試用期間中に精神疾患でクビになる可能性と対処法

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初めての方は、基礎知識と不安解消をセットで押さえると安心です。

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「試用期間中に体調を崩した」「精神症状が悪化して欠勤が続いた」「会社から試用期間で雇用を終了したいと言われている」「試用期間中に解雇されることはあるのか」と、不安を抱える障害者の方は少なくありません。試用期間中の解雇は、本採用後の解雇よりも企業側の自由度が高いとされ、精神疾患のある方にとっては特に大きな不安要素となります。本記事では、試用期間の法的位置づけ、試用期間中の解雇の実態、対処法、再就職への道筋について整理します。

試用期間の基本

試用期間について理解しておきましょう。

試用期間とは、入社後の一定期間、本人の適性、能力、人柄などを評価する期間です。

期間は企業によって異なりますが、3か月から6か月が一般的です。1年に及ぶ場合もあります。

試用期間中も、正式な雇用契約が結ばれた状態です。給与の支給、社会保険の加入、有給休暇の付与など、労働者としての権利は保障されています。

試用期間と研修期間を混同しないようにします。研修期間は教育のための期間で、試用期間とは別の概念です。

試用期間中の解雇、いわゆる本採用拒否は、本採用後の解雇よりも認められやすい傾向があります。ただし、無制限に自由ではなく、客観的に合理的な理由が必要です。

労働基準法では、入社14日以内の解雇は、30日前の解雇予告や予告手当の支払いなしで可能とされています。14日を超えた後の解雇は、通常の解雇と同様の手続きが必要です。

精神疾患を理由とした解雇

精神疾患を理由とした試用期間中の解雇について、見ていきましょう。

法律上、障害を理由とした不当な差別は、障害者差別解消法、障害者雇用促進法で禁止されています。

「精神疾患があるから解雇する」という、障害そのものを理由とした解雇は、違法となる可能性が高いものです。

ただし、企業側は「業務遂行能力が不足している」「適性に問題がある」「合理的配慮を提供しても業務継続が困難」などの理由で、解雇を主張することがあります。

合理的配慮を尽くしたかどうかが、重要な判断ポイントです。企業が合理的配慮を提供せずに解雇した場合、不当解雇となる可能性があります。

逆に、企業が合理的配慮を提供したにもかかわらず、業務遂行が極めて困難な状況が続いた場合、解雇が認められる可能性もあります。

試用期間中の解雇でも、客観的に合理的な理由と、社会通念上の相当性が必要です。

精神疾患の症状の悪化、長期欠勤、業務への影響なども、解雇の理由となり得ますが、企業側が合理的配慮を尽くしているかどうかが問われます。

解雇通告を受けた時の対応

試用期間中に解雇通告を受けた時の、最初の対応を整理します。

冷静に通告内容を確認します。何が決定されたのか、いつから適用されるのか、解雇の理由は何かを、丁寧に聞き取ります。

書面での通告を求めます。口頭での通告だけでは、後の手続きで証拠が不足することがあります。解雇通知書、解雇理由証明書などの書面を、企業に請求します。

労働基準法上、労働者は解雇理由証明書の交付を請求する権利があります。

すぐに退職届を出さないようにします。退職届を出してしまうと、「自己都合退職」となり、不当解雇として争うことが難しくなります。

事実関係を整理します。これまでの経緯、合理的配慮の有無、業務での状況、医師の診断書、欠勤の理由などを、時系列で整理します。

証拠を集めます。雇用契約書、就業規則、メールやチャットのやり取り、業務指示の記録、医師の診断書、欠勤届などを、保管しておきます。

主治医に相談します。現在の症状、業務との関係、医学的な意見などを確認します。

専門家に相談します。労働基準監督署、労働局、弁護士、社会保険労務士、労働組合などに、状況を相談します。

不当解雇への対抗

解雇が不当だと考える場合の対抗手段を整理します。

労働基準監督署への相談は、最初の選択肢です。労働基準法違反、合理的配慮の不提供、不当解雇などの相談ができます。

労働局の総合労働相談コーナーも、無料で利用できます。助言、指導、あっせんなどの解決手続きが、案内されます。

弁護士への相談も有効です。労働問題、障害者の権利に詳しい弁護士は、不当解雇の対抗、損害賠償請求、復職交渉などを支援してくれます。法テラスを通じて、収入が一定以下の方は無料法律相談を利用できます。

