを開けるなど、緩やかに生活リズムを整えます。
情報を提供することです。デイサービス、作業所、相談機関、支援制度などの情報を、押し付けずに提供します。パンフレットを置いておく、さりげなく話題にするなどです。
専門家に相談することです。一人で抱え込まず、相談支援事業所、保健所、精神保健福祉センター、発達障害者支援センターなどに相談します。訪問支援を依頼することもできます。
医療機関を受診することです。精神疾患がある可能性を考え、精神科や心療内科を受診します。本人が行けない場合、親だけでも相談できます。往診してくれる医療機関もあります。
家族の関わり方を見直すことです。過保護になっていないか、過干渉になっていないか、依存を助長していないかを振り返ります。適度な距離感を保ちます。
経済的な線引きをすることです。無制限にお金を渡さない、必要最低限にする、外に出る必要性を感じさせる工夫をします。ただし、急激な変化は避けます。
家族会に参加することです。同じ悩みを持つ親と支え合う、情報交換する、孤立を防ぐなどです。自分だけではないと知ることが励みになります。
段階的なアプローチ
段階的に外に出られるよう支援する方法について説明します。
ステップ1:部屋から出ることです。まず自室からリビングに出る、家族と一緒に食事をする、家の中を歩くなどから始めます。家の中での移動が第一歩です。
ステップ2:玄関まで出ることです。玄関のドアを開ける、外の空気を吸う、郵便物を取りに行くなど、玄関先までの外出から始めます。
ステップ3:家の周りを歩くことです。家の前を歩く、近所を散歩する、ゴミ出しに行くなど、短距離の外出をします。人が少ない時間帯を選びます。
ステップ4:興味のある場所に行くことです。図書館、書店、ゲームセンター、カフェなど、本人が興味のある場所に行きます。最初は家族と一緒に、短時間から始めます。
ステップ5:デイサービスや相談機関を見学することです。まず見学だけ、体験だけから始めます。いきなり通所ではなく、何度か訪問して慣れます。
ステップ6:短時間の体験利用をすることです。週1回、1〜2時間だけなど、短時間から始めます。無理のないペースで徐々に増やします。
ステップ7:継続的な通所を目指すことです。週2〜3回、半日など、徐々に時間と頻度を増やします。安定して通えることを目指します。
ステップ8:次のステップを検討することです。安定したら、就労移行支援、就労継続支援A型、一般就労など、次のステップを検討します。ただし、デイサービスで安定することが目標でも十分です。
重要なのは、一段階ずつ進むこと、無理をしないこと、後戻りしても責めないこと、本人のペースを尊重することです。
利用できる支援とサービス
家にこもる障害者が利用できる支援とサービスについて説明します。
訪問支援アウトリーチサービスです。本人が外に出られない場合、支援者が家に来てくれるサービスです。相談支援事業所、保健所、精神保健福祉センター、NPO団体などが提供しています。
相談支援事業所です。サービス等利用計画の作成、定期的なモニタリング、生活全般の相談、適切な支援先の紹介などをしてくれます。訪問での相談も可能です。
精神科訪問看護です。看護師が自宅を訪問し、健康状態のチェック、服薬管理、生活リズムの改善、外出の練習などを支援します。医療機関に申し込みます。
保健所や精神保健福祉センターです。引きこもり相談窓口があります。保健師や精神保健福祉士が対応します。家庭訪問もしてくれます。
ひきこもり地域支援センターです。都道府県や政令指定都市に設置されています。引きこもりに特化した専門機関です。家族向けの相談も充実しています。
発達障害者支援センターです。発達障害がある場合、専門的なアドバイスを受けられます。本人だけでなく家族の相談もできます。
地域活動支援センターです。就労にこだわらず、創作活動や社会交流の場を提供します。通所が難しい場合、訪問プログラムがある場合もあります。
就労継続支援B型事業所です。プレッシャーが少なく、自分のペースで通えます。週1回から、午後からの参加でも可能な事業所もあります。体験利用から始められます。
自立訓練生活訓練です。生活スキルを身につけるためのサービスです。通所だけでなく、訪問型もあります。最長2年間利用できます。
ピアサポートです。同じ経験をした当事者からのサポートが有効です。当事者会や家族会に参加します。オンラインでの交流もあります。
オンラインサービスです。通所が難しい場合、オンラインでの支援プログラムを提供している事業所もあります。自宅にいながら社会とつながれます。
