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重度訪問介護は、障害者総合支援法に基づく障害福祉サービスのなかでも、特に支援の必要度が高い方に対して提供される重要なサービスです。長時間にわたる支援が可能であることや、外出時にも利用できることから、重度の障害のある方の生活を支える重要な制度となっています。この記事では、重度訪問介護の対象者と利用条件、サービス内容について詳しく解説します。
重度訪問介護とはどういうサービスか
重度訪問介護は、重度の肢体不自由または重度の知的障害もしくは精神障害があり、常に介護を必要とする状態にある方に対して、居宅での介護から外出時の支援まで、長時間にわたって一体的に提供するサービスです。
通常の居宅介護と異なり、入浴や食事といった特定の場面だけでなく、一日を通じた継続的な支援として提供されることが特徴です。また外出先での支援も含まれるため、社会参加や地域生活の維持に大きく貢献するサービスとなっています。
重度訪問介護の対象者
基本的な対象要件
重度訪問介護の対象者は、以下のいずれかに該当する方です。
重度の肢体不自由者であって常時介護を要する状態にある方として、障害支援区分が区分四以上であり、二肢以上に麻痺等がある方のうち、障害支援区分の認定調査項目のうち歩行、移乗、排尿、排便のいずれも支援が不要以外と認定されている方が対象となります。
重度の知的障害または精神障害者であって常時介護を要する状態にある方として、障害支援区分が区分四以上であり、障害支援区分の認定調査項目のうち行動関連項目の合計点数が十点以上の方が対象となります。
障害支援区分の要件
重度訪問介護を利用するためには、障害支援区分が区分四以上であることが必要です。これは六段階ある区分のうち上位三つに該当する高い支援必要度を意味します。
障害支援区分は市区町村による認定調査と医師の意見書をもとに決定されます。区分の認定を受けていない場合は、まず市区町村の窓口に申請することが必要です。
身体的な要件
肢体不自由を理由として重度訪問介護を利用する場合は、二肢以上に麻痺等があることが要件のひとつとなっています。ここでいう二肢以上とは、両腕、両脚、片腕と片脚といった複数の肢体に麻痺や機能障害がある状態を指します。
さらに認定調査項目のうち歩行、移乗、排尿、排便の四項目について、全てが支援不要以外と認定されていることが必要です。これは日常生活の基本的な動作において常に支援が必要な状態であることを確認するための要件です。
行動関連項目の要件
知的障害または精神障害を理由として重度訪問介護を利用する場合は、認定調査項目のうち行動関連項目の合計点数が十点以上であることが要件となっています。
行動関連項目には、コミュニケーション、説明の理解、異食行動、多動や行動停止、自らを傷つける行為、他人を傷つける行為、不適切な行為、突発的な行動、過食、嘔吐等の行動、てんかん発作等の項目が含まれます。これらの項目の合計点数によって支援の必要度が評価されます。
入院中の重度訪問介護の利用
平成二十八年の制度改正により、重度訪問介護の対象者が入院した場合でも、一定の条件のもとで重度訪問介護のヘルパーが病院に来て支援を行うことが可能となりました。
入院中の重度訪問介護は、医療行為以外の生活援助や意思疎通支援等が対象となります。病院のスタッフだけでは対応が難しいコミュニケーション支援や、特定の方法でしか食事ができないといった特別な支援が必要な場合に有効な制度です。
ただし入院中の利用については、病院側の理解と協力が必要であるほか、医療行為との区別について注意が必要です。利用を希望する場合は、相談支援専門員や市区町村の担当窓口に相談することをおすすめします。
重度訪問介護で提供されるサービス内容
重度訪問介護で提供されるサービスの内容は、居宅における日常生活全般にわたる支援と外出時の支援に大きく分けられます。
居宅での支援として、入浴、排泄、食事等の身体介護、調理、洗濯、掃除等の家事援助、生活に関する相談や助言、移動の介護、体位変換、痰の吸引等の医療的ケアに関連した支援、外出の準備といったものが含まれます。
外出時の支援として、移動中の介護、外出先での身体介護、意思疎通支援といったものが提供されます。通院、買い物、趣味や余暇活動、社会参加といった様々な目的の外出に対応しています。
重度訪問介護の重要な特徴として、一日を通じた継続的な支援が可能であることが挙げられます。通常の居宅介護では特定の時間帯の支援に限られますが、重度訪問介護では長時間にわたる支援が認められるため、常時見守りや随時対応が必要な方の生活を支えることができます。
重度訪問介護と他のサービスとの違い
居宅介護との違い
居宅介護は区分一以上の方が対象であり、特定の時間帯に特定の行為を支援する形で提供されます。重度訪問介護は区分四以上の重度の障害がある方を対象としており、長時間にわたる一体的な支援として提供される点が大きく異なります。
また重度訪問介護は外出時の支援も含まれますが、居宅介護の外出時支援は通院等の特定の目的に限定されています。
行動援護との違い
行動援護は知的障害または精神障害により行動上著しい困難がある方への外出支援が中心のサービスです。重度訪問介護は居宅での支援も含む総合的なサービスであり、肢体不自由の方も対象となる点が異なります。
重度訪問介護と行動援護を同時に利用することはできませんが、それぞれの対象要件や支援内容を確認したうえで、より適切なサービスを選択することが重要です。
支給量と利用者負担
重度訪問介護の支給量は、本人の状態や必要な支援の内容によって市区町村が決定します。必要な支援量が十分に確保されるよう、アセスメントの段階で本人の生活状況や支援の必要性を詳しく伝えることが重要です。
利用者負担は原則としてサービス費用の一割ですが、所得に応じた負担上限月額が設定されており、一定以上の負担が生じないよう配慮されています。生活保護受給者や市区町村民税非課税世帯の方は負担上限月額がゼロ円となる場合があります。
申請から利用開始までの流れ
重度訪問介護を利用するためには、市区町村の障害福祉担当窓口への申請、障害支援区分の認定調査、サービス等利用計画の作成、支給決定、事業所との契約という手順を経ることが必要です。
申請の際は、障害者手帳や医師の診断書、日常生活の状況を詳しく説明できる資料を準備することが、適切な支援量の確保につながります。
相談支援専門員への相談を早めに行うことで、申請手続きや必要な書類の準備について専門的なサポートを受けることができます。
まとめ
重度訪問介護の対象者は、障害支援区分が区分四以上であり、肢体不自由を理由とする場合は二肢以上の麻痺等と特定の日常生活動作への支援が必要な方、知的障害または精神障害を理由とする場合は行動関連項目の合計点数が十点以上の方です。長時間にわたる一体的な支援と外出時の支援が可能なこのサービスは、重度の障害のある方の地域生活を支える重要な制度です。利用条件や手続きについて不明な点がある場合は、市区町村の担当窓口や相談支援事業所に相談することをおすすめします。

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