労働組合、特に個人加入できるユニオン、合同労組などへの相談もできます。集団の力で団体交渉することで、解決の道が開けます。

労働審判は、労働関係の紛争を迅速に解決する制度です。原則3回以内の期日で結論が出ます。

裁判、いわゆる訴訟も選択肢ですが、時間と費用がかかります。

これらの対抗手段を取るかどうかは、状況の深刻さ、求める結果、自分の体調、経済状況などを総合的に判断します。

解雇を受け入れる場合

解雇を受け入れる選択もあります。

解雇に対抗する精神的、時間的、経済的コストが大きい場合、受け入れて次に進む選択も合理的です。

解雇予告手当、いわゆる解雇予告がなされなかった場合の補償を確認します。30日前の予告がない場合、30日分以上の平均賃金が支払われる必要があります。

未払い賃金、残業代、有給休暇の消化、退職金などを確認します。

離職票の取得を、忘れずに行います。次の手続きに必要な書類です。

ハローワークで「特定理由離職者」または「特定受給資格者」として認定される可能性があります。これにより、雇用保険の給付制限期間が短縮される、給付日数が増えるなどのメリットがあります。

健康保険、年金の切り替え手続きも、迅速に進めます。

主治医、家族、信頼できる人との対話で、心のケアを行います。

再就職への道筋

試用期間中に解雇された場合の、再就職への道筋を整理します。

体調の安定を最優先にします。解雇のショックから、症状が悪化することがあります。療養期間を取ることも、選択肢の一つです。

主治医との連携を続けます。次の就労に向けた準備を、医師と相談しながら進めます。

経済的な備えを確認します。雇用保険、傷病手当金、障害年金、各種手当などを活用します。

支援機関の活用を始めます。ハローワークの障害者専門窓口、地域障害者職業センター、就労移行支援事業所、障害者就業生活支援センターなど、複数の支援機関に相談します。

就労移行支援事業所の利用が、有力な選択肢です。最長2年間の総合的な就労支援が受けられます。

障害者専門の転職エージェントに登録します。dodaチャレンジ、アットジーピー、サーナ、ランスタッドチャレンジド、LITALICOワークス、Manaby Worksなどに登録します。

過去の解雇経験について、転職活動でどう語るかを準備します。「前職での経験から、自分に必要な配慮が明確になりました」「次の職場では、長期就労を実現したいです」と、前向きに語ります。

ジョブコーチ支援を活用します。次の職場での定着支援が、入社後の安定につながります。

試用期間を乗り越えるための予防策

そもそも試用期間で解雇されないための、予防策も整理します。

入社前の事前準備を徹底します。自分の障害特性、必要な合理的配慮を、明確に整理しておきます。

合理的配慮を、入社時に書面で合意します。雇用条件通知書に、配慮事項を明記してもらいます。

入社後すぐに、上司、人事、産業医、ジョブコーチなどとの関係を築きます。困った時に相談できる相手を、複数確保します。

業務での確実な貢献を心がけます。最初は基本的な業務を、ミスなく確実にこなすことが、評価の基盤です。

体調管理を最優先にします。主治医との通院、薬の服用、規則正しい生活など、心身の健康を維持します。

無理を重ねないようにします。「試用期間中だから頑張らなければ」と無理を重ねると、症状が悪化します。

困った時はすぐに相談します。問題を一人で抱え込まず、上司、産業医、ジョブコーチ、主治医などに相談します。

定期的な振り返りを行います。業務の状況、体調、人間関係などを、自分でも定期的に振り返ります。

まとめ

試用期間中の精神疾患による解雇は、合理的配慮の不提供や差別的解雇に該当する可能性があり、すべてが認められるわけではありません。解雇通告を受けたら、冷静に状況を確認し、書面での通告を求め、すぐに退職届を出さず、事実関係を整理し、証拠を集め、主治医と専門家に相談します。労働基準監督署、労働局、弁護士、社会保険労務士、労働組合などへの相談で、不当解雇への対抗が可能です。解雇を受け入れる場合も、解雇予告手当、未払い賃金、離職票などを確認し、特定理由離職者の認定を目指します。再就職への道筋として、体調の安定、主治医との連携、経済的な備え、ハローワーク、地域障害者職業センター、就労移行支援事業所、dodaチャレンジ、アットジーピー、サーナ、ランスタッドチャレンジド、LITALICOワークス、Manaby Worksなどのサポートを活用します。法テラスを利用すれば、収入が一定以下の方は無料法律相談を受けられます。明るい未来は、必ずあなたの前に開かれています。

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