支援者としての対応
支援者専門職としての対応について説明します。
信頼関係を築くことを最優先にすることです。焦らず、本人のペースに合わせる、批判せず受け入れる、安心できる存在になるなどです。信頼関係がないと、何も始まりません。
訪問を継続することです。反応がなくても、定期的に訪問し続けます。ドア越しに話す、手紙を置いていくなど、つながりを保ちます。
家族への支援も重要です。親の話を聞く、家族の負担を軽減する、家族関係の調整をするなどです。家族が疲弊すると、本人も苦しみます。
小さな変化を見逃さないことです。カーテンが開いた、返事があった、ドアが少し開いたなど、小さな変化を認識し、適切に対応します。
環境調整を行うことです。家族への助言、利用できるサービスの提案、生活環境の改善提案などをします。
多職種連携を行うことです。医療、福祉、行政など、様々な専門職と連携します。一人の支援者だけでは限界があります。
長期的な視点を持つことです。数ヶ月、数年かかることを前提に支援します。短期間での成果を求めません。
親自身のケア
親自身のケアも非常に重要です。
自分を責めないことです。育て方が悪かったのではないか、何が足りなかったのかと自分を責めがちですが、原因は複雑で、親だけの責任ではありません。
完璧を求めないことです。すべてを解決しようとしない、できることをすればいい、休むことも必要だと理解します。
一人で抱え込まないことです。家族、友人、専門家、家族会など、誰かに話します。吐き出すことが大切です。恥ずかしがって隠さないことです。
自分の時間を持つことです。趣味、友人との交流、外出など、子ども以外の時間を持ちます。親自身の人生も大切です。
夫婦で協力することです。一人に負担が偏らないよう、夫婦で役割分担します。夫婦間のコミュニケーションを大切にします。意見の違いがあっても、話し合います。
家族会に参加することです。同じ悩みを持つ親と支え合う、情報交換する、孤立を防ぐなどです。
カウンセリングを受けることです。親自身がカウンセリングを受けることで、気持ちの整理ができます。対処法も学べます。
健康管理をすることです。自分が健康でいることが、子どもを支える基盤です。定期的に健診を受ける、適度な運動をする、十分な睡眠を取るなどです。
将来の計画を立てることです。親亡き後のことも考え、成年後見制度、グループホーム、経済的な準備などを始めます。
期待を手放すことです。こうあるべきという期待を手放し、今の子どもを受け入れることです。期待が親子を苦しめていることもあります。
まとめ
障害者が家にこもる状態は、本人にとっても家族にとっても深刻な問題です。
家にこもる状態としては、外出しない、社会参加していない、家族以外との交流がない、自室にこもる、身だしなみの乱れ、昼夜逆転、趣味や興味の喪失、長期間続いているなどがあります。
原因としては、過去のトラウマ、対人恐怖、自己肯定感の低さ、感覚過敏、精神疾患、適切な居場所がない、家が安全地帯、働く必要性を感じない、体調不安定、コミュニケーション不安、親の過保護、きっかけとなる出来事などがあります。
影響としては、身体的・精神的健康の悪化、社会性の喪失、生活スキル低下、認知機能低下の可能性、孤立感、将来への展望の喪失、経済的自立困難、親の負担増大、きょうだいへの影響、年齢を重ねるほど復帰困難、8050問題などがあります。
親がやってはいけない対応としては、叱る・責める、無理やり外に出す、放置、過保護、お金を無制限に与える、他者と比較、感情的になる、期待の押し付け、一人で抱え込む、すぐに結果を求めるなどがあります。
親がすべき適切な対応としては、現状を受け入れる、本人の気持ちを聞く、焦らない、責めない、コミュニケーション維持、家の中での役割、生活リズム支援、情報提供、専門家相談、医療機関受診、関わり方見直し、経済的線引き、家族会参加などがあります。
段階的なアプローチ、利用できる支援とサービス、支援者としての対応、親自身のケアも重要です。
障害者が家にこもることに悩んでいる親御さんや支援者の方は、一人で抱え込まないでください。多くの家族が同じ悩みを持っています。専門家や支援機関の力を借りてください。焦らず、責めず、長期的な視点を持って、小さな一歩を積み重ねてください。本人のペースを尊重し、段階的なアプローチを心がけてください。親や支援者自身も大切にしてください。必ず道は開けます。希望を持ち続けてください。

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